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ファッションの価値観も二極化へ
国内外のリサーチやコンサルティングをしていて感じるのは、ファッションの価値観が二極化していっていること。ファッションという言葉で一括りにされていますが、それが長期的に2つに分かれていくように思います。

現段階では、商品に込められた価値観であって、日本消費者にはまだ共有されていないように思いますが、少しずつ広がっているように思います。

1つは文化としてのファッション。文化を継承、そして新たな文化をつくりあげるものです。アルチザンの技を継承したり、新たなアーティストの能力を活かしたり、また若者風俗をサブカルチャーとして発信したり、、、。このゾーンについていくには勉強が必要です。その成り立ち、テクニック、トレンドなどを理解しなければなりません。そのため、ついていけるのは一部の層で、憧れる世界ではありますが、ある意味閉鎖された世界。


そして、もう1つは実用品としてのファッション。ライフスタイルの脇役です。しかし、これらの価値観を持つ商品も、どんどんファッションとしての感度は高くなっていき、「おしゃれっぽい実用品」です。

ヨーロッパでは、この分化が明確となっています。日本は、実用品が「おしゃれっぽい」ので、その境目が曖昧なのでしょう。一方、アジアでは、これらが混ぜこぜです。おしゃれっぽい実用品でしかない商品も、「デザイナー」として持て囃されたりしています。

日本は、ヨーロッパのように境目が明確になっていくのではないでしょうか。そして、実用品としてマーケットがどんどん拡大していきます。そして、そこのマーケットはレッドオーシャン。トレンドをクィックに見つけ、ニッチをビジネスに変えていく、というスキルがどんどん進んでいき、それこそ生き馬の目を抜く世界です。

一方、文化としてのファッションも、マーケット規模がシュリンクしてきます。ただ、そこに生き残れば、ブルーオーシャンに進むことができるかもしれません。

どちらが、良いというわけでなく、それぞれの立ち位置を見極め、切磋琢磨していくことが必要だと感じる次第です。そして、それぞれがそれぞれをリスペクトすることが大事かと。

コレクションを取材し、商業へもコンサルティングをしている身としては痛切に感じる次第です。



新たなカルチャーを発信しつづけるロンドンコレクションメンズ


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 2015/09/29 09:54  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

昭和のダークサイドにタイムスリップ ANGLASADのショー
ちょっと時間が空いてしまいましたが、シルバーウィーク前夜に行われた「ANGLASAD(アングラサッド)」のショーをレポートします。

同ブランドは、デザイナー清水護氏が2005年に立ち上げたメンズブランド。現在は、テーラードを中心に、メンズ・ウィメンズともに展開しています。2011年以降はテーラードのオーダーに集中し、新作の発表をしていませんでした。

そして、久々に行った新作のお披露目。これまで蓄積したエネルギーを一気に放ったかのようなパワフルなショーでした。

場所は、なんと鶯谷。渋谷・円山町などと並んで数えられる東京の歓楽・風俗街です。実は、私、この近くに親戚の家があり、子供の頃、夏休みの多くをこのあたりで過ごしていました。通常、田舎に行くのが少年の夏休みでしょうが、私は郊外の自宅から東京の下町に移り、下町の年長の子供たちとマセた夏休みを過ごしていました。



その中でも、「近づいちゃダメ」と言われていたエリアがあります。それが、今回のショーをやった東京キネマ倶楽部があるエリアです。東京キネマ倶楽部は元々ダグランドキャバレー。その頃の様子を、そこかしこに感じられる店内で、まるで昭和にタイムスリップしたよう。今はイベントホールとして、コンサートなども開かれているそうです。

ショーは、古い映画の一部を音声だけ流してスタート。激しい雨が降る中、野太い声の男がボソボソと話し終えたところで、モデルが登場。生バンドをBGMにコレクションを発表しました。

ショーの前半は黒人モデルで構成。鮮やかな色柄のテーラードが続きます。ワールドトレンドの視点でみると、トレンドのアフリカ調をプリントテーラード。ステラ・ジーンのような世界を感じます。しかし、カンカン帽や、チェーンのネックレスでワルの方向にシフト。B-BOYや50年代のバッドボーイのような男性像です。

ショーの後半になると、日本人モデルにチェンジ。ノンモデル(一般人モデル)も多く登場したところで、昭和度が一気にアップ。鯉口シャツや法被なども登場。任侠映画に出てきそうなルックも多く見られました。

昭和の夜を彩ったグランドキャバレーで、ヒップホップや50年代バッドボーイ、太陽族、ゴロツキ、チンピラ、ヤクザなどの要素をミックスさせて仕上げたショー。印象深いものになりました。









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 2015/09/25 11:22  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

AMI、東京にショップを堂々開店



AMIこと、アミ アレクサンドル マテュッシ(AMI Alexandre Mattiussi)。パリメンズにおいて、リ
アルクローズブームを牽引してきたブランドです。

