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ランウェイの“BUY NOW”に思うこと
今シーズンのランウェイのキーワードとして浮上しているのが“バイナウ”“ See now, Buy now””Buy now Wear now”などと形容されるように、今すぐ買えて、着られるものをショーで発表するというものだ。

これに一番反応したのが、ジャーナリストだろう。これまでデザイナーのクリエティビティを見極め評価することで、世にデザイナーを送ってきた自負があったファッションジャーナリストやそういうシステムに異を唱えていたコマーシャル寄りのジャーナリストたちが反応し、「ファッションシステム革命」とも言われている。

しかし、それらのショーを行ったブランドの背景は異なる。このきっかけを作ったのはバーバリーだ。昨日行われたショーをラストに、次シーズンはオンタイムのものだけでショーをするという。しかし、バーバリーはこれまでも、すぐに買えるシステムを模索してきた。今は、予約サービスを取り入れいれている。これは、eコマース「Runway Made To Order」で、公式サイトで、ショー終了後より10日間限定で受け付けて、オーダーしたアイテムは、約16週後に受け取ることができるというシステムだ。

このシステムのきっかけは、ウェブなどでショーを見たファッションカルトたちからのメゾンへの問い合わせが増えたことと聞いている。ファッションカルトを囲い込み、そしてビジネスに結びつけるという戦略だろう。全世界に人気を博し、チャネルを広げるバーバリーだからこそ、できるのだと思う。


(写真上 「Runway Made To Order」として掲載されたファーストルックのコート43万5千円)

そしてこれに次いで、オンタイムシーズンでのショーを発表したのが、トムフォード。トムフォードのメンズプレゼンテーションは、とても厳重であった。トム自身が説明しながら一流のモデルがフロアを歩くというとてもエクスクルーシブなもの。ジャーナリストといえども、写真撮影は禁じられ、記録用に撮っていても、注意されるという具合であった。メンズは企画から生産までのリードタイムが長く、アイコンビジネスでないトムフォードにとって、デザインコピー問題は深刻だったのだろう。しかし、ウェブが情報発信の中心となった今、情報も拡散したい。その結果、プレゼンテーションでの撮影を促進したり、ショップでのショーを行ったりした。しかし、次のシーズンからオンタイムシーズンのショーをやるようにした。これは、ブランドのデザインを守ること、そしして情報拡散もするという両方をとったための戦略といえる。


(写真 撮影を解禁したトムフォード15AWシーズンのプレゼンテーション)


結論としては一緒であっても、その背景は違う。もっと売りたいためのバーバリーと、ブランドのデザイン保護のためのトムフォードというように。

その後、NYではレベッカミンコフがオンタイムシーズンのショーを行った。この狙いはガールズイベントと同じだろう。そして、マイケルコースなども一部商品をオンタイムシーズンのものを差し込んだ。

まとめると、一般公開を先にするかどうかだけである。これがファッショシステムの革命となるのだろうか。もちろんほとんどのブランドがバイナウになったら、多方面に影響がでるだろうが、そこまでに至ることがあり得るのだろうか。私はないと思う。多くのブランドで一部バイナウをとり入れる(先シーズンものを見せる)という感じになるのではないだろうか。

バーバリーやマイケルコース、そして次シーズンからバイナウを選択するというミーヒルフィガーのように、全世界をターゲットし、アクセシブルな価格な商材を扱っているブランドはともかく、それ以外のブランドはそれをやることで支障がでてくるのではないだろうか。

インディーズや先進的なものを許容するのには時間がかかる。だからこそ早めに情報を発信する必要がある。オンタイムまで情報開示を待ったら切り捨て型のデザイン企画をやっているブランドは、需要予測もできないだろう。

なので、資金力があって量を売るところはともかく、それ以外はこれまでと同様のシステムになるように思う。

しかし、資金力があるブランドは、先にプレスなどにエクスクルーシブに見せて、バイナウもやるという二段重ねの公開をするようになるかもしれない。ファッションのヒエラルギーがフラットになったかのように見えて、さらなる情報特権階級が生まれることもあるだろう。


2月22日にロンドンで行われたバーバリーのショー
via Collection by Apparel-web

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 2016/02/24 07:22  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

