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欧州先端百貨店の平場回帰が意味すること
ここ数年、欧州の先端百貨店のリニューアルを見に行くと、自主編集のブランド平場が多くなっていることに気づきます。

アメリカのバーグドルフやバーニーズ、日本の伊勢丹のようなブランド平場が、セルフリッジ、ボンマルシェ、そして今年リニューアルオープンしたプランタンに誕生してます。

日本のファッション好きの方からすると、「伊勢丹みたい」という感想で終わったしまいそうですが、これは、小売とモードを取り巻く環境の変化に対応しているのだと思います。

1.ファッションマニア対応の必要性
ハイファッションの主要顧客は、富裕層、エリート、ファッションピープルです。これは今も変わりませんが、ファッションピープルと若いファッションコンシャスのマニア化が進んでいます。一般層のファッションに対しての関心が低下していますが、ファッションに興味がある層の知識はますます深化しているのです。今は、SNSやウェブで情報をどんどん収集でき、ビッグメゾンも新進デザイナーもフラットに評価されています。コレクションデビューしたばかりでも、話題を呼んだデザイナーは、すぐに知られます。一方、ビジネスではビッグメゾンと新進デザイナーでは、資本、マーチャンダイジング力に大きな差があります。本来であればビッグメゾンや大手アパレル企業で売場ができれば、百貨店側としては手間がかかりません。以前の欧州百貨店がそうだったように。しかし、マニア化するファッション購買層に対応するためにはイキのいい新進デザイナーが必要です。しかし、このマニアが好きな新進デザイナーは、店を持てません。また、百貨店にインショップを持つこともできません。そのため、百貨店が編集した売場が出来上がるのでしょう。

2.強かった専門店が弱体化
かつては、ヨーロッパは専門店が強いマーケットでした。ハイファッションを購買する富裕層やエリート、ファッションピープルを顧客に持つ専門店が、その街のリテールシーンをリードしてきました。新進デザイナーにとっても、インキュベーション的存在でした。しかし、今、専門店のビジネスは非常に厳しくなっています。地方都市ならまだしも、ファションキャピタルの家賃を払うための粗利を確保するのは至難の技です。そのため、店を閉じたり、 ECシフトしたりして、淘汰され、新進デザイナーたちの受け皿がなくなってきています。この役割を先端百貨店が担うようになっているのでしょう。

欧州の先端百貨店の平場回帰が示すのは、ハイファッションの購買層が“狭く濃く”なっているという事実なのではないでしょうか。


プランタンパリ メンズ館

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 2017/07/31 17:36  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

ナイキ キックス ラウンジ 表参道
7月28日にオープンした「ナイキ キックス ラウンジ 表参道(NIKE KICKS LOUNGE 表参道)」。私は一足先に、内見会にお邪魔しました。


「ナイキ キックス ラウンジ」は、“地域に根ざしたスタイル”をコンセプトした業態。圧倒的なグローバルプレイヤーのナイキの、ローカライズコセンプトショップといえそうです。

場所は、東京のストリートを象徴するキャットストリート。ストリートスタイルと消費者を中心に据えた同店では、ナイキの商品を独自のキュレーションしているのが、特徴です。ナイキストアなどでは、ランニング、バスケット、ジョーダンブランドなどのカテゴリー別陳列が基本ですが、同店では、それらをアパレルと合わせてミックスしています。このキュレーションには、ショップスタッフの意見を反映させていくとのことだそうです。独立系セレクトショップのようなMDアプローチですね。

これらの、独立系的アプローチとともに、ナイキならではのテクノロジーと資本だからこそできるサービスも魅力。2Fには、テーラーリングコーナーを設置。Tシャツなどのアパレルへのプリントカスタマイズに加え、ヘミング(縁仕上げ)やカットオフ(丈調整)サービスも行っています。そして、店頭では、nike.comでの購入することで指定住所への配送、全国12,000店のコンビニ受け取りも可能。

また、ナイキだからこそ集められたアーティストたちのワークにも注目。山口歴氏によるスニーカーボックスを使用したウォールアート、サカナクションの山口一郎氏がスタートさせた「NF」に青山翔太郎氏が加わった「NF SOUND CREW」が手がける音楽、東京を代表するアーティストたちによるディスプレイなど、ナイキのネットワークと力を感じます。

