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中国アパレル企業あれこれ(取組み編)
こちら上海も8月も下旬に向かっていますが、まだまだ蒸し暑く秋物初動はまだまだな状況です。
さて、上海で起業して早丸5年を迎えました、当初は日系アパレル企業70%、中国アパレル企業30%からスタートした弊社ですが、ここ最近は90%が中国アパレル企業、残り10%が日系アパレル企業と大きく逆転しました。
元々中国で起業する目的は現状のような中国アパレル企業をクライアントに持ち、「VMDを起点に商品企画/MD、MK、店舗運営、VMD、内装インテリア、教育...など、アパレル本体、小売リテイルのサポートを行うこと」が事業戦略だったので、読み通りに進んでいると言えます。

これまでに、規模は大小様々なアパレル企業、百貨店などと取組みをさせて頂きました。企業数でいうと30数社(合同セミナーなどを除き、純粋に契約締結数)になるかと思います。
契約内容は実にさまざまで、短いもので店舗リサーチ&レポート提出や展示会全体監修のみ等の単発で終わるものや、本部商品系/MK/VMD部門の指導で、期間3ヶ月、半年、1年間など。もちろんこちらはビジネス上でのリスクも多いお国柄のため、契約不履行(未払い)案件も数件あり、怖さも経験しています。

ここ最近は本当に有難いことに、大手アパレル企業(中国アパレル企業の売上高TOP 10)からのお仕事の依頼も多い状態です。基本的には老板(社長)に対して直接取組内容をプレゼンするようにしています、その理由は社員研修部門、HR部門、VMD部門の責任者と話をして、取組みを了承されても、最終的には老板の判断なため、それまでの交渉が時間の無駄になる経験を何度もしていて、いろいろな手を使い、直接TOPに対してプレゼンをするようにしています。
写真は本文と関係ありません。中国レディースアパレルの中でNo.2の売上高を誇り、全部で9つのブランドを擁する企業の社内セミナーを行いました。セミナー会場のスタンドに顧問と書いていますが、そんな話をこれっぽっちもした覚えはありません...笑



では、何故大手アパレル企業からのお仕事の依頼が増えているか?ですが、この部分は今の日本のアパレル企業を取り巻く環境と少し似ているかもしれませんが、日本では大手と言われていたアパレル企業は、肥大化、戦略の欠如、ファストファッションブランドの台頭...など縮小均衡に陥り、人員削減、店舗閉店などに追い込まれています。知名度は抜群にある企業でも、その中身、実態は酷いものだと聞いています。その大手に準じる売上1,000億円規模のアパレル企業が次々に打ち手を変え、アパレルだけでなく、ライフスタイル業態も含めて、実需に応じた拘りのある商品を企画、開発して、ブランド網を築いていっています。

実は中国も同様で、レディス、メンズ、子供、とそれぞれ単独、もしくは総合アパレル企業が存在しますが、中国で大手と言われるアパレル企業も知名度は抜群なのですが、消費者が服を購入するチャネルがリアル店舗からEC店舗になったり、ファストファッションの台頭で価格破壊要素もあり、加盟店、代理店での出店拡大も限界(儲からない)にきており、数年前までは全国に1万店規模の店舗網があったものが、今や5,000店と半分にまで減ってきている企業もあります。
商品戦略も「昔の名前で出ています」ではないですが、旧態然とした商品企画のやり方、鮮度のなさ、もしくは他ブランド売れ筋のコピーなど...自ら開発することを忘れてしまって世の中の変化についていけていない(変わることにリスクを感じている)、という側面もあります。

それら大手アパレル企業の中には、自ら変革することを決め、様々な国の外部のアパレルを専門とするコンサル(例 / 欧米、日本、香港、台湾、韓国...)を探し、討議して、一緒に変革の道を歩みだしています。具体的には、これまでの加盟、代理店チャネル策から自らコントロール(商品、売り方、売場)できる直営店化を推進する企業が目立っています。
かくいう弊社も、上述のような課題を抱える大手企業からの依頼を多く頂いているという事になります。ただ、課題が大きいだけに企業からは当たり前ですが、成果KPI、効果、スピードも含めて要求されることが多く、契約ができたからと言って全く安心できず、そこから地獄のような追及や、報/連/相に対して、寸暇を割いても対応し、一緒に変革に取り組んでいくことになります。


それでは!

