こぞってライフスタイル業態になだれ込み!
中国アパレル企業をクライアントにお仕事をしていて、昨年くらいからの大きな傾向は、以下の2点に尽きます。

@アパレル工場が自らのブランドを立上げ、小売店舗展開をスタート
Aアパレル企業が、服だけでなく、生活用品(ライフスタイル)関連のブランド展開スタート

実際に弊社が関わり杭州粛山に本部を置く、中国、いや世界的シェアも高い、某ソックスメーカーが、昨年から自らのブランドを立上げ、直営店展開をスタートさせました。彼等曰く、競合ブランドとしてベンチマークしているのは、日本の「tutuanna」。
ご存知の通り、ソックスのみならず、インナー、ルームウェアまで展開、その商品カテゴリー、品揃えの豊富さに、魅力を感じて、「目指せtutuanna」をスローガンに日々頑張られています。

香港のinitialが、中国でのライフスタイル雑貨、家具、そしてカフェ併設のハシリでした


また、これも今後弊社も関与していきますが、アパレル企業が、家具、ファブリック、家電・照明、キッチン雑貨、バス・美容、ファッション雑貨、インテリア雑貨、などを開発(含むバイイング)、同時にカフェを併設したり、中には生花、などの販売も行うなど、業態も多岐に渡っています。

アパレル自体も、これまでの単店(1ブランド)から集合店(3ブランド以上)に移行、店舗面積も5-600u超えの大型店を出しており、その中に上述のようなライフスタイルを演出するブランドを導入する、というのが常套手段になっています。

確かに世の中のライフスタイルブームもあり、猫も杓子も感はあるものの、服以外の雑貨類を取り扱わないと、時代に乗り遅れているブランド、と見なされかねません。
ただ、皆さんご存知の通り中国ではtaobaoという、中国最大のネットショッピングサイトがあり、ここには「買えないものは無い!」と言っても過言ではないほど、様々なありとあらゆるものが、激安で売られています。

上述のライフスタイル雑貨も、工場自らが同じものをtaobaoで出品していて、価格も半分以下で売られていたりと、モノはリアル店舗で確認し、買い物はtaobaoで、というショルーミング的買い方も当たり前になっています。

ですので、アパレルブランドがオリジナル雑貨を生産せず、バイイング主流で品揃えをする場合は、価格では歯が立たないので、モノ自体に付加価値を付ける、例えば...キッチン雑貨なら、関連アイテムでコーディネート提案をして、シーンを演出させるなどの工夫が必要です。ここでVMDが重要視されるわけです。

またモノのウンチク付けも含めて、価格だけでなく「モノの良さを、どのように伝播させるか?」も重要なファクターになってきます。

日本では、当たり前の事も、こちら中国ではまだまだ発展途上のさなかだと実感しています。

@アパレル工場の小売進出 Aアパレル企業のライフスタイルブランド開発、共にこれからの中国アパレル、小売マーケットでは、避けては通れない道です。競合もほぼ全てと言って良いほど、参入してきており、何処が他に先駆けて新しいモノを提案できるか?グローバルで流行りそうな情報をキャッチアップし、オリジナリティを出して売り込むか?が鍵になるでしょう。


それでは!




 2017/09/18 00:00  この記事のURL  / 




中国のモバイル決済の進化!
中国に住んでいて、ここ1年くらいの大きな変化は何と言っても、超便利で快適なモバイル決済の広がり。
恐らく世界で先進的なキャッシュレス社会になっている中国。ご存知の通りキャッシュレスとは、クレジットカード、電子マネーも含めて、現金以外の方法で決済することを言います。ですが、中国で爆発的拡大を遂げているのは、スマホを使ったモバイル決済。

テンセント系列の微信支付(Wechatペイメント)と、アリババ系列の支付宝(Alipay)が二大巨頭。

この間、日本に帰った際に知人から「中国ではモバイル決済が流行っていると聞いたけど、SUICAとか、おサイフケータイとかと一緒でしょ、日本の方がやりだしたのは先だし、中国は真似しているだけだよね?」というコメント。中国に来たことが無い人のコメントだから、仕方ないけど、いつまでも日本が上とか、先とか、言っている時点でずれていると感じてしまいます。

中国のモバイル決済ユーザー数は、何と5億185万人。13億7900万人の国民の38%が使っていることになります。私も上述の両方に登録していて、ケースバイケースで使い分けています。新幹線チケット、飛行機チケット、ホテル予約決済、日常の光熱費支払い、最近日本にも導入されたシェアサイクル、食事での割り勘の支払いなど、全てモバイル決済で済ませています。現金(人民元)を一切使わずに生活することができると言っても過言ではありません。たまに日本に帰ると、財布から現金を出す手間に違和感を覚えるまでになっています。
このようなシェアサイクルを借りる時もスマホをかざすだけ


