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商業施設は進化しないと生き残れない!
当たり前の事でしょう?と思うタイトルだと思います。
日本ではワンシーズン(例えば、16春夏で言うと、マリン&ウォーク ヨコハマ、NEWOMAN、銀座東急プラザ、枚方T-SITEなど)に、5-6箇所の新たに話題の商業施設(以下SC)がOPENしたり、リニューアルしたりしていますね。これが毎年繰り返され、消費者の需要喚起を狙っています。

では、こちら中国での状況はどうでしょうか?今年1月のこのブログでも書きましたが、今年2016年に1線都市上海地域だけでも何と88箇所が新たにOPENする計画です。広い中国全土だと、あくまでも想像の域ですが、平均的な5万平米級のSCは少なく見積もっても、年間に2,000箇所近くが生まれているのではないでしょうか?

この状態は本当に異常です、3年ほど前から既にSCの過剰感が言われています。昨今の景気減速や習近平指導部の倹約令の影響などで消費市場の伸びが鈍化しており、インターネット通販の攻勢もあって店舗の閉鎖や、テナントが埋まらない「ゴースト施設」も相次いでいます。一方でタイ(セントラル傘下)や英国の小売り大手(M&S)も拡大路線を見直すなど、外資系企業にも影響は及んでいます。景気が一段と減速すれば、さらなる淘汰は避けられないでしょう。

では何故、1、2線都市はもとより3線以下の地方都市でもSCが乱立しているか?それは、財源を確保したい地方政府が土地の使用権を不動産開発業者に次々に売却。所得増による購買意欲の高まりを見越した開発業者が、全国各地でSCを競い合って建設してきたから。

また中国では多くの不動産開発業者(もちろん自らきちんと管理されているところも有ります)は純粋にSCを運営させることが目的ではなく、主目的は不動産投資、つまりSCを建てて、施設運営は別の運営企業に貸し出ししています。運営を任せられた企業は、施設全体のコンセプトもないまま、ひたすらにテナントを集めます。

中国に来られSCを見られたことがある方ならお分かりかと思いますが、何となくフロアー分けはされているけど、何故このブランドの隣がこのブランドなの?と感じた事があると思います。それは、リーシングのプロが存在しなかったり、過去の付き合い、関係だけでの出店を許しているからに他なりません。

では何故、結果的に各SCに客が集まらないのか?上述の通りSCが急増し、テナントもどこに行っても似たようなブランドのカニバリ状態、そして最大の要因は、賃料そのものも高い事から取り扱う商品価格も割高になり、値段の勝負になれば、格安品がそろうネット通販サイトにはかなわない、という悪循環になってしまっているのだと思います。

これからのSCが生きる道は、「年齢層や所得層といったターゲットを絞り、消費者に足を運んでもらえる店作りのノウハウを研究、そしてそれを実現させること」に尽きます。

その成功事例が、1線都市の上海にある来福士(ラッフルズ/CAPITALAND シンガポール系不動産開発業者)です。2003年にOPENし、今年で13年目を迎える人気施設、2015年末から、全8フロアーのリーシングを見直しています。これまでのターゲットであるヤング層(90后/26歳-17歳)から、大幅に年齢層は変えてはいませんが、顧客像を都会的でお洒落な女性層に絞って、特に地下の飲食フロアーを中心に、全館のテナントの入れ替えを行い、更に客数を伸ばしています。
上海中心部の人民広場に好立地
中国で人気のCHANEL専門店、CHANEL Beaute
中国大陸1号店のVICTORIA'S SECRET
ラッフルズの概要
フロアー構成
香港系initialに併設された人気のICE CREAM店



ラッフルズは立地も知名度も、集客力も有り、中国全土のSC開発関係者も知る、人気施設、その地位に甘んじることなく、毎年のように修正を加えています(これで影響を受けるテナントはたまったものではありませんが...)、このようなレヴェルの施設でも、自ら更に上のランクを目指し、本気で他施設との差別化を図っていっている現実も有るのです。
日系のアパレル、小売企業がSCでの出店を計画する場合、ラッフルズのように将来のビジョンを持った先と取り組むことができるかが、成功可否の鍵になります。
一方で、中国では内陸部や地方都市などで建設中の施設もまだ多く、このまま野放図な開発が続けば、結果的に施設の大量閉鎖を招き、雇用などにも影響が及ぶ可能性もあると考えます。

