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昨日は映画『ラスト、コーション』(日比谷シャンテシネ)、今日はピナ・バウシュ ヴッパタール舞踏団の『パレルモ、パレルモ』(新百合ヶ丘・テアトロジーリオショウワ)を観に行った。 こう並べて書くのはヘンなことは分かっている。 ここのところ忙しくて、気持ちがザワザワ落ち着かなかった私の、現実逃避を求める心境は表れているかもしれない。が、特にこの2つに関連性はない。 後者は、ピナ・バウシュの舞台の常連であるNさんのお誘いで前々から決めていたが、前者は衝動的に観にいったのだった。 前者の放映時間は3時間、後者も休憩時間を入れて3時間だったが、とにかく『ラスト、コーション』には疲れた。 タイトルは「肉欲と訓戒」という意味(LUSTという言葉からは、7つの大罪を連想してしまう)で、中国語の原題は『色、戒』(この2文字が並ぶとコワイ)。 舞台は、日本軍占領下の上海。女主人公(スパイ)の行動は、抗日が原動力になっているのだが、その歴史的背景にはあまり深く触れていない。 過激なセックスシーン(あれもラブシーン?)が何かと話題だが、戦争というものが生む男女の関係は辛すぎる。女主人公の生き方には、ほとんど共感できるものがなかった私。例えば、自分がかつての全共闘世代なら、もう少し違う見方ができるのだろうか。 テーマが重いのはいいが、全編を流れる暴力性とあまりに救いのない最後に、残ったのは虚脱感だけ。 『パレルモ、パレルモ』の幕引きは、すがすがしいものであった。 いや、幕は一度も下りず、現実の営みはこれからも繰り返されるという余韻が続くのだが。 ピナ・バウシュの生の舞台は私にとっては初めて。舞踏や体の動きだけでなく、言葉もかなり入ってくるが、演劇とは違って抽象的。それでも観念的になりすぎずに、表現したいことが舞台全体からじかに伝わってくる。 少なくとも、観客にプレッシャーを感じさせない、観ていて気持ちの良いものだった。 最後に、ダンサーたちと一緒に並んで、舞台挨拶をするピナ・バウシュ。その慈悲深い表情と優しい物腰は、遠くからもしっかり感じることができた。 ちなみに客層は、知的でセンスのいいクリエイター系が多いのが特徴か。 |




