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2016年「MD WATCHING」記事ベスト10
2016年も、もう少しで終わりですね。そこで、今年、こちらのブログで多くの方に読んでいただいた記事を元に今年を振り返りたいと思います。

1.アパレルも”サードプレイス的発想”の時代
来店客数ダウンが続くアパレルショップ。海外などではサードプレイス的な発想の店が見られることをお伝えした記事が、もっとも多くの方に読んでいただきました。世界有数の高スペース効率を誇る東京なので、なかなか取り組みづらいテーマですが、地方店などでは有効かと思います。また、都心でもテクノロジーやオムニチャネルを組み合わせれば可能かと思います。

2.セレクトショップの雄が放つ2大コンセプトストア
ユナイテッドアローズとビームスが開いた新店のレポートです。この2店もサードプレイス的発想の店舗だと思います。ユナイテッドアローズは、秋に服のミュージアム的店舗を六本木ヒルズに開きましたね。

3.17SSメンズコレ ランウェイではタックパンツはもはや基本
数シーズン前から、「どうなんだろう」という感じで、ルーズパンツやタックパンツについて書いています。すでにセレクトショップチェーンや大人マーケットでも見かけるタックパンツ。ファッションコンシャス層と年配無頓着の間にある、ニューノーマル層にどれだけ広がるか気になるところです。

4.ザ・パーキング/業態として注目すべき3つのポイント
2017年春に建て替えのために、取り壊されるソニービル。その地下にある、ジュングループの大型セレクトショップに関する記事です。その後もプレビューパーティーを開いたり、ミッドナイトマーケットを開いたり、新たな取り組みが刺激なる店舗です。

5.日本版ライフスタイルセンター「枚方T-SITE」
CCCが創業の地に開いた、CCC流百貨店。まさしくサードプレイス的発想の店舗です。枚方のあの地にあのような店が出来て、ビックリしたのを良く覚えています。今の日本で、マストチェック筆頭店舗と言えるかもしれません。

6.マリン&ウォークが旬な理由
爆買いの余韻が残る頃のオープン。国内外の観光客を魅了できるSCとして取り上げました。日本における高度化した観光商業施設として、今後の施設に影響を与える施設と言えます。

7.2016年NYレポート2 ヘルシー&スロー
現在のライフスタイルのキーワードでもっともパワフルなものでしょう。「ヘルシー&コンビニエンス」が日本の主流ですが、スローで不便だけど幸せを感じるような業態が、食以外にも広がっていてくでしょう。

8.2016秋冬 東京ファッション・ウィーク 私的ベスト5
今年の3月のファッション・ウィークまとめ記事です。また、このシーズンは、メルセデスベンツが冠スポンサーとして行った最後のファッション・ウィークとなりましたね。

9. イセタン ザ ジャパンストア
今月のレポートです。ミッションとリアル、コンセプトと商売、プロダクトアウトとマーケットイン、相反する課題に悩んでいる様子を書かせていただきました。しかし、日本のファッション&コンテンツのために、リスクを背負って取り組む伊勢丹は本当に立派だと思います。

10. 2016年NYレポート1 観光商業の上質化
今年のNYレポートの第一弾となるレポートです。あからさまなインバウンド対応でなく、国内外の観光客を魅了する取り組みを紹介させていただきました。

月に4本ペースでの投稿ですので、母数が少ないですが、「トレンド、新業態」が共通項でしょうか。来年も、皆さまに読んでいただけるよう精進してまいります。お付き合いのほどお願いいたします。

皆さま、どうぞ良い年末年始をお迎えください。

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 2016/12/30 13:28  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

そして韓流ファッション小売は広がる
アセアンによるファッションのボリュームマーケット。そこでのアジアのプレイヤーの勢力図は変わっていっています。10年ぐらい前は、香港系の企業(ジョルダーノ、ボッシーニ)とローカルプレイヤーという構図。そして5年ぐらい前にユニクロの快進撃が続き、香港系企業のシェアを奪いました。その当時、中国やヴェトナムでは韓国勢が強く、香港や台湾、シンガポール、マレーシアは親日とされてきましたが、今、それが変わってきています。

マレーシアでも、1年前から韓国企業のファッション小売の出店が増えています。これは数々のストアブランドを持つE-land グループがマレーシアの百貨店グループ百盛(パークソン)と組んだためです。元々、韓国と中国の百貨店チャネルに強かった同社。SCチャネルブランドが少なかったのですが、開発を進め、カジュアル業態のSPAO、レディス業態MIXXO、シューズ業態SHOOPENなどを中心地やパワーSCの一等地に出店しています。

価格は、ユニクロと同じかちょっと安い価格。ユニクロ以上ザラ以下がアジアのボリューム価格ですから、それよりコスパを感じさせる値付けとなります。また、スキンケアの分野でも韓国プレイヤーが増えています。

コスパと韓流エンターテインメントパワーが強力に後押しとともに韓流ファション小売が広がりを見せているようです。








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 2016/12/28 07:35  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

小売業が海外進出するということ
欧米やアジアで、日本の小売業の進出を見るにつけ、非常に難易度の高い挑戦だということを実感します。

そもそも、小売業というのはローカルに向く業種。商圏内顧客のニーズにあわせて商品を仕入れるのですから、仕入れる商品の多くはローカル商材となります。そのため、海外企業というアイデンティティを貫くのは、難しくなります。

コンビニエンスストアやスーパーマーケットのように最寄性の高い業態は、ローカル生業店を保護する法律を施行している国も多いです。そういう国の店は、保護の下、安穏としている場合が多く、品揃えが悪いので、規制緩和されると一気に外資が進出していきます。先日、行ったマレーシアもそうです。コンビニに外資進出するのが規制されていますが、今後緩和されるため、外資が地元資本と組んで進出しています。ちょうど私が行った時に、ファミリーマートがオープン。行列ができるほどの賑わいです。このように、マーケットサイズの大きく、高度化が進んでいない市場に進出するのであれば、外資の小売業は優位性があるでしょう。

