AFWT18SSレビュー2 商業系ブランド参加がもたらしたもの
今回のアマゾンファッションウィーク東京では、「AT TOKYO」と並び、商業系ブランドの参加も目玉でしょう。アダストリアの「HARE(ハレ)」と「GLOBAL WORK(グローバル ワーク)」、トウキョウベースの「UNITED TOKYO(ユナイテッドトウキョウ)」が、ランウェイショーを行いました。

これまでも、ウィーゴーの「WC」、アーバンリサーチの「KBF」、アバハウスの「5351POUR LES HOMMES(5351プール・オム)」、ピーチジョンの「PEACH JOHN」 などがショーをやってきましたし、海外でもロンドンでは「TOP SHOP」、NYでは「BANANA REPUBRIC」や「J Crew」もショーを行っていますし、特段珍しいことではないかもしません。

しかし、今回のファッションウィークはこれまでとはちょっと違っていたように思います。これまでは、商業ブランドがファッションウィークでショーをやることで、どこか「格上げ」のようなイメージでした。スタリングやルックを磨き上げたり、ガールズコレクションとの差異化を見せたり、イメージアップのためにやっているという感じだったと思います。

これに対し、今回の3つのショーは、格上げするとともに、したたかにファッションウィークを「売り」の点で利用しているように思います。「HARE」は、ショーに携わったクリエーターをハブにしてNYメンズ「ロバートゲラー」とのコラボを実現、またショーピースの一部を店頭に展示したり、WEBで予約してたりする取り組みを実施。顧客を大勢招いた「UNITED TOKYO」は、絵型を配ってショーと同会場で、受注会を開きました。

そして、演出やスタイリングも優れもの。「GLOBAL WORK」のスタイリングは、顧客の共感を招くというレベルではなく、業界人もときめかせるほど。こざっぱりとした普段着をスタイリングで何段階も格上げしました。「UNITED TOKYO」は東京の風景の映像を背景にクールなスタリングで魅せました。

商業系ブランドのファッションウィーク参加により、消費者が参加して会場は盛り上がりました。それだけでなく、リアルクローズのランクアップ提案で、東京ファッションの多様性を訴求、クリエーターたちにも新たなチャンスを生んだように思います。そして、ガールズイベントとは別に、ファッションウィークを新たなプラットホームするという新たなカタチを生んだと言えるでしょう。



(写真 グローバルワーク)

Via Collection by Apparel-web
Photo by KoTsuchiya

★SNSでも情報を発信しています!
https://www.facebook.com/yamanakaconsulting
https://twitter.com/takeru_yamanaka
 2017/10/28 15:49  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)


AFWT18SS レビュー1 AT TOKYO

10月16日から21日まで行われた「2018年春夏 アマゾンファッションウィーク東京」。その振り返りを4本に分けてお伝えしたいと思います。

まずは、アマゾンファッションが行った プロジェクト「AT TOKYO」。サカイとアンダーカバーのジョイントショー「10.20 SACAI / UNDERCOVER」、ロンドンからの凱旋ショー「TOGA」、ナンバーナインの創業デザイナーである宮下貴裕が手がける「TAKAHIROMIYASHITA THE SOLOIST.」、伸び盛りのストリートブランド「BLACKEYEPATCH」がショーを行いました。同プロジェクトは「新しいファッションのハブになる」ことをミッションにスタート。ローンチした先シーズンは、「GROWING PAINS」 、「BEDWIN & THE HEARTBREAKERS」、「HOUSE_COMMUNEN」がショーを開催。伸び盛りのブランドにスポットをあてたようなセレクトだったのですが、今シーズンは大物を招聘。「大物不在」と言われ続けたきた、東京のファッションウィークを盛り上げました。

大物たちだけに、ショー会場の趣向を凝らしました。「10.20 SACAI / UNDERCOVER」は、かつての東京コレクションのメイン会場だった外苑前の聖徳記念絵画館前に、「TAKAHIROMIYASHITA THE SOLOIST.」は秩父宮ラグビー場に特設テントを設置。「TOGA」は国立新美術館で華麗に、「BLACKEYEPATCH」は、松濤の能楽堂跡で発表。海外のコレクションに負けずとも劣らない大きなショーを開催しました。


