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PAN999 ヘルシー&スローは鍋から
8月27日に行われたサン・ロレンツォ社のPAN999のプレゼンテーションに行ってまいりました。サン・ロレンツォ社は、1970年にミラノで創業した銀製品メーカー。ミラノにショップを設け、さまざまな芸術作品や宗教儀式用製品を発表してきました。1995年と1996年にはロンドンのヴィクトリア&アルバートミュージアムで展覧会を開くなど、デザイン性の高い物作りで注目されています。

そのサン・ロレンツォが、純銀の鍋PAN999を発表しました。純銀の鍋というのは、私たちの身体に大変なメリットをもたらすそうです。このことを知ったのは、今年6月のミラノメンズウィーク。尊敬する現地在住のジャーナリストの方から教えていただきました。その方は、サン・ロレンツォ社を長くサポートされた方で、日本でイベントを行うことを教えて下さいました。以下、その方の紹介文です。

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人々が食材にこだわり始めて日が経ちますが、それらを調理する道具についての理解はまだ不足しているとおもわれます。銀の調理具を使うことによって、鍋の表面から食材の酸化による金属ガスが食べ物に入り込むのを避け、細菌を寄せ付けず、健康な食べ物を作り上げることが出来る、という意味で、銀の鍋は大変に有用です。重要なレストランはすでに銀の鍋で調理をしていますが、一般の人々にはこの情報が行き渡っていないと思います。

昨年の万博のテーマがFOODであったことは、ご存じかと思います。その効果もあって、人々は食材そのものにおおいに関心と注意を向けるようになりました。

しかしながら、それらの選り優れた食材を使いつつ、調理器材は昔ながらの、アルミ鍋やステンレス鍋。あるいはテフロン加工の鍋。金属の性質を知らされることなく、市場に出回っている道具をそのまま使用しているというのが現状です。
 純銀の鍋は、健康第一に考えられた鍋です。純銀は、高い抗菌性を持ち、食物の酸化がもたらす各種の悪性物質(これらが体内に蓄積されるとガンになります)を抑え、食物の発酵を助ける、しかも熱のまわりが早い。といった特性をもっています。
 ミラノ工科大学の金属科学の世界的権威と組んで発明した数種類の特許を入れ込み、トビアスカルパによってデザインされた純銀の鍋は、最良の品質を保つ食材の調理になくてはならない道具なのです。

その上、純銀の鍋で調理した食材は、火が均等に回るために、その味はこれまでの調理器具による結果とは大きく異なっています。

素晴らしく美味しいのみならず、各素材の味が保たれ、煮崩れもなく、食材が一種の発酵作用を起こし、それが体内を回るために、食べた直後は、ワインを少量飲んだ後のような感覚を覚えます。

ともかく、同じ素材で調理しても、アルミやステンレス鍋ですと、冷蔵庫の外に放置した場合、2日後には、思わしくない状態に変わりますが、純銀の鍋で調理したものは4日目になっても変化が見られません。驚くほどの抗菌作用です。

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この紹介文を読んで俄然興味が出て、プレゼンテーションに行った次第です。プレゼンテーション会場は、九段下のイタリア文化会館。会場を入ると、銀の鍋のインスタレーションが目に入ります。このような製品だと、どうしても薀蓄(うんちく)型の展示型になりますが、とてもスタイリッシュ。ミラノで長く注目されるメーカーらしいインスタレーションです。






写真を見て、おわかりになると思いますが、この鍋は、内側が銀で外側が鉄です。ミュランの星つきレストランや余裕のあるオーガニックレストランではすべて純銀の鍋を使っていますが、それだと100万円近くの値に。そこを銀と鉄を電着法(サンロレンツォ社の特許)で合体させ、手頃な価格と機能性(コンロ、オーブン、食洗き洗剤使用可能)を実現させました。

プレゼテーションの他に、お手前や純銀の鍋でこさえたフォンデュなどが振舞われました。






オーガニックの食材を使っても、調理器具に問題があっては、効果を得られない・・・。このことはとても衝撃的ですが、総純銀の鍋は手に入らない。PAN999はまだ日本では販売していませんが、ミラノのサンロレンツォ社から取り寄せることは可能だそうです。イタリアでの販売価格は、コップは230ユーロから、鍋は389ユーロから902ユーロだそうです。

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 2016/08/31 15:27  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

