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そして韓流ファッション小売は広がる
アセアンによるファッションのボリュームマーケット。そこでのアジアのプレイヤーの勢力図は変わっていっています。10年ぐらい前は、香港系の企業(ジョルダーノ、ボッシーニ)とローカルプレイヤーという構図。そして5年ぐらい前にユニクロの快進撃が続き、香港系企業のシェアを奪いました。その当時、中国やヴェトナムでは韓国勢が強く、香港や台湾、シンガポール、マレーシアは親日とされてきましたが、今、それが変わってきています。

マレーシアでも、1年前から韓国企業のファッション小売の出店が増えています。これは数々のストアブランドを持つE-land グループがマレーシアの百貨店グループ百盛(パークソン)と組んだためです。元々、韓国と中国の百貨店チャネルに強かった同社。SCチャネルブランドが少なかったのですが、開発を進め、カジュアル業態のSPAO、レディス業態MIXXO、シューズ業態SHOOPENなどを中心地やパワーSCの一等地に出店しています。

価格は、ユニクロと同じかちょっと安い価格。ユニクロ以上ザラ以下がアジアのボリューム価格ですから、それよりコスパを感じさせる値付けとなります。また、スキンケアの分野でも韓国プレイヤーが増えています。

コスパと韓流エンターテインメントパワーが強力に後押しとともに韓流ファション小売が広がりを見せているようです。








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 2016/12/28 07:35  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

イセタン ザ ジャパンストア
マレーシア・クアラルンプールの「イセタン ザ ジャパンストア」に行ってきました。ロット10というショッピングセンターにあった伊勢丹を改装した店で、クルージャパン機構と三越伊勢丹グループが合同で取り組んだ百貨店です。日本ブランドの海外進出を促進するインキュベーションのような店です。

第一印象は「イセタンサローネみたいだ」です。日本の伝統文化をモダンに変換したインテリア、東京のトップクリエーターが手がけるブランドたち。まさしくトレンド時差のない東京の最先端を、熱帯の大都会クアラルンプールに持ってきたという感じです。

日本にあれば、間違いなく格好いい、そして売れる店でしょう。しかし、クアラルンプールの店は、来店客数が著しく少ない。「ショールーム」としては上出来ですが、「店」としての売りには時間がかかりそうな様子でした。

店舗は、5層構造。地下が食品、1、2Fがファッション、3Fがインテリアとビューティー、4Fが文化雑貨とギャラリーです(フロア表記は日本式)。

一番来店客が多いのは、地下食品のイートインコーナー。しかし、それでも開店直後と比べると激減しているそうです。地上階は、フロア全体で来店客がゼロと言う時間帯もあったようです。

そのためか、開店直後になかったコンセプトとそぐわない当座商材が所々に見かけました。地下1階は、開店直後のポップアップスペースの後に流通菓子のコーナーを設置、メンズウェアのコーナーでは、欧州系の大衆ブランドのトランクを販売していました。店としての売りについて、現場が考えた結果なのかもしれません。

全部日本ブランドでまとめると、このような問題が生じます。最初は、コンセプチャルなので、人が来ますが、「1回行けば十分」という結果になります。そのため、繰り返し反復購買してもらうための仕掛けが必要ですが、物販部分では、そこができていないようです。

ファッションはどれも、クアラルンプールマーケットの中では超上澄み。グローバルなデザイナーと同価格となります。そのため、富裕層を狙っているのですが、グローバルプレイヤーやラグジュアリーブランドは、近隣のラグジュアリーモールに溢れんばかりに揃っています。地元富裕層や海外からの旅行者の多くはそちらを選ぶでしょう。価格で上澄みにするなら、ドーバーストリートマーケットのように、日本ブランドを中心にしながらデザイナーやブランドの出身国に幅を持ってトレンド編集をするべきでしょう

日本にこだわるなら、価格幅を下方に広げることが必要でしょう。デザイナーブランドだけでなく、リアルクローズブランドまで取り揃えるなど。また、今や世界のブランドとなったユニクロや無印良品などとコラボするなどの取り組みなどがあったら、面白いものになるかもしれません。

あと、期中商材の仕入れ体制を整えることも必要でしょう。展開してるブランドの多くは、クアラルンプール初となる日本ブランドが多いことから、同店が買い取りでやっているのではないかと推測します。日本ブランドを、国際取引で買い取ると、期中に穴が開いてしまいます。百貨店が得意とする売上仕入れを行うことで、商品調達が安定しますが、日本のブランドを扱っている現地ブランド商が少ないのが現状です。1Fではコムデギャルソンが大きく展開していますが、これはアジアの大ブランド商「クラブ21」が手がけているからでしょう。