(Courtesy of SACAI)

「10.20 SACAI / UNDERCOVER」、「TOGA」は、リピートショーながらスタイリングや演出を変えており、先に発表されたショーと比較するのも楽しみの一つ。「10.20 SACAI / UNDERCOVER」、はショー会場の左右別々に登場し、サカイは巨大なディスプレイの映像を、アンダーカバーは真紅のビロードの幕を背景にショーを進行。フィナーレ、正面にアンダーカバーの、背景はサカイのメッセージが書かれたピースでパレードしました。「TOGA」はメンズモデルも多用。マニッシュなウィメンズ、フェミニンなメンズがシンクロし、クロスジェンダーな世界を繰り広げました。


(写真TOGA Photo by Ko Tsuchiya)

東京のメンズモードのセレビリティたちが見守った「TAKAHIROMIYASHITA THE SOLOIST.」は、パリのショールームやルックブックで紹介したピースやスタイリングをさらにデフォルメ。独自の世界観を堪能することができました。

(写真TAKAHIROMIYASHITA THE SOLOIST. Photo by Ko Tsuchiya)

「BLACKEYEPATCH」は、能の舞台にバイクやスケートボードを走らせるという度肝を抜く演出。服そのものでなく、それを取り巻く空気やメッセージこそがファッションでありカルチャーであることを印象づけました。


(写真BLACKEYEPATCH Photo by Ko Tsuchiya)

こうなると次回が楽しみになるというもの。期待が高まるだけに、さらに大きな仕掛けを期待したいものです。


Via Collection by Apparel-web

★SNSでも情報を発信しています!
https://www.facebook.com/yamanakaconsulting/
https://twitter.com/takeru_yamanaka
 2017/10/24 12:32  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)


メンズフェミニティー
クロスジェンダーという言葉が広がったのは、2012年秋冬シーズン頃から。それから5年たち、もはや定着しています。

しかし、メンズコレクションではその後ユーティリティートレンドが長く続いており、メンズアイテムを主軸としたノージェンダーは多くありましたが、フェミニンなムードはしばらく見られませんでした。

そして、2018年春夏コレクションでは、フェミニン要素を控え目に取り入れるルックが新鮮。メンズアイテムやメンズルックの中に、フェミニンな素材、アイテム、モチーフ、ディテール、シルエットをとりいれる・・・。まるで男性の中にある女性性を表現しているようです。トムブラウンやヴィヴィアンウェストウッドのように、大胆にウィメンズアイテムをメンズモデルに着せるというものもありましたが、それとは違う、あくまでメンズ軸のフェミニティが気になります。

特に印象に残ったのが、10月の東京ファッションウィークでは、ショーも行うソロイスト。パリのショールームで見せたシースルーのレースシャツルックが新鮮。また、J.Wアンダーソンやドルチェ&ガッバーナなどは、ハートモチーフを多用。他のショーでも、肌見せやアンサンブル、ロングスカートのように見えるワイドパンツなども登場しました。

少年のような華奢な体だからこそ、似合うこのテーマ。ユースな流れとシンクロしそうです。


(Courtesy of TAKAHIROMIYASHITATheSoloist. )


(Courtesy of J.W. Anderson )

Via Collection by Apparel-web

★SNSでも情報を発信しています!
https://www.facebook.com/yamanakaconsulting/
https://twitter.com/takeru_yamanaka
 2017/09/30 11:26  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)


90Sミニマム
昨日、パリで行われたサンローランのショー。エッフェル搭をバッグにしたショーは、まさしく「パリコレ」そのものでしたね。

こちらのショー、メンズも登場しています。ジェネルトレンドの太めパンツではなく、細めパンツが印象に残りました。エディスリマンの頃から、若々しい細パンツがサンローランスタイルであったので、そう考えると太くなっているとも言えます。

太いパンツ、ボリュームシルエットとは一線を画す、ちょっとスカした90Sミニマムは2018年春夏の裏トレンドでもあります。ウィメンズではすでに多く見られるようになっていますが、メンズでは2017年秋冬に現れ、2018年春夏でチラホラ見られるようになっています。