メゾンキツネ 代官山
代官山にメゾンキツネのショップができましたね。私は、先週金曜日に内覧会が行われたので、お邪魔してきました。

ファウンダーで、クリエティブディレクター黒木理也氏デザインの一軒家まるごとが店舗。前、ユナイテッドバンブーがあった場所ですが、あまりの様変わりにびっくりです。

のれんが掛かったファサードは、昔の商店のよう。道行く人の目をひきます。



内装は、「和モダン」。取り壊されたホテルオークラからインスパイアされているそうです。オープン直後ということで、新(さら)の清涼感とこだわり抜いた素材が魅力的。ショップスタッフの方には、ぜひマメに清めてもらい、この感じをキープして欲しいものです。


店舗面積は140平米と決して広くないですが、什器数を最小限にしているせいか、とてもスペーシー。トレンドのミニマリズムのような価値観も感じます。

ロケーションは、ファッション好きと住民しか通らなかったところでしたが、今は蔦屋書店ができたことにより、国内外の幅広い層が行き交うように。蔦屋書店、オクラとともに、和モダンな通りとしてますます注目を浴びるようになっていきそうです。













山中健
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 2016/02/21 08:46  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

脱構築的再構築
NYコレクションが始まり、ウィメンズのコレクションが発表されていますが、欧州メンズのトレンドのキーワードをいくつかに分けて、説明していきたいと思います。

まずは、このタイトル。難解ですよね。私の造語です。

今シーズン、多かったのは既存のアイテムをバラバラに解体し、再構築するというアプローチです。再構築といっても、立体的に組み上げたというものではなく、ペラっと脱構築的にです。

プラダは水兵のユニフォームを再構築し、メゾンミハラヤスヒロはヴィンテージなクロージングをリメイクしたり、サカイはワークアイテムをつなぎあわせたり。

ジェントルマンルックというロングトレンドに、70Sやグランジのミックス、そしてノームコアからの普遍的アイテムのハイライトが、混ざっって生まれたものでないかと思います。

ショーでは、地味だなぁと、思いながら、展示会などで手に取ってみると、凝っていて格好良い。そんな「近勝り」な服が今の気分です。

スナップ狙いのカブキもの隆盛から、ノームコア、アスレジャーときて、そんな感じがクールなような気がします。


(写真上 プラダ via Collection by Apparel-web
山中健
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 2016/02/15 12:53  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

オールセインツ 東京上陸
英国のカジュアルブランド、オールセインツが東京にPOP UPショップを開きました。場所は、原宿のキャットストリートで、2016年2月6日(土)〜7月31日(日)までの展開だそうです。春には日本国内のEC、夏までに本格的直営店がオープンさせるそうです。

オールセインツについては、これまでもブログで書いてきました。よろしければ、こちらの記事を読んでみてください。

今回は、POP UPショップということもあり、内装はシンプル。現在のオールセインツは内容もぐっと格があがってきましたので、それらとはギャップがあるかもしれません。しかし、ブランド伸び盛りの時は、こういうシンプルでアングラ感のある店が主流だったと思います。

1月に行われたメンズでは、そのアングラ感がトレンドキーワードとして上昇してきています。2016年秋冬の裏トレンドとなるかもしれません。そういう意味では、オールセインツはちょっと追い風になるかも。

気になっていた、価格はやはりユーロ高の影響を受けているかと思います。欧州の現地の感覚では単品5千円ギリギリの手頃な感じでしたが、日本ではそれが7千円ぐらいになっていたようです。この価格だと大手セレクトのオリジナルおりちょい高めという感じです。

そうすると、もっとキャラだち、話題づくりが必要かもしれませんね。




 2016/02/08 18:26  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

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山中 健(やまなか たける)
ファッションビジネスコンサルタント
大手百貨店、外資系ブランド、大手経営コンサルタント会社を経て、ファッションビジネスコンサルタントとして独立。アパレル業界を中心に、ライフスタイルショップ、百貨店、SCなど幅広い業態に対しマーケティングやMD、リテール、海外進出のコンサルティングを手掛ける。トレンド分析、市場調査、戦略策定などのマクロなテーマから、個店支援、研修などの現場へのブレイクダウンまで様々なテーマのコンサルティングに対応可能。

また、欧米、アジア、国内のコレクション取材やファッションマーケット調査を数多く行っており、国内外のファッションビジネスの動向を語ることができる貴重な存在として注目されている。

2009年にアパレルウェブコンサルティングファーム主席研究員、2011年にアパレルウェブ編集長就任。

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