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ブラック バイ ヴァンキッシュ
今回の東コレの中で、ひそかに楽しみにしていたのが、お兄系のブラック・バイ・ヴァンキッシュ。ヴァンキッシュの弟ブランド、マーダーライセンスが生まれ変わり、東コレに参加しました。

ぐっとモードに格上げするのかと思いきや、これまでの延長線上で、スタイリングで、ライダース、ミリタリー、ネイビー、ストリートの要素を入れるに留めるという感じでした。

演出は、レーザーでど派手でしたが、ルックははみ出ることはありませんでした。すでにいるお客様を大事にされてのことでしょう。

お兄系の枠内のモードカジュアルでした。

お兄系という言葉も、もう死語かもしれませんが、他に言葉が見つからないので、このまま使います。

このゾーン、いろいろと分化していって・・・。

王道のお兄系は、ハードカジュアルに(例えばミダス)、市場対応型はすっかり洗練されてトレンドカジュアル(王者ヴァンキッシュ)に、大人化して強くなったのはビター系(リリコルゾ)に、そしてこの層の先端層は、ストリートと融合していって、渋谷編集ラグスト(レジェンダ)みたいなものが生まれてきています。

このように分化しているのは、希薄化につながっており、このゾーンの端境にあるように思います。

そこに、指針を示してくれるのかと思っていましたが、期待が大きすぎたようです。リアルクローズに、ルックでの挑戦を求める方が無茶というものなのでしょう。


 2015/03/31 16:41  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

ルックを磨くということ
東コレを終え、展示会を回って色々なことを感じました。

その中の一つに、「東京メンズは本当に優位性があるのか?」ということです。

確かに、東京のメンズは面白い。若者だけでなく、社会人になってもおしゃれをし続ける「普通の男性たち」。このようなマーケットはないという優位性、マーケットの大きさ、日本語でほんとどコミュニケーションするという言語的閉鎖性、などの要因により多様なファッション、独特のファッションが生まれています。

しかし、それが「世界で通用するのか?」というとそれは別問題です。東京メンズを、世界の目線で語ると「アメカジ」「ストリート」「アングラ」ということになるでしょう。

これら、すべて高いものが売れにくいものです。そこそこの価格はいいのです。とびっきり高いものが売れないのです。

しかし、日本のものは、とびっきり高くなります。欧米で売るには日本の2倍、アジアでも1.5倍ぐらいで売らないと割が合わないですし、店を構えると、さらに販売数も稼がなきゃならいといけないのですから。

大衆ブランドは、価格的になんとか頑張れますが、デザインに優位性がなく、デザイナーのものは価格がラグジュアリー並になってしまいます。

なので、東京のデザイナーは、海外に行くのであれば、ぱっと見でオーラを感じさせるよう、ルックを磨かなければならいのです。日本国内においての、販売をメインにおいて、その延長線上での海外への卸をやるというレベルなら、話は別ですが・・・・。多くのデザイナーは、やはりパリやピッティで勝負したいとおっしゃいます。

そんな中、今シーズンで特筆する存在は、やはりファセッタズムでしょう。ミックスチャストリートというドメインはそのままに、ルックを磨きあげています。デザインの独自性だけでなく、スキのないコーディーネイト、遠目でもわかる素材の良さとディテールの凝り方など・・・。多くはパリに行ってから磨きあげるのですが、東京でここまで進化しているファタズムは、やはり凄い存在なのです。


Photo by Ko Tsuchiya
 2015/03/28 09:59  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

東コレに商業ブランドが出る意味
今日で3日目を迎えた東京のファッションウィーク(メルセデス・ファッション ウィーク東京)。ここでは、馴染みのある東コレと呼ばせていただきます。

ほとんどのショーを見に、毎日メイン会場の渋谷・ヒカリエに行っています。その詳しい内容は、こちらでご覧ください

2015-16秋冬コレクションの特徴は、消費者にとって馴染みのあるブランドがショーを行っていることです。タケオキクチ、5351、ブラックバイヴァンキッシュなど。また数シーズン前からはKBFが参加しています。

東コレについて、以前から言われていることが「知っているブランドが少ない」ということでした。パリ・NY・ミラノ・ロンドンの4大コレクションは、それぞれの国を背負っているかのような代表的なビッグブランド、その土地だからこそ生まれたファッションを提案するデザイナー、そしてそこから世界へ旅立つことを目論んでいる気鋭のデザイナーらが、クリエーションを競い合っています。

一方、東京の新進のデザイナーとラグジュアリーなミセスプレタブランドで構成されており、マーケットにおいてのメインプレイヤーが見られないのが特徴でした。

なぜでしょうか?それは、日本のマーケット特性にあると思います。日本のアパレルは長い間、インポートのラグジュアリーと補完する関係で成立してきました。上のゾーンはラグジュアリー、そしてライセンス、そしてチェーン店(現在は大手セレクトやSPA)と。

欧米からのトレンドをマーケットに編集し、大きなマーケット規模をつくりあげていました。もちろん、その隙間から生まれ、 ビッグになったデザイナーもいます。イッセイ、ヨウジ、ギャルソン、そして今では、サカイ、カラーなどに期待が集まっています。しかし、彼らは世界を睨み、発表の場をパリなどに移しています。東コレの常連であるファクトタムやファセッタズムやヨシオクボなどの才能あるデザイナーも生まれていますが、いつ海外へ活動の場を移してもおかしくないでしょう。

言ってみれば、東コレは、ミセスプレタが顧客を魅了し、世界に羽ばたきたいデザイナーを育てる場だったのでしょう。

ですから、商業的に成功したブランドがショーをやる意味はなかったのです。そのため、「メルセデスベンツファッションウィークって何? 車のショー?」(実際にヒカリエのエレベターの中で、テナント入居しているビジネスマンが言っていた言葉です)となるのです。

