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外人が活躍する中国アパレル業界!
以前にも書いたかもしれませんが、2、3年前から中国アパレル企業に正社員として活躍する外人が明らかに増えています。
ここで言う外人とは、西洋人、東洋人を指し、西洋人ではイタリア、フランス、アメリカ、東洋人では日本、韓国、香港、台湾の人達。特に昨年あたりから韓国人が多くの中国アパレル企業で総監(ディレクター)や、高級経理(マネージャー)の役職で力を発揮しています。

職種を見ると、ブランドディレクター、デザイナー、MD、VMDなどを担う人が目立ち、それも韓国の衣恋(Eランド)出身の人達ばかりなのです。
衣恋は中国に於いて確固たるポジションを確立したのが2010年頃、7から8つのブランドで、何処の百貨店、モールでも彼らのブランドが良い場所をもらい、売上も好調でした。
それが2014年頃から売上、店舗数も減り続け、直近では或るキャラクターブランドを中国企業に売却するなど、キャッシュフロー的にも厳しい状態になっていると聞いています。

当然ながら、優秀で中国語もネイティブに近い衣恋の数多くの駐在員達にも、本社から帰任命令が下ります。素直に韓国本社に帰任する人もいれば、これまでの中国での実務経験を活かして中国に支社を持つ別の韓国アパレル企業に転職する人、コンサルタントとして自ら起業する人、そして中国のアパレル企業に正社員として転職する人もいます。

もちろん、衣恋出身の人達全てが皆優秀とは限りませんが、中国マーケットに明るく、言葉もできコミュニケーション能力も高く、まだ続いている韓流ブームも手伝い、韓国っぽいテイストを提案できる人材は、韓国っぽさを醸し出したい中国アパレルにとっては願ったり叶ったりなのだと考えます。

中国にリサーチに来られた方なら、或るブランドの服や店のアトモスフィアを見て「これは韓国系ブランドだな...」と思ってタグを見ると、実は中国アパレル企業だったという経験もあるのではないでしょうか?

これらの事が上述のいま中国アパレル企業に韓国人や衣恋出身者が多い要因なのです。私の中国のクライアントにも衣恋出身の多くの人達がいて、私は外部顧問の立場として毎週のようにクライアントの会議に参加しますが、彼らがイニシアチブをとり会議をファシリテートしています、見事なものです。

当然ながら、高額で雇用契約をして正社員となっているわけですが、経営陣からは常に高い成果、結果を求められ、毎日残業をしたり、週末も出勤したりしていて、見ていて気の毒に感じることも多々有ります。実際にそのプレッシャーに耐えかねて、中国企業を渡り歩く韓国人もいるのも事実です。
元モンクレール メンズチーフデザイナーがデザインする某ブランドのダウンウェア(2016年秋冬のもの)




一時期(2005〜10年)は今の韓国アパレル出身者の役割を担っていたのは、実は日本アパレル出身の日本人でした。ブランドディレクター、デザイナー、パターンナー、MD、VMD、販売員教育...など、多くの専門職の方々が活躍していました。
でも今はかなり減っています、その理由は日本テイストと中国マーケット、嗜好との乖離、長いタームでじっくりと、計画性を重視し物事を考える日本人と、いつでも即断即決即判断、進めながら考える中国人との差など、政治的な事も含めて、徐々にズレが生じてきているのはないか、と考えます。

その点、中国アパレル企業で働く衣恋出身の韓国人(あくまでも私が知り合った方々はですが)は、進めながら考える中国人の思考に迎合しながらも、途中、途中で自らの意見をこれでもか、くらいにバンバン言って、軌道修正させたりと、非常に巧みだと感じます。
私もたまに驚きつつも、相当勉強させてもらっています。

これまた、他のクライアントで正社員として活躍するイタリア人男性、この方は元プラダ、元Dsquared2、元モンクレール メンズチーフデザイナーと著名なブランドを渡り歩いてきています。毎月10日間ほど中国に来てデザインワークを行っています、残りの20日間はイタリアにいて、メール、電話などで仕事をこなしています。
この彼は私のように外部顧問としてクライアントと契約するのではなく、正社員としてアパレル企業で契約するも、雇用形態は西洋人らしく色々と条件を言っているようです。
それでも、ブランド活性化、差別化、売りの一つとして、外人を雇用する旨味があってのことだと思います。

と言うように、多くの中国アパレル企業では様々な外人を雇用して、ブランディング再構築、セカンドブランド化、業務の標準化、グローバルな思考導入、人材ネットワークの活用...など幅広く、色々と仕掛けています。

余談ですが、私もたまに中国アパレル企業社長から、「正社員にならないか?」とお誘いを受けますが(笑)その時は「サラリーマンを卒業し、自ら色々なクライアントさんの支援をさせて頂く為に起業したので、申し訳ありません...」とお答しています。
仮に高額の給与を頂けたとしても、今現在の楽しく、自由に仕事をやらせてもらっている環境は変えたくない、というのが真実ですが。

それでは!





