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MARKS & SPENCER中国撤退!
少し古い情報で恐縮ですが、「馬莎」の中国語表記でお馴染みの英国MARKS & SPENCER(M&S)が中国大陸で展開している全15店舗を一旦閉鎖し、今後は加盟店方式で5店舗を再出店するとの事。ここへきてグローバルリテイラーの中国マーケットで苦戦が目立ちます。
昨年、同じく英国テスコの中国事業が華潤創業の実質傘下に収まるなど、少し前の米国ベストバイ撤退、アパレルでは90年代に一時代を築いたESPRITが昨年だけで40数店舗を閉店させ、あのMANGOも減速、と外資系リテイラーの劣勢が囁かれ、その実態が鮮明になってきています。



M&Sは、私がUNIQLOに居た時代はメンズ、特にインナー(下着)売場の表現方法、VMDが分かり易い、と言う事で何度も本国の店舗を調査した想い出があります。

最近の報道によると、今回の撤退の引き金になったのは、売場のほとんどを占めるアパレル(衣料品部門)が苦戦したようです。南京西路のM&S旗艦店を見ても、確かに少し古くさく洗練されていないデザインの服が並び、一時代前の百貨店という感がありました。特にH&M、GAP、UNIQLO、AEなど、グローバルリテイラーが並ぶこの南京西路では、立地が良い割りには入店客数も少なく、いつも「大丈夫?」と思った程でした。

ただ、上層階の食品売場については、ジャム、紅茶など他では手に入らない輸入物もあり、英国人はじめ多くのお客さんで賑わっていたのですが・・・、全館の特徴が食品にしかなかった事もM&Sがマーケットに浸透できなかった理由だと思います。

それと、最近のブログでも書きましたが、異常とも思えるここ数年に渡る不動産賃料の高騰、そして地方政府による法定最低賃金引き上げに端を発した人件費上昇など、売れているブランドでも厳しい状況、ましてや売れ行き悪いがブランドにとっては、いかんともしがたい状況に陥っています。

今から10年前(2000年初頭)頃の、グローバルリテイラーが未だ中国展開をしていない時代であれば、M&Sのような老舗の欧米百貨店、専門店!というだけで集客できたと思いますが、上述の通り選択肢が有り余るほど沢山ある現在では、看板、ネームバリュだけでなく、中国、中国人の嗜好に基づいた戦略で、品揃えはもちろん、集客策、事業展開を組み立てないと、成功の道は厳しい事を証明する様な、今回のM&S撤退のニュースでした。

それでは!
 2014/04/29 00:25  この記事のURL  / 



2013年 中国上場小売業売上ランキング!
Linkshopによる2013年の中国上場小売業(百貨店、スーパーマーケット、家電店)の売上ランキングが発表されました。以下大きく3つのポイントを説明します。


1.百貨店の売上増長スピードが緩やかに

2013年4月22日、Linhshopが統計した情報によると、61社の百貨店類上場企業(うち年報を公表する57社)その中で営業収入が100億元を上回る企業が16社ありました。大商株式(337.47億)、重慶百貨(302.46億)、豫園商城(225.23億)、王府井百貨(197.9億)、百盛百貨(174.81億)、鄂武商A(168.42)、金鷹商貿(168.3億)、中百集団(164.78億)、天虹商場(160.32億)、銀泰商業(156.92億)、万達百貨(154.9億)、銀座株式(142.18億)、首商集団(120.67億)、茂業国際(113.74億)、華地国際(111.35億)、利福国際(110.5億)。
皆さんがご存知の百貨店グループは幾つ有りましたか?良く聞くところでは、王府井、百盛、金鷹、銀泰、万達、と言うところでしょうか、上の利福国際(百貨店総合ランク15位)?・・・聞き慣れないかも知れませんが、これが上海の久光であり、香港のSOGOを擁する利福グループになります。純益額、伸び率も他社と比較しても素晴らしいと思います(知人が多いため、これくらいで・・・笑)