ディオール、ジバンシィ、マークジェイコブスでキャリアを積んで独立。2013年春夏コレクションで脚光を浴び、その後、常に注目を集めているブランドです。

魅力は、手頃な価格とリアルなルック。浮世離れしたメンズのランウェイのアンチテーゼとしてポジショニングされることも多かったようです。

ショーでも、いつもリアルなライフシーンを演出。パリのメトロ、空港のターンテーブル、雪の積もるパリの街角、学校、ガレージ、海沿いの夜の街などなど・・。

このAMIのポジション、実は日本のセレクトショップと同じものす。なので、これまでもビームスやエディフィス、ロンハーマン、ドーバーストリートマーケットなどで展開してきました。

そして、今回の東京路面店“AMI OMOTESANDO”開店。AMIは、パリではエチエンヌ・マルセルや北マレのメルシーの横などにお店を開店してきましたが、サントノーレではぐっとグレードアップ。

今回の表参道ジャイルにある店は、このサントノーレの店の進化版という感じです。

よくみると、パリを思わせる素材を日本風デザインに置き換えていることがわかります。例えば、パリのカフェの椅子によくつかわれれる籐の編み込みを、日本の障子のように使用したり・・・。シンプルでリアルな服が映えるインテリアに仕上がっています。

ピガールは、渋谷・円山町へ出店という変化球でしたが、AMIは表参道ジャイルに堂々出店。自信満々の堂々開店という感じでした。













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 2015/09/14 13:18  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

“メイド イン ジャパン”ゼニアが示すもの
エルメネジルドゼニアが、“メイド イン ジャパン”のカプセルコレクションを発売しました。私もそのお披露目パーティーにお邪魔をして確認して参りました。





場所は、アマン東京。大手町の高層ビル上層階にあるラグジュアリーな空中リゾートホテルです。ビル前の深い緑の植栽をくぐると、アマン東京のエントランスが。ブラックスーツとパーティードレスのゲストたちが、華やか。

会場は、アマン東京のラウンジスペース。障子のような設えもあり、和の雰囲気が広がります。

そこに、カプセルコレクションを着用したマネキンを設置。そして、日本を代表する現代写真家ホンマタカシ氏が撮りおろした写真やムービーも。俳優の加瀬亮氏、クリエイティブディレクターのムラカミカイエ氏、料理人の長谷川在祐氏、音楽家の渋谷慶一郎氏、建築家の重松象平氏との5人のキー・オピニオン・リーダーがモデルとなっています。











パーティーでは、渋谷氏がDJプレイも。


カプセルコレクションは、ピラーティがディレクションしたデザインを、日本の素材を使って日本の若い職人たちが仕立てています。デザインは、モダンなものが目立ち、日本の客層が好きな抜け感も感じます。サイズ感も細めとなり、若さも付加されました。

この試み、マーケティング手法として、とても面白かったです。イタリアやアジアなどをまわるとゼニアの圧倒的な地位を感じます。一方、日本においては「超高級エリート服」もしくはセレクトショップやテーラーでの「服地」というポジショニングだったように思います。

しかし、今回の試みによって、新たな客層にアプローチできるのではないでしょうか。それは「ものづくり」に敏感な「服好き」のエリート層です。そして、デザインやキャンペーンイメージにより、ゼニアの現在の実質顧客より、若い層を狙えそうです。また、為替レートによる割高感も回避することができるので、「目利き」層にとっても魅了でしょう。

欧米ブランドの日本製というと、マーケット適応のためのライセンス、日本体型にあわせたリプロダクトというものが主流でした。しかし、今回、ゼニアが行った試みは、それらと違った価値を生むのではないかと思います。欧米ブランドへ、日本での新たなビジネスの方向性を示したのではないでしょうか。

商品内容は展開についての詳細は、こちらの記事をぜひチェックしてください。


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 2015/09/07 13:29  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

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山中 健(やまなか たける)
ファッションビジネスコンサルタント
大手百貨店、外資系ブランド、大手経営コンサルタント会社を経て、ファッションビジネスコンサルタントとして独立。アパレル業界を中心に、ライフスタイルショップ、百貨店、SCなど幅広い業態に対しマーケティングやMD、リテール、海外進出のコンサルティングを手掛ける。トレンド分析、市場調査、戦略策定などのマクロなテーマから、個店支援、研修などの現場へのブレイクダウンまで様々なテーマのコンサルティングに対応可能。

また、欧米、アジア、国内のコレクション取材やファッションマーケット調査を数多く行っており、国内外のファッションビジネスの動向を語ることができる貴重な存在として注目されている。

2009年にアパレルウェブコンサルティングファーム主席研究員、2011年にアパレルウェブ編集長就任。

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