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女4人のTVドラマ
映画は好きなのに、テレビドラマにあまり興味が持てない。
韓流ドラマにはまったくはまらなかったし、今また話題の『SEX AND THE CITY』なんて、ファッションのセミナーで触れることはあるが、白状すると実は一度も観たことがない。
その昔は、「2丁目3番地」「3丁目4番地」とか、40年?!経っても、題名が思い出せるような好きなドラマがあったが、どうもトレンディドラマ登場辺りから興味を失った。今でも毎週観るのを楽しみにするようなドラマというものは、本当に稀だ。
同年代が集まると時々話題になる、子供の時のアメリカンホームドラマの話にもついていけない。アメリカに対してあこがれがなかったせいだろう。

そんな私が、最近ちょっとおもしろいなと思っているドラマがある。
木曜日夜9時からテレビ朝日放映の『四つの嘘』。高校時代に同級だった41歳の女性4人が、再会して織り成す物語なのだが、とにかく脚本がうまい!
脚本家・大石静の本領発揮といったドラマなのだ(原作も大石静)。テレビというのは脚本家次第だなとつくづく思う。

4人の女性といえば、『SEX AND THE CITY』と同じだが、日米でこうも違うかと思うほど、『四つの嘘』は女性の描き方がリアル。『SATC』のように、決しておしゃれなライフスタイルを描いているわけでない。4つのタイプを通して、深いところにある女性の本質をうまく引きずりだしている(日本のドラマはファッションマーケティングにはあまり使えない)。
朝日新聞のフリーペーパーで美容家の斉藤薫さんが書いていたけれど、女性を4分類するのは古今東西の鉄則のようで、そういえば『若草物語』も『細雪』もそうだ。

4人いると、必ず自分に似たタイプがいるといわれるが、『四つの嘘』の場合、私は誰に近いだろうか。
まず永作博美演じる「魔性の女」(外見はあくまで地味というところが日本らしい)でないことは確かだし、寺島しのぶ演じる、元優等生で今平凡な主婦でもない。羽田美智子演じる女性のような、幸せ(?)な終末もないだろう。
そうなると残りは1人。勉強嫌いだし、あんなふうに仕事だけの忙しい生活なんてごめんだが、人と群れないで常にわが道を行くという意味では、高島礼子演じる外科医に一番近いのかもしれない。
さて、あなたはどのタイプですか?
 2008/07/18 16:44  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

リルケの詩一篇
菩提樹の初花が (リルケ詩、片山利彦訳)

菩提樹の初花が
ひっそりと風に散り
私の心におおけなく早くも浮ふ幻
それは樹翳の緑に染んで座っている君の姿
初めての母の仕事にいそしんで
みどり児の肌衣縫う君の姿

針の手留めず歌う君のうたは
五月(さつき)の中へひびき入る

花咲け、花咲け、花咲く樹
親しい庭の奥で咲け
花咲け、花咲け、花咲く樹
わたしはここで待っている
こえなき夢の充ちるのを

花咲け、花咲け、花咲く樹
夏には実りが豊かだろう
花咲け、花咲け、花咲く樹
私は着ものを縫っている
太陽(ひ)の輝きも縫いこんで

花咲け、花咲け、花咲く樹
実りのときはやがて来る
花咲け、花咲け、花咲く樹
わたしの大事なあこがれの
意味(こころ)を告げよ、花咲く樹

君は歌う、歌いながら
その歌こそは五月そのもの

その樹の花は咲くだろう
どの樹々よりも際立って
君の縫うその着ものは
晴れ晴れとかがやいて
若い母に成る君の仕事は
樹の翳の住んだ緑に清まって
小さな肌着を作るだろう


30数年一人で続けてきた下着専門店を、最近閉店したSさん。
店を始める時の最初のイメージにあったというリルケの詩。それを書き写したメモをそっと私に渡してくれた。
ネットで調べたら、舞踏家・大野一雄がかつてこの詩を演目に踊っている。
 2008/05/23 00:11  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

手芸熱、冷めやらぬ
年に1度、東京ビッグサイトで開催される手芸の見本市、「日本ホビーショー」に久しぶりに行ってみた。
会場のお客さんの中心となるのは、通常の見本市のような業者ではなく、入場料1000円を払って入場する一般客。当然のことながら、女性でいっぱい。

