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MALL、専門店の出店が止まらない中国!
昨日は中国のO2Oマーケットを取り上げましたが、今回は中国の実店舗ビジネスの事を書かせてもらいます。私が常にチェックしている「聯商」という、中国のリテイル情報を共有しているサイトからの情報。先月6月に全国で新規に開店した百貨ショッピングセンター、大型のスーパーマーケット、専門店状況が詳細にレポートされています。6月だけで全国で50店舗を超え、その内の5割の店舗は月末に合わせてOPENし、しかもその内の9割が2、3線都市立地にOPENするという、まさに大型のショッピングセンター出店格大が止まらない様相を見せています。



百貨購物中心カテゴリーでは、万達、天虹、華潤、スーパーマーケットカテゴリーでは、カルフール、永輝、歩歩高、メトロ(麦徳龍)、専門店カテゴリーでは、H&M、無印良品、紅星美凱龍などが中国各地に新店を出店させています。万達グループは新開業プロジェクトが5つあり、特に内モンゴルに集中させています。2014年6月30日時点で、全国に万達広場は90箇所、万達百貨は80店に達しています。

百貨購物中心カテゴリーに属するインテリアのIKEAは、これまでの出店フォーマットである単独立地では無い、初のショッピングセンター隣接の店舗を6月27日に江蘇省の無錫に正式開業させています。今後、IKEAは武漢、北京のショッピングセンターへの出店準備していて、2014年の年末、2015年に開業の予定です。

次にスーパーマーケットカテゴリーでは、国内資本の永輝は重慶、成都などに、一ヵ月に5店舗OPENさせるなど、勢いが止まりません。歩歩高や大潤発は1店舗にとどまっています。
一方で外資系のメトロ(麦徳龍)は2店舗、カルフールは1店舗OPENしています。
外資最大手のウォルマートは新店OPENは無し、中国本土のスーパーマーケットと比較して、外資系のOPENは緩やかで落ち着いているようです。

専門店カテゴリーでは、グローバルファストファッションブランドが続々とOPENしています。昨日のこのブログでも書いたH&Mは5つの省に7店舗、この春に北京と上海に同時OPENさせた英国のNEW LOOKも江蘇省に2店舗、MUJIも広域に5店舗と拡大基調です。
UNIQLOは5月に一気に19店舗もOPEN(5月1日に8店舗、5月31日に7店舗同時OPEN)、平均2日に1店舗OPENさせるという驚異のスピード出店をさせています。その影響か6月は1店舗OPENにとどまっています。

御覧の通りに、百貨店購物中心ではダントツで万達グループ、スーパーマーケットでは永輝と華潤、そして専門店ではH&MとUNIQLOが他の追随を許さない勢いとなっています。言い換えると、皆さんのブランド実店舗出店を検討する際、上述の業態やブランドをベンチマークするべきだと言う事です。

それでは!

 2014/07/09 11:30  この記事のURL  / 



中国でのファストファッションO2O戦略とは!
繊研新聞の情報によると、H&Mの日本での売上高(付加価値税含む)が今上期(2013年12月〜2014年5月)で2ケタ増となったと書かれていました。展開国41カ国中、日本の売り上げ規模は16位だが、1店当たり売上高はドイツに次ぐ2位だそうです。

「全社売上高の7割を占める上位10カ国も概ね好調で、全社業績も増収増益を果たし、とりわけハイペースの出店(242店舗/含む香港)が続く中国の伸びが突出している」との情報。

日本の売上高は16億2800万クローナ(1クローナ=約15.2円)で前年同期比11.4%増。店舗数は前年同期より7店増え、46店。進出以来、一定ペースで出店を続けており、売り上げ拡大は続き、全体におけるシェアは2%。

