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2016年中国商業施設家賃は!
毎年、春節明けに出される、「過去と当該年度の都市別商業施設家賃推移」が、今年も微信サイト「中国小売り平台」(アパレル・小売り調査情報会社)から発表されていたので、抜粋して書かせて頂きます。

ご存知の通り、中国は都市の規模を表す際に、一線、二線、三線都市、と表現されます。
もう少し中国の行政区域の事を深掘りすると...まず「省級」「地級」「県級」で分けられます。その中で上述の都市の規模別表現は、元々不動産用語が一般化した言葉で、総合競争力などを指標とした経済力によって区別したものになります。一線都市には首都の北京、上海、深センなどがあり、二線都市は成都、重慶、大連といった都市が該当します。

一線都市が圧倒的に優れているのは、利便性や文化、職場環境といった都市インフラ。二、三線都市が勝る要素は自然環境、また物価差もまだ大きいのが現状。不動産やタクシー代、食費などの物価の体感値は一線都市と二線都市では歴然とした差があります。
これもご存知の通り、現在、中国政府は二線都市を対象とした経済支援策を講じています。これは2014年から取り組まれている「ニュー・ノーマル(中国語:新常態)」政策に続く流れ、この政策により二線都市は大きく変わりつつあるようです。
*一部、情報サイト「INNOCHAN」から引用

現在の中国事情を理解して頂いた後は、本題の中国都市別商業施設の平均家賃事情について。
基準と面積単位は「毎月/uあたり」、通貨は「人民元 1元=約17円」、家賃の算出根拠は「2014年、2015年は実績、2016年は予測」となっています。下記賃料はあくまでも平均値であると御理解ください。同じ商業施設でも1階メインフロアーと2階以上では1,5倍〜2倍も違う商城もあります。



一線都市で見ると、上海、広州が3年連続で1,000元を超え、他2都市と比べると賃料が高いことが見て取れます。反面、首都北京の賃料が落ち着いてきていることが分かります。


次に二線都市比較(表では天津も二線都市に入っていますが、実際は一線都市です)を見ると、全都市で2015年の実績を下回る予想となっています。上述の一線都市と比較すると3分の2〜2分の1程度の賃料にとどまっており、2016年予想も前年を超える予想都市は一つもありません。これは二線都市への大型モールを中心とした商業施設の、供給過剰状態が背景にあり、賃料も同地域の他の施設よりも下げざるをえない状況にあると考えられます。都市別で見ると現在マーケット的にも好景気と言われている四川省の省都の成都、そして沿岸部の商都 大連が600元/月/u超えと他都市と比べても高い賃料で有ることが分かります。一方で内陸部の武漢は2014年比較で見ると、実に100元/月/uも下がってきています。これは武漢都心部の商業施設のオーバーストア状態に加え、郊外での大型モールオープン、新たな建設ラッシュも要因であると考えます。





この表は、一線都市(北京、広州、上海)、二線都市(武漢、佛山、昆明、貴陽)、三線都市(恵州、鎮江)の、各都市で代表的な商業施設のフロアー別の平均賃料を表しています。如何に一線都市の商業施設賃料が異常な高さかが分かると思います。例えば、上海の淮海路iapmは1階で1,950〜2,400元/月/uの賃料、一階にはPRADA、GUCCI、などのラグジュアリーブランドが並んでいます、彼らの平均店舗面積を仮に300uとした場合、585,000元〜720,000元(9,945,000円〜12,240,000円)の家賃負担となります。これに年々上がる人件費などの固定費が加わり、売っても売っても儲からない構造に陥っています。更に拍車をかけているのが欧米、日本への海外渡航者増、ブランド品を中国内で購入しない富裕層が増え、ダブルでダメージを受けているのがこの2〜3年の傾向です。これらの要因で一線都市の上海だけでなく、中国の各都市でラグジュアリーブランドの閉店が昨年あたりから相次いでいるわけです。

それでは!