手芸と一口でいってもその種類は幅広く、その時々で人気の手芸は刻々と変化している。
今年の一番の旬となっていたのは、スクラップブッキング。何のことはない、デジカメや携帯で写真を撮ることはすっかり定着したから、その思い出の写真に多様な飾りを施して、インテリアの装飾用にというわけ。
自分史の執筆とか、うちの父親が作っているワケの分からないスクラップとも、根は同じ。記録しておきたい、思い出を残したいという人々の欲求は永遠なのだ。
昔からクリエイティブな人はそれぞれ独自に楽しんでいたことも、ブームになると、カリスマ講師のもと、皆、お勉強のように習い始める。
家にあるものを利用するならまだしも、スクラップブッキング用にいろいろな材料が開発されている。こんなに世の中がエコ、エコとなっているのに、またたくさんのゴミが出る! 
もともと手先を動かすことの好きな私。何か作りたいといつも思っているが、これ以上、いらないゴミは出したくない。

古今東西、編み物、縫い物などは、女性の嗜みであると同時に、繰り返し作業が女性に必要な根気を育てると同時に、女性にとっては一つの現実逃避であり、無心で手を動かすことによって、日常の苦しみや悲しみを和らげてくれるものであった。
でも今や、手芸は女子供だけのものと思ったら大間違い。一般公募による「ホビー大賞グランプリ」は、何と64歳の男性の編み物の作品。編み物歴はまだ2年強だという。
男性がもっとどんどん参加したら、いい方向に変化していくに違いない。

それにしても、手芸関係の本はあんなにおしゃれになっているのに、日本のホビー業界は相変わらずチマチマした安物店の売場みたい(失礼!)。アメリカやヨーロッパとの一番の違いは、色がくすんで汚いことだ。
本来はファッションに近いはずなのに、手芸はファッションと一番遠く感じる。
昨今の手芸ブームをもっとおしゃれにするために、ファッション業界は何かできないだろうか。

今回の「ホビー産業大賞」(経済産業大臣賞)に靴下メーカー、岡本の「手あみ靴下コンテスト」が輝いていたが、こういうふうに産業界からも、人々の手作り熱を刺激する仕掛けをどんどん提案していただきたい。
でも、「手作り」と「産業」の折り合いをつけるのは難しい。産業になると、ちっともおしゃれじゃなくなるから。
 2008/05/09 21:34  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

99歳の監督作品を観る
サービスデーを利用して映画を観にいった。平日の昼間に、のうのうと映画を観にいくことができるのは、フリーワーカーの特権だ。
映画や舞台をもっとたくさん観ようというのは、今年の抱負の1つに入っている。
月に一度の映画の日や週に一度のレディスデー、また60歳以上のシニア価格はもとより、最近は夫婦のどちらかが50歳以上なら2人で2000円なんていうサービスもやっている。こういうのを利用しない手はない。
そういえば旅行も化粧品も、「50歳から」という文句をいろいろなところで目にする。実際には60歳前後からの団塊世代を狙っていることは歴然としているが(50歳はまだあんなにババくさくない!)。

さて、何の映画を観たかというと、ミシェル・ピコリとビュル・オジエというフランスの名優が演じる『夜顔』(2006年フランス・ポルトガル映画)。オリジナルの題名は「belle toujours(「今なお美しく」といったような意味)」。
これは、カトリーヌ・ドヌーブ主演で知られた『昼顔』(1967年・ルイス・ブニュエル監督作品)の続編を想定したストーリーなので、「昼」対「夜」ということでしゃれているが、かつての邦題はものすごく飛躍したものが多かった。

このお正月にDVDで観た『欲望』もその典型。昨年亡くなったイタリア映画の鬼才、ミケランジェロ・アントニオーニ監督の1966年の作品で、オリジナルの題名は『BLOW-UP』(写真の「引き伸ばし」の意味)。「引き伸ばし」そのままつけても何のこっちゃわからないが、いくらなんでも「欲望」はないだろう。
この映画は、とても今から40年も前のものとは思えないほどフレッシュで、しかも全編、暗喩に満ちていて、すばらしい作品だった。
ミニドレスにカラータイツをはいたモデル時代のジェーン・バーキンや、今やすっかり英国女優の大御所の貫禄充分のバネッサ・レッドグレーヴにもこんな若い頃があったのかと思えるような若かりし姿が登場するから、明らかに40年前なのだが、今観てもちっとも古びていない(DVDの映像技術だけの問題ではないだろう)。

