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或る取組みの成功事例!
昨年から指導させて頂いている中国の某レディスアパレルでの話です。
半年間、本部に於いて「商品企画の立て方(MD)→商品の売り込み方(MK、STYLING)→売場表現(VMD)の仕組み作り」という一連のプロセスを半年掛けて、PDCAを回し、試行錯誤しながら何とか形になり、売上も好調に推移してきました。
その後は「現場力を上げていく」という目標を掲げ、本部各部署の責任者自らが、店舗巡回をしていくというスキーム。各部署とは?店舗運営部(日本でいわゆる営業部)の本部、地域SV、店舗MD、VMD、内装設計部門、というメンバー。

入店して20分ほど、参加者が店舗(店頭からストックまで)を隅々までチェックし、自分の気づき、改善すべき意見を纏めます。入店前には、本部の店舗MDが、昨年、先月、先週の予実数値、シーズン別、アイテム別、単品別、在庫などの資料を纏めておきこの資料を参加者に配布します。店長は、まずKPI(売上、客数、客単価、一点単価、SET率、入店客数、試着率、購買率、顧客新規客状況など)を話し、次に「商品」「売り方」「売場」の順番で、プレゼンをしていきます。それに対して、上述の各部署からの参加者が順番に自分の意見をプレゼンします。

ここで大事なことは「必ず改善策を踏まえた建設的な意見を言う」という約束。20分ほどで意見を言い終えると、売場の責任者である本部VMD責任者が、「その日にすぐに修正すること」「今後修正すること」に分け、それぞれ優先順位をつけ実施項目を決定、売場を修正する役割分担をして、取り掛かります。
30分から60分ほどで売場修正を終えた後に、再度集まり、実施した事の確認をするために、全員で店内をチェックして目線合わせを行います。
写真はこの文章中のブランドとは関係ありません



内装設計部門が参加している理由は?店がOPENした時のままの什器レイアウト、マネキン配置、VP、PP、IPもそのままという状態から、今(現時点)での店前通行比率、入店導線、入店後の導線を店長からヒアリングをして、すぐに什器移動、ライティング修正、を行い、導線を明確にして、あるべき売場に仕上げるため。その日に物理的に修正できない箇所は、時限設定をして、什器変更/投入を決定させます。中には店舗オペレーション面に支障がある場合は、改装が必要なケースもあり、内装設計部門が参加していると、その後の図面化などのアクションがスピード感を持って改善できる、というメリットがあります。

我々が入店して売場を修正、編集したことはPDCAで言うところの、A(アクション)であり、P(次に向けての仮説)でもあるので、修正後の売場を1ヶ月間、店長に検証をしてもらいます。修正した事で良い結果に繋がっていればそのまま継続、仮に修正前より悪くなった場合は、今度は人数を絞り、再度入店し修正を実施する、という事を繰り返しています。

結果として、入店客数の増加(特に新規客)、商品接触率が上がり、什器配置を変更した事でお客さんが店の奥へ回遊して頂けたり、試着率、購買率が上がり、最終的に新規客の売上が上がった、という事象が多く生まれてきています。

上述の事は、本部の近隣店舗や、地方都市への出張も伴うなど、多くの人が動き、それなりの費用も時間もかかりますが、結果として良い効果が出ていると判断をしています。
私が指導の際によく話すのは、「現場」「現物」「現実」という3つの「現」の話し。本部でとやかく、長時間会議をしても何も解決しない、課題発見、課題解決をしたいのであれば、「現場(店舗)」に行き、「現物(人、商品、売場)」を見て、「現実(事実を知る)」と言うこと、これが一番、スピード感もあり、参加者の納得性もあり、別の視点で言うと、入店した1店舗で発生している問題は、たまたまその店で起こっているのではなく、必ず全店で同時に発生しています、巡回をすることで実は全店への警鐘を鳴らす事が可能なのです。このレディスアパレルの取組みは、今後も定期的に精度を高めながら実施していく予定です。

それでは!
 2016/05/22 01:00  この記事のURL  / 



「売れるVMD」とは!
中国アパレル企業向けのセミナー、講演会を行うと「売れるVMDとは?」という質問を本当に頻繁に頂くことがあります。

私もこの「売れるVMD」という表現を、このブログの右側にある自己プロフィール欄にも記載しており、弊社のモットーとしていますし、VMD(経験者、未経験者含めて)担当者だけでなく、商品系(商品企画、MK/プロモーション、販売に係る方々)全員が完全理解し、実行しなければならないと考えています。

