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アパレルも”サードプレイス的発想”の時代
「サードプレイス」。今年、新しく出来たセレクトショップを巡ってこの言葉が想い出しました。

スターバックスコーヒーが日本に上陸し、話題のキーワードとして静かに広がった言葉です。元々は、アメリカの社会学者レイ・オルデンバーグの著書にあった言葉だそうです。日常とは隔離された心地良い空間。「ファーストプレイス」である自宅、「セカンドプレイス」である職場、そしてそのどちらとも異なる空間という意味です。今日では、カフェやショピングセンター、雑貨店では当り前の概念となりました。

最近、ショップ運営者がお客様に言われて嬉しい言葉として、「ここに住みたい」というものがありますが、これこそ「サードプレイス」としてお客様が認知した言葉なのでしょう。

そして、私たちが仕事をしているアパレル業界。このサードプレイスの概念を入れるのがなかなか難しいのです。

カフェなどの飲食は来店されれば一定の売上があります。スーパーマーケットのような日用品も買い上げ率は高いので来店していただくためにこの概念は受け入れやすいです。

しかし、アパレルの店は、売場を「買っていただく場所」として捉えています。そのため、「買っていただくための工夫」をします。興味をひく展示、購買意欲の高いお客様の見極め、接客アプローチ、コンサルティング接客・・・。これは現在も不可欠なものですが、頑張れば頑張るほど、お客様が入りにくくなる店になることもあります。

そして、今、人気の店は、サードプレイスのように、気軽に入れて、お客様が思い思いに振る舞えるような店ではないでしょうか。以前のように、「緊張感をもって買い物をする」ほどのモチベーションは高くないのでしょう、特に、大人社会であり情報過多社会となった日本では、「自分専門家」が増えています。

アパレル業界も「サードプレイス」的発想が必要な時代になってきているのでしょう。アッパーーグレードの店でなく、ミッド、さらにロウアーなグレードもそうだと思う次第です。



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 2016/05/29 10:43  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

ユニクロのファッション性アップ作戦
ユニクロの2016年秋冬コレクションのプレスビューが行われました。私も初日である昨日、行ってまいりました。

前回から、ぐっとファッション性を訴求した演出と展示を採り入れたユニクロのプレスビュー。今回はさらに、レベルアップしていました。

前回同様、LifeWearのコンセプトのもと、さまざまなライフシーンを演出したブースを設置。NYのストリートを思わせるSportsのブース、オフィスのデスクでMACに向かうモデルが印象的なWorkのブースなど、ユニクロだからできるカジュアルアップとコンフォートが伝わる演出です。







そして、コラボレーションのブースは、「イネス・ド・ラ・フレンサンジュ」、「カリーヌ・ロワトフェルド」、ウォルト・ディズニーの「マジック・フォー・オール」、「ハナ タジマ フォー オール」の4つ。

この中で最も、賑わっていたのは、「カリーヌ・ロワトフェルド」。ファッション誌などで取り上げやすいという点もあるのでしょうか。





私が興味をひいたのは、「ハナ タジマ フォー オール」。日系英国人のファッションデザイナー、ハナ・タジマ氏が提案するのは東南アジア地域で生まれた新たなコンフォートスタイル。イスラムの女性に向けたヒジャブウェアです。東南アジアではすでに展開していましたが、日本での販売も決定。6月から一部店舗で販売開始するそうです。日本にも、イスラムの方々はいらっしゃいますが、イスラムの女性限定とういことではなく、幅広い女性が着用できるデザインであることを、同社広報の方はアピールしていました。




ブース展示の他に、ファッションショーも行われました。ワントーン、アスレジャー、ジェンダーフリーといったトレンド要素とモード要素を吹き込んだルックをつくりあげました。シンプルなデザインのアイテムがユニクロの最大の魅了。それをレイヤードや肩掛けなどにより、新鮮な佇まいをつくっています。スタリングによっては、「こんな表情をつくることが可能なのか」と驚きを覚えました。



そして、今回のプレスビューで最も印象に残ったのは、ファッション系プレスとのコミュニケーション。ファッション性の高い展示・演出でムードつつみながら、デジタルテクニックを使ったパーソナルオーダーも行っていました。ユニクロのアプリの店内モードを使用し、先行予約できるというものです。ファッションコンシャスなプレスやインフルエンサーへのアプローチを強く感じるとともに、ユニクロの先進IT技術を実感できるものでした。