 2017/02/25 00:00  この記事のURL  / 



或る中国著名メンズブランドの話!
この3日間、中国で約8,000店舗を展開する、中国寧波が本部のメンズアパレル企業の2017年秋冬の展示会を確認し、70近いスタイリングを組んできました。

メンズと言っても、カジュアルライクなテイストでは無く、中-高級素材を用いたスーツ、シャツ、単品パンツが主力アイテム、中国企業の高級紳士服と言えばこのブランド名が挙がるほど知名度は抜群で、毎年11月11日のWイレブンの日の売上もメンズ単独ブランドではNo.1の企業でもあります。

とは言え、昔の名前で出ています的な古い体質が色濃く残る企業で、商品開発、マーケティング開発、売場開発、EC取組み、モールなどへのチャネル開発...など等、2016年から大改革をスローガンに掲げ取組み始めています。



展示会を見た素直な感想としては、16秋冬商品と比較すると、新しい素材開発は海外の著名な紡績、服地メーカーとのコラボレーションで少しずつ進化はしてるものの、それが中々マーケティング(私はこれを「売り方」と言ってますが)で表現されていない、つまり代理商、直営店の皆さん(代理商オーナー、店長)に伝わっていない、という状況にあります。

せっかく新たに取組み、開発した素材を元にデザインされた商品が展示会で発注されず、これまで過去に売れた実績がある、売れ筋の素材や、デザイン、カラーの商品が好まれ、発注されています。日本でも同様の事が起こっていると想像できますが、結局店舗で売れる商品は、例えばスーツや単品ジャケットであれば、ベーシックな万人受するデザイン、シルエットのもの、カラーも黒、濃紺、紺で、結果的にこれらが展開されるシーズンの売場は全体的に暗く見えるといった具合です。
またこのブランドの主力アイテムは全商品構成の40%近くを締める、シャツ、スーツインのネクタイを締めるドレスシャツ系、冠婚で蝶ネクタイを締めるシャツ、中国でよく目にするネクタイを締めないタイプの襟の若干カジュアルなシャツ、同様にそのチェックシャツなど、これも新素材を用いているも、デザインがベーシック過ぎ、カラーバリエーションやチェック柄も昨年踏襲というありさま。

誤解を恐れずに言うと、スーツ、単品ジャケット、シャツアイテムで、マーケティングの力を用いて、売り込んでいくモノ、チャレンジしていく事が大きく欠けているのです。

ブランドの商品企画、MDの考え方も、いわゆるSABCランク付け(Sを全体の10%、Aを20%、Bを30%、Cを40%)を元に企画、商品構成の仮説立てをしていますが、展示会ではその仮説が明確に代理商、店長達に伝わらず、自らの地域、店舗で売りたいモノを発注しています。つまり各地域、各代理店のSABCランク付けができてしまっているわけです。
新しい素材開発や、新しくデザインされた商品にフォーカスが当たらず、発注も少なく、最終的にはドロップをされる運命になっています。

当然ながら、上述の様な深刻な状況について、ブランド本部の商品企画、MD、マーケティング、VMD部門の責任者の方々、そして代理店や直営店を管理する営業部門の方々と一つのテーブルで話をしていますが、それぞれの立場での言い分がなかなかまとまらず、埒があかない状態。

そこで私が提案した事は、全国8,000店舗を一気に改革するのはリスクも高いため、4,300万人が住み、このブランドのお膝元である浙江省(杭州、寧波、温州、紹興、などが代表的な都市)の直営店で標準モデル店舗を決めて、そこで商品企画、MDの意図も鑑みた商品(新素材商品、新デザイン商品)も追加発注し、マーケティング(売り方)も明確に決め、それを売場(VMD)で分かりやすく提案、展開し、それらの商品をただ単に売るのではなく、「売り込んでいく」というやり方に決定。
或る意味、いわゆるテスト販売に近い手法ではあるが、これまでこのような事すらチャレンジをしてこなかったブランド、このことで成功事例が生まれ、他の省にも横展開していく事ができると考えています。

「商品(MD)を」「どのような売り方(MK)で」「どんな売場(VMD)」で売り込んでいくか?これを愚直に推し進めるだけだと言うことです。

それでは!