グローバルとローカル、リアルとデジタル、相反する要素から、消費者が魅力を感じる部分だけをすくいあげており、これからの店舗のあり方に指針を示す事例だと感じた次第です。





Courtesy of Nike

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 2017/07/30 13:08  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

コレット閉店ニュースに思うこと
昨晩、欧米のファッションオンラインニュースが取り上げたパリのセレクトショップ「コレット閉店」のニュース。今年の12月20日で、20年の歴史に幕を閉じるそうです。

とても寂しいですね。パリのファッションリテールのあり方を変えた同店。それまでは、閉鎖的だったブティックが中心だったパリ。誰でも気楽に見られる販売形態、ファッション、アート、ライフスタイル関連品をミックスした商品構成、ハイブランドでも躊躇しない独自編集、セレクトショップだけにとどまらずショールーム的に機能も備えたビジネスモデル。いつも勉強になる店でした。

先月は、バレンシアガが2F全体を使って期間限定店を開き、そのあとはサカイも続き、ショーケースとして変換していくのかと思った矢先だったのでショックでした。

このようなショックとともに、やはり時代の変化を感じます。ヨーロッパの有名セレクトショップの多くは、ECを強化。ECが、3分の2の売上を占める店も珍しくありません。歴史あるマッチーズもルイザ・ヴィア・ローマは、店名の最後に“.com”とつけるほどで、セレクトショップがECサイトをやっているというよりも、ECサイトがリアルショップをやっているかのようなです。NYでは、リアルショップを閉じて、EC専業となる例も。粗利の低い”純然たるセレクトショップ“が、家賃の高い世界の一等地で店を構えることの厳しさも感じます。

コレットは、H&Mとのコラボレーションを発表。もしかしたら、その先に、コレットをブランドとして展開したりするのかもしれせんね。期待を込めて。。。。



写真は、先月行ったコレット。バレンシアガがテイクオーバーした斬新な空間が印象的でした。

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 2017/07/13 07:20  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

レトロユース
今シーズンは、古いユースムービーに出てきそうな若者を描いたルックが多く見られました。このトレンドは、4シーズン前からロンドンメンズで荒削りな感じで出始め、3シーズンぐらい前にランバンが磨きあげました。

その後、アウトドアトレンドに押され気味でしたが、今シーズンは広がりが見え始めています。キーアイテムは、オープンシャツとスラックス。カラーは、ベージュや赤、褪せたパステルなどレトロなもの。柄は太いストライプが典型的なものです。また、ドリスヴァンノッテンが大人ムードに、マルニがロマンチックに仕上げたのが、印象的。

ショー会場でも、このルックが多く見られました。トップトレンドから、ミッドトレンドに落ち始めるかもしれません。

先に挙げたハワイアントレンドもこのレトロユースのリゾート版と言えるでしょう。

◆ランバン

Courtesy of Lanvin

◆ドリスヴァンノッテン

Courtesy of Dries Van Noten

◆マルニ

Courtesy of Marni

◆エチュード

Courtesy of Etudes


Via Collection by Apparel-web

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 2017/07/04 11:25  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

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山中 健(やまなか たける)
ファッションビジネスコンサルタント
大手百貨店、外資系ブランド、大手経営コンサルタント会社を経て、ファッションビジネスコンサルタントとして独立。アパレル業界を中心に、ライフスタイルショップ、百貨店、SCなど幅広い業態に対しマーケティングやMD、リテール、海外進出のコンサルティングを手掛ける。トレンド分析、市場調査、戦略策定などのマクロなテーマから、個店支援、研修などの現場へのブレイクダウンまで様々なテーマのコンサルティングに対応可能。

また、欧米、アジア、国内のコレクション取材やファッションマーケット調査を数多く行っており、国内外のファッションビジネスの動向を語ることができる貴重な存在として注目されている。

2009年にアパレルウェブコンサルティングファーム主席研究員、2011年にアパレルウェブ編集長就任。

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