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「江之浦測候所」で自分に出会う
今日の肌寒さからはウソのようだが、つい数日前は10月の最高気温では記録的な暑さ(日中の最高気温が30度)だった。ちょうどその日、夏から予約しておいた「江之浦測候所」(小田原文化財団)に見学に行ってきた。
自分にとって大切な区切りの日でもあったのだ。

「測候所」というと何やら天体か気象でも観測するようなイメージだが、現代美術のアーティストとして知られる杉本博司氏のまさに総合芸術が見られる新しい拠点。杉本氏自らがファンデーション(財団)を作り、10年の歳月をかけてこれまでの仕事の集大成をここに作ったのだという(まだ作業中)。

敷地面積全体では1万坪ともいえるらしいその広大な立地は、もと櫁柑山のあった所。
駅からしてタイムスリップしたような、ひなびた雰囲気の根府川の櫁柑山や、漁村のような風情の江之浦の海岸がもともと好きだったこともあって、何かよく分からないが、小田原の江之浦にできたここにぜひ見学に行きたいと思っていたのだ。
ディテールの一つ一つもすごいが、その施設全体がアート。
アートも人間も、それらを取り巻く自然や環境と融合し、一体化したかたちで存在していく。そうでないものは空しいのではないか、そんなことを想った。


天空の測候所で、私は自分の内側を測候した。
光学ガラスでできた舞台の上で演じられるものを観るのが楽しみ。
夏至の太陽の光がまっすぐに入ってくるように作られた細長いギャラリーは、相模湾に向かって伸びている。内部には世界の静かな海を写した写真が展示されていた。

高所恐怖症の私はやや怖い場所も。不規則な石段も多いので、足元にはご注意。


季節が大きく切り替わる直前に、実に稀有な体験をした。
私はこの日を境に、からだの中に何か新しいものが宿ったような気がしている。
こういうものが私の住む小田原にできたことは本当に喜ばしい。
 2017/10/16 13:37  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

TVドラマの反撃?
インターネット全盛。自宅でも、PCの前に腰かけている時間が長い。
アナログな私でもこんなふうだから、旧メディア離れは相当に進んでいるのだろう。

購読している人も少なくなったようだが、私は毎日配達してくれる新聞を読むのが楽しみ。
それも、ソファでゆっくり毎朝30分という時間は10年前までで、近年は都心への移動時間や夜寝る前にベッドの中で目を通す。それでも私にとっては貴重な情報源として手放せない。

TVは食事しながらつけていることは少なくないが、TVドラマを観ることはほとんどなくなった。
そんな私が、今はまっているのが、テレ朝の昼ドラとして始まった『やすらぎの郷』。あの倉本聰の脚本。
退屈に成り下がっていた昼ドラの改革をと、名付けて「シルバータイムドラマ」と名付けたところがいい。
NHKプロフェッショナルでその内容を知ってからずっと楽しみにしていたのだが、第2回放映が終わった今日の段階で、その期待を少しも裏切っていない。

まず中島みゆきの主題歌からぐっとくる。
今のところ、登場人物は主人公の石坂浩二がメイン。大した俳優だと思ったことはあまりなかったけれど、うまい。はまり役。70代半ばであの仕事は大変だろう。セリフを覚えられるだけでも尊敬する。
石坂浩二の実際の元妻や元カノなど、とにかく、私が若い時にあこがれたような女優さんが次々に出てくる。皆、高齢でもがんばっている。

高齢化社会をベースにした介護の問題、老後の問題など、まさに今日の社会を反映した色々な要素がこめられているだが、それとともに テレビ業界への皮肉たっぷりというところが、さすが倉本聰。彼の反骨精神と枯れないエネルギーを感じさせる。とにかく質の高いドラマなのだ。

ただ、20分の時間帯なので、もっと先を観たいと思っても、すぐに終わってしまう。
録画するほどマメな性格でないから、次に在宅で観られる時にはかなりストーリーが進んでいることだろう。

 2017/04/04 13:27  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

最期に登るべき山とは
今日の午前中、何気なくテレビをつけたらNHK総合で、田部井淳子さんの「生涯最後の登山のドキュメント」を放映していた。

田部井さんといえば、1970年代に女性として世界で初めてエベレスト登頂に成功した登山家として知られ、昨年亡くなった方。
番組では、癌末期で全身が衰弱している中で、自身の故郷である福島の高校生を引き連れ、富士山の頂上を目指した様子がえがかれている。

私にとって最期に登るべき山とは何だろうか…。
 2017/01/07 12:50  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

新しい年も粛々と
新年の三が日も今日で終わり。
「不安」の時代を象徴するかのように、全国の神社はどこも例年以上の人出だったらしい。

私は1日と2日が終日仕事で外出したせいもあって、お正月らしくない三が日だった。
昨年は一人でもおせちを用意して、お雑煮を作ったが、今年は何もしなかった。そういう気持ちにならなかったということもある。

