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中国ファストファッション最新情報2!
前回の投稿から、出張が重なり相当間が空いてしまいました、前回は2016年のファストファッションの状況をまとめましたが、今回は来年2017年に向けた出店戦略を見ていきます。

その前に、今日のこちら中国のファッション情報サイトのトップニュースで、あの英国のTOP SHOPが2018年までに中国大陸に本格的にローンチする、というニュースで持ちきりになっています。今後数年で最低でも80店舗規模まで拡大していくようです。それもZARA、H&M、ユニクロのような直営店舗形式ではなく、総代理店形式で中国マーケットに、乗り込んでくる様です。

さて本題に戻しますが、各ブランドの2017年出店計画を見ていきましょう。

1.ユニクロ
いまや売上規模で、中国でもNo.1のアパレル企業となったユニクロですが、2002年に中国にローンチして約14年、店舗数は500店舗を超えています。2014年-15年は売上も大幅に伸びましたが、2015年-16年は営業利益面で前年を落としている状況。そういう中ですが、2017年は新たに100店舗を増やす計画のようです。


2.H&M
2007年に中国にローンチして約9年、店舗数は370店舗(110都市)を超えています。2016年は68店舗を出店させていますが、この出店スピードにも陰りがでています、理由は周知の通り、グループ全体の売上が5年連続で落ち込んでいることが要因です。ですが、H&Mにとって中国マーケットは一番魅力的と感じていて、2017年は新たに90-95店舗を増やす計画。3-4線都市への出店も他ブランドと比べて加速させています。同時に既存店を最新内装イメージに変えていくことも行っています。またリアル店舗のみならず、hm.com、つまりネット販売拡充に力を入れています。


3.無印良品
2005年に中国にローンチして約11年、中国での店舗数は200店舗、2016年は30数店舗出店させています。2017年は新たに50店舗を増やす計画。ローンチしてからの数年は出店スピードは遅い状況でしたが、ここ3年間は毎年30数店舗を増やしていくなど、中国でのライフスタイルブームにも乗り、積極的な出店策をとっています。昨年上海の淮海路に出店した旗艦店はMUJI Cafe、MUJI Booksもあり話題になりました。今年上海の中山公園龍之夢商城にはMUJI Cafe併設のパン屋もOPENさせるなど、日本と同期を図り、攻めの姿勢に出ていることが分かります。また商品販売価格もこれまでに計5回も安くしてきており、2018年には日本と同額を目指しているようです。来年は有楽町店が行っているような生鮮食品の展開も検討しているようです。


4.UR
中国のZARAと評される国内ブランド、2006年にブランド発足、店舗数は120店舗、2016年1年間で60店舗も出店しています。来年は更に60-100店舗も出店する計画。2020年には400店舗、売上規模で100億元(1,600億円)を目指しています。店舗面積も現在は1,200uが標準で、ウィメンズ、メンズ、キッズを展開しています。しかし将来の店舗面積は800uと少し小ぶりにし、2、3線都市の好立地への出店拡大を計画しています。


5.NEW LOOK
英国が本部、日本未出店のブランド、2014年にローンチし出店スピード早くを加速して既に100店舗規模に達しています。確かに1線、2線都市の代表的な商業施設では見かけるようになってきました。2017年だけの具体的出店数はなく、2019年までに新たに500店舗(年間170店舗)を増やしていくという大胆な戦略があります、この計画の中にはメンズ専門店も含まれています。この出店スピードはユニクロをも上回る計画です。同時にECサイト(自社、天猫/京東)での売上も好調のようです。


6.熱風(hot wind)
1996年に発足した国内ブランド、元々は靴販売、海外向けの貿易服を販売していた企業。店舗網は800店舗を超え、2016年だけでも160店出店、2017年は180店舗を新たに出店する計画。現在の800店舗は中国の150都市にあり、中でも北上深広(北京、上海、深セン、広州)等の都市が中心となっています。
2016年は全国の中大型店舗に約20uのキッズ売場を作り、ファミリー需要に対応したり、婚礼対応用品も他社とのコラボで実現させています。
私はここの社長とお会いしたことがあるのですが、ブランド戦略、出店戦略が非常に明確です。出店戦略でいうとセグメントが細かく、1、2線都市で400-500uの標準店を出店、更に1、2種商圏で5万u以上の施設を中心に開拓していく、と言うような方針があります。