Linkshopの統計によると、既に年報を公表している57社の売上総額は、4189.79億元、平均増幅6.7%、純益総額は170.26億に達しており、平均増幅は5.4%。去年同時期と比較すると、営業収入TOP10の上場企業はさほど大きな変化はありません。


2.25の百貨店が純利益ダウン

年報を公表する57社中、47社(80%)が去年同時期比較をすると増長しています。しかし、25社は同時期と比較して純益がダウンしています。その中、海寧の皮革城の営業収入は29.95%と大幅上昇、逆に昆百大Aは同時期と比べて35.31%下落しています。中央商場の純益は882.63%増、逆にイオンの中国業務純益は809.77%下落しています。


3.14社のスーパーマーケットの純益下落幅17%

既に上場14社のスーパーマーケット類企業の年報が公表されました。その中の営業収入が100億元を上回る企業が11社ありました。
高(金が3つ)リテイル(大潤發+欧尚 839.58億)、華潤万家(763億)、永輝スーパーマーケット(305.42億)、聯華超市(303.8億)、物美商業(188.86億)、中百集団(164.78億)、華聯綜超(127.48億)、人人楽(127.1億)、歩歩高(113.89億)、卜蜂蓮花(108.81億)、京客隆(104.04億)。
14社中の売上総額3311.83億、評価増幅8.8%、純益総額は56.61億、平均下落幅は17%に達っしており、14社中の13社が同時期と比較して営業収入が増加していますが、1社(人人楽)だけが1.53%下降しています。その中で最大の上げ巾を示しているのが永輝スーパーマーケットの23.73%。純益のデータから見て、9社が純益が下がり、その中の新華都は最大の下落幅244.35%となっています。卜蜂花は去年の損失額を75%回復しています。


総じて言うと・・・
上述の通りで「百貨店、スーパーマーケットの伸び幅が下落している」。逆に今回の資料にはありませんが、コンビニのめざましい台頭も、スーパーが下落している一つの要因であるとも言えます。

また、コスト上昇も大きな足かせ、ブレーキとなっています。中国では小売業だけではないですが、様々な賃料と人件費の伸びが年々大きくなっており、小売業では売上の伸びが鈍化しているにも関わらず、コストを含む支出が大き過ぎると言う事だと思います。
コスト上昇のため、新規店舗出店も大きな影響を受けていると想定されます。


以下は各業態のランキング表です。
なお☆印の万達百貨は非上場企業、貨幣単位は人民元(香港ドルは人民元に換算されています)



それでは!
 2014/04/23 10:05  この記事のURL  / 



A&F 中国大陸1号店がようやくOPEN!
私はまだ行く事が出来ていないのですが、先週4/19(土)に中国大陸1号店が南京西路の久光近くのケリーセンターにOPENしています。ファサードは随分前に完成していましたが、階段吹き抜け部分の壁画造作に時間をかけていたと思われます。
OPNENINGは、Hollister同様に上半身裸のモデル君達がお出迎え。これを目当てに女の子達が数多く並んだ様です。





今更と言う感があるA&Fですが、A&Fはアメリカを代表するカジュアルブランド、Abercrombie&Fitch、Abercrombie Kids、Hollister,Gilly Hicks、の4つのブランドを擁するアパレル企業。資料によると、全世界の店舗数は1,056店舗、うち米国は890店舗、残りの166店舗は、カナダ、欧州、アジア、オーストラリアまで広がっています。アジアでは2012年8月にOPENした香港(現在3店舗)や、それ以外には東京、シンガポールも出店しています。Hollisterは中国大陸には既に7店舗展開し、売上も順調(売上増長率35%)に伸びている事から将来はA&F、Hollisterの2つのブランド合わせて100店舗超えを目標にしている様です。

