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昔の日本の暮らしは美しい
今日は仕事の帰りに、両国まで足をのばし、江戸東京博物館で開催している「明治のこころ―モースが見た庶民のくらし」を観てきた。
大森貝塚の発見者であるアメリカ人のモースが、3度にわたって日本を訪れた際に収集した品々を一堂に集めたものだ。

古道具や骨董が好きな私は、物としては見慣れたものが多く、物珍しいと思ったのは、陶器でできた動物型の火あぶり火鉢とか、めぐり地蔵とか、正直いってそれほど多くはなかった。昨今の日本の物づくりの見直しで、日本の昔の道具がずいぶん復活して目に触れるようになったというせいもあるだろう。
物そのものというより、100年以上前の泥付きの下駄とか、中身の海苔がそのまま残っている海苔の缶とか、そういうものに当時の生活が息づいているのがおもしろかった。
シュールな彩色が施された、当時の人々の様子が写っている写真も効果的であった。

モースの目から見た当時の日本というのは、皆、とても働き者。
物のあまりない部屋がいつもきれいに掃除されているという記述は印象的だ。
そういえば、日本人というのは実に掃除をよくする国民性がある。
その点、欧米は掃除というのはいつの時代も掃除を専門にする人々がいるが、日本は掃除を美徳とする伝統が今も息づいている。

もう一つ、印象的だったのは、日本ほど子供を大事にする所は他にないという記述。
これは「家」というものを大事にしていた影響(入院している母にこの話をしたら、こういうリアクションであった)で、つまり家を継ぐ子供が大事にされていたのである。特に男の子が。
西洋というのは子供を厳しくしつけるが、それに比べると、日本は甘いところが多分にある。これも母に言わせると、武家の名残が色濃く残っていた家では、いくら孫がかわいくても、デレデレとした態度を見せることはなかったとのこと。
子供というものの認識の違いについては、以前、人形の専門家に、西洋の子供の人形は大人の縮小版で、頭が比例して小さくなっていたが、日本の市松人形の影響から子供の人形の頭が大きくなったという話を聞いたことがある。

それにしても、大量の物に囲まれてにっちもさっちもいかなくなっている現代の私たちに比べると、明治の生活は本当に美しい。
しかも道具の一つ一つ、襖の引手の金具など、職人の作るモノづくりの隅々が芸術にあふれているのだ。商店の看板もそれぞれに魅力的。

生活の仕方というものをつくづく考えさせられた展覧会であった。

 2013/11/22 22:47  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

わが身に降りかかった火事
今日は、私の人生においても忘れられない出来事があった。
今日のことは今日のうちに書き留めておきたい。

昨日は母の腹壁ヘルニアの手術が予想以上に時間がかかり、病院に残してきた母の体調が気がかりのまま床についた。
なんとなく外がざわざわしている様子に目が覚め、時計を見ると「4:06」。
外の様子を確かめようと、玄関側の納戸に使っている部屋のブラインドを開けてみると、外が見えない。一瞬、結露?と思ったがそんなはずはない。
オレンジ色の乳白色、よく見ると火が反射し、煙が立ち込めているのだ。
これは大変と、取り急ぎ、何はともあれ119番通報をすると、既に何人かが通報しているらしい。
急いて、身支度をして、昨夜のうちから用意してあった外出用のバッグをかかえ、ぬれタオルを手に外に出ると、マンションの周辺に住む数人の人たちが消火活動をしている。
「火元はどこですか?」と聞くと、何と我が家のすぐ下、階下のお宅の息子さんの部屋ではないか。窓から火が噴出している。

消化器ではらちが明かない状況になってきたので、もう離れた所に避難しようということになり、その場を離れた。
どんどん火や煙の勢いが強くなってくるのに、消防車がなかなか来ない。
ようやく到着したのは、少なくとも私が通報してから10分以上は経っていたように思う。

ここは約30年前、温暖なミカン山の丘陵を利用して建てられたマンションで、特に我が家のある2号棟は山の斜面を利用して段々に建てられたルーフバルコニー付である。眺めはいいのだが、エレベーターもないので、お年寄りが増えた今となっては何かと不自由な点が問題になっていた。
したがって、大きな消防車も留めにくい立地になっている。
本格的な消火活動に入るための準備もおそらく実際以上にスローに感じられ、「お願いですから早くしてください」と懇願するように見守っていた。

日の出前の寒さが身に染みてきたので、ご近所の方の車に一緒に乗せていただき、しばらく経って、管理人さんの誘導にしたがって、管理人室へと移動。そこでしばらく待機していた。
こういう時には何をするというわけにもいかないので、フェイスブックに現状を投稿して気を紛らわせるしかなかった(明け方であったにもかかわらず、すぐにいただいたリアクションはやはり勇気づけられた)。
火が我が家まで及んだとしても、せめて半分は残っていますように、大事なものが燃えませんようにと願いながら(特に両親の家を守っている以上、両親のいない時に大切なものを燃やしてしまうわけにはいかない。私の仕事の資料も燃えたら困るな、と)。
管理人さんの奥さんの入れてくださったお茶が本当においしく感じられた。

そうしているうちに鎮火を伝える消防署の人がやってきて、我が家は無事であることを教えてくれた(家の鍵はかけていなかったので、既に家の中を点検していてくれた)。事情徴収をしながら一緒に部屋にもどり、消防署員数人の付き添いのもと、懐中電灯の光で(電気、ガスは止まっている)全室を点検。
その後は、警察の事情徴収。電気、ガス、マンションと提携しているという会社が早くも排水の様子まで聞きに来た(いくらなんでもそこまでは…)。