国内だけでなく、2016年11月にシンガポールに、来年2月にはマレーシアにも出店するなどグローバル化を進めています。
またライフスタイルブームに乗り、カフェ業態もNespressoと連携して、全国12都市の店舗で試験的に行っています。


7.MJ style
2011年に発足した国内ブランド、既に店舗網は200店舗、前回のこのブログでも書きましたが、2016年1年間で101店舗を出店させています。2017年は新たに100店舗も出店するようです。今後8年(2025年まで)の目標は、グローバル含め15,000店まで増やしたいとの野望があります。2017年はマカオ、日本、マレーシア、シンガポールへの出店計画もあります。


8.ZARA
2006年にローンチして約10年、170店舗の店舗網。1、2線都市でのZARAの認知度は確固たるものがあります。昨年2015年から出店を抑え、EC販売に力を注いでいます。2016年も出店は僅かに15店舗だけ、2017年も16-18店の出店計画です。
中国はZARAにとってもグローバルの中でも最重要マーケットですが、ここ数年、一点単価が下がってきており、1店舗あたりの収支に重きを置いた戦略に切り替えてきています。



代表的な8つのブランドを見てみましたが、如何でしたか、2017年も当然ながら海外発ファストファッションブランドは本国及びグローバル全体での売上状況を鑑みながら、中国マーケットでの出店戦略を立て、国内ブランドも海外ブランドの中国での出店戦略を見つつ、自ら勝ち目のある都市(3、4線都市)での出店拡大を図る。同時にリアル店舗以上にECでの販売体制構築、強化に力を注ぎ、商品施策も1つのブランドだけでなく、多ブランド戦略で面での出店とイメージ訴求を図り顧客を掴んでいく、というスタイルになっていくでしょう。
2017年もファストファッションだけでなく、中国のアパレル業界がどのように変化し、どのような新興勢力が現れるか、それらの動向を引き続き見ていきたいと思います。

それでは!




 2016/12/26 18:10  この記事のURL  / 



中国ファストファッション最新情報1!
ある中国リテイル(ファッション、飲食など)専門サイトの最新情報によると、代表的な14のファストファッションブランドが、今年2016年に中国全土で出店した店舗総数は350店舗にも上り、その中で、H&M、ユニクロ、UR、MJstyle、熱風(HotWind)の新規出店が際立っていて、3、4線都市での出店増が顕著となっている。但し、今年は多くのファストファッションブランドで売上が大幅に落ちている状態の中、多くのファストファッションブランドの来年2017年はの戦略はどうなるのか?という内容でした。
今回は2回に分けてブログに書かせて頂きます、まず1回目は2016年の状況、2回目は2017年の出店戦略、という内容です。

12月5日段階の中国に進出(または中国ドメスティック)している有力ブランド(ユニクロ、ZARA、H&M、Forever21、GAP、以下中国ブランド、MJstyle、UR、熱風)の新規出店数を見ると、一番多く店舗出店しているのは、意外にもグローバルブランドではなく、中国のMJstyleで101店舗。続いてH&Mが68店、ユニクロが53店、熱風21店と、圧倒的にグローバルブランドよりも中国ブランドが出店攻勢を掛けていることが分かります。

ですが、全体的に見ると主戦場は北上広深と言われる、北京、上海、広州、深セン等の1、2線都市に集中しているも、今年から3、4線都市への出店増が顕著、全350店舗中の99店舗 約30%と、明らかに既に飽和状態の1、2線都市での戦いから、まだ競争相手が少ない都市へと移行していることが分かります。

