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父が転院してちょうど1週間。晴天のもと、電車とバスを乗り継いで隣町まで面会に行ってきた。 随分落ち着いてきた様子だったが、そのうちに、「うちに帰る」という口癖が始まった。「やらなきゃいけないことがいろいろあるから」というのが理由だ。 先日の転院の際も、急な外来受診の際も、移動となると不安になるらしく、「うちに帰る」「これからどこに行くのか」という押し問答になる。 「今度の新しいおうちに帰るのよ」。 困っている私を見かねて助け舟を出してくれた看護婦さんのこの一言。実にいい言い方だなと思った。 「今度の病院よ。今朝そこから来たでしょ」なんていうより、ずっといい。 ただ、父の場合は、家にいた頃も「うちに帰る」とよく言っていた。 ここではないどこかに帰る、帰るべき家は別のところにあるという感覚なのか。 哲学的、宗教的にはいろいろな解釈があるだろう。 そういえば、ある人が、瞑想を「自分の帰るべきうちに帰る」魂の行為と、言っていたのも印象深い。 結局、どこに行っても、帰るべき「うち」を模索しているのが我々なのかもしれない。 昨年買った小さな植木鉢のモモのつぼみが、我が家のベランダで大きくふくらんだ。 |