アパレル企業の方々は「VMDを駆使すれば、即効的に売上がUPすると言うことですね?」と私に聞いているわけですが、私がいつも経営者(私は基本的にVMD部門の責任者と話すのではなく、企業のトップと直接お話をすることにしています)に話すのは、「いいえ、違います。或る時期に売場を編集したことで、たまたま即効的、瞬間的に売上がUPすることは有るかもしれませんが、誤解を恐れずに言わせてもらうと、それは偶然に過ぎないと考えます。VMDだけで効果が有ったことは、実は継続が難しく、本質は何も変わっていないと思います」と。

重ねて話をするのは、まずは「「商品企画そのもの」→「商品の売り込み方/販促やセールストークを含めた販売方法」→「売場VMD」が業務の手順、順番であり、売場VMDを一番先に考える事は絶対に有りません」と。

もう少し分かり易く書くと、「商売の基本は、高い企画精度の中から生まれた商品の中でSABCランクという優劣を付けて、そのSAランク商品を如何にMK/プロモーションを駆使して売り込むか、次にその商品の売り込み方や集客策を考え、最後に如何にお客様に店に入店して頂き、お客様に分かり易い売場と感じて頂き、試着、購買に繋げることがVMDがやるべき本質」だと。「これを実行しようと思ったら、1ヶ月、3ヶ月、半年で成果を出すことは難しく、1年間、つまりフォーシーズン愚直に継続させることで、結果、成果を出すことができます」と説明をして、理解してもらってから、取り組みをスタートさせます。
写真と本文は関係ありません



中国は日本と比べものにならないレヴェル、スピード感で、すぐに成果、結果を求めてくる相当シビアなお国柄です。そういう環境下で私は上述のように「1年間という長いタームで物事を考えましょう」と真逆の事を語るわけですから、取り組みの話がうまく進むことは稀です。

ですが、毎週の商品系会議(企画、生産、MK、営業、DB、VMDが参加)でこのPDCAを交えた思考法で改善に着手スタート、やらなければならない事を、日、週、月、シーズンという時間軸で「売っていく商品の明確化」「売り込み方」「売場VMD」を分析、議論して、業務標準化を進めていくと、不思議なもので、何ができていない理由か、ではどのように、誰が、いつまでに、どのように、改善するべきなのか?などが可視化され、効率的UPに繋がり、結果的に週販目標を達成していくのです。

それでも、例えば、或る週に週販目標を下回ると、週商品会議上で「売場VMDだけで、テクニックだけで、何とかしよう!」という安易な発想に陥るところを、それでも我慢して我慢して、在るべき姿、つまり展開商品を明確にさせて、売り込み方を考え、それを分かり易くお客様に伝える売場提案をする、という思考プロセスに帰着させます。

私は上述の様な事を、クライアント自らが毎週毎週、分析、議論し、方針出しをすること、をサポートさせてもらっています。これを愚直に繰り返すと「売れるVMD」の本質をVMD担当者だけではなく、週商品会議に参加する商品系全員が完全理解してもらえるわけです。

我々外部コンサルティングはあくまでも黒子の存在であり、コーチングを依頼されているわけなので、クライアントが自らが気づき、自立して、次々に戦略方針を出していく、結果として、成功もすれば、失敗する時もある、それで良いんだと思います、失敗したことで色々と気づかされます。「売れるVMDは小手先だけの売場編集では無い」と言うことも十二分に理解して頂いていると思います。
上述のことはリアル店舗でのVMDのお話、これからの時代は当然ながらEC領域でのVMDへのコミットが必須というお話もしております。こんな感じで、日夜お仕事やっております。

それでは!

 2016/05/17 13:45  この記事のURL  / 



瞬時に伝わる日本の情報!
こちら中国のリテイルマーケット状況は日本同様にGW商戦の反動もあり、少し落ち着いている状況です。これから、MD23週 6月1日の子供の日、MD24週 6月9日から11日にかけての端午節が夏商戦のピークとなり、その後早い所では例年でいうと、MD26週,つまり6月20日週辺りから、プレSALEに突入するブランドが出てきます。残された6週間を週次で綿密な計画を立て、夏物投入と春物SALE、初夏もの消化をさせていく必要があります。