A&F社の売上額は,2013年実績で41.17億ドル、年度増長率9%、その中でも米国では26.59億ドル、それ以外で14.58億ドル、粗利率62.6%、2012年同期比較20ポイント上昇。昨年はHollisterを日本や、中東、オーストラリアに20店舗近くOPENさせています。中でも韓国ソウルではA&Fの旗艦店もOPENさせて4店舗を展開しています。一方で本国米国では2013年から今年にかけて、いつも変らない商品デザインが飽きられ客離れが激しくなり、グループ全体の売上,利益も大きく下がり、既に62店舗を閉店(含む16店舗のHollister)という事で、ビジネス基盤を米国主体から徐々にアジアに移していることがうかがえます。確かに昨年10月に米国視察に行ったモール内のA&F、Hollisterには、全く客が入っていなかったです。

先日のOLD NAVY中国大陸1号店OPEN、そして迎え撃つ年間80〜90の新店をOPENさせる計画のH&Mやユニクロ、この2つのブランドは実店舗だけでなく、オンラインSHOPも拡充させています。他にはZARA、F21、C&Aなど、グローバルファストファッションは既に都市部では飽和状態、これに対して中国に於いても、やや出遅れ感のあるA&Fのローンチ、今後どのように拡大していくか?注目して見ていきたいと思います。

一部、こちらの報道記事からピックアップした内容ですが、OPENの賑わいが一段落した労働節明けにチェックに行ってきます。

それでは!
 2014/04/22 11:35  この記事のURL  / 



中国アパレルブランドの変化!
前にこのブログにも書かせて頂きましたが、お陰さまで今年は中国アパレルブランドとの取組みが多くスタートしています。一昨年の尖閣諸島(中国では釣魚島と言います)領土化問題で、日中関係の冷え込みを受け、昨年は中国アパレルブランドとの御仕事は大幅に減っていましたが、昨年秋冬辺りから徐々にオファーを頂いております。もちろん、政治と経済は別モノという事で、一昨年から今年もずっと変らず御付き合い頂いている先もあります。

今年頂いている多くのアパレルブランドの依頼内容で目立つのが「業務標準化」。つまり「KPI設定からPDCAサイクルをまわし、業務改善を行い、業務精度を高め、最終的に売上げUPに繋げる」というモノ。これまでの中国アパレルは「VMD実践で即売上UPを!」「ウィンドウディスプレイで、お客さんをあっ!と言わせたい」等の、VMD=ディスプレイ、という誤った認識がされており、誤解を恐れずに書くと非常に短絡的且つ深度の浅い依頼が本当に多い状態でした。

現在弊社が御付き合いをしているアパレル経営者は中には二代目の方もおられますが、自ら起業した30代〜40代前半の人も多く、海外渡航経験も豊富、考え方も柔軟性があり、革新的でもあります。と同時に、続々と中国に進出する外資系ブランド、それに対応し変革する中国ドメスティックブランドの動きも見つつ、自らのブランドがグローバル化(中国内に留まらない思考を持つという意味)し、永続的に伸張続ける為にはどうすべきか?を模索している方々が多いというのも真実。このような取組みの中で、多くの気づきをもらえたりと、私自身も非常に勉強させて頂いています。この変わり様には、私も20数年中国関連のお仕事をしていますが、大きく変わりつつある事を実感しています。

分かり易く新旧のアパレルの違い/差を書くと、例えば・・・売上不振が続くと旧いアパレルのMDやVMDは、すぐに「天候が悪かった・・」など気候のせいにしたり、「競合ブランドがSALEをスタートしたから・・」等、自責では無く他責で考えている状況、一方で新しい考えを持ったアパレルは、売上不振要因を数値化,定量化し分析します(実は私がコンサルティングの中で一番強調し指導をしている部分になります。私は'VMDを科学する'と御伝えしています)。不振要因は大きく分けると要因は2つしか無く、「客数減」と「客単価減」、これを更に分解して「客数減は・・・顧客/新規客で分析」、「客単価減は・・・購買枚数減/商品単価減で分析」というように見ていきます。そのどれに不振の要因があり、それを具体的に商品軸で、VMDとしての施策を愚直に実行し、効果検証していくか?これを毎週繰り返しPDCAしているという状況。御覧になってお分かりの様に、この新旧アパレルは雲泥の差、新しい考えを持ったアパレル、経営者が増えつつ有る状態に変化してきています。