それに比べると、今日の『夜顔』はちょっと古めかしい。何しろ、監督のマノエル・ド・オリヴェイラは99歳!
いや、「欲望」とか「秘密」といった人間の裏側にあるものにロマンを託す、その「古めかしさ」こそがテーマだったのかもしれない。パリを舞台に、いかにもフランス映画らしい会話劇なのだが、今という時代や若い世代とのズレのようなものを時折感じさせる場面が出てくるのも、妙に切なかった。
バーで客を物色している2人の娼婦の会話に、監督自身の心情があらわれていた。年配の娼婦が若い娼婦に向かってこういうセリフをはく――「最初に客を誘いこむのはあなたの方だけど、テクニックは誰にも負けないわ」。
 2008/01/09 22:17  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

刺激的なハガキ
今年も多くの年賀状をいただいた。
普段、仕事でお世話になっている方々、もう年賀状だけのやりとりになってしまった方々とさまざまだが、何も近況が書かれていないものでも、それぞれに元気で活躍していることが分かってうれしい。

そんな中で、いつもとびきり刺激的なハガキを下さるのがMさんだ。
10年以上前に出した本の取材でお世話になった方で、確か私の父と同じ85歳。
もともと絵描きだが、戦後のある時期には新聞記者も務めた、博学の人。
昔の新聞記者らしいインテリヤクザぶり(おっと失礼!)を、今も発揮している。
今日いただいたハガキはこんなふうだ。
「(略)『まだ自分の中に…』の文面、よく分かります。私は毎日、天才になるために、下手なお絵かきです。あなたには、パウロになってほしい。私は、ユダで充分。殺陣の先頭にいるあなたに、男のシットです。」

これは、「フリーランスで仕事をするようになって20年。まだまだ自分の中に消化されないエネルギーがあることを感じます」と書いた、私の年賀状に応えてくださったものだ。
「もっと仕事がしたい、もっと書きたい」という叫びを、こういうふうに受け取って返してくださる。
この人はいつも、こうやって女を育ててきた。

自分の仕事を理解してくれる人が少ないと嘆くのはやめよう。
普段会うことはなくても、遠いところからこうやって刺激を与えてくださる方がいることへの感謝を胸に、今年もがんばろうと思った。
 2008/01/04 22:03  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

銀座でタイムトリップ
知人に誘われ、銀座のメゾンエルメス10階にあるル・ステュディオで映画を楽しんだ。
ル・ステュディオとは、40席のプライベートシネマ。
今年はダンスをテーマに上映会をしていたらしいが、今日はその締めくくりとして「ジャズ&ファンタジー」。20本あまりの短編映画のオムニバス上映だった。

ルイ・アームストロングの「ラプソディ・イン・ブラック・アンド・ブルー」、ジョセフィン・ベーカーの「プランテーション」をはじめ、ニコラス・ブラザーズ&ドロシー・ダンドリッジの「チャタヌーガ行きの急行列車」、さらにデューク・エリントン、ビル・ロビンソン、ベリー・ブラザーズ、フォー・ステップ・ブラザーズと、ジャズファンならきっと垂涎ものの、古い映像が続々と登場した。
1920年代、1930年代の映像も、見事に残っているのにびっくり。
とくにジャズファンというわけでない私にも、黒人ならではの体の内側から湧き上がってくるような即興的なダンス、不思議な規則性のあるリズミカルなダンスに、心地よく浸った。

ジャズの映像の合間には、アニメーションの先駆けというレン・ライの1930年代後半の実験的な作品(音楽に乗って映像が飛び跳ねるようなカラフルな映像には、目がチラチラして困ったが)。
また、時代が80年代以降にぐんと飛んで、ジェフ・スカーの軽妙な動画や、個性派モデル、グレーズ・ジョーンズのビデオクリップには懐かしいものがあった。

