上海市内西部地区の商業施設状況はA!
前回のこのブログは非常に反響が大きく、商業施設状況に関心が高いことが分かりました。
今回は同標題の第2回目、3つの商業施設を見ていきます。


・虹橋南豊城
元々パークソンが入っていた「虹橋城」をリニューアル、拡大させて2015年にオープンしました。キーテナントはINDITEXの「ZARA」「Massimo Dutti」「ZARA HOME」、「UNIQLO」「H&M」「OYSHO」その他「moussy/SLY」「ToysRus」、人気のオープンエアーのレストランや子供向けの遊具コーナー、映画館などが充実していて、家族連れや近隣のオフィスで働くサラリーマン、OL層で賑わいを見せています。
前回に書かせて頂いた、金虹橋商城とほぼ同時期にオープンした南豊城ですが、3年近く経ち、金虹橋商城との集客力差が顕著となっています。当時の私のブログでも予想していましたが、やはり商業施設への来店喚起、リピーター増には、人気レストランの充実が必要不可欠であると確信しています。
アパレルリテイル面を見ても、ECの強化を図っているINDITEXはここ2-3年間、慎重に出店先を選んでいて、そういうなか選んだ先がこの南豊城、それもZARA単体ではなく、兄弟ブランドも出店させてます。これは彼らが「この施設は時間は掛かるが、将来の展望が明るい」と判断した結果だと思います。事実、半径8KM以内の徐家匯の港匯広場にもZARAは有りますが、自ブランド同士でのバッテインングはしない、と徹底したマーケット調査を実施した上での戦略的出店が見て取れます。またUNIQLOも近くの金虹橋商城にはグループブランドのGUが出るも自らは出ず、この南豊城にはしっかり出ているところは計算ずくの戦略なのでしょう。
いつも子供向けのイベントが開催され、子供がせがんで親を連れてくる構造になっています


・Parkson Newcomer city mall
2015年12月に、これも上述の南豊城同様に元パークソン婁山関路店を、リニューアルしてオープンした商業施設。この施設の事は当時のブログに詳細に書かせて頂いていますので、そちらをごらんください。
韓国のE-landとパークソン百貨店が合弁会社を作って共同事業を行うという、或る意味次世代都市型商業施設です。MK販促、VMD、などの店舗運営はノウハウ経験があるE-land側が行うといったやり方。各ブランドの商品も今季物+キャリー物という品揃え、当時よりアウトレット店の様相で低価格で集客UPを図る方法の施設でした。
先週久しぶりに訪れましたが、オープン当初の賑わいも消え客もまばら、各フロアーでのリーシング変更もあり、オープン時は存在しなかった通路上のワゴン設置など、更に低価格商品が増え、売場VMDの基準も下がり、結果的に施設自体のランクが下がったように感じました。
現在はこの上海店以外にも、中国国内にParkson Newcore city mallが数カ所存在するようですが、恐らくこの婁山関路店同様に、立地は悪くはないが、少し飽きられた感のある百貨店と組み、アパレル主導で運営を試みたが、結果的に集客策と自ブランド在庫処理のために、更なる安売りを強いられ、ブランドの価値観も無くなり、目新しさも無くなり、大きく客足が減っていて、今後の新たな出店計画も足踏み状態。これは元E-landの人に聞いたので、間違いないでしょう。当時は、画期的、且つ新しいチャレンジで私を含めこちらのリテイル、アパレル業界の方々が注目していましたが、雲行きが怪しくなっています。
ご覧のように閑散とした売場、客よりもスタッフの数の多さが目立ちます


・長寧来福士
今年の4月末にプレオープンした長寧来福士、私が訪れたのが約2週間ほど前、オープンしていたのは5割にも満たない程度、今月末のグランドオープンを目指して、徐々にオープンしていっている状況です。
元々は2015年末から2016年春にオープンと言われていましたが、中国らしく...大きくずれて今年の4月にようやくプレオープンにこぎつけました。
キーテナントは何処か?と言われても答えづらいのですが「F21」(現時点で未オープン)「H&M」くらいで、その他は「moussy/SLY」など...。
私の所感は、誤解を恐れずに言うと...「すぐそばに中国有数の集客力を誇る龍之夢購物中心が有り、立地も悪く、入り組んだ施設構造、施設規模もこじんまり、人気レストランが無く、キッズ向けの施設も無く、ファミリーでの来店が期待出来ないこと、もっと言うと顧客ターゲット層が見えづらいため、相当時間が掛かる施設」というのが正直なところです。

