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タカシマヤゲートタワーモール
GW中、名古屋に出張したので、「タカシマヤゲートモール」を見てきました。ご存知の通り、同館はJR名古屋駅に隣接した複合施設「JRゲートタワー」の中にオープンした約32,000uの商業施設です。運営は、ジェイアール東海島屋。先にオープンした上層階のレストラン街、ユニクロ、GU、ビックカメラに続き、館全体のグランドオープンということで、大変な賑わいです。

名鉄や近鉄側と反対側に大きな人の流れができたことで、名駅エリアの商集積が広がりました。テナント構成は、手堅く、驚きはありません。「こういう施設ってまだ名駅エリアになかったんだ」というのが正直な感想です。

名古屋、札幌、博多・・・・地方大都市の駅ビルは、百貨店を核テナントとしているものが多く、中高級グレードばかり。中心地では、中級グレード以下のテナントは地下街に、若めの中級以上は、パルコのようなファッションビル、というように立地×SCタイプによって棲みわけがされていました。しかし、タカシマヤゲートタワーモールは、地下街とファッションビルをミックスし、コンテンポラリーに編集されています。名駅と栄の地域間競合により、栄の求心力低下が起きそうですが、地下街などの旧来型商集積のパワーダウンの方が深刻になるでしょう。

ファッション業界で今後加速するであろう、店舗の絞り込み。このことは、商業施設も減っていくこととなります。その一方、地方では東京ではほとんど存在感のないSCタイプが生きながらえている場合があります。地域特性、立地特性によって恩恵を受けていても、利用客の生活変化について行けなくなった商集積にとっては、厳しい現実が待っているでしょう。







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 2017/05/06 11:28  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

日本版ライフスタイルセンター「枚方T-SITE」
大阪・枚方にある枚方T-SITEに行ってきました。代官山や二子玉川のような都心上澄み掬いのようなパッケージでなく。小商圏型業態で構成されています、小商圏型業態とは、ロードサイドや地元商店街などで成立するようなものです。ファミリーレストラン、ファストフード、眼鏡店、洋品店、カメラ店、化粧品店、美容院、銀行など。カテゴリーキラーとの競合を経て、少なくなってきたものばかりですね。それらを感度アップさせて集約したパッケージが「T--SITE」です。小商圏業態をグレードアップして中商圏で勝負するという戦略が見えます。

店内の特徴は、シームレスにテナントミックスさせている点。編集平場がつらなっているようにも思え、「ライフスタイル百貨店」というコンセプトを感じさせます。「さまざまな編集平場を蔦屋書店の書籍たちが包み込む」、そんなアトモスフィアが漂っており、歩いているだけで豊かな気持ちになります。

魅力は、1Fの食のゾーン。食材の豊かさ、レストランから流れる美味しそうなに匂い、賑わいとスタッフたちが作り出すシズル感。「イータリー」を思わせます。日本の「イータリー」は、日本っぽい生真面目さでパッケージされてしまっているので、エンターテイメント性が少ないのですが、ミラノやNYの「イータリー」は食のカルチャーエンターテインメント。これに近い楽しさが、ここ枚方T-SITEにはあります。

そして、我らが業界のファッション商材はというと、ほんの少し。子供服が2店舗とレディースブティックが1店舗、カバンが1店舗、靴下専門店が1店舗という感じです。やはり、小〜中商圏のライフスタイルでは、ファッションは主役ではなくなったのでしょう。

「枚方T-SITE」を見て感じたのは、米国で生まれた「ライフスタイルセンター」というSCパッケージが日本版として誕生したのだということです。

「ライフスタイルセンター」は、今から10年ほど前、SC業界でもてはやされた言葉です。当時の米国では、無味乾燥な大型のエンクローズド(屋根のある)ショッピングセンターが行き詰まりを見せていました。そこで、生まれたのが「ライフスタイルセンター」という考え方です。「ライフスタイルセンター」とは、「高額所得者の生活に密着」「非ファッション商材で構成」「地域の交流」をキーワードとしたコミュニティ型SC(中型SC)とされていました。

