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WEBの力とピッティ
私は現在ロンドン、ピッティ、ミラノとメンズコレクションの取材旅行にでております。本日パリに着きました。メンズコレクションの情報はこちらで発信していますので、ぜひ、ご覧ください。

今回は、ピッティでの印象的なことをお伝えしたいと思います。

それは、ニック・ウースターとスコット・シューマンといったNYメンズのアイコンともいえる人物がコレクションを発表し、そのイベントがハイライトされたことです。

ニック・ウースターは、バーグドルフグッドマンなどでキャリアを積んだファッションビジネスの超プロ。それと同時に、スナップの常連です。彼が、イタリアの高級紳士服メーカー「ラルディーニ」から「ウースター+ラルディーニ」というカプセルコレクションを出しました。「ラルディーニ」は縫製や染色などのレベルの高さから、こだわり派の男性から支持されています。高い技術力だからこそでる美しいシルエットも魅力的です。

今回のカプセルコレクションでは、彼特有のゆるい感じのルックが発表しました。クロップドパンツ、洗いのかかった素材など、Kolorに通じる、東京の空気も感じました。「クラシコの服はいいけど、今っぽくない」と感じる層を狙ったようにも感じます。

そして、ファッションブログの草分け、ストリートスナップの第一者であるスコット・シューマンは、レイバンとのコラボレーションを発表しました。

これのどこが印象的かというと、トレンド発信の流れが逆転、というか双方向になったように思えます。

昔は、ピッティはバイヤーといったファッションのプロのもの、そしてメンズの殿堂でした。ピッティでバイヤーが仕入れ、もしくはファッションジャーナリストが伝え、ピッティでのトレンドは世界に伝播していきました。

一方、ニック、スコットの両氏はデジタル媒体の申し子です。片やスナップでアイコンとなり、片やブログで広く有名になったのですから。

すなわち、プロから紙媒体、もしく流通、そして消費者という流れから、消費者向けのウェブ媒体(もしくは消費者が行っているメディア)から、ものづくり、流行発信が行われているのです。

これが、若者向けであれば、特段めずらしいことではないですが、トレンドとしては緩やかであり、そして客層としてはアッパーなところで、このようなことが起きているのです。

そして、今やピッティはブースでのコレクション取材より、そこを歩く男性のスナップフォトグララファーが多いような状況です。

ピッティに、「フラット」「リアルタイム」「消費者発信」といった要素をもたらせたのは、間違いなくWEBの力なのでしょう。






Photo by Ko Tsuchiya
 2014/06/25 09:19  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

表参道にラグジュアリーブランド続々オープン その背景には
GW以降、表参道駅周辺に、ラグジュアリーブランドの旗艦店が続々とオープンしました。
バレンシアガ、ジバンシィ、セリーヌ、アレキサンダーマックィーン、そしてグッチは大リニューアルをしました。

これらのショップが続々とオープンしたのは、なぜでしょうか。私なりにいくつかの理由を考えてみました。

ONE表参道をはじめ、表参道、青山地区は建物の建て替え、新設が多く見られます。長い不況でもそれなりに、ブランド直営店が多くオープしていましたが、今年は地下鉄表参道駅の出口をでてすぐという立地にビルが新築されています。あるビルオーナーの方の話によると、投資目的、資産運用目的の動きが活発になっているようです。

東京圏は、世界でも断トツ第一位の小売販売額を誇ります。その一方で、都心に多くの商業地があるのも特徴です。そんな中で、表参道・青山は、「希薄大商圏」という足元商圏が少ないものの、都市観光客が多い特殊な立地です。なので、銀座や渋谷、新宿のような生活型大商圏にあるような、百貨店がありません。

そんな状況ですから、思ったほど「売れない」のが青山・表参道だったのです。

しかし、その風向きが変わりました。なぜか、それはインバウンドという追い風が吹いているからです。インバウンドの多くは、アジア系の観光客です。

彼にとって、日本でラグジュアリーブランドを買う理由はいくつもあります。

まず、品揃えです。アジアのラグジュアリーブランドのショップは、どんなに豪華なインテリアのショップの店でも、品揃えがよくありせん。バッグや革小物、スカーフなどを買うだけならいいですが、服の品揃えは恐ろしく悪いのです。これは、アイコンとしてブランドを買うのが中心で、ファッションとしてブランドを買うのがまだまだ少なかったというマーケット事情もあるのでしょう。一方、インターナショナルな感覚をつけた富裕層は、自国のラグジュアリーブランドの品揃えに満足していません。もちろん、パリやミラノ、ニューヨークなどブランド本国に行くことも可能ですが、時間的な制限もあり、そうそう行けません。また、中国などは関税高いので、日本はまたブランドものを自国より安く買えるという利点もあります。そこで、日本の、特に東京のショップで、自国にない商品を買い求めるのです。