アパレル・ミーツ・クリエーター
今月は、アパレルメーカーの新たな可能性を感じるプレゼンテーションが2つありました。

一つは、瀧定大阪の「KATHARINE HAMNETT EST.1979」、そしてもう一つは株式会社ストライプのKOEとトムブラウンのコラボレーションです。

どちらも、いわゆる百貨店アパレルではなく、新たなチャネルで存在感を示してきた会社です。

瀧定大阪は、素材商社として江戸時代からビジネスを続ける老舗。近年は、オリーブデオリーブ、スタニングルアー、シアタープロダクツなどを傘下に収め、川中、川下への進出を行っていることで話題を呼びました。

今回ローンチした「KATHARINE HAMNETT EST.1979」は、大賀が手がける「KATHARINE HAMNETT LONDON」とは、別のもの。マルイなどの百貨店インショップでお馴染みのあのイメージとはまるっきり違うブランドです。ストリートのスピリットをまとったオーバーフィットなルックが印象的。ウィメンズコレクションですが、ユニセックスKATHARINE HAMNETTの持つアヴァギャルドなイメージは感じさせますが、ロンドンと東京をミックスしたようなイメージ。

そもそも「KATHARINE HAMNETT」自身はすでにデザイナー活動をしていませんので、どのようなアプローチで商品づくりを行ったのか気になったので、いろいろと情報を集めてみると、デザインしているのは東京のストリートモードの旗手として活躍している方のよう。デザイナー名は、未発表。その名前を聞いたら思わずうなるような方だそうです。

チャネルも、専門店、百貨店問わず展開してくそうで、ローンチはプレゼンテーションを行ったオープニングセレモニー原宿、ラブレス、そして西武百貨店の編集売場で展開していくようです。

この取り組みが新しいと思ったのは、クリエーションにあわせたチャネル政策です。百貨店アパレルがこれまでクリエーターを迎えてコレクションを組み立てても、百貨店の顧客がついていけない、受け入れないということが多くありました。

これは、百貨店と一言で言っても、店によって立地環境と客層が異なります。特に、新宿伊勢丹やうめだ阪急のような高感度で高価格のものが売れる店は、10店舗あるかどうかです。それ以外は、本当に保守的な顧客が中心でしょう。そこを百貨店アパレルという縛りで、チャネル展開をしていったことがその敗因でした。

今回の瀧定大阪の取り組みは、クリエーションとチャネル政策を上手く練り上げているといえるでしょう。







そして、KOEとトムブラウンのコラボレーション。この両者の価格と感度のギャップに最初は驚きました。KOEは、岡山から始まったグローバル志向のSPA、まずは地方や中商圏立地に出店をし、東京を、世界を目指してきました。

トムブラウンは、NYのセレブリティに受け入れられてからNYファッション界、そして日本のファッショニスタに根強い支持を集めています。その売上規模はイメージより小さく、経営を拡大するため、2009年に株式会社クロスカンパニー(株式会社ストライプの前身)の傘下に入り、今はアメリカのファンドの投資し、新たな局面を迎えています。

この両者は、同じ会社のブランドでしたが、まるっきり別の経営戦略をとってきましたが、今回コラボレーションを行ったので、びっくりした次第です。

レセプションは、有楽町の阪急メンズで行われました。来場者は、コレクションのフロントロウの常連の雑誌編集長ら、そうそうたるメンバー。その方々が、嬉々として、このコレクションを買っています。彼らはKOEを知るはずもなく、トムブラウンがありえない価格(ジャケット2万6千円、ボタンダウン7千9百円、カーディガン8千9百円)で買えるという、モチベーションで買っていたように見えます。このように、トムブラウン好きの層には響いたようです。

まずは、東京と大阪の阪急メンズ、そしてネットでの販売ですが、KOEのレギュラー店舗でも展開する可能性もあるようです。SCブランドが、いきなりの都心百貨店でのコレクション発表。これも、チャネルに対する業界常識を壊す、新たな取り組みです。

アパレルがクリエーターで出会い、既存の枠にクリエーションを閉じ込めずに、新たなチャネルを拓く。こんな取り組みが、もっと登場して業界を元気にして欲しいものです。







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 2016/08/30 16:20  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

2016年NYレポート5 NYレポート 活況はWEB発、EC軸へ
NYのマンハッタンは人がいっぱい歩いています。観光客がワサワサと。百貨店や大手SPAもそれなりに人は入っていますが、公開されている情報をみると、どこも厳しいようです。