一方、海外に目を移すとマーケットにボリュームのあるブランドもショーをやっています、ポールスミス、アニエスベー、トップショップ、Jクルー、バナナリパブリック、ディーゼルなどなど・・・。

これらのブランドがショーをやる意味は何があるでしょうか?大きく2つあると思います。

1つはライセンスの幅を広げることです。「ラグジュアリーはファッションでクリエーションを表現し、革小物・香水でビジネスをする」というように、ブランドアイコンのイメージを高め、マス市場に売ってでて、ビジネスを成立させるものです。


2つめは、ブランドの新たなステージへの移行です。大衆イメージからの脱却、クリエーションへの挑戦というところでしょう。

私は、いずれにしても、このような消費者に認知度の高いブランドがショーを行うことに賛成です。まずは、東京にファッションウィークがあることを国内外に知らしめるため、そして日本の体力のある企業が世界に売ってでるためです。

願わくはそのような企業が、若い才能を見出し、ビジネスに変えてくれたらなぁ、と思っています。


ファッションピープルが「本質を失っている」と批判する理由も理解できますが、さまざまなクリエーションやビジネスが集まる場にならないと、広がらないのではないでしょうか。



こちらでも、東コレで感じたことを綴っています
https://www.facebook.com/yamanakaconsulting
 2015/03/18 11:42  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

ゼニアと日本

今週の月曜日に銀座中央通り、ダンヒルのとなり、ティファニーの向かいに、エルメネジルド ゼニアが世界で2番目の大型店をオープンさせました。

その数日前に内覧会が行われ、その様子はこちらの記事にまとめておりますので、ぜひご覧下さい。

こちらのブログでは、その後、考えたことを書いていみます。

ゼニアといえば、超有名なファクトリー発ラグジュアリーブランド。世界のエリートが支持している高級スーツで知られています。

内覧会では、ジャパン社のトップにご案内いただき、いろいろなトリビアや服作りへのこだわりを聞き、ふーんと唸ることがたくさんでした。その中で特に感じたのは、「日本市場への対応を始めたんだなぁ」ということ。

日本のメンズマーケットの高度化と特異性への対応です。

誤解を恐れずに申し上げると、欧米やアジアでメンズファションに多くお金をかけるのは、4つの層です。

「富裕層」「エリート」「ファッション業界人」「ゲイ」。例外の少数派はもちろん存在していますが、大雑把にはこんな感じで、例えばメンズコレなどではこの層に向けたアプローチをガンガン感じます。

で、ゼニアはこの中で、エリートに向けた戦略で成長してきました。日本でも、1980年代後半、「ヤンエグ」(ヤングエグゼクティブ:若いエリート)という言葉がモテはされた頃、ゼニアは、ヒューゴボスと並んで、大卒20代ホワイトカラーに人気でした(多くはネクタイだけって感じしたが)。

その後、日本では大企業の幹部の服っていうイメージでした。ただ、日本では、だんだんとエリートというファッション像が崩れ、その後「ヒルズ族「IT社長」などの言葉のとおり、エリートというよりも若手起業家の方にこのマーケットが移行し、カジュアル化が進んでいきました。また一般のビジネスマンもカジュアルOLの後追いするように、ビジカジからカジュアルアップへと移行したのです。

もちろん、ドレスアップしてプレゼンするようなルックは、今も提案されていますが、それはどちらかというとブリティッシュとかクラシコ系が主流です。

その一方、ゼニアは中国のような経済成長していた中国などで売上を伸ばしてきました。そう、「エリート」の服は、経済が伸びていて、労働者の所得格差がある国の方が向くのです。

上位1%の年収が1200〜1500万円と言われる日本社会においては、「エリート」というマーケットは、ボリュームで少なくなっていったのです。その一方、「富裕層」「エリート」「ファッション業界」「ゲイ」とは別の高感度層が拡大しました。日本独特の「洗練された普通の人びと」という層です。大手セレクト系が育てた層ですね。現在の40歳代が若者だったころから台頭してきた層で、今は50代にまでそのマーケットは伸びています。

今回のゼニアでは、このような層への対応を感じせます。フィレンツェモデルというリラックスしたスーツ、ジーゼニアのノーロゴのスニーカー、ス・ミズーラの幅の取り扱いの広さなどなど。もちろん、本来のエリートや外国人旅行客への対応もされているのでしょうが、、、。

ちょっと敷居は高いかもしれませんが、一度、お出かけになってみて、確かめてみてください。







こちらでも、日々のコンサルティングやリサーチで感じたことを綴っています
https://www.facebook.com/yamanakaconsulting
 2015/03/05 13:06  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

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山中 健(やまなか たける)
ファッションビジネスコンサルタント
大手百貨店、外資系ブランド、大手経営コンサルタント会社を経て、ファッションビジネスコンサルタントとして独立。アパレル業界を中心に、ライフスタイルショップ、百貨店、SCなど幅広い業態に対しマーケティングやMD、リテール、海外進出のコンサルティングを手掛ける。トレンド分析、市場調査、戦略策定などのマクロなテーマから、個店支援、研修などの現場へのブレイクダウンまで様々なテーマのコンサルティングに対応可能。

また、欧米、アジア、国内のコレクション取材やファッションマーケット調査を数多く行っており、国内外のファッションビジネスの動向を語ることができる貴重な存在として注目されている。

2009年にアパレルウェブコンサルティングファーム主席研究員、2011年にアパレルウェブ編集長就任。

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