以下、代表的な14ブランドを出店数が多いブランド順で見ていきます。実際に出店、オープンした日付、都市、館名が書かれています。

1.MJstyle
上海が本部のブランド、トレンドカジュアルを中心に男女展開。1-4線都市全体で出店拡大中。


2.H&M
1、2戦都市出店戦略から、他のグローバルブランドよりも先に3、4戦都市への出店に舵を切っています。



3.ユニクロ
出店スピードが鈍ってきているように見えますが、着実に3、4線都市へ出店しています。


4.UR
中国のZARAと言われる深センが本部のブランド、ZARAよりも価格帯が低く、一定の顧客を掴んでいます。


5.熱風(HotWind)
上海が本部、元々は靴製造業からスタート、現在は雑貨、アパレルまで展開、全国に800店舗。


6.無印良品
戦略的にMUJI CAFE併設の出店も仕掛け、知名度も高く、90后に多くのファンを持っています。


7.NEW LOOK
日本未展開の英国ブランド、現在は2線都市を中心に出店しています。


8.ZARA
1、2線都市を重点的に攻め、昨年から実店舗出店よりもEC販売強化にシフトしています。


9.MANGO
出店数では他に大きく離された感があります、3、4線都市、更に5線への出店戦略。


10.Forever21
2線都市を中心に出店、旗艦店クラスの店をゆっくりですが着実に出店しています。


11.C&A
今ひとつ、商品特徴、魅力が見えないブランド、まだまだ上海、北京などの1線都市が中心。


12.GAP
本国だけでなく、中国でも売上不振、出店も1、2線都市だけに絞り込んだ出店。


13.OLD NAVY
来年2017年以降出店が加速すると思われます。現状は1線都市のみへの出店。


14.I,T
厳密にはファストではないですが、90后世代に人気のセレクトSHOP。



という感じで、代表的な14のブランド別の2016年の出店規模、都市(1-4線都市)、館がよくお分かりになったかと思います。

全ブランドを出店数順別にまとめると、以下のようになります。MJstyle、H&Mが抜きんでており、1、2線都市での競争から、3、4線都市に活路を見出していることが分かります。


都市別で見ると、北上広深が主戦場となっており、中でも北京、上海はどこのブランドも最重要都市に位置付けています。H&M、ユニクロはドミナント出店政策を仕掛けています。


都市級別で見ると、依然として1、2線都市が中心であることに変わりがありませんが、幾つかのブランドでは1、2線都市で競合と戦うよりも、まだ勝ち目のある3、4線都市に戦いの場を移すところが増えており、2016年だけでも全体の30%の店が3、4線都市へ出店されています。これは2015年比較で見ても、明らかな差異となっています。



ということで、2016年のファストファッションの状況をまとめました。次回は2017年に向けた出店戦略を見ていきます。

それでは!


 2016/12/14 13:05  この記事のURL  / 



ユニクロ擬き横行!
早いもので今年も残すところ早1ヶ月となりました、気を引き締めて臨みたいと思います。ただ、こちら中国では旧暦のため、12月が年末という感覚は無く、来年1月28日が春節のため、1月が年末で慌しくなります。

さて、中国ファッションリテイルで好調なブランドと言えば、やはりファストファッション系ブランドと言わざるを得ないと思います。代表的なブランドは、ZARA、ユニクロ(中国語では優衣庫と言います)の二大巨頭、それぞれの知名度は高く、多くのファン、顧客を持っています(正確に言うとユニクロはファストファッションでは無いですが)。

しかし、この2ブランドの出店地域は、いわゆる1、2線都市が中心となっており、3線都市以下の都市はまだまだ開発ができていないのが現状です。ZARAにいたっては昨年から今年にかけて新たな出店を抑え、EC販売の強化を図っています。一方のユニクロはECも強化しつつ、少しずつですが3線都市にもじわりじわりと出店し、店舗網を広げています。

