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真景累ヶ淵 其の一 再々演
今年の春からスタートした、志ん輔師匠の「真景累ヶ淵」全段口演。その始まりである《真景累ヶ淵 其の一》が、浅草演芸ホールで再再演されます。
全ての発端である「宗悦殺し」から原本を忠実に再現しながら「お園殺し」「新五郎逐電」までを口演します。


浅草三昧 夜席 志ん輔独演会 〜 三遊亭圓朝作「真景累ヶ淵」其の一



■開演日時
10月31日(水)19:00〜(開場18:30)

■出演
古今亭志ん輔
作曲 / 桑原ゆう
演奏 / 三瀬俊吾(ヴァイオリン)
本篠秀慈郎(胡弓)
竹本聖子(チェロ)
ゲスト / 大空遊平・かほり

■会場
浅草演芸ホール 

■チケット代金
前売2,700円、当日3,000円(全席自由)

■チケット取扱い
華のん企画チケットコール 03-6806-0598 
(10:00〜18:00 日・祝日除く)

■問合せ
華のん企画 03-5917-4845 
(10:00〜18:00 日・祝日除く)

詳細はこちらのページをご覧下さい。


あの浅草演芸ホールで私の音楽が演奏されるなんて、びっくりです!スタジオイワト、国立演芸場、とすぐに席がなくなってしまった貴重な公演です。気になっていらっしゃった方は、ぜひお見逃しのないようにお願い致します。
参考に、スタジオイワトでの初演の様子国立演芸場での再演の様子もご一読くださいませ。どのように音楽をつけているかについても、書いてあります。

チェロの藤井泉ちゃんがドイツにいるため、今回は竹本聖子さんが引き受けてくださり、また改めて皆で頑張ります。
まだ余裕があるようですので、当日、仕事が早く終わったから急に、ということでも大丈夫です。
どうぞよろしくお願い致します


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 2012/10/28 21:42  この記事のURL  /  コメント(0)

ツグカジライブとヒバリ
先週、ふたつのコンサートが無事に終演致しました。
ひとつめは、19日のTsuguKaji-KOTOさんによる《夢恋ひ怪談》の初演です。

会場の神田の家は、こんな素敵な趣き。





コンサートの始めと休憩時間に、神田の家に関しての説明が少しありました。内装もとても素敵で、全国の銘木、良材が随所に使用されていて、松、桧、杉など表情の異なる木々に熟練した職人の技が活かされている、と説明されていました。お部屋の天井を見るだけでもそれがわかり、ため息が出るほどでした。詳しくはぜひ、神田の家のホームページをご覧になってみてください。

演奏が行なわれたのは、急勾配でせまい、古民家ならではの階段をのぼり、左手の和室です。



やはり箏の音は和室が良く合います。リハーサルの時は、まだ外が騒がしかったのですが、だんだん夜になり、開演時間が近づくと、あたりはしんと静まり返り、聴こえるのは虫の声のみ。その中を、絃の音が冴え渡っていました。

《夢恋ひ怪談》については、こちらに詳しく書きましたのでぜひ読んで頂きたいのですが、本当に素晴らしい作曲の機会を頂きました。自分のやりたいことを存分に試せる機会を頂き、嬉しくてわくわくして、絶対良い曲にしたいとのぞんだのですが、いざ曲を書き始めてみると、こんな曲で大丈夫かしら...とすごく不安でした。でも、おふたりに気に入って頂いて、素敵な初演にして頂いて、感激でした!
こちらに書きましたとおり、怪談がテーマとはいっても、お化け屋敷のような表面的に怖い曲でなく、足を踏み入れてはいけない、でも覗いてみたくなってしまう...そんな妖しげな世界観を、言葉と音で描きたいと思いました。怖がらせようと作品をつくったわけではないのに、怖かったと何人かの方に言っていただけたのは、大成功の初演だったと思います。日本語がすんなりと入ってくる、という感想も、普段から、日本語の音やリズムを自然に聴かせることに気をつかっているつもりですので、とても嬉しかったです。また、もともと昔からあった曲のように聴こえた、という感想も、嬉しく思いました。小林秀雄先生が「伝統」という文章で、「夢殿の救世観音を見ていると、その作者というような事は全く浮んでこない。それは作者というものからそれが完全に遊離した存在となっているからで、これは又格別な事である」という、志賀直哉の言葉を引用されていますが、私は、今までになく新しいのに「作者という様なものを考える必要が全くない程、目の前にある作品の姿が美しい」、そのような音楽を書くのが夢なのです。

