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嬉しいクライアントの業績回復!
携わってもうすぐ丸2年を迎える、中国の某クライアント(アパレル)があります。そこの2016年度(2017年3末まで)の決算の結果が非常に良かった、と今日聞いてホッとするやら、嬉しいやら、正直涙が出そうでした。同時に「ずっと愚直に指導させて頂いた内容、やり方が間違っていなかった」と確信もしました。

このクライアントは既に40年の歴史があり、中国では知名度も抜群に高い反面、ここ2-3年の間に国内外の競合ブランドも台頭してきて、顧客も高齢化、主要チャネルは加盟、代理店方式一辺倒、という旧いやり方を押し通してきたのですが、2年前から老板(社長)と共に取り組んできた改革(加盟店を直営店化し、自ら売れると確信した商品を、全国統一の売り方、標準化された売場で、売り込んでいく、というやり方)が、結果的に功を奏したのだと思います。

一時期中国全土に8,000店舗以上あった店舗網を、加盟、代理店を中心に2年間で2,000店舗ほど閉店させ、力を直営店に集中。旧在庫も処理しながら、プロパー消化率を上げ「1店舗あたりの利益、利益率UP」を全社方針として掲げ、それに向けて、全社員(本部、全国9つの販売会社)がその方針、目標に向けて邁進した結果だと考えます。
本文とは関係無いですが、先月視察で行ったロンドンの「& other srories」
店舗のアトモスフェアが凄く素敵です。この空間、空気感を様々なアパレルが模倣するのは、分かる気がします




2年ほど前は、「著名な企業が数千店舗規模で閉店!」と、こちらの業界ではこの企業の終了説まで流れていました。私はその時期も、この企業にずっぽり浸かりつつも、ひたすら「商品企画精度改善」を課題の1番に挙げて、クライアントと一緒に取り組み、改善を繰り返してきました。
所謂「商品のランク付け(SA)」を明確にし、商品企画、商品構成を考える最初の段階から介入、一点サンプル確認、各色確認、そして商品のお披露目の場である展示会の時に、我々が推す商品を「MUST BUY」として、加盟、代理店の皆さんに受注してもらうように誘導していきました。

商品改善に光が見えてくると、今度は「売り方」(販売方法、マーケティング、ブランドPR、販促)の改善に着手、単純に言うと顧客視点で顧客が欲しい時期に、欲しい商品を投入し、販促も絡めて売り込んでいくという、当たり前といえば当たり前の手法です。

そして最後は「売場改善」です、上述の「商品企画精度改善」→「売り方改善」が明確になれば、その明確な方針に基づいて企画された商品を、時期別、南北地域別、各カテゴリー別に、SAランク強弱をつけて、解りやすいゾーニング、レイアウト、フェイシング、スタイリングを、これまでの月別から隔週別、今は週別で本部から細かくVMD指示書を用いて指示を出していく。これが浸透し始めると、今度は全国9つの販売会社直下のモデル店舗を、くまなく巡回しました。

巡回目的は、SA商品動向(売れている理由/売れていない理由の確認)、本部VMD指示書を元にきちんと売場を作成しているか?その指示書自体の改善点は無いのか?商品の動向、販促自体の効果性、改善点は?直近の売上、顧客状況など、店長をはじめ、販売会社各部門、本部からの商品、売り方、売場、各責任者と会議、様々なKPIを分析し、問題点があれば巡回同行者全員で、営業中でも即什器配置を変えたり、レイアウト、フェイシングを変更する、といった荒技でした。

これを繰り返すことで、これまでお客様が通り辛かった導線が甦ったり、売れ辛かった商品が動き出したり、課題が明確になり修正したことで入店客数が増え、試着率、買い上げ率、SET率、客単価、それぞれが修正当週、翌週から回復、向上していく、という目に見える好結果の店が続出しました。

このように数字が上向きになってくると、あとはそれを、誰もが、何処でも、容易に、再現できるように、ロジカルな仕組みを作ること、今はまさにこれに着手しているところです。
でも上述の取り組みを始めて、一番効果があったことは本部と現場(販売会社や店舗)との距離が近くなり、よりコミュニケーションが深くなった、という事です。

中国ではまだまだ、本部と現場の間の壁は大きく、例えば、販売会社の人達が会議や展示会で本部を訪れても、遠慮してなかなか意見も言わない状況が、逆に本部の人達が現地に赴く事で、遠慮なく「現場、現物、現実」視点で、活発な意見を言い合う、という状況に変える事ができた事が最大の成果であったと自負しています。

この調子で、このクライアントとは互いに言いたい事を言い合って、今後も引き続き取り組んでいきたいと思います。


それでは!



 2017/03/20 22:13  この記事のURL  / 



プロフィール
内田 文雄(うちだ ふみお)
上海在住。2011年 上海にてVMDコンサルティング会社 碧詩商務咨詢(上海)有限公司 設立。現在の仕事は「売れるVMD」を基軸に @中国アパレルに対してのSPA構築セミナー、月/週次指導 A中国、アジア地域に展開する日系ブランドのVMD&インテリアデザインディレクション B中国/日系ブランドへの売場活性化クリニック C新店OPENディレクション D販売スタッフへのVMD教育育成指導。いつでもお気軽にお問い合わせ御待ちしております。 モットーは「VMD IS MY LIFE!」    1984年から(株)ワールドにて数々のブランドのVMD業務に携わり、1993年に上海交通大学に留学、その後上海駐在。2005年4月ファーストリテイリング (株)ユニクロに転職、VMD部門の日本、グローバル(欧米、アジア)全体の責任者として、ユニクロのグローバルVMDの仕組み構築、店舗スタッフ育成指導、国内の大型店、海外グローバルフラッグショップのディレクションを担う。2010年8月ユニクロを退職し起業。 IFIビジネススクールVMD講師。

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