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ビジネス視点で読み解く14年春夏メンズコレクション 8
ランウェイ至上主義からリアルな表現への変換


ファッションそのものの斬新さや上質さを、モデルが肩で風を切ってランウェイで表現するという手法から、ライフシーンの中のひとつとしてリアルに提案する手法が増えています。

ウミット・ベナン、カルヴェンのギョーム・アンリ、 AMIのアレクサンドル マテュッシなどのイキのいいデザイナーたちがこの手法を取り入れてきましたが、ロベルトカヴァリやフェンディのようなラグジュアリーなメゾン、アニエスベーのように市場性の高いブランドなども、インスタレーションやプレゼテーションに変えています。

フォトジェニックな空間を創り上げ、SNSアプリなどでの拡散を促進させていることも特徴の一つです。これは、一部のファッション業界関係者から富裕層、そしてファッション感度の高い消費者層へと広げていくという情報ヒエラルギーを破壊し、フラットでクィックな情報伝達を招いているといえそうです。



<空港というイメージした空間でコレクションを発表したAMIアレクサンドル マテュッシ>
Photo by  Yumi Yamane




<部屋と住民を設定してライフスタイルを提案したアニエスベー>
Photo by Koji Hirano
 2013/09/30 09:20  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

ビジネス視点で読み解く14年春夏メンズコレクション 7
ビッグメゾンが放つロングトレンドの変化球


レディスと比較し、トレンドの長期化がメンズの特徴です。英国調やテーラリング、ジェンダーフリー、ショーツ、セットアップなど、ここ数シーズンのロングトレンドもビッグメゾンの手によって新しさが加わっています。

バーバリー プローサムはここ数シーズン「英国紳士」をベースに、新しい素材や目をひく柄やカラーを差し込んだ提案をしてきました。今シーズンは、英国の伝統的なアイテムを、溢れんばかりのカラー、POPなプリント、ミニマルなシルエットで、カラフルなボーイルックに仕上げました。


<バーバリー プローサム>


ミニマルなテーラリングへの反動として、ソフトでルーズともいえるスーツも登場しました。ステファノピラーティを迎えたエルメネジルド ゼニアです。ゼニアグループだからこそ表現できるテクニカル素材を用いて、レイヤードと独特のシルエットから新たなテーラリングを創り上げました。


<エルメネジルド ゼニア>
Photo by Koji Hirano


ランバンは、アシンメトリーやテーラリング、ジェンダーフリーといったロングトレンド要素に、独特のストリートのスピリットを吹き込み、トレンドセッターならではのクールなルックを提案しました。特に、マイクロミニのパンツとロングジャケットのレイヤードは、その大胆さにネットなどで話題を呼びました。


<ランバン>


今、最も注目されているブランドであるヴァレンティノも、テーラリングやカモフラ、切り替えといったロングトレンドの要素を用いながら、ブランドのDNAであるエレガントさに若々しさを加え、見事なコレクションを発表しました。デニムを使ったルックも。


<ヴァレンティノ>


「斬新さを表現するのが、コレクションのショーだ」という声もあります。しかし、現在のコレクションシーンをリードしているメゾンは、ロングトレンドの要素を採り入れつつ、独自のクリエティビティを発揮して、まるっきり新しいものを創り上げているのが特徴なのです。


 2013/09/27 08:50  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

ビジネス視点で読み解く14年春夏メンズコレクション 6
ディケードテーマは90年代が本命、そして50年代、30年代

ファッションでよく用いられる「〇〇年代」テーマは、90年代テーマが最も多いようです。トレンドの20年周期からしても、納得できるでしょう。

90年代は70年代の、70年代は50年代の、50年代は30年代の影響を受けていると言われる通り、ミッドセンチュリーや30年代のゴールデンエイジをテーマにするものも増えてきました。

ニール バレットは90年代とミッドセンチュリーのデザインを融合させ、ディオール オムもキューブのような切り替えで、ミッドセンチュリーを思わせるデザインを発表しました。

また、50年代からちょっとずらした60年代風のアイテムをトロンプ・ルイユ手法で魅せたボッテガ・ヴェネタや、ディケードをミックスさせたアクネ ストゥディオズなどの印象的でした。