 2016/03/21 12:50  この記事のURL  / 



中国メンズアパレルの抱える課題!
本日、会社設立して約15年、上海に本部を構える中堅メンズカジュアル企業と、今後の取組みについて商談して来ました。中国内に直営店を軸に、加盟店含め1,500店舗の店舗網を持ち、知名度も二、三線都市を中心に高く、こちらの業界では「常に面白いことをやるメンズブランド」という認知をされている先です。最近では、メンズファッション界のカリスマ、Nick Woosterとのコラボブランドを、中国内でどんどん出店しています。
もちろん、上海、北京、天津、広州、シンセンなどの1線都市のモールを中心に、良い区画をもらい、店舗フォーマットもそれまでの標準店から、大型店に戦略変更をしていっています。客層は90后世代の男性に支持されており、競合ブランドは中国ブランドだと「GXG」、海外ブランドだと「JACK JONES」、つまり、カジュアル一辺倒ではなく、かっちりとしたジャケット、パンツなども展開するブランド。

展示会での発注方式についても、直営店舗の商品構成(SA商品が軸)は全国で統一させたシーズンもあれば、次のシーズンは裁量発注(つまり各地方の特性を活かして独自で発注する)に方向転換させるなど、試行錯誤を繰り返しても、確実に伸びてきた会社ですが、ここへきて下記のようなメンズアパレル企業にとって、異常な或るブームに苛まれているようです。

今中国で話題のメンズアパレル企業といえば、「海瀾之家」(HLA)という江蘇省に本部があるカジュアルブランド。何が話題かというと、その販路拡大手法がこれまでの類をみないやり方(こちらではHLA方式と呼ばれています)だから。
もう少し詳しい話を書くと、この企業傘下には全4つのブランドがあり、中にはUNIQLOを真似た「百衣百順」というものもあります。中国全国に2015年6月末段階で3,784の店舗網を誇り、同上半期だけの営業収入が70,33億元(約1,200億円)、前年2014年比39,58%増と驚異的に伸長している上場企業。

これまでHLAは、他のアパレル企業同様に、相手資本の加盟店、代理商と合作することで、全国各地に店舗網を築いてきました。ところが2015年から新しいHLA方式を導入し、次々に加盟店を純直営化して、上述の数字を叩いているという事になります。
中国人男性が好きそうなアイテム、カラー、スタイリングを研究し尽くしています
夏になると「確かに、いるいる」というアイテム群のスタイリング
これもビジネスシーンで良く見る、スーツではなく、単品を組み合わせたスタイル



ではHLA方式とは何か?ですが、簡単に言うと在庫リスクをHLAが全て持ち、同時に在庫は2年後にHLAに返品OKというもの。1年目は商品はSALEせずにプロパー販売、2年目は全店統一で売価変更(要は一律30%OFFのSALE価格)、2年目終了時に残った在庫を返品できるというもの。その代わりに厳しく縛る条件があり、展示会発注、つまり品揃えはHLAが全て決めたものにする、内装デザイン、什器、マネキン、販促物など、店舗運営で必要なものもHLAから購入する。こうすることでのメリットは?加盟店、代理店側は多少の資金(保証金)が掛かっても、これまでの買取り方式から、在庫リスクを持つ必要がなくなること、HLA側は、これまでのような加盟店、代理店が好き勝手に発注し、全国の各エリア、各加盟店、代理店の品揃えがバラバラで、FKUが広がりすぎで、ロットもまとまらないためコストが下がらないという悪循環からの脱却、そして店舗内装もHLA側の意見を無視して勝手にOPEN、店舗で使う什器、マネキン、販促物もバラバラ、これらも防ぐつまりイメージコントロールできること、のようです。