日本でも「街づくり3法」により、郊外に巨大モールができなくなった2007年前後に、純郊外型SCとして注目されました。日本版としては、東京・立川に東神開発がつくった「若葉ケヤキモール」がその始まりです。しかし、立地と業種構成に無理があり、その後は話題になりませんでした。その後、駅ビルがライフスタイル提案に乗り出し、ららぽーとなども地域コミュニティの交流を提案するなど、うっすらと広がりを見せてきました。そして、「T-SITE」が誕生。既存の商業デベロッパーが抱く「坪効率」の呪縛がないため、トライアルを次々と行い、SC業界に風穴を開けつつあります。

しかし、この「枚方T-SITE」に課題がない訳ではありません。やはり商圏特性からすると、ボリューム・質ともに、背伸びパッケージです。「商圏相応」という考え方からは少し逸脱しています。枚方は、ツタヤの創業の地。すっかりと元気のなくなった駅前を盛り上げようという心意気かと思います。

この「枚方T-SITE」は、3セク(公・民の共同出資)の施設である「サンプラザ」の中にあります。公と民が駅前再開発を願ってできたものです。しかし、これまで、テナントとして入っていた枚方丸物百貨店や近鉄百貨店が撤退を余儀なくされたのは、商圏の縮小によるものでしょう。立地する商業地の、商圏縮小を抑え、拡大に巻き返すのはとても難しいことです。これに果敢に挑んでいるということなのでしょう。



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 2016/06/06 08:33  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

マリン&ウォークが旬な理由
本日、オープンした横浜みなとみらいエリアの商業施設「マリン&ウォーク」。私は2日夜に行われた内覧会&パーティーに行ってまいりましたので、ご報告します。

マリン&ウォーク、モールトレンドの先端といえそうです。その理由をお伝えしますね。

1.モール形式



「マリン&ウォーク」は、店舗8,346.98m。ヴィレッジ型のオープンモールです。ヴィレッジ型という言葉、あまり耳馴染みがないかもしれませんが。アメリカで10年ぐらい前から取り上げられたモール形態です。

「アメリカにちゃんとしたダウンタウンがあるのは、ニューヨーク、サンフランシスコ、シカゴぐらい」と言われるぐらいモールが多いです。そのため、どこも同じような巨大な箱型のエンクローズドモールばかりになりました。

そして、生まれたのがヴィレッジ型モール。昔のダウンタウンを再生したかのような形式が特徴です。

このヴィレッジ型、格好いいのですが、オープンモールであるゆえ、天候によって集客が左右されるので、世界でも類を見ない高効率を求める日本の商業環境では、なかなか生まれてきません。アウトレットモール以外では。特に高価格テナントを集めるモールでは、少ないですね。六本木ヒルズのけやき坂ぐらいですね。

そこをあえての、オープンモール。それを決定させたのは、やはりそのロケーションでしょう。横浜の海沿い。この海を見ながら歩くという、アメニティ性を重視した結果でしょう。

そして、この形式では、アジアでも珍しいのです。中国の上海の新天地などがありますが、やはり空気が悪い国には不向き。そしてASEANはスコールと熱気、韓国は厳冬という問題があります。そういう意味では、アジアからの観光客の高感度層に人気になりそうです。

2.コンセプチュアルなテナントミックス



テナントミックスがユニークかつコンセプチャルです。フレッドシーガル、トッドスナイダー、スティーブンアランなど、上質でリラックスしたアメリカンカジュアルブランドが目をひきます。これは、デンハムやハリーハンセンも、和カジュアルな店を、アジアの若者に人気のネイバーフッドもアメリカンクラッシックなデザインを取り入れていれています。