ユニクロの秋冬の強みであるウルトラライトダウン、ヒートテック、カシミア。これを商品切りで提案するのではなく、ルックにさりげなく入れるというあたり、ファッション性アップへの強いチャレンジを感じるプレスビューでした。
 2016/05/26 07:58  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

アルマーニが支援するミャオランについて
ミラノコレクションには、アルマーニが若手デザイナーを支援によりショーを行える枠があります。2013年の6月に始まり、第一弾はアンドレア・ポンピリオでした。その後、数々のデザイナーを支援して次のショーで13回目となります。日本人デザイナーとしては、ファセッタズム、ウジョーなどがショーを行ないました。

そして、13回目のデザイナーとしてショーを行うのは、中国人デザイナー「ミャオラン (Miaoran)」です。

アジアのデザイナーは、日本人がトップを走り、そして韓国が続きという印象で、(中国系アメリカ人などを除くと)中国人デザイナーが脚光を浴びるのは少なかったと思います。
私の記憶によると、ロンドンのザンダーゾウぐらいかと。

そして、このミャオラン。前回のミラノメンズの時に、プレゼンテーションを見に行ってきました。きっかけは、車に同乗させていただいたミラノ在住の大先輩ジャーナリストの方。「ちょっと、お時間があったら、寄りませんか?」とお誘いを受けて、ご一緒させていただきました。

正直、それまで見てきた中国のクリエーションはあまり良い印象はありませんでした。妙に奇抜だったり、トレンド追随だったり。

しかし、プレゼンテーションを見て思ったのは「なかなかやるなぁ」という感じです。オリエンタルなムードをまといながらボーダレスなルックを提案。それは国籍であったり、性別であったり、ジャンルだったり・・・。

プレゼンテーションの後に、現れたデザイナーは、若いながらも気品に溢れた表情が印象。話し方もとても上品で穏やか。とても好感のもてる人物でした。

その彼が、アルマーニ劇場(テアトロ)でショー行うとのこと。中国のファッション史上でひとつのエポックになるかもしれません。



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 2016/05/25 11:11  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

オンワードの「モローパリ」が東京オープン
オンワードが買い取った、フランスのレザーグッズの老舗「モロー・パリ(MOREAU PARIS)」。そのオンワードが経営するセレクトショップ、「ヴィア バス ストップ 青山」内にショップがオープンしました。そのレセプションパーティーにお邪魔しました。

入口には、同ブランドの創業期のトランクを展示。まだ鉄道が広がる前、馬車とかに載せるようなものだそう。博物館で展示されてもおかしくないようなものです。




1階と地下1階の2階層構造の同店。1階が、「モロー・パリ」のショップ。特徴的なモノグラム模様のレザー素材の商品が展示されています。ヨーロッパのバッグにしては、小ぶりな縦型トートなど、日本のマーケットと親和性が高いことが印象的。オンワードのマーケティングによるものでしょうか。

この「モロー・パリ」、オンワードが買い取ったニュースで知りました。パリに通っている業界の人たちもほとんど知らなかったようです。

歴史と品質がありながら、マーケティング不足により知名度が低い老舗。それらを、他の国の企業が取り扱って、認知度・イメージを図り、大きなブランドにしていく。これは、日本の企業の得意技でした。1980年代のハンティングワールド、MCMなどがその代表でしょう。オンワードも、無名のデザイナー、ゴルチエをあそこまでに育てという実績も。

そして、現在もこのような手法が、多く見られます。韓国企業によるMCM、香港企業によるデルボー、LVMHグループのアルノー会長によるモアナなどはその代表でしょう。

「モロー・パリ」の国内外での展開に注目していきたいと思います。







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 2016/05/15 11:45  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

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山中 健(やまなか たける)
ファッションビジネスコンサルタント
大手百貨店、外資系ブランド、大手経営コンサルタント会社を経て、ファッションビジネスコンサルタントとして独立。アパレル業界を中心に、ライフスタイルショップ、百貨店、SCなど幅広い業態に対しマーケティングやMD、リテール、海外進出のコンサルティングを手掛ける。トレンド分析、市場調査、戦略策定などのマクロなテーマから、個店支援、研修などの現場へのブレイクダウンまで様々なテーマのコンサルティングに対応可能。

また、欧米、アジア、国内のコレクション取材やファッションマーケット調査を数多く行っており、国内外のファッションビジネスの動向を語ることができる貴重な存在として注目されている。

2009年にアパレルウェブコンサルティングファーム主席研究員、2011年にアパレルウェブ編集長就任。

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