国別で見た売上高がもっとも大きいのは、意外にもドイツが第1位で、店舗数は期中に5店増(計423店舗)の14.4%増収。このほか上位国では第2位が米国(計313店舗)、第3位が英国(計250店舗)、第4位がフランス(計204店舗)も2ケタ増だった。第5位の本国スウェーデンは5位で店舗数は計178店舗、売上の全体シェアは5.3%、第6位の中国は4.9%と来年あたりは抜く事は確実です。
続いて、第7位オランダ、第8位イタリア、第9位スペイン、第10位スイスと続きます。因にH&Mの全世界での売上817億500万クローナ(前年同期比伸び率 16.6%)店舗数は、3.285店、上述の上位10カ国で約70%のシェアを占めています。


 


それでは、H&Mがハイペースで出店加速させている中国マーケットを見てみると。
旬のニュースとしては、ZARAが今年の秋冬にGAP、UNIQLOに続いて、自社サイトからTmallに販路を拡げる事を発表し、H&Mも後を追うようにTmallに開設するようです。業界では「ファストファッション各社がネット販売を食べ尽くす!」と心配の声が多く上がっています。2、3線都市までも、実店舗拡大とネット販売(オンライン)の両面で網羅されると、中国を本拠地とするアパレル各社間に、いたずらな生存争いが生まれきてしまう、と言うものです。

事実として、2013年の11月11日には、UNIQLOのTmallでは、単日の売上高1.2億元を突破し、この素晴らしい業績は中国の業界関係者を驚かせると同時に、自らの可能性を誘発しました。

一方でZARAはと言うと、先日Inditexグループが発表した、2014Q1財務報告によると、中国では今年秋冬にTmallに開設、同時に今年の9月には韓国とメキシコでウェブサイトを開設する様です(ZARAは既に25の国でオンライン公式サイトを開設)
2012年9月初めに、ZARAは中国で自社サイトzara.cnを開設し、実店舗での販売とネット販売とで大躍進のキッカケを掴んだと言えます。更にTmallへの開設で弾みをつける事になると思われますが、どのような運営モデルになるのかは明らかにされていません。


次にGAPですが、彼らの戦略はもっと急進的で、積極的に「reserve online、pick up instore」、つまり「ネットで予約し、実店舗で受け取る事」を推し進めています。同時に「実店舗に於いてネット予約をしてもらうこともテストスタート」させており、O2Oの融合策を次々に仕掛けています。実際にGAPのウェブサイトを見てみると「予約する」のボタンが際立って目立っています。上述の「実店舗でのネット予約のメリット」は、例えば店舗で品切れの場合、その店舗内のオンラインを通じて探し購入頂き、その商品をお客さんが一番便利なところへ送り届けるというもの。この方式はお客さんを失望させずファンとなってもらい繋ぎ止める事ができる、という発想なようです。

という様に、各社共に実店舗拡大と同時進行で、オンラインビジネスを更に増強させていっています。上述で中国ドメスティックアパレルの生き残りの事を書きましたが、逆の見方をすると後発で中国マーケットに乗り込んだグローバルブランドが、現状遅れをとっている中国アパレルのO2Oビジネスを自己啓発させ、警鐘を鳴らしているように感じます。


それでは!

 


 

 
 2014/07/08 07:40  この記事のURL  / 



やはり何か変だ、今夏のSALE・・・!
例年通りという言い方をよく聞きますが、今年の夏は例年と何か違っている上海。梅雨入りは6月20日と昨年より2週間ほど遅く(ここ数年どんどん遅くなっているようです)、逆にSALE入りが例年より2〜1週間早く、更に割引率もいきなり50%OFF(5折)からスタートさせるファッションリテイルが顕著となっています。






先回のブログにも書きましたが、一般的には20〜30%OFF、40%OFF、そしてSALEが2週間ほど続くと50%OFFと割引率を上げ、その後2週間くらいで単価出しや、中には60%OFFを行う行うブランドも出て来てFINAL SALEで終焉、と言うのが日本同様にこちら中国でもセオリーになっています。ですが、上述の通りに今年は異常な程SALEスタートが早い上に、割り引き率も高い状況です。業界は違えど,インテリアのIKEAも7月1日より、300アイテム対象で60%OFFのSALEをスタートさせています。