1番嬉しかったのは、TsuguKajiのおふたりに、私のつくりたかった音楽の姿がしっかり伝わっている、と思えたことでした。私がスコアに込めた音の姿を、ちゃんと共有できたように思いました。私にとって、現代音楽を書く醍醐味はそこにあるのです。引き続き《夢恋ひ怪談》を育てていただけたら嬉しいです。またどこかで再演もしていただけるようです。

打ち上げのあとに、TsuguKajiのお姉さまおふたりと撮った写真 (Facebookから拝借致しました!)



左から、山本亜美さん、私、梶ヶ野亜生さんです。お姉さまたち、これからも宜しくお願いします!ライブの様子は神田の家のブログにも掲載されていましたので、よかったらご覧下さい。



ふたつめは、21日の東日本大震災チャリティーコンサート -『ヒバリ』からの曲を集めて-。ヒバリプロジェクトのために書かれた作品から、16曲が演奏されました。

私の曲は、7月にこちらで配信された《今際のうた》。ヴァイオリンとピアノのための作品です。プログラムノートはこちらをご覧下さい。

このコンサート、16名の作曲家による新曲が一気に聴けて、いまの日本の現代音楽のカタログのようでした。ヴァイオリン、フルート、ピアノという限られた編成だからこそ、作曲家それぞれのアプローチがとてもよく表れていて、しかもひとつひとつが小品なので、とても聴きやすかったです。実際今回は、現代音楽のコンサートは初めて、というような友人も聴きにきてくれたのですが、そういう人にも聴きやすくとっつきやすい、良いコンサートだったと思います。

作品の発表があると、いつも聴きにきてくれる写真家の友人が、ヒバリのコンサートについて、こんな感想を書いていました。

「現代音楽作曲家100人参加のチャリティープロジェクト。
そのコンサートに行った。
眠りに関する主題が多かったのが何だか面白かった。
肉体的で感覚的で、会話っぽくて楽しいものが多い。楽器も拡張された肉体として良く遊ばれてる。管楽器はそのまま咽頭の表象だし、ピアノはしばしばお腹(蓋の中の弦のとこ)に手をつっこまれたり異物入れられたりして、子供に遊ばれる実験動物みたいでもある。
こういう音楽を、子供とか、ふつうに多くの人たちが楽しめば良いのになと思う。非和声的なものが多いから観念的で難しいと言われそうだけど、慣れれば分かる。
地方のコンサートホールは何百年も前に死んだ人の曲ばっかやってないでさ。
いや、べとべんも大好きだけど。」

もちろん、古典には素晴らしい作品がたくさんあって、それらを聴くのも良いけれど、現代音楽にはまた違った良さがある。価値が約束されていない作品を手に取ることはなかなか難しいかもしれないけれど、価値を見つけていく面白さがある。そう思ってくれる人がひとりでも増えるように、作品づくりを頑張りたいと思います。


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 2012/10/26 00:57  この記事のURL  /  コメント(0)

明日は公園通りクラシックスへ
昨日の《夢恋ひ怪談》初演、満員のお客様で、大成功のうちに終了致しました。本当にありがとうございました!
レポートはまた書きたいと思います。