今日は午前中から東京で仕事に出る予定があったので、薄明りの中で身支度をはじめ、予定通りに7時過ぎには家を出て、まず母の病院へ。
母の様子を確かめてから(もちろん母にはまだ伝えていない)、駅に向かったというわけだ。

階下は全焼してしまったが、住人の方(体の不自由なお母さんと息子さん)は無事避難されたとのこと。

こうして家にもどって夕食を済ませ、デスクの前に座ってブログが綴れるという、当たり前のことができることの幸せ。
我が家への延焼まで、間一髪であったと思う。
やっぱり何か大きなものに守られている、生かされるというしかない。

それにしても火事の臭いは一日中私をつきまとったが、空気清浄機を全開にしていても、当分この臭いは消えないだろう。
今から45年前、通っていた学校の一部が冬休み中に燃えたことをまざまざと思いだす。
わが人生に身近におこった二度目の火事であった。

皆さま、くれぐれも火の用心を!
写真左下の板で打ち付けてあるところが階下の火元になった部屋です。
 2013/11/14 21:06  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

ライフスタイルの展示会へ
先週は湾岸方面への用事を兼ねて、久しぶりにインテリア&デザイン関連の展示会「IFFT/インテリア ライフスタイル リビング」をのぞきに、東京ビッグサイトに足を運んだ

ファッションの合同展「ルームス」を見ても産地ブランドが大きな軸になっているように、ここでも日本の物づくりの強みが十分に発揮され、またパリの「メゾン・エ・オブジェ」風にぐっと洗練されてきていることに驚いた。
従来のようなインポートか国産かという区分ではなく、多様なかたちで世界とのコラボレーションを見ることができる。

デザインプロダクトを幅広く手掛けるYO-KOからのインヴィテーションを頼りに、迷いながらブースを探して伺うと、シンプルなモノトーンのコーナーに、小さなポータブルマルチ加湿器「FOGRING(フォグリング)」が鎮座していた。

水タンクは内蔵せず、水を張ったグラスなどに浮かべて使えるもので、出張などの旅先のホテルでも重宝しそう。セットになったUSBや、スマホの充電ケーブルが電源に使えるので手軽だ。
これは韓国のメーカーとの共同開発で発売に至ったものだという。

実用的でおしゃれ、しかも税込みで3150円という価格は、プレゼントにも最適。










また、素朴な木製や真鍮のインド製ランプが目を引いたのが、栄進物産のコーナー。
インテリアからスタートし、ランジェリーやファッションの輸入販売を手掛けている会社だが、最近はナポリの「パッサラクアコーヒー」のカフェ展開やコーヒー豆の販売を始めている。
カラフルでちょっとレトロなボトルのオリーブオイルも、思わず手に取りたくなった。


まさに衣食住の境をや国境を取り払ったライフスタイルの提案が、時代と共に進化していることを実感してうれしくなった。
そして、かつてのファッションへのときめきが、自分の中では今は完全にこちらの方に移行していることを再確認した。
 2013/11/11 22:00  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

50代後半をどう生きるか
今年もあっというまに11月3日がやってきて、いよいよ本格的に50代後半に突入した。
私は父母のようには長生きしないだろうが、それでもまだ30年が自分には残されている(たぶん)。あと30年の人生をどう生きたらいいか、いろいろと考える年頃になった。

若い時もそれなりに大変だが、人間、50歳の節目を超えると、いろいろと現実にぶつかる。生きていくために仕事をしようと思っても、50歳を過ぎると新しい仕事を得ることが本当に難しくなるのだ。
とりわけこの5年程の間に、時代が大きく変化したから、ふと気が付くと、世代交代の中ですっかり取り残されてしまった自分を発見する。
はたからはそう見られない分、その悩みは相当に深い。

65歳定年を導入している企業に勤めている人が、60歳(58歳?)を過ぎると給料が半分になると嘆いていたが、私から言わせていただくと、それまでと同じ環境で仕事を続けられるのは本当に幸せだと思う。
先日もNHKの番組で中高年の再雇用を扱っていたが、有名企業の役員をしていたような男性が全く別の所で掃除をしている場面があって、こういうのはしんどいだろうなと思った。
それまでとはまったく異なる社会に投げ出されると、周りは自分の能力やそれまでの実績など知るはずもない。
そういう精神的なダメージの方が、収入減以上にしんどいものだ。

会社勤めをしていようと、フリーランスで仕事をしていようと、重要なのは妙なプライドを捨てること。その1点につきるのかもしれない。
私は幸いにも、会社の上下関係とか年上年下といったヒエラルキーには無縁に生きてきたのはいいが、そういう序列を通り越して言いたいことを言ってしまうのが悪い癖。
ある時は先生と呼ばれ、ある時は単純労働や肉体労働という働き方もある。
ただ謙虚に、新しい環境や人間関係を受け入れること。
そうやって生きていかれる人だけが、真の若さや自由を手に入れられるのかもしれない。

将来への不安はつきないが、とにかく健康で働き続けたい。
今与えられているものを心から感謝し、これから仕事をいかに創っていくかが大きな課題だ。
 2013/11/04 18:57  この記事のURL  /  コメント(1)  / トラックバック(0)

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