ジョセフィン・ベーカーも良かったが、一番かわいかったのが、ベティ・ブープのアニメーション。
パパにガミガミ怒られて(パパとママは意外に普通の人)、悲しくなったベティ・ブープ゚が書き置きをして、犬のビンボーと家出をするが、外にはお化けがいっぱい。逃げて帰ってきて、やっぱり家が一番というような話の筋だ。
こんなに古い(1932年)、しかも長いベティ・ブープのアニメを観たのは初めて。
お化け役には、キャブ・キャロウェイという歌手の動きがそのままアニメ化されている。

その昔、ベティ・ブープに似ている(?)といわれたことのある私は、彼女には妙に親近感を覚えてしまう。
ベティ・ブープは、アニメの世界で初めて女性をデフォルメしたキャラクターなのだという。一つのセクシーシンボル。家にいても、いつものバニーガールのような格好をしているところがおもしろかった。

外に出ると、銀座の街はクリスマス一色。土曜の夜だけあって、大勢の人たちが買い物を楽しんでいた。人ごみをかき分け、私は伊東屋に来年のスケジュールカレンダーを買いに行った。

 2007/12/08 22:21  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

母校で被服科の授業
母校に新しく出来た被服科の講師に呼ばれ、昨日、初授業に行ってきた。
私学一貫校の大学で、一般教養の選択コースとして設けられたものだ。
商品を作る側にも売る側にもいたことがない私は、実技を教えることはできないが、ジャーナリストとしてファッションの世界の広さ、深さは伝えられるかもしれない。
私自身、ファッション(生活と美をつなげるもの)とは、生きるエネルギーそのものだからだ。

学生は20名強で、4分の3が女性。ちょうど私の子供に当たる年代だ。
少数派ではあるが、男子学生の方が個性をおしゃれに表現していて、「ファッション大好き」というのが伝わってくる。
メンズ主導のストリートファッションの影響は大きい。
スズキタカユキ、シアタープロダクト…なんていうブランド名も、男子学生の方から聞かれた。

もともと洋裁や美術など、物を作ることが好きな彼らだが、ファッションを一つの産業としてとらえる視点はまだ薄い。
そこで、私は学生たちに一つの提案をした。
それはブランドを作ること。つまり実際に企画から生産、販売までに取り組むことによって、社会とのかかわりを実感して欲しいと思ったのだ。
それには、まず何を、誰のために作るかということを決めるのが重要だ。
こういう物余りの時代でも世の中に無くて困っているものはあるはず、それをまず見つけて欲しいと課題を出した。

彼らからどんなアイデアが出てくるか、次回の授業が楽しみだ。
 2007/11/15 10:53  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

ブームの繰り返し
若い時からかなりの映画を観てきたが、最近めっきり映画を観る機会が減った。
映画館に足を運ばなくなっただけでなく、近くにTSUTAYAがありながらも、ある時、店頭がビデオからDVDにすっかり変わっているのに遭遇して、浦島太郎の心境になり、借りる気も失せてしまった。

そんな私が、昨夜、衛星放送で久しぶりに映画を観た。
1968年のフランス映画『個人教授』(ミッシェル・ボワロン監督)。
その思わせぶりな日本語タイトルのせいか、今まで一度も観たことがなかったのと、久しぶりにフランス映画のフランス語を聞いてみたくなったのだ。
いかにもフランスらしい話の筋はともかく、40年も昔の映画なのに、パリの町並みや人々の雰囲気が今とほとんど変わっていないのが、何より新鮮だった。
主人公のルノー・ベルノーは、この後、ヴィスコンティの『地獄に堕ちた勇者ども』にも抜擢されているが、『個人教授』(欧米では不発に終わったとか)によって日本で異常に人気が出たため、どうも道を踏み外してしまったようだ。

いろいろなことをブームにしては、一過性で終わらせ、また次のブームに移る。
なんだ、今も同じではないか。韓流スターも、はたまたどこかの商業施設で列を作っているドーナツ屋まで。日本は今も昔も、同じことの繰り返し。
飽きが来るのが早い国民性だから、仕方ないといえば仕方ないけれど、ブームの繰り返しばかりでは、後に何も残らない。

さて、今夜の衛星放送は、私が中学生の時に熱中した『小さな恋のメロディ』(1971年のイギリス映画)。改めてどう感じるか、楽しみだ。
 2007/11/14 10:42  この記事のURL  /  コメント(1)  / トラックバック(0)

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