では?皆さんの疑問は「その2年後に返品された在庫商品はどうなるのか?」だと思います。答えは、驚くなかれ、加盟店、代理店から生産工場に2年後に返品されます、HLAに返品されるのでは無く。その在庫は中国のECサイトで再販されたり、商品織りネームを変えて違うブランドとして再販されるのです。もちろん、当然ながらHLA側と工場側がきめ細かな契約をして、成立しているやり方、そうでないとそもそも工場は生産自体を請け負わないでしょうし、多少なりとも利益があるからやるのでしょう。
だけど、このHLA方式がさも新しいアパレルビジネスモデル成功事例、のような形で全国に報道をされ、多くのメンズアパレル企業が、まさに俺も俺もと雨後の筍のように追随しようとしている状況です。この状況を私自身は当たり前ですが、悪い傾向だと思えて仕方がありません。確かに厳しいマーケット環境下、自社が新しい独自のやり方で、他を圧倒したいという気持ちは十二分に理解できるも、誰も商品(在庫)リスクを負わない方式が流行して本当にいいのか?工場だけが泣きを見るやり方は本当に正しいのか? 恐らく誰もが「それは違う」と言うでしょう。私の見解は、商品一点一点に、こだわりや、情熱や、魂を入れない、商品を重要視せず、目先の利益だけを考えたやり方は、そう長くは続かないと思います。

今日伺った上海のメンズブランドが、HLAのようなやり方に翻弄されないことを祈るばかりです。


それでは!





 2016/03/11 13:10  この記事のURL  / 



婦人節の商売!
ブログを幾つかしたためているも、なかなかUPが出来ない日々が続いています。。。
今週MD週でいう10週はこちら中国では3月8日の「婦人節」(国際婦人デー)に向けて、レディスアパレルブランドの春商売の一つのピークとなります。この日は国家規定により、中国系企業では基本的に女性のみ午後半日休みとなります。



10週から11週かけて、モールや百貨店では様々な販促、イベントやSALEが行われれます。数字に引っ掛けて何かをやるのが好きな国民性、例年3月8日にちなんで3,8折(62%引き)で目玉商品を設定して集客するなど、毎年相当の売上があり、マーケット、商業的にも大きな意義のある祝日と言えます。
ただ、春夏の最大ピークである春節後のタイミング(今年は2/7からが春節休みだったため、ピークの間が僅か3週間しかなかった)ということもあり、商業施設に入るレディスブランドを見てみても、例年に比べ具体的な販促手法を見いだせていないブランドが多いように感じます。




いつもより、寒暖の差が激しかった2月が終わり、3月に入りましたが異常に暖かい日があれば、次の日は気温が10度も急激に落ちるなど、春物商戦だけを見ると決して良くない気候が続いています。この後、5週間後の15週には「清明節休み」が有り、初夏もの紹介期、春物消化期となります。自社の「春夏の顧客マーケットカレンダー」を再度吟味して、日、週、単位で商品投入、売り込み、消化、のプロセスを愚直に回していかないと、不順な気候に苛まれるシーズンとなりかねません。中国の短い春商戦、週次業務を更に細分化させ、計画性を持って臨むしか勝機はありません。

それでは!
 2016/03/03 22:30  この記事のURL  / 



プロフィール
内田 文雄(うちだ ふみお)
上海在住。2011年 上海にてVMDコンサルティング会社 碧詩商務咨詢(上海)有限公司 設立。現在の仕事は「売れるVMD」を基軸に @中国アパレルに対してのSPA構築セミナー、月/週次指導 A中国、アジア地域に展開する日系ブランドのVMD&インテリアデザインディレクション B中国/日系ブランドへの売場活性化クリニック C新店OPENディレクション D販売スタッフへのVMD教育育成指導。いつでもお気軽にお問い合わせ御待ちしております。 モットーは「VMD IS MY LIFE!」    1984年から(株)ワールドにて数々のブランドのVMD業務に携わり、1993年に上海交通大学に留学、その後上海駐在。2005年4月ファーストリテイリング (株)ユニクロに転職、VMD部門の日本、グローバル(欧米、アジア)全体の責任者として、ユニクロのグローバルVMDの仕組み構築、店舗スタッフ育成指導、国内の大型店、海外グローバルフラッグショップのディレクションを担う。2010年8月ユニクロを退職し起業。 IFIビジネススクールVMD講師。

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