モノトーンのシュッとしたテーラリングや、クリーンなワントーンのワークウェアを細く長いシルエットで表現。90Sミニマムのように、ディテールを一切なくしたルックはまだ少ないですが、ランウェイはそちらの方向に移行しています。

日本の市場においては、やっと太めシルエットが広がり始めたところなので、大きなうねりになるのはもう少し時間がかかるかもしれませんが、先行トレンドとしてチェックしておきたいところです。


(Courtesy of Saint Laurent)


(Courtesy of Alexander Mcqueen)


(Courtesy of Icosae)


(Courtesy of Belruti)

Via Collection by Apparel-web

★SNSでも情報を発信しています!
https://www.facebook.com/yamanakaconsulting/
https://twitter.com/takeru_yamanaka
 2017/09/28 11:28  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)


クリーンストリート
メンズとの統合が目立ったミラノウィメンズコレクションが終わり、トップメゾンのメンズコレクションの発表が終わりましたね。そこで、2018年春夏に向けたメンズトレンドについての記事を再開したいと思います。

2018年春夏で大きなうねりとなるのは、クリーンなストリートではないでしょうか。ラグジュアリーストリートが収束し、コンサバ要素をまとったこのクリーンなストリートが大人層まで広がりそうです。

このきっかけは、2017年秋冬のルイヴィトンのコレクション。シュプリームとのコラボレーションで話題をさらいましたが、その上品で、リラックスしたストリートルックは、2018年春夏で広がりを見せそうです。

オーバーフィットのジャケット、ハイウエストパンツ、ルーズパンツ、ハーフスラックス、ハーフパンツなど、テーラリングを新解釈して転換。パステルカラー、リフレッシュカラー(ペパーミント、ライトブルー)、ライトアーシーカラーなどであくまでクリーンながら、ほのかに80 年代のスノッブなフィーリングをまとわせます。

このルックは、感度の高い若者だけでなく、モードにシフトしたい大人層でも受けれられます。すでに、2017年秋冬ではメンズ雑誌の新提案となっています。今後に期待です。


(Courtesy of Louis Vuitton)


(Courtesy of Lanvin)


(Courtesy of Diesel Black Gold)

Via Collection by Apparel-web

★SNSでも情報を発信しています!
https://www.facebook.com/yamanakaconsulting/
https://twitter.com/takeru_yamanaka
 2017/09/27 19:31  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

前へ | 次へ
山中健 公式サイト


ブログ内検索
Web 検索
プロフィール
山中 健(やまなか たける)
ファッションビジネスコンサルタント
大手百貨店、外資系ブランド、大手経営コンサルタント会社を経て、ファッションビジネスコンサルタントとして独立。アパレル業界を中心に、ライフスタイルショップ、百貨店、SCなど幅広い業態に対しマーケティングやMD、リテール、海外進出のコンサルティングを手掛ける。トレンド分析、市場調査、戦略策定などのマクロなテーマから、個店支援、研修などの現場へのブレイクダウンまで様々なテーマのコンサルティングに対応可能。

また、欧米、アジア、国内のコレクション取材やファッションマーケット調査を数多く行っており、国内外のファッションビジネスの動向を語ることができる貴重な存在として注目されている。

2009年にアパレルウェブコンサルティングファーム主席研究員、2011年にアパレルウェブ編集長就任。

山中健 プロフィール
山中健 公式サイト
コラム 山中健のWorld Report

QRコード
アパレル業界の情報満載の「アパレル携帯版」
右のQRコードで読み取ってアクセスしてください。こちらからも自分の携帯URLを送れます。 QRコード
最新記事
カテゴリアーカイブ
月別アーカイブ
最新コメント
山中
金環日食を見ながら感じたこと (2012年05月21日)
mie
金環日食を見ながら感じたこと (2012年05月21日)
Rina
メンズの死角 (2011年12月08日)
山中
新サイトオープンしました (2011年06月07日)
山中
銀座シャネル (2011年03月25日)
morimo
銀座シャネル (2011年03月25日)
最新トラックバック
3区カフェと20区カフェ (2009年07月21日)

http://apalog.com/yamanaka/index1_0.rdf
更新順ブログ一覧
リンク集