また、小売業であればローカライズがどこまでできるかが、重要になります。イオンなどはまさしく、ローカライズで売上を伸ばしてきた代表です。多民族国家のマレーシアでは、中華系が多い地域とマレー系の多い地域では、品揃えを変えて対応しています。

また、百貨店もローカライズをしてきました。日式百貨店(香港や台湾のそごう、中国の久光、新光三越など)や日系百貨店(伊勢丹、シンガポールの高島屋)も欧米や、アジア、日本、ローカルブランドをニーズにあわせて対応してきました。

しかし、アパレルブランドやファッションSPAはそうはいきません。徹底したイメージコントロールとプロモーションでブランディングしていかなければなりません。だから、費用を捻出できる値入れ率が必要なのです。そのため、大手セレクトショップは、セレクトショップという小売業態というよりも、PBをブランド化し、ブランドショップとして戦略を組んでいるものです。

小売業が海外進出するには徹底したローカル化、もしくはブランド化していかなければならいのです。



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 2016/12/27 10:35  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

イセタン ザ ジャパンストア
マレーシア・クアラルンプールの「イセタン ザ ジャパンストア」に行ってきました。ロット10というショッピングセンターにあった伊勢丹を改装した店で、クルージャパン機構と三越伊勢丹グループが合同で取り組んだ百貨店です。日本ブランドの海外進出を促進するインキュベーションのような店です。

第一印象は「イセタンサローネみたいだ」です。日本の伝統文化をモダンに変換したインテリア、東京のトップクリエーターが手がけるブランドたち。まさしくトレンド時差のない東京の最先端を、熱帯の大都会クアラルンプールに持ってきたという感じです。

日本にあれば、間違いなく格好いい、そして売れる店でしょう。しかし、クアラルンプールの店は、来店客数が著しく少ない。「ショールーム」としては上出来ですが、「店」としての売りには時間がかかりそうな様子でした。

店舗は、5層構造。地下が食品、1、2Fがファッション、3Fがインテリアとビューティー、4Fが文化雑貨とギャラリーです(フロア表記は日本式)。

一番来店客が多いのは、地下食品のイートインコーナー。しかし、それでも開店直後と比べると激減しているそうです。地上階は、フロア全体で来店客がゼロと言う時間帯もあったようです。

そのためか、開店直後になかったコンセプトとそぐわない当座商材が所々に見かけました。地下1階は、開店直後のポップアップスペースの後に流通菓子のコーナーを設置、メンズウェアのコーナーでは、欧州系の大衆ブランドのトランクを販売していました。店としての売りについて、現場が考えた結果なのかもしれません。

全部日本ブランドでまとめると、このような問題が生じます。最初は、コンセプチャルなので、人が来ますが、「1回行けば十分」という結果になります。そのため、繰り返し反復購買してもらうための仕掛けが必要ですが、物販部分では、そこができていないようです。

ファッションはどれも、クアラルンプールマーケットの中では超上澄み。グローバルなデザイナーと同価格となります。そのため、富裕層を狙っているのですが、グローバルプレイヤーやラグジュアリーブランドは、近隣のラグジュアリーモールに溢れんばかりに揃っています。地元富裕層や海外からの旅行者の多くはそちらを選ぶでしょう。価格で上澄みにするなら、ドーバーストリートマーケットのように、日本ブランドを中心にしながらデザイナーやブランドの出身国に幅を持ってトレンド編集をするべきでしょう

日本にこだわるなら、価格幅を下方に広げることが必要でしょう。デザイナーブランドだけでなく、リアルクローズブランドまで取り揃えるなど。また、今や世界のブランドとなったユニクロや無印良品などとコラボするなどの取り組みなどがあったら、面白いものになるかもしれません。

あと、期中商材の仕入れ体制を整えることも必要でしょう。展開してるブランドの多くは、クアラルンプール初となる日本ブランドが多いことから、同店が買い取りでやっているのではないかと推測します。日本ブランドを、国際取引で買い取ると、期中に穴が開いてしまいます。百貨店が得意とする売上仕入れを行うことで、商品調達が安定しますが、日本のブランドを扱っている現地ブランド商が少ないのが現状です。1Fではコムデギャルソンが大きく展開していますが、これはアジアの大ブランド商「クラブ21」が手がけているからでしょう。

このように、同店が背負うミッションは、崇高で難易度の高いものです。日本のファッション業界からすると「時間かけてしっかりとやる」というのが本来のあるべき姿ですが、企業経営の視点で考えると「早急にMD変更」となります。

日本ファッションのマーケット性、百貨店体質、すべての課題が集約された店舗とも言えそうです。





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 2016/12/26 11:23  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

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山中 健(やまなか たける)
ファッションビジネスコンサルタント
大手百貨店、外資系ブランド、大手経営コンサルタント会社を経て、ファッションビジネスコンサルタントとして独立。アパレル業界を中心に、ライフスタイルショップ、百貨店、SCなど幅広い業態に対しマーケティングやMD、リテール、海外進出のコンサルティングを手掛ける。トレンド分析、市場調査、戦略策定などのマクロなテーマから、個店支援、研修などの現場へのブレイクダウンまで様々なテーマのコンサルティングに対応可能。

また、欧米、アジア、国内のコレクション取材やファッションマーケット調査を数多く行っており、国内外のファッションビジネスの動向を語ることができる貴重な存在として注目されている。

2009年にアパレルウェブコンサルティングファーム主席研究員、2011年にアパレルウェブ編集長就任。

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