さて本題ですが、以前このブログでも書かせて頂きました、それは中国のアパレル企業、リテイル関係者がこぞって最新の日本マーケットを視察していると。これは冗談ではなく、本当に毎シーズン(3-4ヶ月に一度)日本で新しくできた商業施設(都心、郊外)やアミューズメント施設、新しい業態の店、話題の店(含むカフェ、レストラン)をリサーチに行かれています。
リサーチの目的は、日本のアパレルの方々が海外のリサーチをするのと同じで、企画サンプル購入、VMD売場表現の参考、販促POP/ポスターなどの参考、店舗アトモスフィア/内装インテリア/空間の捉え方、接客サービスの体感などが挙げられます。中国からも時差1時間で、距離的にも近く、ビザも取りやすくなったこと、そしていままさに日本ブームということも手伝い、本当に多くの方々が日本を訪れています、そのような方々も所謂「爆買い」の一翼を担っているとも思います。

では、どのようにして日本の最新情報を入手しているか?ですが、それはもちろんインターネット、SNSでの情報網に尽きます。例えば、いま話題の「PARK・ING ginza」がいついつOPENするという情報は、日本でプレスリリースされたと同時に、中国でもSNSで当然ながら中国語で発信されます。その情報が拡散され、アパレル企業やファッションフリークの人達は情報をインプットし、次回日本訪問、出張のスケジュールを組むのです。商業施設や話題の店がOPENして早くて翌日、遅くても1週間以内にSNSを通じて、写真付きで訪問者や、実際に商品を購入した客のコメントが掲載されます。
中国のアパレル企業を指導していると、日本リサーチから帰ってきたばかりの経営層や企画、デザイナー、VMD、インテリアに携わる人達から「内田さんは、東京のどこどこにできた新しい商業施設を見ましたか?」「あの施設に対してどんな感想を持っていますか?」「東急プラザ銀座の特徴は?」「何故the POOL aoyamaが無くなり、新たにPARK・INGをOPENさせたのか?」など、、、質問は多岐に渡ります。
H B&Yの情報

BEAMS TOKYOの情報

PARK・ING ginzaの情報

NEWOMANの情報

枚方蔦屋書店の情報

京都駅ビル施設の解説

セレクトSHOPの定義解説




私が定期的に日本に帰り、話題の商業施設や新しい店をチェックしているのには上述のような理由があるのです。日本人だから「日本の情報は当然全て知っているよね!」という事だと思います、私は中国でのお仕事が主で且つ上海在住のため、新しい施設、店がOPENするタイミングで、日本に帰国できるわけではないのですが、質問されて「いえ、まだ見ていません」とか「知りません」とか、その場で答えに詰まると、仕事にも大きな影響を及ぼしかねません。
これまでは、年に1回のアメリカ視察で多くの商業施設や、話題の店をリサーチして写真を撮って報告したり、サンプル購入などでクライアントにはアウトプットができていたのですが、今は完全に日本マーケットを熟知していないと、中国で仕事にならないということを実感しています。しっかりと話題の商業施設、店を見てインプットし、自分なりの感想を言うこと、そして見るべきポイントを伝えることも、私の使命だと思い、今後も継続していきたいと思います。

それでは!




 2016/05/16 15:00  この記事のURL  / 



繊研新聞さんの記事にならなかった事!
現在の中国アパレル事情ということで取材頂いた記事が、本日5月12日の繊研新聞の7ページに掲載頂きました。


2011年に上海でVMDコンサルティングで起業して5年が経ちました。会社名は「碧詩商務諮詢(上海)有限公司」と言います。VMDと言いながらも、実際にはアパレル企業のオーナー、経営陣と、商品企画MD系からMK、店頭の販売、内装インテリア構築、に到るまで包括的な御指導をさせてもらっています。言い換えると「商品企画→売り込み方→売場VMD」この手順を軸にして講演や、中国アパレル企業との取組みを実行しています。実はこれはユニクロの7年間で身を持って学んだことです。今回の取材はこれまでお仕事をさせて頂いた、様々な中国アパレル企業との取組みでの経験、現在の中国リテイルマーケットの変革など、2時間近くお話をさせて頂いた内容です。掲載スペースの限りがあり、かなり短く纏められていますが、お話をした要点は?

