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VMDの専門家を育てるということ!
某アパレルリテイルが店頭強化の一環で、各店舗にVMDの専門家を配置するという、VMD専門家育成プロジェクトをスタートさせています。
VMDを生業としている私もこの取組みには興味を持って見ていますが、このプロジェクトは並大抵ではないと思います。ですが成功すべく応援をしていきたいと思います。
ブログ記事とは関係がありません。磁石で引きつけられるマネキンを表現・・・



前のこのブログでも書きましたが、「VMD=表面的に綺麗な化粧するのでは無い」、私は「VMD=商品そのもの」だと思っています。
ワールド在籍時代にVMDの先輩から教わった言葉が今でも記憶に残っています。商品を花に例えると・・・「商品一点=一輪の花、スタイリング=花束、店舗=花園」、花園は一瞬綺麗に見えるが、一輪一輪の花を良く見ると中には枯れた花、既に元気が無い花も有るかもしれない。花園全体に誤摩かされずに、一輪一輪の花が綺麗で元気であってこそ、花束=スタイリングや花園が本当に綺麗に見える、というもの。つまり、VMD力を駆使してとんでもなく綺麗な花園(店舗)を作る事はいとも簡単、だがそれは結果的に商品の悪さを粗隠しをしているだけに過ぎないし、そのブランドの命は短い。本質はそこではなく、一点一点の商品(一輪の花)のデザイン、クオリティ等の完成度を上げる事を、我々VMDに携わる者が商品企画/デザインに関わる者に提言し続けるべき!というもの。だから当時のワールドのKNIT商品を代表として他の追随を許さないレヴェルの品々が多かったし、VMDも他社が真似が出来ないレヴェルだったと実感しています。

今思えば、30数年前の当時から「商品起点のVMD」を先輩の教えから自ら実践していたと思います。商品のクオリティ向上にも口を出し、商品展開時期、商品展開レイアウトはもちろん、商品展開型数/展開カラーバリエーション(当時はSKUという概念も言葉も無し)、販売促進計画等への提言、でもこの経験が前職SPAブランドでのVMD構築にも役に立ち、今現在の中国アパレルのクライアントへの指導の礎になっています。

冒頭のVMDの専門家育成の話しに戻すと、何故このプロジェクトが並大抵では無いと言うかですが。もちろん店舗付けのVMD担当者という事で、その彼らが起業して自らVMDで飯を食う真の専門家になるわけでは無い事は分かっているのですが、なのでなおさら「店舗付けVMD専門家の定義を明確にする事」が一番重要であると思います。

何を持って専門家と呼ぶか?VMDの何が出来て専門家なのか?もちろん、上述の我々が経験してきた当時のアパレルのVMDのように、商品に提言する事は出来ない(しない)環境だからこそなおさらそう思うんですよね。商品を起点にしない(できない)のであれば、恐らく既に出来上がった商品のゾーニング計画を組み、レイアウト、フェイシングを行い、コーディネイトを組み、マネキンに着せる。マネキンの集合体でウィンドウVPや店内PPを作る、そして売り込む為に販促物POPを設置、これを毎日、毎週やっていく専任者がこのアパレルリテイルでのVMD専門家と呼ばれるのだと思います。

では、もし私がこのVMD専門家を育成するプロジェクトのリーダーであれば何をするか?ですが(あくまでも狭義の現場VMDの話しに集中させます)

1.まずVMDの基礎を徹底的に教え込み、実践を繰り返すしか術は無いと考えます。その基礎とは何か?当たり前ですが、商品を大事に取り扱う、商品のシワを無くす、商品の上にマネキンの腕やハンガーを置かない、全て中心線/線/面で合わせる、掃除を徹底的に行う、と言う原理原則。これをマスターするとVMDとしてのベースが出来ます。

2.同時にコーディネイトを沢山組む訓練を行います、それは何故か?コーディネイトが組めるという事は、フェイシングが組める事であり、レイアウトやゾーニングが組める事に繋がり、VPやPPの意図も理解でき、ウィンドウ構成も出来る様になります。
レディスだけで無く、メンズ、キッズ、雑貨など幅広いカテゴリーで出来る様になるのが理想です。

3.導線計画に基づいて、什器レイアウト、マネキン等の配置の訓練を行います。当然商品展開計画を元に、季節,時期に応じて適した導線を考え実践しPDCAを繰り返し、成功事例、失敗事例、自らのノウハウとして蓄積が出来ます。この什器レイアウト、マネキン設置時に気をつけなければならない事は?部分最適では無く、売場の全体最適、つまり全体感でお客様の立場に立脚して「どう見えているか?」を最終確認する事が重要です。ライティングもお忘れなく!

これらの大別すると3つの事ができると、自ら体感、会得した事を理論的に人に教え,伝える事ができる、つまり指導ができるようになります。指導が出来る事が専門家のゴールだとすると、これが店舗付けVMD専門家の定義になると考えます。

上述の事からお分かりの様に、VMDって何か特別な事ではないのです、身構える必要は全く有りません。お客様視点で商品が「見易く、触り易く、買い易い」様に、ルールに基づいて配置をし、整理、整頓、編集するだけなのです。最後に清掃もしっかりやりましょう。

前回のブログに続き,固い話しになりました。。。



それでは!


 2014/11/10 22:35  この記事のURL  / 



プロフィール
内田 文雄(うちだ ふみお)
上海在住。2011年 上海にてVMDコンサルティング会社 碧詩商務咨詢(上海)有限公司 設立。現在の仕事は「売れるVMD」を基軸に @中国アパレルに対してのSPA構築セミナー、月/週次指導 A中国、アジア地域に展開する日系ブランドのVMD&インテリアデザインディレクション B中国/日系ブランドへの売場活性化クリニック C新店OPENディレクション D販売スタッフへのVMD教育育成指導。いつでもお気軽にお問い合わせ御待ちしております。 モットーは「VMD IS MY LIFE!」    1984年から(株)ワールドにて数々のブランドのVMD業務に携わり、1993年に上海交通大学に留学、その後上海駐在。2005年4月ファーストリテイリング (株)ユニクロに転職、VMD部門の日本、グローバル(欧米、アジア)全体の責任者として、ユニクロのグローバルVMDの仕組み構築、店舗スタッフ育成指導、国内の大型店、海外グローバルフラッグショップのディレクションを担う。2010年8月ユニクロを退職し起業。 IFIビジネススクールVMD講師。

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