このように、同店が背負うミッションは、崇高で難易度の高いものです。日本のファッション業界からすると「時間かけてしっかりとやる」というのが本来のあるべき姿ですが、企業経営の視点で考えると「早急にMD変更」となります。

日本ファッションのマーケット性、百貨店体質、すべての課題が集約された店舗とも言えそうです。





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 2016/12/26 11:23  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

バンコク 最新SC事情
外資への規制が弱くなり、日本企業の出店先として注目を浴びるタイ・バンコク。その審美眼の高さ、ローカルブランドの成長からファッションマーケットとしても注目を浴びています。今回は、その商業エリアの形成と変化を与えるモールデベロッパー別に動向を把握すべく、視察を行いました。

タイといえば、セントラル・グループとモール・グループが2大グループで、それぞれがモール開発に凌ぎを削っています。

セントラル・グループは、セントラル・デパートやロビンソンなどの百貨店、De Fry 01などのキャラクターブランを持ち、セントラルワールドというバンコク最大級モールを中心地に持ち、まさにバンコクの流通の核となるグループ。また、無印やマークススペンサーの現地展開を行い、イタリアの代表的百貨店リナシャンテを傘下に収めたことでも話題となりました。

どちらかというと中級の商業施設ブランドが多かったセントラルですが、昨年にラグジュアリーモールを開発しました。それが、このセントラルエンバシーです。競合であるサイアム・パラゴンより、ぐっと洗練させ、アメニティ性(居心地の良さ)を高めています









セントラルワールドにある中心地、サイアムからスカイトレインBTSで2つプルンチット駅から直結です。サイアムとプルンチットの間の、チットロムにはセントラル・デパートがありますので、3駅連続で駅前に大型商業施設を構えたことになります。

テナント構成はラグジュアリーなファッション、そしてレストラン、食品が中心です。シャネル、プラダなどのエスタブリッシュなブランドだけでなく、ラルフローレン、ポールスミス、APCなどの日本ではお馴染みながら東南アジアでは新鮮なカジュアル系、マジュ、ザクープルズ、サンドロなどパリ発のプチブランド、KENZO、モスキーノなどコレクションで話題を振りまくブランドなど、旬なテナント構成が魅力です。

地下には、イータイ(Eat+Thai)なる、食材+イートインのグルメスーパーもあります。私の推察では、これイータリーをモデルにしているかと思います。日本では今ひとつ元気ありませんが、本国やNYでは人気者のイータリー。グローバルの動きにきちんと目配せをしており、バンコクの国際性を感じさせる現象といえるでしょう。






モール・グループは、ザ・モールを主力ブランドとするデベロッパー。バンコクのファッションマーケットでは、高級レジデンスエリア、スクンビットにある中高級百貨店エンポリアムや、大賑わいのラグジュリーモール、サイアム・パラゴンを持っていることで知られています。
そして、今年の3月末には、エンポリアムのあるBTS駅ブロンポンの反対出口に、エムクオーティエという大型SCをオープンさせました。







こちらのSCは、ラグジュアリーブランドからファストファッションまで展開。ビームス、ヴァンキッシュ、ア・ベシング・エイプ、紀伊国屋も出店し、日本人居住者が多い同地区への戦略も感じさせます。モールの動線はやや複雑で、疑問を感じる部分もありますが、現段階では最強のテナント構成であり、交通渋滞が激しい中心地、サイアム地区を回避したい住民にとっては頼りがいのある存在となるでしょう。同地区の商圏拡大にも大きく貢献しそうです。






今回は、郊外にも足を伸ばしました。東急百貨店が出店予定の、パラダイスパークSCです。サイアムから車で20分東に行ったルーラル(田舎)エリアです。今年にできたばかりなので、施設は真新しいですが、ファッションテナントはローカルブランドで構成。日本からはロフトが出店しています。








デベロッパーは、地元デベロッパーのMBKで、東急はMBKのサイアムに長く店を構えています。サイアムのMBKは日本の昭和にタイムスリップしたかのようなSCで、地方やアジア他国からの旅行者、ティーンズ、流行を気にしないような大衆で賑わっています。トップトレンドやミッドトレンドを感じせるものは少なく、ボトムトレンドやローカル性を強く感じさせるモールです。





このモールと組んでルーラルなマーケットに挑む東急。どんな品揃えをするのか楽しみです。



2017年には高島屋がチャオプラヤー川西岸に完成予定のアイコンサイアムに出店予定。外資に対する規制が弱まったタイ・バンコク。今後、商業エリアの変化、日本企業の進出と成果に注目していきたいところです。