それでは!
 2016/06/13 13:00  この記事のURL  / 



弊社の事業内容(続編)!
2014年、つまり2年前に上記タイトルの内容のブログを書きました。
大きくは4つのカテゴリーの事業内容を引き続き、生業にさせて頂いています。更に昨年から新たに加えた5つめのカテゴリーも合わせて列挙すると、以下の通りになります(詳細は、上記青文字「ブログ」をクリックください)

1.VMD部門顧問業務

2.中国進出予定企業への支援業務

3.中国マーケットリサーチ支援業務

4.日中アパレル企業同士のマッチング業務

5.中国でのライフスタイル雑貨のEC販売支援


あれから2年が経ち、最近依頼が増えだしたのが、3.の中国マーケットリサーチ支援業務と、4.日中アパレルや小売企業同士のマッチング業務です。2012年の尖閣問題から、かなり冷え込んでいた日中関係も、流石に4年も過ぎると昨今の中国人の日本への旅行者増を代表に、経済面では2012年前よりも交流が上向きになっており、底辺には様々な問題も含みながらも、一種の日本ブームの感があります。
これは私の周りで、物販、飲食業を営む日系企業の知人経営者の方々と情報交換会をしていても、皆同様の論調で一致してます。
一緒にライフスタイルビジネスをやっている上海人パートナーが、先週開いたフランス料理レストラン。すぐに上海の人気レストランにランクインされると思います。
このレストランで使っている食器類、カトラリーは全てMADE IN JAPANやポルトガルが中心、食事をして気に入ってもらえたらすぐ側のSHOPで購入できます。



同時に新たに立ち上げた5つめのカテゴリーである、MADE IN JAPANを中心とした、雑貨類のO2O、リアル店舗での販売も好調で、この側面を見ても「日本製」「安心安全」「品質」「デザイン性」「耐久性」「価値観」...など、多くの信頼を頂いております。

この様に、こちらに住んでいて肌で感じる定性側面、O2O/リアル店舗での販売に関わって分かる定量側面、から日本企業、商品に対する期待感や可能性を感じています。
言い古されていますが、「世界の工場から世界のマーケットに変革した中国」、チャイナプラスワンという動きもあり、こぞって東南アジアに生産拠点や販売拠点を移された企業も再び中国を見直すところも増えているのも事実。私はアパレル企業、物販に携わる方々は、改めて中国マーケットをじっくり見られて、再度チャレンジされても良いと考えています。

それでは!



 2016/06/13 13:00  この記事のURL  / 



プロフィール
内田 文雄(うちだ ふみお)
上海在住。2011年 上海にてVMDコンサルティング会社 碧詩商務咨詢(上海)有限公司 設立。現在の仕事は「売れるVMD」を基軸に @中国アパレルに対してのSPA構築セミナー、月/週次指導 A中国、アジア地域に展開する日系ブランドのVMD&インテリアデザインディレクション B中国/日系ブランドへの売場活性化クリニック C新店OPENディレクション D販売スタッフへのVMD教育育成指導。いつでもお気軽にお問い合わせ御待ちしております。 モットーは「VMD IS MY LIFE!」    1984年から(株)ワールドにて数々のブランドのVMD業務に携わり、1993年に上海交通大学に留学、その後上海駐在。2005年4月ファーストリテイリング (株)ユニクロに転職、VMD部門の日本、グローバル(欧米、アジア)全体の責任者として、ユニクロのグローバルVMDの仕組み構築、店舗スタッフ育成指導、国内の大型店、海外グローバルフラッグショップのディレクションを担う。2010年8月ユニクロを退職し起業。 IFIビジネススクールVMD講師。

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