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有力デザイナーとトウキョウベース
メゾンミハラヤスヒロの会社であるソスウがトウキョウベースと資本業務提携されることが発表されました。トウキョウベースは、ファクトタムも傘下にしています。

今年は、他にもファセッタズムが人材派遣・コンサルティングサービスのバーサスタイルの傘下に入るなど、有力日本人デザイナーが代表を務める会社の経営変化が目立っています。

このような会社が、他の会社の傘下に入ると、ネガティブな声が聞かれることがありますが、私はデザイナーにとっては悪いことではないと思います。デザイナービジネスは業界内評価と売上にギャップもあり、資金や経営ノウハウがやりたいことに追いついていないものです。特に、海外に打って出るならなおさらです。海外でショーを行うことはもちろん、展示会をやるだけで大変なリスクです。そして、3年は続けないと成果は出ません。それらを、志を同じくするパートナーと組むことでクリアにできる可能性があるかと思います。

しかし、これまで失敗例がなかったわけではありません。どちらかというと失敗した例が多かったのではないでしょうか。創業デザイナーの思いとビジネスパートナーの狙いが一致しないことも多いようです。

ただ、今回のトウキョウベースの例はこれまでと違うようにも思うのです。同社は日本ブランドを海外へ進出するということをスローガンとしてきました。すでにヨーロッパでコレクションを行うソスウや展示会出展を始めているファクトタムと志も同じですし、取引関係にありますので、良い関係なのかもしれません。

デザイナーたちよりトウキョウベース側の方が、多くの苦しい局面を迎えるかもしれませんが、初志貫徹で、これまでと違うハッピーエンドになることを願いたいと思います。



(写真 18年春夏ロンドンメンズでのメゾンミハラヤスヒロのショー)

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 2017/08/30 15:56  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

行く店・来る店・さばく店
AI接客、パーソナルショッピング、声がけ不要バッグ・・・と、接客について色々な取り組みが生まれています。今日は久しぶりに、店づくり、接客について考えてみたいと思います。

自分専門家の時代、「アプローチされなくても買い物できる」と思っている消費者も多い一方、売上を上げなければならない企業とのせめぎ合いから色々と取り組みなされいるのだと思うのです。

コンサルティングでお邪魔している企業の皆様も、大変悩んでいます。

その時に、思い浮かぶのが「行く店・来る店・さばく店」という言葉。これは前職で教えてもらったもの。客数と接客スタイルの関連性を言い表した言葉です。

「行く店」というのは、「店から行かなければならない」という意味で、客数がとても少ない店のあり方を表しています。イメージとしては、買い上げ率25%以上の店でしょうか。代表的なのは、地方の専門店でしょう。このような店は、完全顧客対応が必要です。顧客の顔を思い浮かべて仕入れをしたり、顧客向けイベントを行って価値観共有をしたりして、顧客と共に生きて行く店です。だいたい気持ちの良いお声がけができ、そして会話も弾んで、良い買い物ができます。

今は、このような店はだいぶ少なくなってきました。このような店が生き残るのが難しい世の中になったのでしょう。しかし、今、地方では、厳しい環境に生き残ったため、素晴らしい対応をする店と出会えます。私が地方に行く楽しみの一つです。また、このような地方の専門店だけでなく、ブームに乗っていないラグジュアリーブランドの路面店、百貨店の大人対象店なども、今やこのタイプになると思います。このタイプが陥りやすいのが、顧客偏重の対応です。顧客はどんどん卒業していきますので、新規客を魅了するための取り組みが必要です。そのためには、ブログやSNSで自店のポリシーと発信し、来店前の期待と来店後の満足を高めること、あと新規客の視点での店づくりをしていくことでしょう。

「来る店」というのが、SCやファッションビルにあるお店などです。イメージとしては買い上げ率10%から25%未満でしょうか。これらの店は、お声がけモレが起きやすい店ですので、アプローチ強化という命題が掲げられることも多いでしょう。しかし、悩みが多いのもこのタイプ。「さばく店」ほど来店客数が多くなく、「行く店」ほど店頭対応力がない。そのような場合は、自店の客数が減少傾向にあるのか増加傾向にあるのかということを見極め、「行く店」「さばく店」の対応手法で導入できる部分を入れると良いのではないかと思います。

「さばく店」というのは、入店客数の大変多い店で、買い上げ率10%未満、多くは5%前後ぐらいではないでしょうか。人気のグローバルSPA、集客力のある百貨店の一等地ショップなどがまさにそうでしょう。この「さばく店」は、人的対応に頼らない店づくりを行うことが多いようです。海外の低価格店舗などはこれに徹しています。例えば、ユニクロはアプローチなどをすることはないですが、笑顔や基本動作、レジ対応などで感じの良さを伝達して、同じタイプの中で差異性を発揮しています。また、海外では、パーソナルショッピングなど「行く店」の手法を取り入れいているSPA店舗もあったりします。これまでの「さばく」だけでなく、「行く店」の良いところをデジタルの力で導入するようになって行くのでしょう。

実は今は「行く店」の良いところをどのようにできるかを考えている企業が多いのです。単純作業は、仕組みで解決し、店の本来価値であるサービスを人の力で対応しようとしているのです。

消費者や販売スタッフの意識の変化、店内業務の改善、人手不足など様々な課題はありますが、「人的サービス不要」みたいな論調で、いろいろ言われるのはやはり違和感を覚える次第です。