そして、明日はこちらにぜひお越し下さいませ



東日本大震災チャリティーコンサート -『ヒバリ』からの曲を集めて-
2012/10/21 (日) 開場14:30 開演15:00
@公園通りクラシックス
料金 / 1,000円
演奏 / 間部令子 (flute)、三瀬俊吾(violin)、大須賀かおり(piano)
お問い合わせ / em.em.em.charity@gmail.com



ヒバリプロジェクトのために書かれた作品を集めた、宝箱のようなコンサートです。このコンサートを聴いて頂くだけでも、日本のいまの現代音楽シーンが見えてくるかもしれません。
出品作曲家と演奏順は次のようになっています。(以下、敬称略です。)

山本哲也、木ノ脇道元、夏田昌和、桑原ゆう、
溝入敬三、たかの舞俐、Kris Tiner、Dan Di Maggio
- 休憩 -
川島素晴、江原大介、木下正道、台信遼、
藤原典子、金子仁美、坂本紘作、南聡


私の曲は、7月にこちらで配信された《今際のうた》。ヴァイオリンとピアノのための作品です。プログラムノートはこちらをご覧下さい。

配信時に、ライブでも聴きたいという声をたくさん頂き、それが実現してとても嬉しいです。どうぞよろしくお願い致します。


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 2012/10/20 14:13  この記事のURL  /  コメント(0)

夢恋ひ怪談
週末にふたつ、作品の発表があります。
ひとつは、唄い語りながら弾くスタイルで、日本の楽器と言葉による独自の活動を行っているユニット「TsuguKaji-KOTO」のライブです。私の新曲《夢恋ひ怪談》の初演がメインのライブとなっています。

こーんな素敵 なフライヤーを作ってくださいました





すっっっっっごく可愛い あまりにも私好みのデザイン
ピンクと黒の色の組み合わせも、彼岸花も大好き。《夢恋ひ怪談》のイメージにぴったりで、初めて見たときにはびっくりしてしまいました。作品から私の好みまで読み取ってもらっているようで、すごく嬉しかったです。


TsuguKaji-KOTO 「夢恋ひ怪談」
2012/10/19 (金) 開場18:00 開演19:00
@神田の家 (御茶ノ水駅聖橋口より徒歩5分)
料金 / 3,500円 (ドリンク付き)
演奏 / TsuguKaji-KOTO (梶ヶ野亜生、山本亜美)
プログラム / 桑原ゆう《夢恋ひ怪談》委嘱新作・世界初演
      1. あゐうゑをかいだん 2. 牡丹燈籠 3. 夢見囃子 4. 反魂香
      5. 人でなしの恋 6. 夢ちがえ
      他



《夢恋ひ怪談》は、TsuguKaji-KOTOさんの委嘱で書かせて頂きました。TsuguKaji-KOTOの編成、つまり、十七絃、二十五絃、三絃の弾き語り唄いのスタイルで、「怪談」をテーマに、組曲でお願いします、と伺いました。また、他の曲と一緒に演奏しやすいよう、箏の調弦は標準のものを基準に、ということでした。それらの制限以外は、曲の長さも内容も自由で、最終的には上記のように、6曲から成る作品となりました。通すと約30分あります。

委嘱のはなしを伺ったとき、TsuguKaji-KOTOさんのアルバムをいただきました。試聴ができるので、ぜひぜひリンク先を見てみてください。聴いてみるとおわかりの通り、TsuguKajiならではの独特の世界観があり、且つ、とても聴きやすいのです。まさに、TsuguKajiのために作られたと言えるような作品たちと、それらを実現する素晴らしい演奏。アルバムの完成度がかなり高く、ここにどう切り込んでいけばよいのかな、となかなかのプレッシャーでした。
しかしながら、言葉と音を扱うという、まさに私の興味の中心に突っ込んで作曲ができる、素晴らしい機会。作曲を志すものとしては、TsuguKajiの新しい一面を引き出せるような作品にしたい、とのぞみました。そして、今までに能の謡や声明、落語などを勉強し、それらを編成に含む作品を書いてきたことをしっかりと活かし、日本語の音やリズムの美しさを損なわず、音と言葉が渾然一体となった音響を目指しました。また、TsuguKajiのテイストにもちゃんと寄り添いたかったので、いつもの私の作品より、わかりやすく聴きやすいように思います。