 2017/02/11 01:20  この記事のURL  / 



商業施設の変化スピードの速さ!
春節の休みを久しぶりのパリ、ロンドンのマーケットリサーチで過ごし、東京、神戸を見て回り、上海に戻って来ました。

上海のマーケットを見ると、今年は例年に比べ春節が早かった(1月28日から)事もあり、冬物最終消化期間が短くなり、2月第1週から春物を展開するブランドもチラホラ出てきています。言い方を換えると春物販売期間が長いので、如何に冬物最終消化をどのタイミングで終結し、新商品を如何に明確な週次戦略を持って売り込んでいくか?が2017年早春の商売の鍵となるでしょう。

さて、家の近くの中山公園龍之夢購物中心も久々にリサーチしてきました。昨年秋の地下2階の永楽電器跡地へのMUJI、GU、US(Ulife Store)などの出店もあり、上層階でもブランドの入れ替えが頻繁になっており、ここにきて龍之夢中心がまた注目されています。

これは物販だけでなく、この龍之夢の主な集客装置となっている飲食業態でも同様で、全体の半分くらいの飲食業態(レストラン、カフェ)が入れ替わっていて驚きました。
いま中国で流行っているレストランチェーン(庶民イメージ、低価格、趣向を凝らした料理)が、多く出店しており、店舗面積も大型化しています。これは、人気レストラン側からすると「出店するなら、最低これくらいの面積で」という要求が出されているのでしょう、或る南京料理の価格が安いレストランは、これまで3店舗の飲食店があった跡地に大型店を出していて、週末はもちろん、平日でも夕方は入店待ちの行列ができています。
いま中国全土で一番人気、南京が本部の「南京大牌档」、常に50人くらいが並んでいます。ここが元々3店舗あった跡地に出した大型店です
古い家を模したイメージが人気で、いま中国のレストランは、このように古き良き時代を再現したインテリアが主流です
海鮮を売りにするレストラン、通路側にガラスもなくオープンな雰囲気になっています



この店舗の大型化はアパレル業態が先駆けており、H&M、ZARA、UNIQLO、C&A、HOT WIND等など、今の中国の商業施設、MALLには欠かせないブランドが出店交渉の際に条件として出す内容でもあります。これが飲食業態でも普通になってきたという事だと思います。

中国で人気、流行りが盛り上り、フェードアウトしていくスピードは日本とは比べる事が出来ないほど速く、レストランの大型化は客単価は低くても、客数を稼ぎ、売上を上げていくやり方、まるで飲食業のファストファッション化が進んでいるように見えます。

上海に来た事があり、中山公園龍之夢購物中心をリサーチしたことがある方は、是非足を運んで、5階から8階の飲食フロアーの変わりぶりを見てください。
上海だけでも年間50数カ所の大小様々な商業施設がオープンするも、数年後には消えていっている状態。
そういう中、衣食住の「食」を満たさない商業施設には消費者は興味も持たず、見向きもしません。この龍之夢が人気施設で有り続ける要因は2−3年周期で大鉈を振るう、飲食テナントの入れ替えにあると思います。

それでは!

 2017/02/06 01:50  この記事のURL  / 



プロフィール
内田 文雄(うちだ ふみお)
上海在住。2011年 上海にてVMDコンサルティング会社 碧詩商務咨詢(上海)有限公司 設立。現在の仕事は「売れるVMD」を基軸に @中国アパレルに対してのSPA構築セミナー、月/週次指導 A中国、アジア地域に展開する日系ブランドのVMD&インテリアデザインディレクション B中国/日系ブランドへの売場活性化クリニック C新店OPENディレクション D販売スタッフへのVMD教育育成指導。いつでもお気軽にお問い合わせ御待ちしております。 モットーは「VMD IS MY LIFE!」    1984年から(株)ワールドにて数々のブランドのVMD業務に携わり、1993年に上海交通大学に留学、その後上海駐在。2005年4月ファーストリテイリング (株)ユニクロに転職、VMD部門の日本、グローバル(欧米、アジア)全体の責任者として、ユニクロのグローバルVMDの仕組み構築、店舗スタッフ育成指導、国内の大型店、海外グローバルフラッグショップのディレクションを担う。2010年8月ユニクロを退職し起業。 IFIビジネススクールVMD講師。

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