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南京西路の久光百貨近くに7月にプレOPENした「静安嘉里中心(JING AN KERRY CENTRE)」を見て来ました。 全景、これまでの東館に新たに北館、南館が加わりました KERRY GROUPと言えば、香港を本拠地に中国、マカオ、フィリピン、オーストラリアで物業(商業施設建設/運営、マンション、オフィス、ホテル開発)や物流事業を生業として成功している企業。中国に於いては上海、北京を中心に全国20箇所で、多くの施設(通称:ケリーセンター)を開設し人気を博しています。 この静安嘉里中心は南京西路と常徳路が交わる好立地に、大規模総合施設として登場。総建築面積は45万平米、うち商業施設は8.6万平米、オフィス棟は15.2万平米、シャングリラホテル(全508室)は7.3万平米、サービスアパートメント(133室)は1.8万平米、そして都心部にしては1.340台停車という大規模のパーキングは13.6万平米。上海でも類を見ないレヴェルの総合施設になっています。地下鉄網が発達している上海ですが、当たり前ですが富裕層、ホワイトカラー層は車を使っての移動、このような大規模パーキングが商業施設建設の際には不可欠な要素と言えると思います。 地下2層、地上4層の6層で構成されています、御覧の通り人はまばら 特に目新しいブランドはありません 3-1フィリップ・リムは確か上海で3店舗目だと思います RED VALENTINOは圧巻の店舗アトモスでした CLUB MONACO,中国での出店加速しています 商業施設の全体としては、7月OPENし2ヵ月経つにも関わらず、未だ30%しかOPENしていない状態。特に地下の飲食フロアーがほぼ0%、日本の様に100%完全な状態でOPENすることはほぼ有り得ない中国、今回もそうでした。今年上海で続々とOPENしている金沙江路の環球港、淮海路のiapm、この2つも全く同じ状態でのプレOPENでした。 この要因として、そもそも建設、消防検査等での許認可に時間が係り過ぎている事、つまり当初プランの甘さが挙げられます。次に既に乱立、オーバーストア状態の上海の商業施設環境が背景にあります。つまり何処の施設にもほぼ同様のラグジュアリーブランド、グローバルブランド、物販が入りほとんど差別化が出来ておらず、場所も空きが目立っています。グローバルのラグジュアリーブランドとて、上海、中国を魅力的な「金のなる木」として見ているも、半径10Km以内に3、4箇所もの出店は必要とはしていないと思います。という事で、何処の施設も中国ブランド導入まで枠を拡げると簡単に空き場所も埋まるのですが、施設自体のイメージが下がり、当初コンセプトとはかけ離れるという事も有り、そこは妥協せず、歯抜け状態でもプレOPENを余儀なくされているようです。 香港系CITY SUPERのライフスタイルストア「LIFE」、確かにこのようなストアーは上海には少なかったのでこうご期待です 今や大型商業施設には欠かせないディンタイフォン。だけどここまで店舗網拡げて大丈夫でしょうか・・・ 3階にある日本炉端焼店 一風堂も上海の2号店、ローカルに人気のようです 上海や北京などの沿岸部の1級都市では既にこのような飽和状態になっており、更に言うと百貨店よりもMALLが集客力を高めてきています。一方で地方内陸部の成都や武漢、重慶などの1級都市では、これまでの老舗百貨店がまだまだ力を持っていて、そこにようやくMALL複合商業施設がローンチしている状態と言えます。これからの地方都市では消費力も高く、新しいMALLも集客でき、ラグジュアリーから日本、韓国アパレルブランドも受け入れられています(事実として、某日本ブランドは上海の店よりも地方の店のほうが常に売上が高い)。つまりブランド数が少なく、競争相手がいない状態と言えます。但し、これは今がピークであると考えます。3年後くらいには成都、重慶、武漢などの内陸1級都市や、2,3級の地方都市も今の上海、北京のように確実にオーバーストア飽和状態になり、淘汰されていくのではないかと予想されます。 それでは! |