私の知り合いの化粧品や、アパレルブランドも入る予定で、中々書き辛いのですが、これは私が中国に長年住んでいる中での直感や、たまたまこの来福士近くに住んでいて、この辺りの客層や使うお金(客単価の低さ)、昼夜の人口差、などこのエリアを熟知していることからの予想でしか有りませんが...。
もし、この施設が何かのキッカケで将来大きく化けるとしたら、まずは人気レストラン、カフェなど誘致、例えば90后女性をターゲット!と明確にして(ファミリー層の取り込みも無しにして)、この施設にお客さんが来る理由、付加価値付けを提案することでしょう。近くの龍之夢購物中心の雑多で混沌とした、いわゆる中国のMALLとは全く違った雰囲気を醸し出することができたら、一途の望みはあるかと思います。
龍之夢購物中心には無いブランドや、少し高価格帯のブランドを誘致していますが、これがどういう結果になるか



今回、同時期に5つの商業施設をチェックした結論として、「虹橋南豊城」の集客数の伸長と想像以上の賑わい、そして今後も更に期待ができる商業施設である、という事を思い知らされました。
要は、決して駅から近いが集客の重要要素では無く、キーワードは?「駅から多少遠くとも、衣食住、流行りのアパレルブランドも含め、お客さん自身に合ったライフスタイル提案ができている」「特に人気、雰囲気の良い、話題のレストラン、カフェが充実している」「キッズ向け塾や遊具が充実していて、長い時間を楽しく過ごす事ができる」の3つ。
この3つの木ワードが、施設側からすると明確な顧客ターゲット目標を想像でき、お客さんからすると、結果的に訪れやすく、過ごし易く、また行きたくなる施設になるではないか、と思います。

それでは!
 2017/06/14 03:00  この記事のURL  / 




上海市内西部地区の商業施設状況は@!
上海に住んでいながら国内外出張が多く、最近はたまにしか上海にいない状態が続いています。その寸暇を割いて、上海市内西部地区(長寧区)に、この5年間以内にオープンした商業施設の状況を見てきました。

雨後の筍のように施設が出来ては消える、現在の上海(中国)のリテイルマーケット、それを地でいく姿を垣間見た気がします。
今回、見て回ったのは以下の5施設。

・長風景畔広場 改め 長風大悦城(JOY CITY)
・金虹橋商城
・虹橋南豊城
・Parkson Newcore city Mall
・長寧来福士

という、上海のマーケットリサーチしている方、もしくは上海在住の方々なら一度は足を運ばれた事がある商業施設もあるかと思います。
まず、2商業施設の現状を、続いて次回残りの3施設現状を書かせて頂きます。


長寧区は上海市中心城区の西部に位置し、東は静安区、西は閔行区、東南は徐匯区、北は蘇州河をはさみ普陀区と接しています。
人口は約69万人、日本の島根県全体人口69,4万人とほぼ同じ、年々人口が増えている区です。

また位置的に、上海虹橋国際空港から近く、区内西部の虹橋経済開発区は国際貿易センター、世界貿易センターなどが林立するビジネス街であります。また外来人口に占める外国人の割合が非常に高く、日本人が多く居住する古北新区も長寧区内にあります。
ベージュが上海市を示し、赤い部分が長寧区となります


・長風大悦城(JOY CITY)
確か2012年初にオープンした施設、キーテナントは「UNIQLO」「H&M」「MANGO」「C&A」、これらのグローバルファストファッションブランドは、5年経った今でも存在していますが、集客が安定して増えない事から、それ以外の物販、飲食の入れ替わりは激しいものがあります。日系では「しまむら」の中国第1号店がローンチしたのもここ、既に撤退し、眼鏡の「Zoff」も早々に撤退しています。当初は地下にTESCOもあり、近隣の居住者をターゲットにした出店戦略だったと思いますが、飲食店も充実しておらず、隣の長風公園を訪れる親子連れ、カップルなども金を落とさず、非常に苦しい状況が続いていたようです。先週久々に訪れたところ、経営が大悦城系に変わった様で、全館の見直しか、広場中央のエスカレータが撤去され、上述のファッションテナント以外は、ほとんどが閉店している有様でした。ただ北京や上海の大悦城を成功に導いたデベロッパーなので、今後新たなコンセプト戦略を考え、どのような手を打ってくるか、目を離せない施設だと思います。
写真中央部には1階から3階までのエスカレータが有りましたが、突然撤去されていました