 2016/08/20 17:15  この記事のURL  / 



WORLDとUNIQLOでのVMD経験!
「VMD IS MY LIFE」これは、私がFACEBOOKや、LINE、wechatなどなど、あらゆる場面、事あるごとに書かせてもらっている私からのメッセージです。

私はVMDというお仕事を今年でかれこれ30数年間やらせてもらっています。最初はWORLDでSC(当時はまだVMDという言葉はなく、セールスコーディネターと社内用語で呼ばれていました)を経験、当時の販売チャネルは、いわゆる卸しの商売、展示会で卸し先に沢山発注して頂くために魅力的に展示会場でディスプレー表現をしました。その商品が店に投入されると、いち早く店に行き、展示会での表現を各店のショーウインドーで再現していました。

もちろん、我々のブランドだけを販売する店(オンリーショップ)ばかりではなく、競合他社とMIXの品揃え店もあり、競合ブランドと常にショーウィンドーや、店頭部分の売場の取り合いをしていました、今思えば懐かしい想い出です。
当時は、ショーウィンドーを核にコーディネート提案をして、如何にお客さんに入店頂き買っていただけるか?だけを考えて仕事をしていました。
今のKPI指標で言えば「入店率」「購買率」というところでしょうか。

2005年当時「22年間も勉強したし、そろそろWORLDを辞めて上海にてVMDで起業を!」と動いていましたが、自分なりに自問自答「アパレルの流れ、商売の大枠は理解できたが、小売リテイルのことは殆ど知らない。これでは中国で起業しても勝てない!」と考え、小売の勉強、修行をするためにUNIQLOの柳井さんの元で仕事をさせて頂く道を選びました。この時「この自分の選択はどうなんだろう...正直起業するまで遠回りではないか...」とも考えましたが、今思えばあの時の判断は間違っておらず、いまここ中国で起業して沢山のクライアントとお仕事ができるのも、このUNIQLO時代の苦しくもがきながらも達成感のある貴重な経験があったからだと自負しています。

私がUNIQLOに入社した当時は、やっと標準店から大型店(1500平米)戦略に移行する時期、売場に関してもレイアウトを計画する部署は存在するも、誤解を恐れずに書くと、VMDという概念すら存在しない状況でした。標準店にはマネキンらしきものが3、4体しか無く、まだまだ単品集積型の売場でした。それをコーディネート提案型(マネキンコーディネート表現、WALLフェイシングでもコーディネートなど)、WORLDでは当たり前だった事を、大型店化を機に推進、一気にマネキンを大量投入(大型店1店舗で100体以上)したりと、売場改革に着手しました。この時、効率やオペレーションに重きを置く、UNIQLOの営業部門とは日々喧嘩もするほどでした。この時ほどVMDとはどのような事か?を熱く、長く、語ったことは有りません。何故なら、VMDでUNIQLOを変える事ができると固く信じていたから。

同時期にNY SOHO店、英国OXFORD、香港、韓国、シンガポール、パリオペラ座、ロシア、台湾、中国旗艦店...とグローバルに店舗拡大戦略もあり、日本の大型店で実施したフォーマットをロールアウトさせる事ができたことは成果でした。いまやグローバルのUNIQLO店舗数が日本の店舗数を上回っているのですから正直感慨深いものがあります。

UNIQLO時代の重要なKPI指標は、色々ありますが「客数」「客単価」でしょうか、日々、週次でこのKPIを元に当週、次週、月次の商売の組立てをしていました。この当たり前といえば当たり前の思考、スキームを真面目に愚直に実行していました...笑
UNIQLOの基本的思考は...「商品企画」→「売り方」→「売場」、この全てにVMDは当然ながら、本部全部署、現場も全員が絡んでいかなければならない、そうしないと成果が出ない!というもの、これは今でも活用させて頂いています。

私が中国のクライアント指導の際に使うテキスト、これからのVMD業務の在るべきを書いています



上述のような経験を踏まえて2011年に上海で起業、当初は日本ブランドの中国ローンチの支援と中国メンズブランド支援、と2つのクライアントから事業スタートしました。いま起業して丸5年になります、正直いうと日中関係も良くない時期もあり、決して順風満帆と言い辛い状況ですが、多くの中国アパレル、リテイルのクライアントに支えられて今ここに居られるのだと実感しています。
それもこれも、WORLDで将来の生業となるVMDという職種に出会えた事に感謝しています。
「VMD IS MY LIFE」


それでは!


