今日はどうしても観たい映画があって、仕事が一区切りついた後、雨の中を昼過ぎからバスに乗ってローカルな映画館へと向かった。
題名は『大鹿村騒動記』。
最近、映画観てないなと思っていたこともあって、好きな俳優がたくさん出ているこの日本映画に惹かれていたのだ。
常時1000円という映画なのに、映画館の中はがら空き。
甘いポップコーンの香りが漂う今風のシネマコンプレックスだけに、余計もの悲しい。
若い配役もいるが、懐かしい顔ぶれ。それにしても皆、年を重ねたなあ、としみじみ。
主役の原田芳雄は、何を隠そう、私がローティーンの時に恋いこがれていた人。
たぶん、男の人っていいなと最初に思った人かもしれない。
『三丁目四番地』の(確か)気象庁のろくさんが、彼のイメージの原点。その後の超メロドラマ『冬物語』も良かったなあ(両方とも相手役は浅丘ルリ子)。こんなことを言っても、通じる世代は少ないだろうが。
つまり、私にとっての原田芳雄のイメージの原点は、映画のアナーキーな役ではなく、テレビドラマなのであった。
その時の感情が妙にリアルによみがえった。
体型はかなり変わったけど(歌舞伎役者にぴったりの体格におなりになっている)、彼特有の、体全体からにじみ出る男の人のかわいらしさがあの頃のままだったから。
実は、知人の友人だったこともあって、20年前位に、ブルースを歌う彼のコンサートに行き、その後に対面したことが一度だけある。
彼の作品はそれほどたくさん観ているわけではないが、その後もずっと気になる人だった。
映画の余韻にひたりながら、家にもどり、夕食をとりながら、7時のニュースを観ていると、何と、原田芳雄が亡くなった!という訃報。
『大鹿村騒動記』は原田芳雄らしさが満開だった。気の置けない仲間にも囲まれて、彼の最期にふさわしい映画だったと思う。