1.中国アパレル企業はどこも変革のタイミングを迎えていて、参考になるアパレルやブランドを自らリサーチ調査して仮説立てを行っていたり、私のような外部コンサルティングを迎え入れて、我々の経験、蓄積されたものから成功例、パターンを取り入れようとしているということ。ただ、ここで言う成功例は繊研新聞の記事には「日本の成功例」と書かれていましたが、正確に言うと、「日本のやり方を一度中国流にアレンジして実行した結果の成功例」です。どうしても結論を急ぐ、すぐに成果を要求する企業が多いことも事実、記事には書かれていませんが、笑えない具体事例もお話ししました。

2.円安もあり明らかに日本という国、日本製品に対する想い、憧れが強くなってきており、結果的に日本に旅行に行き買い物をするという、インバウンド効果に繋がっている。同時にライフスタイルブームが到来しており、それに欠かせない日本服飾雑貨、なども越境ECを含め販売額、量が増えている、よってそれらを生業とする日系企業にはフォローの風、チャンスになってきていること。私が実際に関与しているMADE IN JAPANの雑貨の売れ筋TOP10だったり、それが売れる理由なども具体的にお話をしました。

3.但し、上述の2.に関していうと、日本で売れているからそのままでいいだろう、では当然ながら通用しません。必ず商品(服、雑貨)を起点にし、中国マーケットに即して創意工夫し変化させていく必要があること。これについても、ライフスタイル雑貨バイイングのポイントや、某日系のアパレルブランドが売れている理由、戦略について、あくまでも私見ですが具体的にお話をしました。


内容が濃すぎること、そして実名が出すぎて、掲載頂けなかったようです(笑
これからも、機会を頂ければどんどん記事を書かせて頂ければと思います。

それでは!
 2016/05/12 22:10  この記事のURL  / 



素敵なスタバ!
中国では毎日何店舗のスタバがOPENしているのだろう...と思うくらい、空前のスタバ、いやカフェブームなんです。私が住む上海の地下鉄中山公園駅付近にもスタバは4店舗もあり、常に客でいっぱいで、席がなく仕方なくテイクアウトするしかないという異常ぶり。
そういう中、街を歩けば至る所で続々と施工中のスタバ新店を容易に見つけることができます。4月8日のこのブログでも書きましたが、スタバだけでなく様々なカフェチェーンが中国での出店拡大を図っている状況です。

今日初めて訪れたのは、古い洋館をリノベーションしたスタバ。都会のど真ん中に残された緑が多い旧フランス租界地エリアを再開発した「思南公館」(思南路、復興中路)の中にあります。3層の建物で、躯体は洋館ののまま手をつけず、内装だけをシックに改装しています。階段の手すりも昔のままで味があります。お薦めは何と言っても3階部分、広い空間をゆっくり使っていて小窓もあり、そこから見える旧租界エリアの景色も素晴らしく綺麗です。因みに2階にある小さなベランダでは喫煙が可能です、喫煙者の私にとっては言うこと無し。更に2階にはコーヒーマイスターも在籍し、特別なコーヒーも飲めます。

スタバもどうせ新店を出すなら、この思南公館店のような趣のある店、ゆっくり時間を過ごせる店、その店でコーヒーを飲むことに付加価値がある店、をどんどんOPENさせていって欲しいものです。ただ、世界一高いと言ってもよいくらい家賃が高い上海...コーヒーを売っても売っても、利益を生むのは相当難しいとは思いますが....。

それでは!









 2016/05/05 18:20  この記事のURL  / 



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プロフィール
内田 文雄(うちだ ふみお)
上海在住。2011年 上海にてVMDコンサルティング会社 碧詩商務咨詢(上海)有限公司 設立。現在の仕事は「売れるVMD」を基軸に @中国アパレルに対してのSPA構築セミナー、月/週次指導 A中国、アジア地域に展開する日系ブランドのVMD&インテリアデザインディレクション B中国/日系ブランドへの売場活性化クリニック C新店OPENディレクション D販売スタッフへのVMD教育育成指導。いつでもお気軽にお問い合わせ御待ちしております。 モットーは「VMD IS MY LIFE!」    1984年から(株)ワールドにて数々のブランドのVMD業務に携わり、1993年に上海交通大学に留学、その後上海駐在。2005年4月ファーストリテイリング (株)ユニクロに転職、VMD部門の日本、グローバル(欧米、アジア)全体の責任者として、ユニクロのグローバルVMDの仕組み構築、店舗スタッフ育成指導、国内の大型店、海外グローバルフラッグショップのディレクションを担う。2010年8月ユニクロを退職し起業。 IFIビジネススクールVMD講師。

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