怪談がテーマということで、まずは、テキスト選びからスタートしました。怪談というと、幽霊やお化けの、いわゆるヒュードロドローなイメージが一般的ですが、ただ怖かったり驚かされたりだけの、お化け屋敷やホラー映画、心霊写真のような、表面的な怪談の作品にはしたくないと思いました。私は普段から、この世とあの世の交わるところ、また、そのあわいの世界を音楽で描きたいと思い、作曲しているのですが、怪談にも現実世界と異界とをつなぐような要素があります。そこで、この世とあの世のはざまで生と死をさまよう存在としての霊や命を描き、怪談の持つ妖しく幽玄な世界観を前面に出そうと思いました。

《夢恋ひ怪談》の「夢」が表すように、不気味な「おそろしさ」ではなく、不思議で神秘的な「おそろしさ」を感じる物語をそろえました。「恋」が表すように、1曲目をのぞいたすべての物語が、恋物語を伴う怪談話です。また、「夢恋ひ」という言葉は、夢を恋う、夢を乞ふ(又は、請ふ)など、非現実の世界を追い求める気持ちも掛けた言葉になっています。


1曲ずつ説明していきますと...

1. あゐうゑをかいだん
この曲は、参考にした文献はありません。能の謡や声明を勉強しているうちに、日本語の大きな特徴は母音の扱いにあると気付き、母音だけを使った曲を書いてみたいと思っていましたので、それに挑戦しました。奏者が発音する言葉は「あ、い、う、え、お、わ」のみです。言葉は音の作曲と同時進行で、音を扱うのと同じように考えていき、最終的には呪文のようなテキストができあがりました。

2. 牡丹燈籠
「牡丹燈籠 (ぼたんどうろう)」は、中国明代の小説「剪灯新話」に基づいてつくられた、三遊亭圓朝による怪談噺です。旗本飯島平左衛門の娘、お露は浪人の萩原新三郎に恋したあげく焦れ死にをします、そして...。
古今亭志ん生の「牡丹燈籠」をもとに、テキストをおこしました。いま、同じく三遊亭圓朝作の「真景累ヶ淵(しんけいかさねがふち)」全段口演を、志ん輔師匠とご一緒しているので、そのつながりも意識しつつの作曲になりました。

3. 夢見囃子
次の「反魂香」も落語の演目ですので、その出囃子、というイメージです。言葉はなく、十七絃と三絃のためのとても短い曲です。

4. 反魂香
古典落語「反魂香」からテキストをおこしました。実は、昨年の淡座の公演で「反魂香」を作曲していて、その一部をふくらませたような作品です。
夜中に鉦をたたいているお坊さんのところに、八五郎がうるさくて寝られないと掛け合いに来ます。お坊さんは名を道哲といい、元は島田重三郎という浪人でありました。彼は、吉原の三浦屋の高尾大夫と取り交わした「反魂香」を焚き、高尾の回向をしているというが...。
語り、歌、能の謡のような発声、科白のような発声など、様々な声の使い方を一曲の中で扱ってみました。

5. 人でなしの恋
随分前からお気に入りの、江戸川乱歩の「人でなしの恋」をもとにテキストをおこしました。人形愛を扱ったホラー小説です。
当時19歳だった京子は、知人の紹介で、門野という地元の名士の所へお嫁入りします。門野は憂いのある美青年で、京子を精一杯愛してくれます。最初は、門野の愛に有頂天になっていた京子でしたが、だんだんと彼の愛がまやかしであることに気づき始めました...。
唄の部分は、主に声明の講式を参考にしています。この《夢恋ひ怪談》の中で、特にお気に入りの曲になりました。