ブランド側も、アジア全体を見つめた店づくり、商品構成を行っているように思えます。また、他のアジアの店とは違う仕掛けを日本にはしています。このことは、日本人顧客の海外流出防止にもなります。

今回の改装では、グッチはカスタマイズサービスを大々的に行いますし、アレキサンダーマックィーンは世界最大店舗をうたっています。ブランド側が意識しているかはわかりませんが、「わざわざ東京で買う」という理由が生まれています。このような上澄みの売上があることで、表参道・青山のショップは、これまでの「日本の百貨店チャネル向けショールーム」から「アジアマーケットの総本店」的な役割を担うことになったのでしょう。

そして、経済要因から生じるファッショントレンドの変化もあるでしょう。
以前、「コンテンポラリーって」というタイトルの投稿でも書かせていただきましたが、景気好転の期待感からクリエーター系のハイエンドブランドが攻めに転じています。不景気の頃には、大きな路面店を持つことができず、また、すでにいい場所は老舗メゾンやマーケット性の高いカジュアルブランドなどに抑えられていました。しかし景気の高揚感から、ビルの建設がつづき、このようなブランドも攻める時期ということなのでしょう。

一言でいうと「景気がよくなった」で済まされることではありますが、東京という街の特性と変化、ファッショントレンド、ブランド側の戦略があいまって、表参道駅周辺が華やいだといえそうです。

 2014/06/13 20:10  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

ノームコアって
この春からよく聞かれる言葉「ノームコア」。

ご存知の方が多いと思いますが、NYのコンサルティング会社による造語のようで「Normal」と「Core」を合体したものです。直訳すると「限りなく普通」だそう。

よくノームコアとされるNYなど写真を見ると、アメカジのベーシックアイテムを盛ることなく、フツーに着ています。もともとお洒落な人、スタイルのいい人、オーラのある人がやるとそれぞれの個性が際立つような気がします。

で、最近雑誌などでも、そんな感じのルックを見かけたり、展示会などにいくと、そんな感じのお洒落さんを見たりします。

NYなどの写真は、どちらかというと中身の個性重視という感じですが、東京で見かけるのは、ファッション化しているような。いつの時代にも流行る、チープシックやシンプルをモードっぽく仕上げた感じ。若者向けの雑誌8月号(バーゲン時期の発売される)に載ってそうな。


このノームコア、まだファッション定義がなされていないので、人によって解釈はさまざま。
英語のNORMCOREでグーグル検索するとこんな感じ。



そして日本語だとこんな感じ。



英語だと先述のような感じだけど、日本語だとスティーブジョブスやアレキサンダーワンの姿が。これはパワフルな記事に載っていたからでしょうね。なんか日本語の方はイメージが散っている感じがします。


あと、東京では「普通」がそれこそ「普通」なので、ピンとこないのもしようがないですよね。ちなみに、グーグルの画像検索でノームコアを検索するとこんな感じ。

なんか、ユニクロのシンプルなアイテムをダサかっこよく着こなしたら、ノームコアと言われそう。
 2014/06/03 15:23  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

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山中 健(やまなか たける)
ファッションビジネスコンサルタント
大手百貨店、外資系ブランド、大手経営コンサルタント会社を経て、ファッションビジネスコンサルタントとして独立。アパレル業界を中心に、ライフスタイルショップ、百貨店、SCなど幅広い業態に対しマーケティングやMD、リテール、海外進出のコンサルティングを手掛ける。トレンド分析、市場調査、戦略策定などのマクロなテーマから、個店支援、研修などの現場へのブレイクダウンまで様々なテーマのコンサルティングに対応可能。

また、欧米、アジア、国内のコレクション取材やファッションマーケット調査を数多く行っており、国内外のファッションビジネスの動向を語ることができる貴重な存在として注目されている。

2009年にアパレルウェブコンサルティングファーム主席研究員、2011年にアパレルウェブ編集長就任。

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