なかでも、路面店のファッションブランドオンリーショップは、閑散している店が多いようです。ラグジュアリーなどは、単価が高いですし、富裕層の上得意客の売上比率が多いですが、ベター〜モデレートグレードで空いた店をみると、心配になってしまいます。

その中、比較的賑わっている店を総括すると、EC軸、もしくはEC発の店です。ブランデイ・メルヴィル、ヴィニーヤード・ヴァインズのように、ECやWEBでの発信力のあるブランドや、EC軸のメガネ業態ワービィ・パーカーやボノボスなどが代表でしょう。

しかし、これらのブランド、商品を見て「うーーん、いいね」と思うようなものではありません。シンプルに、「買いたいと思わせる」マーケティングと、「買える」ためのマーチャンダイジングがしっかりしているのが活況の要因かと思います。

EC発、EC軸ということは、基本セルフです。セルフでも売れる商品づくりがしっかりとされている、つまり「買える」ためのマーチャンダイジングができていたのだと思います。それにプラスして、卓越なターゲティングでWEBやSNSで標的コミュニティに発信し、「買いたいと思わせる」マーケティングをしっかり行っているのでしょう。

WEBやSNSマーケティングが広がる現在、目的来店性が高い店と低い店の差はどんどん開いていくのではないでしょうか。

◆ブランデイ・メルヴィル



◆ドント・アスク・ホワイ



来店客が途切れない「ブランデイ・メルヴィル」(写真左)と客数が少ないアメリカンイーグルアウトフィッターズの「ドント・アスク・ホワイ」(写真右)は同ターゲットで同じSOHOブロードウェイに並ぶ

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 2016/08/24 12:10  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

2016年NYレポート4 色褪せるセレクトショップ業態
世界のファッションキャピタルに行くと楽しみなのが、セレクトショップチェック。ファッションビジネスのショールームであるNY。その期待は高まります。

しかし・・・。残念ながらセレクトショップで目をひくものはありませんでした。バーニーズやバーグドルフのような高級百貨店はますます洗練されています。しかし、中堅どころの後退が目立つ結果となりました。

スクープやジェフリー、インターミックスは、高級百貨店への差別的優位性がなく、OAKやアッセンブリー、ODDは自社ブランド開発に挑戦していますが、そのレベルはまだまだ。日本のセレクトショップのオリジナルのレベルには遠く及びません。

自社オリジナルシャツを軸にしたスティーブアラン、自社ブランド軸のドーバーストリートマーケット、メンズ軸にカルチャーを取り入れたODINは安定感がありますが、日本やロンドンの有力セレクトショップと比べると同等という感じです。

自由競争とデジタル先進国のアメリカ、コスト高のNYというビジネス環境からそうなったのでしょう。

元バイヤーがやる個性的セレクトショップなどもあり、日本の雑誌などで取り上げていますが、ビジネス視点でみると見るべき点は少ないと言わざるを得ません。

自由競争とEC拡大が進めが進むほど、パワーブランドを掴めるか、オリジナルを持てるか、という点が重要になってきます。無名だけどおしゃれなブランドを編集してリアルだけで売るというビジネスモデルは、マンハッタンやウィリアムバーグでは色褪せるどころか、淘汰されていくように感じます。中には、ECシフトを進め店を閉じる有名店も見られるぐらいです。

リアル店舗のあり方を考させられる現象でした。



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 2016/08/19 16:21  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

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山中 健(やまなか たける)
ファッションビジネスコンサルタント
大手百貨店、外資系ブランド、大手経営コンサルタント会社を経て、ファッションビジネスコンサルタントとして独立。アパレル業界を中心に、ライフスタイルショップ、百貨店、SCなど幅広い業態に対しマーケティングやMD、リテール、海外進出のコンサルティングを手掛ける。トレンド分析、市場調査、戦略策定などのマクロなテーマから、個店支援、研修などの現場へのブレイクダウンまで様々なテーマのコンサルティングに対応可能。

また、欧米、アジア、国内のコレクション取材やファッションマーケット調査を数多く行っており、国内外のファッションビジネスの動向を語ることができる貴重な存在として注目されている。

2009年にアパレルウェブコンサルティングファーム主席研究員、2011年にアパレルウェブ編集長就任。

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