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コレクションの変わらぬ風景
ファッションといえば、一般には華やかなファッションショーのイメージが先行する。しかし、少しでもあの中に身を置いた経験のある人の中には、あの独特の雰囲気が苦手という人が少なくない。
美しいコレクションそのものには何の罪もないのだが、そこに群がる人々によって排他的なムラ社会が形成されているのがファッション業界。映画『プラダを着た悪魔』までいかなくても、あれに近い虚飾や格付けは日本にも存在する。

東京コレクションが最も華やかなりし1980年代後半のテントの時代から細く長く見続けている私も、最近は遠方に住んでいることもあってなかなか足を運ぶことが難しくなった。
メルセデスベンツファッションウィークTOKYOとスポンサーの名を冠してから数回目になる今回。これだけは見逃せないと楽しみにしていたあるブランド(そのブランドがデビューしたての時に取材をして、小さな会場で実施した最初の展示会から知っていることもあるので私としては愛着がある)のコレクションに時間を合わせて行くと、既に会場は長蛇の列だった。
通常、プレス関係者は、業者や学生など一般来場者よりも早く着席することができるのだが、人気ブランドだけあって、プレスの印付のインヴィテーションを持った人々も並ぶような態勢になっていた。

そこでじっと観察していると、何人かの著名な人々も、私と同様に列に並べといわれている。その1人(スタイリスト)はたぶんそれに気分を害して帰った様子。もう1人(ファッションビジネス大御所)は、ショーが始まってから立ち見で観ていらっしゃることを遠くから確認。そして一番若いストリート写真を得意とする人は、何とブランド関係者の知り合いを中から呼び出し、最前列の席にちゃっかり座っていたことを後で発見した(ジャーナリストはある意味、このずうずうしさ、要領の良さが必須要素)。
ちなみに私は最後列の椅子で、重い荷物を足元に置き、煩わしい社交をすることもなく、コレクションを堪能することができた。

ショー会場に入ると、席はほぼ埋まっていて、最前列などは、こういっては失礼だがまだご存命でいらしたのかと思うような方々が、しっかり着席していらっしゃる。それは20年前と変わらない風景だ。
時代が変わって世代交代がおこり、メディアの勢力図がだいぶ変化していても、変わらないものは変わらないものだと感慨深いものがあった。

どんなにベテランでも有名人であっても、特等席に座ることにこだわるより、地べたに座れる覚悟のある人の方がかっこいいと私は思うのだが、そういう価値観の人はファッション業界にはあまりいない。
でも、そんなことは、すばらしいコレクションを観た後ではすっかり浄化されて忘れてしまうんだけどね。

 2014/03/19 21:41  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

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