・金虹橋商城
2014年にオープンした、地下鉄婁山関路駅に隣接する飲食も充実した施設。キーテナントとして日本のスーパー「APITA」が地下2階に入り、1階にはFRの「GU」、GAPの「OLD NAVY」、地場ブランド「MJ Style」「Hot Wind」などが入る。在上海の日本人には「APITA」で日本食材が手に入る事から、人気は高く好調であったが、テナントが入らず、収益モデルがぐらつき赤字が続いていたことから、香港投資会社に現地法人の株を売却した。その後はライセンス契約を結び「APITA」の屋号を残し、営業は継続されている。当初仮説は、スーパーを核に、飲食、物販、児童教育、などのライフスタイル提案型の施設を目指したが、飲食では上層階、地下のフードコートでの集客はできているも、アパレル、物販に関しては、集客が読めるブランドを招聘できなかった事、他の施設との明らかな差別化ができなかった事が、集客も知名度も上がらない要因に陥っていると思います。すぐ目と鼻の先にある南豊城との集客力の差が、その事実を物語っています。
J Town(日本生活街区)と銘打ち、飲食、物販のテナント誘致を行っているが、ほんの一部に日系飲食店が入っただけで、常に閑散としている


次回、残り3施設について書かせて頂きます。

それでは!
 2017/06/10 01:20  この記事のURL  / 




個人情報の一人歩き...或るセミナー登壇!
FACEBOOK(FB)でお友達になっている人でしたら、私がFBでUPした内容を見られた事があるかと思いますが、ここ最近中国内外で私の個人情報(名前、顔写真、前職/前々職の仕事内容、現在のコンサル内容...)が漏れており、勝手に『6月18日に"........"という内容でセミナーを開催します』という、信じられないセミナー参加募集告知がSNS上で散見しています。




上のセミナーについては、冗談抜きで私は一切知ら無い事、主催のその協会、団体とも一度も面識すら無い状態。当然ながら、何も話した事が無いのに、勝手に日付を決められ、写真が掲載され、講演のお題目も決められ、MAX200名の募集をしており、更に驚くのはセミナー参加料、つまり有償セミナーである事...。
もちろん、主催者側とは何もコミニュケーションを取って無いので、セミナー対価の話しも何もしていません。

正直まるで詐欺、何か狐につままれた感じしか有りません。
それに、主催者側から事前に一切何も私に連絡はなく、セミナー開催のSNSを受け取った私の知人から、私に問い合わせが有り、セミナーの存在を知ったという有り得無い状況。

或る中国の知人から「内田さんは多くの中国アパレル企業に対して、指導をされていて、中国のアパレル業界の中で、名が売れてきたから主催側が勝手に利用している、仕方が無いのでは?」という事を言われましたが、そんな悠長な事ではなく、主催者側がセミナーを開催し、そのセミナーで私が何かしら話しをする必要があるのであれば、常識的に面と向かってオファーをするべきでしょう!と言いたいわけです。その話合いの結果、私が、登壇する、登壇しない、講演内容、などを協議、決定するべきと。

というのが、昨日までの状態。ではいま私が何をアクションしているかと言うと...知人を通じて今回のセミナーの主催者(中国服装協会)に対して、直接面会し、セミナー実施に至った経緯、質疑を話す場を依頼しているところです。何故、私から動く必要があるのか、全く持って納得いきませんが...。

それでは!
 2017/06/08 14:05  この記事のURL  / 




新生ブランド誕生!
既に3年ほどお付き合いさせて頂いているクライアントの新生ブランド店が本日6月6日にデビューしました。
このアパレル企業は、元々はダウンウェア専業ブランドで、中国での知名度は抜群、しかしここ5年くらいのZARA、H&M、ユニクロなどのグローバルファストファッションの台頭で、ダウンウェアの売上が落ち、当然ながら業績も年々下降し、代理店を中心に数千店舗規模での閉店が続いていました。

ダウンウェアは当たり前ですが秋冬シーズンが主戦場、これは本当の話なのですが、或る代理店は春夏シーズンはアイスクリーム店に様変わりするなど、年間を通じての商売になり辛い業態でした。そこで年間を通じた商売を模索する中で、行き着いたところは「四季化商品への転換」でした。「えっ?四季化って当たり前では?」と思う方々がほとんどだと思われます。

ですが、ダウン単品を生業に40数年継続してきた企業からすると、春夏の商品企画、販売へ舵を切ることは容易ではないのです。
「自分たちの強みはダウン、ダウンなら品質は競合にも負けない!」という揺るぎない自信がある企業、それは大事な事なのですが、現在のようなマーケット下、且つ昔の名前で出ています的な古い体質、企業姿勢では将来がありません。秋冬ダウンの強みは活かしつつ、春夏シーズンを非ダウン、つまりファッション商材で戦うために、昨年から何度も何度も議論し、ブランドコンセプト? 顧客ターゲットは? そもそも四季化商品とは?コンペチターは?価格帯は?出店チャネルは?出店フロアー...等などを決定、合意形成してきました。
因みに、この新生ブランドは、日独伊ならぬ日韓伊の3国の合作、服の監修は元モンクレールデザイナー、MD全体監修は元Elandの韓国人、そして内装インテリアは日本のデザイン会社、ブランディング&ロゴデザインは博報堂チャイナ、そして私がインテリア、VMD、マーケテインング含めた全体監修となっています。