 2016/08/06 04:00  この記事のURL  / 



中国アパレルの向かう先は!
こちらで幾つかのクライアントとお話をする際、最近どのクライアントからも必ずといっていいほど出る話題が以下の事。

@ライフスタイル提案型ブランド(中国語では生活方式品牌)を目指したい

A単品訴求提案型ブランド(同 廊形考究単品品牌)を目指したい

という大きくは2つの項目。

@については世界的な流行という事もあり、自らのブランドコンセプトに合った、生活雑貨、ルームフレグランス、食器、花器、文具、本、家具などをバイイングして、販売すること。幾つかのブランドは中国のカフェブームという事も手伝い、店内にカフェをオープンさせたりしています。日本でセレクトSHOP運営をされているアパレル企業の方々で、「最近爆買いは落ち着いたけど、中国系のお客さんが雑貨を沢山購入したり、内装インテリアを隅々までチェックしてるな〜」と思ったら、確実にリサーチ目的の中国のアパレル、小売系の人達です。中でも明治通りの「niko and...TOKYO」は人気のお店になっています...笑

Aについては、レディスブランドではよりレベルの高いニット素材の開発をしてみたり、富裕層向けのメンズブランドは、INCOTEXの様なパンツ専業ブランドを新たに開発し、素材、ディティール、履き心地にこだわり、高付加価値の商品で勝負していく。

香港系initial、中国マーケットでの戦略はカフェ併設のライフスタイルSHOPを拡大しています



と言うように、ファストファッションの台頭や、taobaoを代表とするB2Cの台頭で、消費者が購入する服の平均単価が下がり、売上計画はおろか前比すら達成していないアパレル企業が多いなか、将来の生き残りを懸けて新たなチャレンジを模索しているということです。

上記の@A共に、当たり前ですが表層的に捉えて実行しても成功するわけがなく、自らの服のコンセプトに適合するか、しないか? その商品を買って頂く顧客は誰か?など更に本質的、深層部分まで立ち入って議論して戦略を練らないと、間違いなくなく失敗することが目に見えます。
私のような外部の立場として、クライアントが生き残りを懸けてチャレンジすることに全く異議はなく、反対はしませんが、手段や手順が違っていることについては、様々な角度から意見提言は述べさせて頂きます。

ですがここはThe中国、そんな悠長なことは一切考えないお国柄、皆さんもよく聞くとおもいますが「走りながら考える」がこちらのスタンダード。「走って仮に間違ったら、その時に方向変換すれば良い。考えるだけで何も実行しないのは勿体ない」という思考なんですね。日本人は「綿密に計画立てて、失敗する確率を極力下げる」という考え方。全く相いれない思考です。

そういう私も中国ビジネスに関わって既に20数年、上述のような在るべき正論を言いながらも、実は落とし所は分かっていて、最終的には私の意向も盛り込んだ方向に着地させます。

そんなこんなで、2016年も残り5ヶ月を切りました、毎年、毎年、中国独自のマーケット事情、そして海外、特に日本のマーケット状況を横目で見ながら、中国のアパレル企業は次々に打ち手を考え、即実行に移していきます。そのダイナミックさについていくだけでも大変ですが、自らも中国、日本、海外のマーケットを見て日々勉強、そんな刺激的な中国でお仕事をやらせてもらっている私です...笑

それでは!



 2016/08/04 21:00  この記事のURL  / 



中国では関係(クアンシー)が重要だね!
タイトルにある「関係(中国語発音をカタカナで表すと、クアンシーと言います)」、日本においても、「知人の紹介で...」とか「昔の同僚、先輩、後輩の...」とか、全くの赤の他人よりも自分が知っている人を通じて、話や食事をして、友達関係になったり、タイミングや需要&供給が合えば、それが互いのビジネスに繋がっていくことは多々あるかと思います。

こちら中国では、それに輪をかけて公私を通じて「関係」が非常に重要です。一度しか会っていないのに友達というケースもあるので、日本人からすると「なんで?一度会っただけにすぎず、友達ではないが...」となるわけですが、中国人はそんなこと気にしません。
良くも悪くも、一度名刺交換をして会話をした、友達の紹介で食事をした...等、互いに互いの仕事や家庭のことを聞いたり、聞かれたり、それが例え30分間と短い時間だとしても、結果的にその当人が別の人と話す時には「私の友達の内田は...」と紹介していくわけです。
私が商品企画、MD構成、内装デザイン、MK、VMDなど、イメージコントロールを担わせて頂いているレディスブランド