梅雨に入り毎週末は決まって雨だからや、ワールカップ観戦で買物どころでは無い・・・等が理由では無く、明らかにマーケットが買い控え模様になっていると肌で感じます。
少し前の杭州や地方都市での不動産価格の低迷などの報道で、極力無駄なお金を使わずに慎ましやかに質素な生活をする、という風潮なのでしょうか?もしくは商城(MALL)などの商業施設の過多(オーバーストア)で買い回りが拡散し、1館当りの客数が減となった結果、各テナント(ブランド)の客数減→買い上げ客減→売上減→割引率高というまるで負のスパイラルに陥った様な状態に見えます。何が要因かは、さだかでは有りませんが今の上海はそういう状況です。

もちろん、広い中国ですからSALE不調ではなく好調の都市、エリアも存在すると思います。例えば、地方の時代と言われ、今年の春夏商戦で比較的に好調と言われている四川省の成都などは、SALEも調子が良いのかも知れません(現段階では詳細情報を持ち合わせていません)、ここ2回このブログでSALE買い控え・・等の事ばかり立て続けに書くのは、アパレルに携わる身としては正直少々気が引けますが、中国も日本同様に、SALEだからお客さんが靡くという時代では無くなっている!と仮説立てをすれば答えは明解なのではないか、と思います。

つまり、如何に正価(プロパー)でお客さんと向き合って販売する事が重要で意味が有る事か、言い換えると正価時にあまり時間とお金をかけず、結果的に売れなかった商品は季末SALEで最終消化をすれば良い、という自らの努力で売り込む、のではなく、お客さん在りきの商売になってしまっているのではないか?と考えます。

私は中国の幾つかのレディスブランドがクライアントなのですが、彼らは基本的に夏や冬のSALEは店頭で大々的には行わずに、基本姿勢は正価販売としています(もちろん、VIPのお客さんには特別シークレットSALEは行います)。残った商品は来期に自社ECや自社アウトレット店、一部は店頭でコーナーで括りSALE品を販売します(あくまでも、旧品として)。某ブランドの社長の方針は至極明解で「せっかく正価で勝手頂いているお客さんに、SALEを行う事は失礼だし、申し訳ない!」という見解。

これは古い考えのようにも見えますが、実は顧客の顔が見える上得意顧客中心の商売を愚直に行っているわけです。よって顧客は定着し、そのブランドのファンになるという図式です。このようなブランドはファストファッション花盛りの今の時代に、大きく事業拡大する事からは程遠いのですが、しっかり地域に根付いた商売を続けており、その顧客もブランドを裏切らないという良い関係が保たれています。
この中国ブランドの方法が決して全て正解ではないものの、マーケットが飽和状態の中では逆に新鮮で、お客さんから見るとブランドを信用でき、ブランド側は商売の拠り所になるのでないかと思った次第です。


それでは!
 2014/07/07 13:30  この記事のURL  / 



SALE市況に変化が・・・!
先々週の第25W頃から本格化した夏物SALEも、冷夏予報が出された、先週26週から更に早期夏物消化を目指して、百貨店、MALL、路面店でSALE商戦が繰り広げられ出しています。

先週マーケットリサーチをしていて驚いたのは、これまで周りの競合ブランドがSALEをスタートさせても、プロパーを押し通し店頭でSALEを前面に打ち出していなかったochirly(欧時力)やFive Plus、同グループのメンズブランドのTRENDEANOがSALEを大きく露出させていた事。これは予想するに14年春、そして現在の夏物の消化が進まなかった結果、瀬に腹はかえれない切羽詰まった状態であると考えます。
これまでSALEを公には実施しなかったochirlyも30〜50%OFF
ochirlyと同グループのTRENDEANOも折上折(枚数を買えば更に割り引き)施策で枚数消化を図っています