6. 夢ちがえ
澁澤龍彦の「夢ちがえ」をもとにした作品。この「夢ちがえ」も以前『入れ子物語』という作品で扱ったことがあります。
真奈子姫が生まれつき耳がきこえず、城から垣間見る外だけが彼女にとっての世界でありました。ある日、いつものように外を見ていると、田楽の一行が演じていて、その中の一人の男・小五郎に恋をします...。
クライマックスで烏天狗の出てくるシーンを、特に取り上げました。

曲を聴いて頂いたあとにでも、ぜひ原作を読んでいただきたいです。


一昨日リハーサルがあったのですが、かなり弾き込んでくださっていて、すごく嬉しかった!「弾きこまないと、こんな難しい曲弾けないよー笑」って言われちゃいましたが!!
普通に考えて、口と手を同時に使うだけでも大変だと思うのですが、私の曲は、言葉と音楽のテンポ感をわざとずらし、多層的な時間をつくろうとしているところが多く、また、発声の仕方も頻繁に変えないといけないので、演奏が本当に難しいと思います。様々なことが同時に起こっていて、それを効果的に演奏してくださっているので、よく耳をすまして聴いて頂きたいです。

19日のライブはもう定員がいっぱいで、当日券の発売も残念ながら無いのですが、また演奏の機会があるんじゃないかなと、初演の前から期待しております。そして、初演が本当に楽しみ!文化財指定の神田の家という空間も、曲の世界観を深めてくれそうで、わくわくします。


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 2012/10/17 00:16  この記事のURL  /  コメント(0)

アンサンブル室町 第1回レクチャーコンサート
昨日、アンサンブル室町レクチャーコンサートが無事に終演致しました。
近江楽堂という素敵な空間での、楽器のレクチャーを交えながらのコンサート、聴衆に「良く聴くこと」を促してくれる、とても良いコンサートでした。



ゲネプロ中の3人の演奏家と、指揮をしているのは、もうひとりの委嘱曲の作曲家リ・ウィ・ギョンくん。彼の曲、エネルギーにあふれた緊張の持続が気持ちよく、とても魅力的でした。(私の曲は指揮は無しで演奏しました。)
近江楽堂は教会のような響きで余韻が長く、リュートやバロックチェロにはとても合っているようでしたが、日本の環境に合わせて作られている尺八にはちょっと響きすぎの感があり、バランスをとるのに苦労していましたが、ゲネプロが進むにつれてだんだん慣れていきました。

今回のレクチャーコンサート、リハーサルから、3人の奏者と密なやり取りを重ね、一緒に音楽をつくりあげていくことができました。私の曲は、今回の《またたきのあわい》に限らず、お互いの音を良く聴くことを高度に要求するのですが、練習が進むにつれて、3人の耳がさらに研ぎ澄まされていくのを感じることができ、それが音につながり、演奏に陰影が出てきて、とてもやり甲斐がありました。そして、そのプロセスが聴いてくださる方にも伝わるとよいなと思っていました。演奏者は私の曲の最初の聴衆ですから、やはりまず、演奏者に何か発見があってほしい、そして、その演奏を聴いてくださる方々にも発見のある作品をつくりたい、といつも思っています。

《またたきのあわい》については、ひとつ前のブログにプログラムノートを載せましたので、ぜひご一読ください。色々な感想をいただき、私の作りたかった空間がよく伝わった初演になったようで、この機会をくださったアンサンブル室町と3人の素晴らしい演奏家には本当に感謝致します。どうもありがとうございました。


次は、明日デュッセルドルフで、フルートソロの為の《オヒャライヴァリエーション》が演奏されます。カミラ・ホイテンガさんによる再再演です。カミラさんがブログにプログラムノートを載せてくださっているので、よろしければこちらをご覧下さい。(でも、いつぞやに書いたプログラムノートなので、今よりさらに英語がひどいかもしれません... そして、生まれ年は1982年でなく、1984年です。)お近くにお住まいの方にはぜひ聴いて頂きたいです。