まだまだ、アジアのリサーチは続きます。こちらでもクィックにご報告したいと思います。
https://www.facebook.com/yamanakaconsulting
 2015/04/16 15:13  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

シンガポールのシューズSPA「チャールズ&キース」とは
シンガポールのシューズブランド「チャールズ&キース」が原宿のワイエムスクエアに、4月にオープンします。

「チャールズ&キース」はシンガポールのシューズブランドで、現地では46シンガポールドル前後のケミカルシューズを販売しています。

日本の感覚でいうと、3,000円ぐらいのケミカルサンダルという感じでしょうか。ただ、そのデザイン性は高く、日本の業界の方々を、現地で紹介するとだいたい、驚きます。

「アジアのブランドで日本に来て上手くいきそうなのは?」という質問をこれまでたくさんされてきましたが。その時に、いつもこのブランドを答えていました。

その競争的優位性や将来性は、LVMHが2011年に出資したほどです。

実はこのブランド、日本では量販系シューズ専門店がライセンスを持っていました。「なんで?」という疑問がいつもありましたが、パートナー選びに失敗していたのでしょうね。

そこを整理されて、オンワードさんと組んで日本に進出です。LVMH、オンワードとパートナーに恵まれて、日本でどのような展開をするのか楽しみです。

4月19日のセミナーでは、このようなアジアの注目プレイヤーの話をしていきますね。

セミナー詳細は以下をご覧ください。
http://www.apparel-web.com/feature/other/asia-seminar-20130419.html




チャールズキースの日本上陸に関するニュース記事:
http://www.apalog.com/report/archive/1381

シンガポールマーケットに関する記事
http://www.apalog.com/report/archive/1038

 2013/03/01 12:26  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

ユニクロとインドネシア
ユニクロがインドネシアに今年の夏に進出することが発表されましたね。

http://www.apalog.com/report/archive/1324

ユニクロにとってインドネシア進出はちょうど良いタイミングなのではないでしょうか。

インドネシアは、アセアンの中でも中間層のファッションマーケットがちょっと遅れています。アセアンの中で一番進んでいるのが、シンガポール、次いでマレーシア、タイときて、それよりワンテンポ遅れてインドネシアという感じです。

インドネシアのファッションマーケットを一言で言うと、「格差が大きい」。世界のマーケットは格差が大きいのが普通ですが、インドネシアはそれらよりはるかに大きいです。

ハイエンドなブランドは一通りそろっていますし、イブニングドレスの売場が百貨店の一階にあるなど、富裕層のマーケットでは、絢爛豪華です。その一方、伝統的市場が多く残っており、大衆にとっては「有名ブランド品=コピー品」が常識です。

また、中間層マーケットのボリュームは、シンガポールより2〜3マークぐらい低く、ZARAあたりは「ちょっと高いかな」という感じです。なので、ジョルダーノやマンゴが、まだ幅を利かせている段階で、ZARAが刈り取れないマーケットがまだ存在しているように感じるのです。もちろん、フォエバー21なども出店していますから、競合は多いですが、ジョルダーノとZARAの間の価格帯に空白があるのではないかと。

さて、第一号店はどこでしょうか。これまでのユニクロの軌跡と、インドネシアのマーケットを考えると、ジャカルタのグランドインドネシアかプラザインドネシアしかないような。。。。それとも、新設オープンモールでしょうか。発表が楽しみですね。


<グローバルSPAが一通り出店しているモール グランドインドネシア>

追記
第一号店は、クニンガンの新設SC、LOTTE Shopping Avenueに決まったとこのことです。ふーーん。
http://www.apalog.com/report/archive/1328
 2013/02/13 13:20  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

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山中 健(やまなか たける)
ファッションビジネスコンサルタント
大手百貨店、外資系ブランド、大手経営コンサルタント会社を経て、ファッションビジネスコンサルタントとして独立。アパレル業界を中心に、ライフスタイルショップ、百貨店、SCなど幅広い業態に対しマーケティングやMD、リテール、海外進出のコンサルティングを手掛ける。トレンド分析、市場調査、戦略策定などのマクロなテーマから、個店支援、研修などの現場へのブレイクダウンまで様々なテーマのコンサルティングに対応可能。

また、欧米、アジア、国内のコレクション取材やファッションマーケット調査を数多く行っており、国内外のファッションビジネスの動向を語ることができる貴重な存在として注目されている。

2009年にアパレルウェブコンサルティングファーム主席研究員、2011年にアパレルウェブ編集長就任。

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