中国レディスマーケットでは、2005年頃〜のデンマークのONLY、VEROMODAの流行、そして2010年頃〜の上述のochirlyブランドや韓国系ブランドの台頭と、3〜5年周期で流行のブランドが移り変わっています。そして2014〜15年はグローバルファストファッションのH&M、ZARA、FE21が3、4線都市まで網羅するなど拡大基調となり、消費者(80后〜90后世代)のファッションブランドの選択肢が大きく広がっている事も、これまで一人勝ちのブランドが窮地に追いやられている要因にもなっていると思います。

私がVMDで支援させて頂いている中国ブランドも、週報等を見る限り決して安泰では有りません。ファストファッション系競合の影響を受け辛い、ミセス(30歳〜40歳)をターゲットにしたブランドはまだ昨対並みですが、モロにターゲットが被っているヤングブランド(20歳〜25歳)は、正直厳しい状態が続いています。ミセスブランドは無理に粗利を落とすSALE合戦には沿わずに、秋物新作を再来週第29週頃から投入し店頭を秋イメージで構成します。逆にヤングブランドの方は店舗を広い中国の東西南北で展開しているため、一斉ににSALE突入という施策ではなく、エリア単位(地域本部)裁量で割引率を決めて進行しています。これは少しでもプロパーで販売出来るエリアは販売する、という方法です。

一方で昨年辺り迄はこの世の春的様相で、SALEはやっていなかった一部のラグジュアリーブランドも、先週辺りから一気に60%にするブランドも現れ、高級品を扱うMALLも賑わいを見せています。これも昨年の政府の高額品購買引き締めの影響がまだまだ色濃く残っていると想像出来ます。
現在上海に1店舗のOLD NAVYも、28元、48元という単価出しで訴求しています
H&MもSALE当初から目立つ大減価という訴求
CHRRUTI 1881も他のラグジュアリーブランドに先駆け第25週からSALE突入、部分商品60%OFFもあります



これまでも、何度かこのブログで書かせて頂いていますが、SALEでの消化は週次で競合や同MALL/施設内の状況を見極めながら、割引率であったり、効果的な販売スタイル(単純なマークダウン、2枚/3枚購入での割引率設定、在庫過多商品のタイムSALE等)を決定し、それをきめ細かなSALE販売計画、売場VMD計画、そしてその後の秋新作投入計画にできるだけ落とし仕込み、本部/店舗が可視化できる対策を打たれた方が得策だと考えます。


今日で上期が終わり明日から今年の下期のスタート、来週、8月中旬も中国アパレル向けにセミナーを開催します。また新たな気持ちで邁進したいと考えています。


それでは!
 2014/07/01 16:00  この記事のURL  / 



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プロフィール
内田 文雄(うちだ ふみお)
上海在住。2011年 上海にてVMDコンサルティング会社 碧詩商務咨詢(上海)有限公司 設立。現在の仕事は「売れるVMD」を基軸に @中国アパレルに対してのSPA構築セミナー、月/週次指導 A中国、アジア地域に展開する日系ブランドのVMD&インテリアデザインディレクション B中国/日系ブランドへの売場活性化クリニック C新店OPENディレクション D販売スタッフへのVMD教育育成指導。いつでもお気軽にお問い合わせ御待ちしております。 モットーは「VMD IS MY LIFE!」    1984年から(株)ワールドにて数々のブランドのVMD業務に携わり、1993年に上海交通大学に留学、その後上海駐在。2005年4月ファーストリテイリング (株)ユニクロに転職、VMD部門の日本、グローバル(欧米、アジア)全体の責任者として、ユニクロのグローバルVMDの仕組み構築、店舗スタッフ育成指導、国内の大型店、海外グローバルフラッグショップのディレクションを担う。2010年8月ユニクロを退職し起業。 IFIビジネススクールVMD講師。

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