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 2012/10/05 23:45  この記事のURL  /  コメント(0)

Profile
桑原ゆう (くわばら・ゆう)
桑原ゆう, Yu Kuwabara

作曲家。1984年12月7日生まれ。
2007年東京藝術大学音楽学部作曲科卒業、2009年同大学大学院音楽研究科(修士課程)修了。在学中より国内外の音楽祭、セミナー等に参加し作品発表を始め、Akademie Schloss Solitude (ドイツ)、武生国際音楽祭、impuls (オーストリア)、ミラノ国際博覧会、ロワイヨモン作曲講習会 “Voix nouvelles” (フランス)、ルツェルン音楽祭 (スイス)などで作品が取り上げられている。第74、75、78回日本音楽コンクール作曲部門入選。一部の作品は Edition Wunn (ドイツ)より出版されている。2009年度トーキョーワンダーサイト国内クリエーター制作交流プログラムに選抜され、トーキョーワンダーサイト青山クリエーター・イン・レジデンスに滞在して活動。
近年は声明や民俗芸能等の取材を重ね、それらを扱う作品を精力的に発表、また、同世代の演奏家と立ち上げた「淡座」で古今亭志ん輔氏との公演を重ねるなど、日本の音と言葉を源流から探り、文化の古今と東西をつなぐことを主なテーマに創作を展開している。他、NHKラジオドラマ、ファッションブランドのランウェイショーなどの音楽を作曲し、様々な分野と交流して創作活動を行う。池田雅延、茂木健一郎の両氏による、小林秀雄を学ぶ『池田塾』1期生。

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随筆「音楽の起りと歌の起り」
小林秀雄に学ぶ塾 同人誌「好・信・楽」創刊号 (2017年6月号) 掲載

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<今後の作品発表予定>
2017.07.07-16, Bobbio (Piacenza), Italy
Divertimento Ensemble International Workshop for Young Composers V edizione

2017.07.15 (Sat) 21:00-22:30, Auditorium Santa Chiara, Bobbio (Piacenza), Italy
十の聲 (2017) 世界初演
I concerti dell’International Workshop for Young Composers
Divertimento Ensemble, Sandro Gorli (cond)
詳細はこちら

2017.07.24 (月) 19:30開演 @六本木クラップス (東京都港区六本木3-16-33 青葉六本木ビルB1)
Bill Evans《Waltz for Debby》/ Jimi Hendrix《Purple Haze》(2017) 委嘱編曲・世界初演
音和座
演奏 / 邦楽ゾリスデン [吉澤延隆 (箏)、福田智久山 (尺八)、本條秀慈郎 (三味線)、前川智世 (箏)]

2017.08.12-28, Luzern, Switzerland
LUCERNE FESTIVAL ACADEMY Composer Seminar

2017.08.19 (土) 19:00開演 @東京アートミュージアム (調布市仙川町1-25-1)
二つの聲 (2017) 委嘱新作・世界初演
うつろひの花 / ソプラノトランペットと笙のバージョンによる (2014)
東野珠実・曽我部清典デュオ「真夏の夜の星筐」
演奏 / 東野珠実 (笙)、曽我部清典 (トランペット、ゼフュロス)
詳細はこちら

2017.07.26 (Sat) 15:00-16:30, KKL Luzern, Lucerne Hall, Luzern, Switzerland
影も溜らず (2017) 世界初演
Identities 5 | Ensemble of Lucerne Festival Alumni
Lucerne Festival Academy Composer Seminar Performance
Ensemble of LUCERNE FESTIVAL ALUMNI, Yutaka Shimoda (solo vn), Johanna Malangre (cond)
詳細はこちら

2017.08.30 (Wed) 21:00-, RADIO SRF 2 Kultur NEUE MUSIK IM KONZERT
《影も溜らず》ラジオ放送
Werkschau des《Composer Seminar》
詳細はこちら