3.フレッドシーガル



このモールの見所は、フレッドシーガルでしょう。代官山に次ぐ2号店ではありますが、1号店より、ぐっとLAの店に近づいています。ファサードは、LAのメルローズの建物を再現したかのよう。またファッション以外の業種をミックスさせるのがフレッドシーガルの魅力ですが、カフェテリアコーナーやサーフコーナーも広々としたスペースを先、海を見渡せるつくりになっています。そして、ファッションもぐっとカジュアルに。これがフレッドシーガルの持ち味です。本来、ロンハーマンはヨーロピアンデザイナーに強く、フレッドシーガルはアメリカンカジュアルが得意。でも、日本に先に上陸したロンハーマンがLAっぽいカジュアルを打ち出したため、代官山ではモードを扱うというねじれ現象が起きていました。そこを、この横浜の店でリセット。ロンハーマンのセレブっぽい感じのLAより、もっと武骨な方向にシフトしています。






4.ヴェランダミラトミライ

ウェディングプロデュースの大手、テイクアンドギヴ・ニーズが運営する結婚式場です。モールに大型結婚式場というのが、ユニークです。そしてこの結婚式場もカジュアル&リュクス。モールの立地やコンセプトと連動しています。店内はヴィンテージなデザインとムードが漂い、これまでの晴れ晴れしい結婚式場とはまるで違う空間が誕生。リラックスして、カジュアルでいて、リュクス。旬な感じですね。

5.物販はすべて1Fに戸口
モールは2階建てですが、物販はすべて1Fに戸口を設けられるつくりになっています。買い回り性が高める目的でしょう。そのため目的性の高い飲食はほとんどが2Fにあります。

規模を小さく、立地も良くはない(最寄り駅から徒歩9分、みなとみらい中心から15分)、天候に左右される、といったネガティブ要素をさがせば、出てきていますが、モールトレンドの先端にあることは確かで、今後も日本のモール業界に新風を吹き込みそうな事例といえそうです。




 2016/03/04 13:01  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

新幹線の駅前にイオンモール
岡山駅前にイオンモール岡山が12月5日にオープンします。ソフトオープンも11月29日ということだったので、中は見られませんでしたが、外観だけ確認してきました。



場所は、岡山駅と高島屋の間で、岡山一番街や駅に直結ですから、最高の立地でしょう。総賃貸面積は92,000平米、店舗は350店舗とのことですから、ラゾーナ川崎、あべのキューズモールを上回り、イオンレイクタウンのMori部分ぐらいの大きさです。西日本のイオンモール旗艦店と位置づけるそうです。

テナントとしては、イオンの他、向かいにある高島屋が食品館や、東急ハンズがアンカーとして出店。ファッション系としては、H&M、ZARA、ZARA HOMEチャールス&キースなどの海外SPA勢、ユニクロ、無印良品、センスオブプレイス、アズールバイマウジー、ニコアンドなどが当然のごとく出店します。

イオンモールとしては「都市型商業」と位置づけていますが、ファッション系は郊外モールの一軍プレイヤーが勢ぞろいという感じになりそうです。今の日本のボリューム部分ですね。


で、既存商業や商店街も見てきました。平日の昼ということで商店街はとても静かです。地元の方が誇る天満屋は、シャネルを1Fに構え、上品な年配の方々が買い物をされており、上品なムードは漂っていましたが、客数はとても少ない様子でした。




岡山市は人口約71万人、都市圏人口は最大150万人とも言われていますが、ラウンドした感じは、地方百貨店が2つぎりぎりに成り立つ80万人ぐらいの感じです。

なので、商圏の量、グレードから地方百貨店とイオンモールが成り立つ計算になりますが、それぞれのMDを見ると、百貨店が大きな影響をうけることは避けられないでしょう。

この構図、これから地方の中核都市で起きうる感じだと思います。それらの街は、ターミナル駅から遠い場所に、中心地があります。街が栄えたあとに、鉄道、そして新幹線ができました。昔は鉄道が街を衰退させるという考えがあったそうで、鉄道は人があまり住んでないところに通りました。

そのような考えですから、商業は長らく中心地にありましたが、モータリゼーションの発展、そして2000年から2007年前後のSCラッシュで郊外へ商業が移り、多くの中心地は寂れてしまいました。岡山もその一つでしょう。