中国ならではと言っては言い過ぎですが、様々な模倣品(偽物)が出回るのがこちらの国、これまでも流行しているブランドを真似た業態が、雨後の筍のようにすぐに出てきます。
ZARAで言うと、ASOBIO、UR...など、今回取り上げるのはユニクロ、これまでも多くのアパレル企業がユニクロ風の商品作りや、品揃えを模倣したリアル店舗は、私が知っているだけで4ブランドもありますが、今回のブランド「悟衣坊」(Orin-V)は全て(ブランド名、商品デザイン、商品構成、出店モデル、内装、販促物、販売スタイル...)を模倣していると言っても過言ではありません。その「悟衣坊」について書かせてもらいます。

これら模倣ブランドの共通点は、出店地域は基本的に3線都市以下であることです。つまり1、2線都市では本物のブランドが数多く出店していて勝ち目は無いこと、1、2線都市は家賃、人件費も高く経営的に困難なこと、本物の知名度の高さを利用して3線都市以下で、まるで本物のブランドが登場した!というように謳えること、ということだと思われます。

これはあくまでも想像ですが、3線都市以下の方は、仮に本物で無くても良く、1、2線都市で流行っている風な(似たような)ブランドであるならば買っても良い、間違いない、と判断しているかも知れません。もちろん、ZARAやユニクロを見たことも、聞いたことも無い、本物を知らない人達も買っていると思いますが。







最近この「悟衣坊」が中国アパレル業界を賑わせているのが、キャッシュフロー問題で経営が行き詰まり黄色信号が灯っている、という内容。
理由として、この「吾衣坊」は2014年に創設され、9ヶ月で20店舗という相当無理したスピードで出店攻勢をかけ、昨年2015年10月には30店舗一挙にオープンさせたりと、これもユニクロの出店モデルを模倣したものだと思われます。しかしリアル店舗に掛かる経費が高すぎ、費用がかさみ、第2回目の融資が受けられず、にっちもさっちもいかなくなった。商売の要である倉庫から全国に商品を送り届ける物流に対しても、支払いが遅れ物流会社から訴訟されています。

12月1日現在で、「吾衣坊」は中国全土に108店舗あり、上述の通り3、4線都市に展開しています。具体的には、河南地区35店、山東地区15店、江蘇、安徽地区に11店、東北地区8店、華南(江西、福建、湖南、湖北)地区23店、華東地区(浙江、上海)4店、西南地区(貴州、西安、重慶)12店、となっています。

このブランド創設者の2名共に既に会社を去り、元社長は別の企業に入り、新たにインテリア、ライフスタイル事業をスタート(私は実はこの社長とは面識があります)、もう1名はコンサルティング業をやっているそうです、何とも言えない状況ですね。因みにこの「悟衣坊」は「吾行居」という無印良品を模倣したブランドも展開しているようです。

いくら流行りのブランドを表面的に模倣しても、本物のブランドstrategyやideology、商売に対する想い、商品開発力と品質力、人材育成力..などの本質、根幹までは模倣できないのだと思います。

日本では週刊文春のユニクロに一年潜入ルポが話題になっているようですね。やれやれという感じです。

それでは!

 2016/12/01 21:40  この記事のURL  / 



プロフィール
内田 文雄(うちだ ふみお)
上海在住。2011年 上海にてVMDコンサルティング会社 碧詩商務咨詢(上海)有限公司 設立。現在の仕事は「売れるVMD」を基軸に @中国アパレルに対してのSPA構築セミナー、月/週次指導 A中国、アジア地域に展開する日系ブランドのVMD&インテリアデザインディレクション B中国/日系ブランドへの売場活性化クリニック C新店OPENディレクション D販売スタッフへのVMD教育育成指導。いつでもお気軽にお問い合わせ御待ちしております。 モットーは「VMD IS MY LIFE!」    1984年から(株)ワールドにて数々のブランドのVMD業務に携わり、1993年に上海交通大学に留学、その後上海駐在。2005年4月ファーストリテイリング (株)ユニクロに転職、VMD部門の日本、グローバル(欧米、アジア)全体の責任者として、ユニクロのグローバルVMDの仕組み構築、店舗スタッフ育成指導、国内の大型店、海外グローバルフラッグショップのディレクションを担う。2010年8月ユニクロを退職し起業。 IFIビジネススクールVMD講師。

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