実質的には17秋冬物からデビューの新生ブランド、今日オープンした新店は急ぎで商品をかき集めて、間に合わせた感はありますが、このプロジェクトに商品企画、マーケティング、内装インテリア、VMD面で関わらせて頂いた私も、喜びもひとしおです。
出店形態は直営店、チャネルはモールが中心、フロアーも1、2階のレディスエリア、年内に30店舗、来年末には200店舗を目指します。その後は、代理店も単品店から四季商品店への転換など、課題は山積みですが、私自身も担当店舗を持ち、現場に入り込んで、この新生ブランドの成長を共に見ていきたいと考えています。

それでは!
 2017/06/06 22:45  この記事のURL  / 




中国の注目すべき17大アパレルグループとはA!
先回は第7位までご紹介しましたが、今回は第8位から17位までについて書かせて頂きます。


08 Koradior集団

・2007年に深センで設立、2014年には香港で上場
・中国ドメスティック高級レディスアパレル企業、最近はM&Aで3つのアパレル企業を手中に入れており、2016年の前比売上増長は24,5%、店舗数は2016年末で592店


09 上海安正時尚集団

・2010年に上海で設立され、今年2月に上海で上場
・レディスが主、メンズブランドも展開し、2016年の売上は12,1億元、店舗数は862店


10 報喜鳥集団

・浙江省にて1996年に設立、メンズが主でスポーツブランドLafumaなども代理展開
・2016年売上は前比で8,3%ダウン、営業利益も3,8億元ダウン。要因は代理販売している3つブランドの不振


11 Marisfrolg集団

・1993年に深センで設立、2015年主力ブランドであるMarisfrolgは中国高級レディスブランドマーケットで、約1,31%のシェアを占める
・2016年上半期売上10,43億元、営業利益1,87億元
・店舗数は884店、内683店が直営店、残りは加盟店
・今年の2月にIPOを行い、23,8億元の資金を得ることに成功、この額は中国アパレル融資の新記録


12 日播時尚集団

・2002年に上海で設立、2016年の売上は9,49億元、営業利益は7,735万元
・今年の4月に上場を果たし、ZARA方式を取り入れいま注目を集めている企業
・店舗数は886店、直営店は179店


13 GRI集団

・1997年香港で設立、アパレルだけでなく、靴、バッグなど領域を広げている


14 万趣集団

・2015年に上海で設立、日本のマッシュスタイルラボのブランドを代理販売したり、新たに合資会社を設立するなど、日本ブランドを中国に広める役割を果たしている
・自ら手掛けるブランド Vivinikoなども展開


15 影児時尚集団

・1999年に深センで設立、高級レディスアパレルグループ
・YINER(音児)は深センブランドのトップを走
・各ブランドは1、2線都市のMALLや、高級商圏で展開。全国各地に垂直管理方式の販売会社を設置している


16 宝国国際集団

・1993年に廈門で設立、2016年は前年から経費抑制を図り、営業利益4,411万元、前比15,8&の増長
・上海、北京などに旗艦店をオープンさせ、ブランド価値向上を目指している
・2016年にはPortsのヤング版 Ports Pureを香港海港城にも出店


17 地素集団

・2002年に上海で設立、主に1、2線都市の百貨店、MALLに出店
・d'zzitが先日東京原宿ラフォーレに出店し話題となっています


次回は、一筋縄ではいかに中国マーケットで、悪戦苦闘をしながらも出店拡大を図る、日韓アパレル企業の事を書きたいと思います。

それでは!
 2017/05/18 17:00  この記事のURL  / 



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プロフィール
内田 文雄(うちだ ふみお)
上海在住。2011年 上海にてVMDコンサルティング会社 碧詩商務咨詢(上海)有限公司 設立。現在の仕事は「売れるVMD」を基軸に @中国アパレルに対してのSPA構築セミナー、月/週次指導 A中国、アジア地域に展開する日系ブランドのVMD&インテリアデザインディレクション B中国/日系ブランドへの売場活性化クリニック C新店OPENディレクション D販売スタッフへのVMD教育育成指導。いつでもお気軽にお問い合わせ御待ちしております。 モットーは「VMD IS MY LIFE!」    1984年から(株)ワールドにて数々のブランドのVMD業務に携わり、1993年に上海交通大学に留学、その後上海駐在。2005年4月ファーストリテイリング (株)ユニクロに転職、VMD部門の日本、グローバル(欧米、アジア)全体の責任者として、ユニクロのグローバルVMDの仕組み構築、店舗スタッフ育成指導、国内の大型店、海外グローバルフラッグショップのディレクションを担う。2010年8月ユニクロを退職し起業。 IFIビジネススクールVMD講師。

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