さて話題は変り、再来週のMD第18週は、中国の年間商売上のピークのひとつ「労働節商戦」となります。この商戦後はその反動で客数減から売上減というのが例年の状況となっています。まずSNSを活用した来店喚起策とリアル店舗でのウィンドウ、店内陳列(PP、IP)を明確にし、更に販促物での訴求を実施、入店客数増、買上率増をKPIとして春物消化(含むSALE)を図る施策を取られるべきです。一方で気温も上がるタイミングでもあるので顧客層に向けては夏物新作紹介を積極的に仕掛け、世の中の購買行動が高まる時期に、その対応をどれだけ行うか?が労働節商戦、5月の売上を左右する事になります。


それでは!
 2014/04/21 00:00  この記事のURL  / 



必見! FR社の本気が伝わって来ます!
私がいつも気になり毎回チェックし、勉強させて頂いているのが、FR(FAST RETAILING社)の決算説明会の模様。プレゼンテーション資料はもとより録画ビデオまで公開されており、1時間程の説明会ですが、全体/詳細の説明の後、Q&Aなど世の中に対して公明正大な中味となっています。

先週、4月10日(木)に開催された「2014年8月期 第2四半期 決算説明会」の模様が下記、URLから御覧になれます。

http://www.c-hotline.net/Viewer/Default/FARE714ed75ffb563c0ee0a199b599a6e685

業績及び通期見通しについては、先週報道されている内容でご存知かと思いますが、説明会最後のQ&Aの部分で、柳井社長御自身の言葉による「店長をトップとした店舗運営面の反省から、地域正社員の登用、地域正社員を主体とした店舗オペレーションへの変革、国内ユニクロ事業の改革実行!」等、本気で事業改革を推し進める気迫が伝わってくる内容になっています。

事実として、アパレル、リテイル分野でここまでグローバルに展開されている日本企業は、他に類を見ないと思います。実際にこの会社に7年近く身を置き、今は海外に住んで様々なアパレル、リテイル企業とお仕事をさせて頂いてる私が感じる事として、FRグループの各ブランドの店舗展開、その中味見て感じる事は、間違いなく確実に次のステージに突き進んでいると実感しています。
2014年「Global is Local,Local is Global」をスローガンに掲げられたFR社の今後に期待したいと思います。

FR社の決算説明会の進め方、対外的に発表している資料について、他アパレルの経営者の方々も非常に参考になると思います。

それでは!
 2014/04/14 12:00  この記事のURL  / 



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プロフィール
内田 文雄(うちだ ふみお)
上海在住。2011年 上海にてVMDコンサルティング会社 碧詩商務咨詢(上海)有限公司 設立。現在の仕事は「売れるVMD」を基軸に @中国アパレルに対してのSPA構築セミナー、月/週次指導 A中国、アジア地域に展開する日系ブランドのVMD&インテリアデザインディレクション B中国/日系ブランドへの売場活性化クリニック C新店OPENディレクション D販売スタッフへのVMD教育育成指導。いつでもお気軽にお問い合わせ御待ちしております。 モットーは「VMD IS MY LIFE!」    1984年から(株)ワールドにて数々のブランドのVMD業務に携わり、1993年に上海交通大学に留学、その後上海駐在。2005年4月ファーストリテイリング (株)ユニクロに転職、VMD部門の日本、グローバル(欧米、アジア)全体の責任者として、ユニクロのグローバルVMDの仕組み構築、店舗スタッフ育成指導、国内の大型店、海外グローバルフラッグショップのディレクションを担う。2010年8月ユニクロを退職し起業。 IFIビジネススクールVMD講師。

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