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北京ギャラリー・ラファイエットの状況は!
昨年10月18日に北京の西単にOPENした仏ギャラリー・ラファイエット(GL)を初めて訪れました。
まずGLを説明すると、パリオペラ座の裏に構えるヨーロッパ最大規模の老舗デパート、海外展開は出退店を繰り返していて、現在はジャカルタやドバイにも既に出店済みで、アウトレットも含めて現在世界に65店舗。2012年度の総収入は23億ユーロ(当時の1ユーロ134円換算で3,082億円)
私もGLオスマン本店を何度か訪れていますが、天井を飾るネオビザンチン様式のドーム型ステンドグラスは歴史的建造物に指定されていて、荘厳な雰囲気がするパリで一番好きな建物です。






話しをGL北京店に戻すと、ご存知の方も多いかと思いますが、実は北京には1997年に初進出したものの、当時はまだ高級品市場が成熟しておらず、1年未満で撤退しています。今回は中国市場への再挑戦/リベンジになります。今回の開業のためにIT(香港)とジョイントベンチャー(出資比率50:50)を立ち上げ、3年の月日と4.000万ユーロを投資するとともに、地元に親しんでもらうため、正式店名の他に中国名「老佛爺百貨店」を付ける力の入れ様です。
今回GLが進出した西単地区は北京で最も繁盛しているエリア、若くファッション感度の高い客層が多い西単大悦城(JOY CITY)という商業施設があって、GLはそこから道路を隔てた斜め向かいにあります。全6層(地下1階、地上5階)で売り場面積は3.200平方b。婦人服1.300平方b、紳士服530平方b、子供服700平方b、レストラン700平方b。館内吹き抜け天井部分には、GLのシンボルであるパリ・オスマン本店のドーム型ステンドグラスをデジタルで投影しています。

この西単エリアは若者が多く集まる街で、私は中国の都市を日本に例えるのは好きでは有りませんが、分かりやすく東京で言うと渋谷と言う感じ。特に週末このエリアは大変な人出になります。この立地がポイントらしく、何かの記事で、GLの担当者は店舗の位置付けについて「高級品の販売だけではなく、若者を中心とする中間所得層の消費者に対し、最先端の流行を提案する」とありました。ITが展開する「BEAMS」や「ジャーナルスタンダード」を通常のIT各ブランドとフロアーを分けて展開している意味も、そこに有る様に思いました。VMD面で見ると、昨年上海にこれもリベンジで再進出した香港のレーンクロフォードの凄さからすると、少しおとなしく(OPEN半年が過ぎ息が切れたのか?)あっ!と驚くディスプレイは残念ながら有りませんでした。






GL北京店の取り扱いブランドをサイトで調べてみると・・・「ミックス&マッチ」をコンセプトに、値頃感のあるものからラグジュアリーまで幅広く、50の仏ブランドを含めた500ブランドを揃え、その多くが中国での独占販売権をGLが所有するそうです。
仏ブランドでは「イヴ・サンローラン」がGL内に初の中国でのブティックを開設し、中国で今後成長が期待される「カルヴェン」「マジュ」「サンドロ」「ザディグ・エ・ヴォルテール」や「ザ・クープルズ」などを揃え、仏ファッションの好きな富裕層を狙うとともに、同質化する北京の他SCと差別化していく方針だそうです。欧州ブランドだけでなく、米国の「GANT」「サタデーズサーフ」など旬のブランドも品揃えして、トレンドを追う客層も掴もうとする想いが伝わってきます。取扱商品の中心価格帯は1,000元(約16,000円)から8,000元(約13万円)くらいだと思います。
飲食も600銘柄のボルドーワインを一同に揃えた「ボルドーテーク」など仏ガストロノミー(美食)も充実させる、とありました。ただ美食に関しては、見たところ最上階(5階)にあるレストラン、地下1階にあるフードコートも中華が目立ち、想いは実現していない感があります。






海外に視察に行くと本当に多く目にする中国人。中国人はブランド品大好きな国民性、そして非常に買い物が好きだと感じます。特にヨーロッパへの憧れ、とりわけフランスは大変人気のある旅行先です。知人に聞いた話しですが、パリを訪れる中国人観光客に最も人気のスポットは、1位がエッフェル塔で、第2位がGL本店だそうです。有名な凱旋門、ルーブル美術館、オペラ座よりも人気なのですから、中国人が如何に買い物好きかがうかがえると思います。





GL北京の率直な感想として、今日は火曜日平日という事で、お客さんでごった返す、と言う状況ではなかったものの、西単を訪れるファッション感度が高い客層も集客出来ている事、そしてウィンドウショッピングでは無く、しっかりとショッパーも提げ買いに来ています。これは意外に競争力、可能性があるのではないか?という感じです。次回は週末の状況を見てみたいと思います。
最後に北京の百貨店業界は、中国国内資本、欧州系、香港系、台湾系、韓国系などがひしめき合い、更にSCも続々とOPENしているまさに戦国時代と言えます。日系百貨では、三越が台湾企業との合弁で新光三越を、そごうも中国企業への商標提供で営業、そしてGMSのイオンやイトーヨーカ堂も、郊外の住宅街に大型店舗を展開しており、今後ますます拡大する中間層や富裕層の需要を巡り、GLを初め各社がどのような戦略でこの飽和状態の百貨店/SC戦争を戦っていくのか、凄く興味があります。


それでは!




















 2014/04/09 09:25  この記事のURL  / 



プロフィール
内田 文雄(うちだ ふみお)
上海在住。2011年 上海にてVMDコンサルティング会社 碧詩商務咨詢(上海)有限公司 設立。現在の仕事は「売れるVMD」を基軸に @中国アパレルに対してのSPA構築セミナー、月/週次指導 A中国、アジア地域に展開する日系ブランドのVMD&インテリアデザインディレクション B中国/日系ブランドへの売場活性化クリニック C新店OPENディレクション D販売スタッフへのVMD教育育成指導。いつでもお気軽にお問い合わせ御待ちしております。 モットーは「VMD IS MY LIFE!」    1984年から(株)ワールドにて数々のブランドのVMD業務に携わり、1993年に上海交通大学に留学、その後上海駐在。2005年4月ファーストリテイリング (株)ユニクロに転職、VMD部門の日本、グローバル(欧米、アジア)全体の責任者として、ユニクロのグローバルVMDの仕組み構築、店舗スタッフ育成指導、国内の大型店、海外グローバルフラッグショップのディレクションを担う。2010年8月ユニクロを退職し起業。 IFIビジネススクールVMD講師。

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