私自身はこの中国との関わりは、最初の会社の1993年の社内研修での語学留学からなのでかれこれ23年になります。23年間ずっと中国にいたわけではなく、途中日本から出張ベースの数年間もあります、最初の会社、そして次の会社でも中国に関わる仕事は継続的、且つ積極的に行ってきました。1993年当時から将来必ず中国で起業すると固く決めていたので...笑。
その過程で、恐らく何千人もの中国人と名刺交換をしたり、最近では何百人ものwechatでのID交換など含め、いわゆる友達と言う名の「関係」が知らぬ間に築かれていっているわけです。

私がいま2つめの事業の柱にしているライフスタイル事業のパートナーも、元はと言えば上海市内の公園で、たまたま見かけた家具のフリーマーケット展示がカッコよく、私から名刺交換をお願いしたことがキッカケになり、今は友達、事業パートナーとして仲間になっているから、本当に不思議なものです。出会いは大事だとつくづく思います。

事実、今年の上半期から今に至るまで、過去出会った人(昔の中国人の同僚含む)や、それこそ今年初めて会って少しだけ会話をした人、その方々から紹介を受けた人(最初は私も正直言うと、誰か解らず疑心暗鬼で戸惑うだけですが...)から、「VMD指導をしてもらえないか?」「販売員研修はやれるか?」「店舗リサーチの手法を教えて欲しい」...などの依頼の連絡が引っ切り無しに入るようになりました。
そこから、wechatで連絡しあったり、直接電話で話したり、実際に会って食事をしたり、それがきっかけで仕事の紹介をされたりと、持つべきものは友達、つまり「関係が重要である」とつくづく感じています。

かくいう私も、中国にすっかり染まっていますが、流石に一度だけ会った人を、別の人に「私の友達...」とは怖くて紹介は出来ませんが、2、3度会って、その方の人となりが分かったら、「私の友達...」と紹介している自分が居るのも事実です(笑
私はこの「関係」が中国でビジネスを行う上では非常に大事で、この「関係」の有無で、企業オーナーや上層部とのアポイント、仕事の進め方、スピード感、成果の出方も全く違ってくるので、積極的に活用しています。もちろん、紹介されるばかりではなく、私からも積極的に人を紹介し、「関係の輪」を拡げています。

よく日本の知人から「内田さんは何故、上海で起業し、上海在住で仕事をしているのですか?日本に事務所を構え、日本から出張ベースでも十分指導ができるのではないですか?」と質問を受けます。それに対する私の回答は「確かに日本から出張でも指導はできるが、それでは中国人の友達、中国クライアントとの距離が縮まらない、それにこちらで一番大事な関係を作ることもできなくなる」「いつなんどきクライアントから呼ばれても良いように、フットワーク軽くアクションが取れるように、こちらに在住しています」と答えています。

あくまでも自論ですが、中国人の実生活や各世代の考え、私自身の生活(住民登録をして就労ビザ取得)、街の様々な変化、日本で報道されないニュース、反日国である中国...書けないことも多いのですが、誤解を恐れずに言うと出張ベースでは分からないし、住まないと分からないと感じています。日本とは大きく違う環境の中国ですが、常に中国マーケットを客観視し、在住者として、事実を今後もこのブログを通じて書いていきたいと思います。様々な人たちと良い「関係」を築きながら...

それでは!



 2016/08/02 19:50  この記事のURL  / 



プロフィール
内田 文雄(うちだ ふみお)
上海在住。2011年 上海にてVMDコンサルティング会社 碧詩商務咨詢(上海)有限公司 設立。現在の仕事は「売れるVMD」を基軸に @中国アパレルに対してのSPA構築セミナー、月/週次指導 A中国、アジア地域に展開する日系ブランドのVMD&インテリアデザインディレクション B中国/日系ブランドへの売場活性化クリニック C新店OPENディレクション D販売スタッフへのVMD教育育成指導。いつでもお気軽にお問い合わせ御待ちしております。 モットーは「VMD IS MY LIFE!」    1984年から(株)ワールドにて数々のブランドのVMD業務に携わり、1993年に上海交通大学に留学、その後上海駐在。2005年4月ファーストリテイリング (株)ユニクロに転職、VMD部門の日本、グローバル(欧米、アジア)全体の責任者として、ユニクロのグローバルVMDの仕組み構築、店舗スタッフ育成指導、国内の大型店、海外グローバルフラッグショップのディレクションを担う。2010年8月ユニクロを退職し起業。 IFIビジネススクールVMD講師。

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