そして、国が方針を変え、まちづくり3法と呼ばれる法改正をし、郊外の田んぼなどに大型SCをつくれなくなりました。

でも、中心地に賑わいが戻ったかといえば、そのような事例は少ないですね。

一方、デベロッパー側は、郊外から都心回帰志向がありますが、それは旧中心地ではなく新中心地ともいえる鉄道付近への出店が増えています。

京都、札幌、大阪などのような駅ビルをつくるという流れとは別に駅前直結というものも増えると思います。

なぜなら、鉄道の近くには工場があり、貨物列車の物流と連動していました。それらが移転し、空き地になったり、その後入った物件がなくなったりして大きな区画が入りやすいからでしょう。ラゾーナ川崎などはその典型でした。


これから先、日本の各地でこのような開発が起きていくことでしょう。「駅の周りはなんにもない」と地元民がばかにしていたようなところこそ、開発余地があるのです。そのサンプルとして岡山を注目していきたいと思います。
 2014/11/25 01:41  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

KOEはまだ実験中か
先週、関西へ出張があったので、岡山のKOEを見に行ってきました。

KOEは、アースミュージックアンドエコロジーのクロスカンパニーの手がける新ブランドです。

今年の7月に、お披露目のプレゼンテーションを六本木ヒルズで行い、そちらで拝見した時は、「行けるかも」という印象を持ちましたが、店舗を拝見すると、「まだまだ実験中」という感じでした。


場所は、岡山駅からJRでひと駅乗り、そこから徒歩で15分、岡山の繁華街から車で20分ぐらいという、地方郊外という立地です。

タクシーの運転手さんに聞くと、このあたりは、昔は田んぼで、その後倉庫が、そして新しい家が建ち始めたという感じだそうです。

主婦でも運転しやすい生活道路沿いですし、赤ちゃん本舗、倉庫を改装したカフェやファションのローカルのお店を集結した建物があったり、ロードサイド立地としては、まあいい立地ですが、正直、あまりにも寂しい立地でびっくりしました。

この立地からも、「まだ実験中」という姿勢がうかかがえます。


店内は、同じ大きな木のオブジェを配し、レディス、メンズ、キッズを展開。

商品を見ると、レディスはアースミュージック、メンズはUAのグリーンレーベルのような感じです。価格は、アウターで1万円台とかなり手頃。ポジショニングとしては、UAのコーエンのような感じかと思います。

なので、SC用ブランド開発ということでは、特段問題ないと思います。

ただ、六本木でのプレゼンテーションの時に打ち上げた、グローバルブランドになり得るかというと、疑問が残る仕上がりでした。

プレゼンテーションの時に見た時は、ルックにもう少し、エレガントさや、リュクス感(このグレードなので仄かなレベルですが)があったような気がします。ミラオーウェンやパドカレのような。

しかし、店ではそのようなものは感じませんでした。それはサンプルと商品の違いもあるでしょうし、VMDの仕上がりもあるかと思います。

たぶん、先に述べた通り「実験中」で、トライ&エラーの段階だと思います。ただ、このままだと、これまでの日本ブランドが海外で抱えてきた課題をクリアできないでしょう。

従って、プレゼンテーションの時に感じた、「欧州やアジアの百貨店ブランドのハマるかも」という手応えはなくなってしまいました。

今後、東京への出店を目論んでいるそうですが、それまでに磨きをかけて、ユニクロ、無印に続く、日本のグローバルブランドになることを期待したいと思います。


 2014/11/23 10:59  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

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山中 健(やまなか たける)
ファッションビジネスコンサルタント
大手百貨店、外資系ブランド、大手経営コンサルタント会社を経て、ファッションビジネスコンサルタントとして独立。アパレル業界を中心に、ライフスタイルショップ、百貨店、SCなど幅広い業態に対しマーケティングやMD、リテール、海外進出のコンサルティングを手掛ける。トレンド分析、市場調査、戦略策定などのマクロなテーマから、個店支援、研修などの現場へのブレイクダウンまで様々なテーマのコンサルティングに対応可能。

また、欧米、アジア、国内のコレクション取材やファッションマーケット調査を数多く行っており、国内外のファッションビジネスの動向を語ることができる貴重な存在として注目されている。

2009年にアパレルウェブコンサルティングファーム主席研究員、2011年にアパレルウェブ編集長就任。

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