<ニール バレット>
Photo by Koji Hirano



<ディオール オム>
Photo by Koji Hirano



<ボッテガ・ヴェネタ>
Photo by Koji Hirano



<アクネ ストゥディオズ>
Photo by Yumi Yamane


ディケードテーマが90年代に以降する中、アメリカや日本の90年代ストリートが数多く見られました。これは、ランウェイがどんどんリアル化しているという現象も大きく影響していると思われます。

もともと、ストリートの強いロンドンではもちろんのこと、ピッティに招かれたMSGNは、90年代をテーマに掲げ、タイダイとスケータールックを融合。また、パリでは、ジョン ガリアーノやジバンシィもラグジュアリー素材や、独創的なプリントでストリートカジュアルを表現しました。日本では、ストリートカジュアルへの逆風が言われて久しいですが、KENZOが切り拓いた新たなストリートが、日本に影響を及ぶことになりそうです。


<MSGN>
Photo by Ko Tsuchiya


<ジョン ガリアーノ>
Photo by Koji Hirano
 2013/09/26 09:35  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

ビジネス視点で読み解く14年春夏メンズコレクション 5
日本テーマ、日本モチーフの広がり

先進国の中で、アメリカに次ぐファッションマーケットである日本もクローズアップされていました。ここ数シーズン、多かった、中国テーマに代わり、浮上したという感じです。

これは、マーケットの大きさに加え、欧米から見たエキゾチックさ、ユースファッションの宝庫であることから、インスピレーションを得やすいことも要因でしょう。

また、日本は、アジアや環太平洋の要素といられる融合させて提案されることが多かったようです。

和花をあしらったトムフォードやラグ&ボーン、着物からインスピレーションを得たイートウツ、和花のようなアロハのようなプリントをほどこした3.1フィリップリムやミハラヤスヒロ、東への旅として日本と中国をミックスさせたコルネリアーリなどが印象に残りました。


<イートウツ>



<トム フォード>



<ラグ&ボーン>



 2013/09/25 10:24  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

ビジネス視点で読み解く14年春夏メンズコレクション 4
アメリカへの期待

アフリカや中近東、アジアの新市場をテーマにしたコレクションは今も多く見られましたが、今シーズンは、巨大なファッションマーケットを抱えるアメリカをテーマにしたブランドが増えたのが特徴です。

トレンドメーカー マークジェイブスが選んだテーマはずばり“アメリカーナ”。エルビス・プレスリーを思わせる華やかなスターのルック、ワークウェア、POPなグラフィティ、ハワイアンプリントなどの、陽気で懐かしいアメリカの要素を吹き込みました。また、ロンドンのシブリングはミュージカル映画「ウエストサイドストーリー」が新解釈したり、ミラノの大人系メゾン、エルマンノ シェルヴィーノはマーロンブランド、JFK、オバマ大統領などのアメリカの歴代アイコンをルックに落としこんだりしていました。

世界で類を見ない巨大なファッションマーケットを抱え、好況ムードが広がっていますから、期待が広がるのは無理はないでしょう。


<マークジェイコブス>



<シブリング>



<エルマンノ シェルヴィーノ>


★お知らせ
9月25日17:00〜 テキスタイルネットセミナーで、宮田理江さんと「2014春夏トレンド対談」を行います。
お申込みはこちらから
http://www.textile-net.jp/exhibition/form.html
 2013/09/23 10:53  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

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山中 健(やまなか たける)
ファッションビジネスコンサルタント
大手百貨店、外資系ブランド、大手経営コンサルタント会社を経て、ファッションビジネスコンサルタントとして独立。アパレル業界を中心に、ライフスタイルショップ、百貨店、SCなど幅広い業態に対しマーケティングやMD、リテール、海外進出のコンサルティングを手掛ける。トレンド分析、市場調査、戦略策定などのマクロなテーマから、個店支援、研修などの現場へのブレイクダウンまで様々なテーマのコンサルティングに対応可能。

また、欧米、アジア、国内のコレクション取材やファッションマーケット調査を数多く行っており、国内外のファッションビジネスの動向を語ることができる貴重な存在として注目されている。

2009年にアパレルウェブコンサルティングファーム主席研究員、2011年にアパレルウェブ編集長就任。

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