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 2017/08/29 15:02  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

ファッションウィークと商業ブランド
10月16日から21日まで行われる「アマゾンファッションウィーク東京」。その参加デザイナーのリストが発表になりました。

同ファッションウィークのデザイナーたちをカテゴライズすると、「ミセスプレタ」「東京モード」「東京ストリートモード」「ポップカルチャー」「産地系」「海外招聘」で構成されていました。そして、さらに「商業系」がここ数年加わっています。

「商業系」では、これまでアーバンリサーチの「KBF」、アダストリアの「ハレ」、アバハウスの「5351プールオム」、「ピーチジョン(別枠参加)」などが参加してきました。そして、今年は「ハレ」に加えて、アダストリアの「グローバルワーク」、東京ベースの「ユナイテッドトーキョー」も参加します。

このような「商業系」ブランドの参加には、「ファッションウィークらしくない」「才能を育成する主旨に反している」などの反対意見もありますが、私は多いにアリだと思います。消費者や商業をもっと巻き込むことでファッションウィークの存在感が出るからです。

もちろん、「新進気鋭の発見」、「東京ファッションのアイデンティティ確立と発信」「アジアのファッションキャプタルとしての地位向上」という役割も果たした上ですが、そちらについてはまた、ファッションウィークが始まったら、お伝えしたいと思います。

さて、この「商業系」ブランドの参加は、世界のファッションウィークに目を向けても、異例なことではなく、東京は少し保守的だったように思います。

例えばニューヨークではバナナリパブリックやJクルー、ロンドンではトップショップなどが参加。オフィシャルスケジュール外ではありますが、H&Mはパリコレシーズンでコレクションを発表しました。各国を代表するSPAが各ファッションウィークに参加しているのです。

特にトップショップは、ロンドンファッションウィークでは無くてはならない存在で、若手デザイナー支援、オフィシャル会場の提供などを行っています。できれば、ユニクロが東京ファッションウィークで、トップショップのような役割を担って欲しいぐらいです。

欧米のようにラグジュアリーなビッグブランドがないのが日本。だったら、リアルクローズの雄が業界を盛り上げて欲しいと思う次第です。

トップショップがサポートした合同ショー「ファッションイースト」会場

(Photo by Takaaki Miyake、Feb 2017)

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 2017/08/28 14:46  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

ボンマルシェもデジタル強化
世界で初めての百貨店として知られるパリ左岸の「ボンマルシェ」。LVMHグループの総力をあげて、すっかりラグジュアリー百貨店となり、その後、メゾン館を充実させ、高級ライフスタイル百貨店になりました。そして、今年6月に新たなサイト「24 Sevres」をローンチ。

24 Sevres」は、ボンマルシェの住所。ルイヴィトンやヴァレンティをはじめとする150を超えるブランドを取り扱うECのほか、サービスやソリューションも充実。ライブ動画を通してのスタイリストによる接客、世界75か国への発送、ボンマルシェでの店舗受け取りが可能なクリック&コレクトサービスなどを提供しています。IOS版のアプリもリリースしました。

私が6月にボンマルシェに行った時は、1Fで「24 Sevres」のポップアップショップを開催。サイネージに囲まれたブースにはタブレット設置し、試用体験を提供。取り扱っているハイブランドのバッグを、インスタレーション形式で展示していました。

LVMHグループは、新たなプラットフォームとして位置付けています。ラグジュアリーブランドの巨大グループ傘下という商品調達メリット、世界最古の百貨店でありながらコンテンポラリー&ラグジュアリーな空間を持つボンマルシェという場とイメージ。いち百貨店のサイトという範囲で止まるのか、リシュモングループ傘下の「YOOX Net-a-Porte」に迫るのか、今後が気になるところです。

そして、このような動きが、パリで出ている点に注目したいと思います。世界のファッションキャピタルを見ると、デジタルに対して新しい取り組みをしているのはNYです。しかし、NYでの取り組みは、ファッズ的なものが多いのも事実。多くが姿を消しながら、その中で残ったものが次の時代を創っているように感じます。EC化率世界トップクラスの英国の首都、ロンドンではNYで残ったものが多く見られます。そして、デジタルに超保守的なのがフランス。イタリアやドイツより、デジタルの取り組みが大きく遅れています。そのフランスで、このような取り組みがなされるということが大きな意味を持つと思う次第です。

◆ボンマルシェの「24 Sevres」ポップアップ






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 2017/08/20 11:23  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

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山中 健(やまなか たける)
ファッションビジネスコンサルタント
大手百貨店、外資系ブランド、大手経営コンサルタント会社を経て、ファッションビジネスコンサルタントとして独立。アパレル業界を中心に、ライフスタイルショップ、百貨店、SCなど幅広い業態に対しマーケティングやMD、リテール、海外進出のコンサルティングを手掛ける。トレンド分析、市場調査、戦略策定などのマクロなテーマから、個店支援、研修などの現場へのブレイクダウンまで様々なテーマのコンサルティングに対応可能。

また、欧米、アジア、国内のコレクション取材やファッションマーケット調査を数多く行っており、国内外のファッションビジネスの動向を語ることができる貴重な存在として注目されている。

2009年にアパレルウェブコンサルティングファーム主席研究員、2011年にアパレルウェブ編集長就任。

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