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携わってそろそろ3年を迎える、中国アパレル企業が新たなチャレンジをスタートさせました。 元々40年前から中国でダウンウェア単品の店を、8,000店舗程度チェーン展開をしていたこの企業。全国的に知名度は高いも、既に終わったブランドとまで揶揄される状態。またここ5年くらいはUNIQLOを筆頭に、グローバルSPAブランドの台頭もあり、自ダウンの売上が下がり、店舗網も代理店を中心に継続契約をせず、数千店舗も閉店し、中国のアパレル業界では「あの会社は大丈夫か?」と言われるほど、別の意味で注目される企業でもありました。 ですが、この代理店の閉店問題は、ある意味織り込み済みの戦略で、代理店政策をとっていても、ダウンは所謂防寒着要素が強いため、ブランド本部がいくらブランディング、コンセプトが重要、SAデザイン商品(ブランドとして強化販売していく)はコレ、と言っても代理店は自らの地域で、取り敢えず量がたくさん売れる商品しか発注しない。つまりブランド本部の意向を無視し、自らの売上、利益のことだけを考える、といった中国の殆ど全てのアパレル企業が抱える問題点が散在していました。 上述のような代理店との契約を更新せず、中国全土に広がる地域販売会社(13箇所)が新たに直営店を出店し、品揃え(SAデザインを中心とした)、ブランド統一のマーケティング方法、店舗内装、販売スキルUP研修...等を自らの手で行うことで、結果的に代理店が運営した時と比較しても、単店の売上、利益が向上する、といった具合で、この政策が功を奏し、2016年は店舗数は減るも、売上目標達成する結果となりました。 これはあくまでもダウンウェア単品の話で、今回のタイトルにある苦節3年とあるのは、多品(フォーシーズン)という、一般的なアパレルでは普通にやっている、1年間を通じた商品企画を行うことにチャレンジする、という意味です。 誤解を恐れずに言うと、年間のうちダウンウェアが売れる秋冬しか、商売をしていなかったブランドが、未知の春夏の商売に参入するということは、並大抵のことでは無く、何のノウハウも無いところからのスタート、この3年間で中国、イタリア、台湾、韓国、日本からも、商品企画、マーケティング、内装デザイン...面で、様々な人達がこの多品プロジェクトに関与しては、途中で頓挫することを繰り返し、何とか昨年9月から新たな体制で進む中、今週ようやくその多品の店を、この企業のお膝元である常熟の万達広場1階に、旗艦店(280u)としてオープンさせることができました。 夏商品に関しては、主にバイイングした商品なため、本格的には8月末から展開される、秋物からが正式なスタートになります。 何とか、このスタートラインに立てたことを、私自身も素直に喜びつつ、8月以降怒涛のように出店していく、それぞれの店に対して、常に仮説、検証、修正を繰り返し、レベルを上げていくことに邁進したいと思います。 それでは! |