今年は一に節約、二に物書きの道を正しく歩みたい。というわけで、今日も終日家にいて、お金を使わず、原稿用紙(400字×)10枚分の原稿を書いた。
この調子で行きたい。

普段はあまりテレビを観ないが、昨夜のNHKBSのドキュメンタリー番組(遠藤周作『沈黙』を映画化したスコセッシ監督を追ったもの)にしても、今朝のNHK「2時間でルーブル美術館を見て回る」にしても、非常に見応えのある番組に触れることができた。
あまりに情報量の多い雑多なネットに対し、テレビがその役割を見直し、作り手のメッセージをしっかり発信するものになっているような気がする。

20数年の歳月をかけ、隠れキリシタンにまつわる話を通して、悩み苦しむ弱き者たちの魂に迫る映画をつくった監督の思いは、決してキリスト教(カソリズム)という一宗教の枠にとどまるものではないと思った。
また、後者はルーブル美術館の要をおさえた分かりやすい内容だったのにとどまらず、最後にイスラム美術の美しさを紹介したことが、この時において非常に大きな意味を持っていたと思う。自分が西洋文化の中に溶け込んでいるイスラム美術がとても好きであることを再認識した。

この時代に、自分自身が生かされている意味とは何か…。
自分だけを守るという傾向が世界的に強くなっている今日、一人ひとりがもっと広い視野を持つことが重要ではないだろうか。
新しい年の幕開けとして、とてもいい3日を過ごせたような気がする。

 2017/01/03 21:21  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

ヨガの映画に刺激を受ける
ヨガのルーツを探るドキュメンタリー映画『聖なる呼吸』を観て、いろいろなことを考えた。以下、覚書。

ヨガは体操というより呼吸法なのだが、体操との共通点もあって、その国の文化を背景にした教育的な要素があること(フィジカル、精神、集中力)。日本のラジオ体操然り。
その教育というのは、もちろんボトムアップではなく、トップダウンのもの(最初はごく限られた特権階級が対象だった)。ラジオ体操とは異なるが。

また、文化というものは、時代の変化と共に崩壊の危機にあっても、独自の哲学があれば、必ず生き残る道があるということ。ヨガは欧米に進出し支持されたことによって、今日のように世界に広がった。

特に東洋の文化は、西洋によって再発見されたり、見直されたりということが多い。西洋フィルター。かつての浮世絵までさかのぼらなくても、今の「日本はすごい」ブーム(私は少々過剰に感じる)もそういうところがあると思う。
それは西洋文化もそうであって、いずれにしても、文化の再発見というのは第三者のよそ者の視点が大事。
そして、ある文化が浸透していく段階において、多くの流派に枝分かれしていく(人間が伝えることだから、独自性や特徴を出して支持を得ようとする)。これは日本の茶道や華道も同様だ。

この映画で印象的だった言葉は、「集中力」。逆に「瞑想」という言葉は1回しか出てこなかった(ヨガはすなわち「瞑想」と私は認識しているが)。

ただ、少し疑問が残ったのは以下のこと。

私はヨガをかれこれ10年近くやっていても(週1日程度の頻度)、相変わらず体はかたい。不得意なポーズ(アーサナ)が多い。それを自分で善しとしている(他人と比べないのがヨガだから)。鍛錬しなさすぎではある。
あの映画でいうように「そのうちにできるようになる」(続けていれば体が柔らかくなる)ということはない。人間の骨格というのはそうは変わらない。それとも、あと数十年続けていれば、いやもっと頻度を増やせば(毎日家で励めば)できるようになるのか。

もう一つは、ヨガは宗教を超えたものだと思っていたが、あの映画の中で語られていたことによると、「ヨガが宗教色をあまり出さないのは、欧米進出の手段だった」ということ。宗教を前面に押し出すと敬遠されるという懸念があったとしている。ヨガが異なる宗教を幅広く受け入れていることは確かだと思う。

ある意味では、ヨガは受け入れる人によってどのようにとらえていいものなのかもしれない。

そんなことを考えながら、夜は仕事関係の人たちとインド料理レストランへ。もともとこちらが先に決まっていて、それに合わせて映画を観たのだった。
インド人も多く来店する同店で、インド人にも人気なのが、このドーサ(クレープ)。パリパリ感がありながら、モチモチ感もある。ほんのりチーズの香りがしておいしかった。
サラダから前菜、カレーもいろいろな種類をいただいた。
ヨガをやる人間にしては食べすぎ。

今日は、世界平和の日(Peace Day)。私にとってはPeaceful な1日でした。


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 2016/09/21 22:56  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

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