2017.09.16 (土) 17:00開演 @市田邸 (東京都台東区上野桜木1-6-2)
セレナード (2017) 世界初演
かたち、あや、あるいはすがた (2017)
Rush《ホケトゥス風ライムライト》(2016) 編曲
作曲者不詳《おいらが、小っちゃな餓鬼の頃》(2017) 編曲
〜新秋の市田邸で、『“げん”結び―音楽と文学―』を愉しむ!〜「十二夜、あるいは、タイムトラベル!?」
演奏 / 柴田友樹 (朗読)、市川泰明 (テノール)、佐藤翔 (チェロ)
主催 / NPO法人たいとう歴史都市研究会
詳細はこちら

2017.09.25 (月) 18:00-19:00, NHK-FM横浜放送局
NHKFM横浜放送局「横浜サウンド☆クルーズ」出演
バックステージツアー〜音楽堂・県民ホール〜
FM横浜81.9MHz、小田原83.5MHz
詳細はこちら

2017.09.39 (土) 14:30開演 @公演通りクラシックス (東京都渋谷区宇田川町19-5 東京山手教会B1F)
George Gershwin《I Got Rhythm》(2017) 委嘱編曲・世界初演
眞美子とゆかいな仲間達 vol.3『Trioでおくる 紺碧のとき』
演奏 / 寺井真美子 (ピアノ)、佐藤翔 (チェロ)、齋藤綾乃 (打楽器)
詳細はこちら

2017.11.02 (Sat) 19:30-21:00, French Parlor, Founders Hall, USD: University of San Diego, U.S.
Mystische Miniature (2017) 委嘱新作・世界初演
New Musical Geographies II
Christopher Adler (khaen)
詳細はこちら

2017.11.04 (土) 15:00開演、14:30よりプレトーク @神奈川県立音楽堂 (神奈川県横浜市西区紅葉ヶ丘9-2)
月の光言 (2017) 委嘱新作・世界初演
神奈川県立音楽堂・伝統音楽シリーズ 聲明「月の光言(こうごん)」
出演 / 声明の会・千年の聲 (迦陵頻伽聲明研究会と七聲会による)
構成・演出 / 田村博巳
詳細はこちら

2017.11.05 (日) 15:00開演 @ノワ・アコルデ音楽アートサロン (大阪府豊中市服部本町2-5-24)
三つの聲 (2016) 関西初演
ルツェルン音楽祭アカデミーメンバーの演奏で聴く 〜スウェーデンと日本の未来のクラシック音楽〜
演奏 / レン・アンサンブル | Paula Hedvall (ヴァイオリン)、桑原香矢 (ヴィオラ)、大西泰徳 (チェロ)
詳細はこちら

2017.11.18 (土) 13:30開演 @東京国立博物館内応挙館 (東京都台東区上野公園13-9)
もみぢつゝ (2017) 委嘱新作・世界初演
音和座「もみじして」
演奏 / 宮田まゆみ (笙)、本條秀慈郎 (三味線)
詳細はこちら

2017.11.18 (土) 15:00開演 @京都市立芸術大学 大学会館ホール (京都市西京区大枝沓掛町13-6)
三つの聲 (2016)
パウラ・ヘドヴァル 北欧の作曲家とヴァイオリン現代奏法レクチャー&コンサート
演奏 / レン・アンサンブル | Paula Hedvall (ヴァイオリン)、桑原香矢 (ヴィオラ)、西村まなみ (チェロ)
詳細はこちら

2017.12.22 (金) 19:00開演 @新宿FACE (東京都新宿区歌舞伎町1-20-1 ヒューマックスパビリオン新宿歌舞伎町7F)
Moon Spell (2017) 委嘱新作・世界初演
アンサンブル室町 in 歌舞伎町!ー祝10周年ー
演奏 / アンサンブル室町
詳細はこちら



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