今後、両社は日本をはじめ海外が主戦場になると言われています。
すごく便利な反面、我々の個人情報や、何処で何を、どれだけ購入したなどの全ての履歴はデータ化され、活用されていることは言うまでもありません。
そのリスクは正直あるも、例えば...これまで銀行などである手続きをする際に、数時間も待たされたあげく結局再度後日足を運ぶや、ネット環境の悪さから、インターネットでのカード決済があと寸前で切れてしまって、最初からまたやり直しする等、ストレスでしかなかった中国での生活が一変、今はリスクを超えるメリットしか感じていません。

アパレルリテイルでも、スマホを使ったモバイル決済が主流。これまでも現金よりもクレジットカードで支払うお客さんが多かった中国、それがほとんどがモバイル決済へ移行。ブランド側の販促手法も全てスマホを通じて登録してはじめて、お客さんに恩恵が生まれるなど、今後もスマホを核とした革新的なサービスが、どんどん生まれてくるでしょうね。

それでは!
 2017/08/29 09:00  この記事のURL  / 




いま中国アパレル業界の話題はこれ!
日本が盆休みの期間、中国アパレル業界では若干腑に落ちない出来事がありました。
「中国服装圏のSNSサイト」によると、ここ2-3年、新しいビジネスモデルで、中国メンズアパレル業界の寵児として名を馳せる「海瀾之家(HLA)」社が、中国のZARAと評される「UR(URBAN REVIVO)」社に、1億元(約16億円)の投資を行ったというニュース。この投資でUR社株の10%近くを占める株主となったようです。
中国のZARAと評されるUR
ここ数年で、中国アパレル業界の商習慣、掟を大きく変えたと言われる、海瀾之家



URは、現在中国60都市に約160店舗を展開しており、2014年からはそれまでの直営方式から、加盟店方式も加え、現在では約60%が加盟店となっています。2014年からの3年間の出店数は、27店舗、47店舗、45店舗と確実に店舗網を拡げています。

加盟店施策に関しては、UR側がイニシアチブを取り、店舗デザイン、商品運営面、店舗スタッフ教育はもちろん、毎日の商品動向分析、商品調整(投入)、追加商品等の生産段取り、等多岐にわたるフォローをしています。

今年2月には凱徳置地(キャピタランド)との合作で、シンガポール ラッフルズシティに海外1号店をOPENさせています。年内には同じシンガポールのオーチャードストリートに、ラッフルズシティの倍の面積の旗艦店をOPENさせる計画もあります。その後、英国、フランス、日本、東南アジアにも出店するようです。

2020年には国内外合わせて、400店舗、売上額100億元(約1,600億円)。昨年2016年は売上は20億元(320億円)。

URの出店政策は、90后世代が多く集まる新しい商圏で、1,000u以上の大型店を中心に出店。SKU数も豊富に、ZARAのように毎週2-3回の商品投入(広州正佳広場店では月曜、木曜、金曜)し、店舗に新鮮感を与えています。

しかし、今回の投資案件、SNSでの情報を見ても、どうみてもUR側のメリットが不鮮明です。海外マーケット進出の為の資金といっても、この額では箸にも棒にもかからないと思います。
中国メンズアパレルの雄になった、海瀾之家側に押し切られた感じでしょうか?海瀾之家側のメリットは、@URの客層が海瀾之家の客層と近いので、URから顧客情報等を入手できる。 A海瀾之家がメンズファッショングループとして、現事業以外で協業で何かできないか、を模索している中で、中国ファストファッションの先駆者であるURに目を付けた。 BURの国内外のデザイン、チャネル、サプライチェーンを共有でき、マーケットシェアを確保するのに有利。などでしょうか。

いずれにしても、今後の中国アパレル業界は、強いものが弱いものを買う、という当たり前の図式では無く、思想を同じにする強いもの同志が組み、業界自体を変革させていく、という日本でもなかなか類を見ない取組みが、生まれてくる予感がします。

それでは!
 2017/08/17 00:00  この記事のURL  / 




AI導入で変わるVMD!
以前から言われている「VMDの可視化と売上改善」課題、これが解決される日も遠くは無いと思います。

日本ではようやくRFID導入で商品在庫の在り方、業務効率化など、週から日々への可視化と、大きく変わろうとしているが、同時にVMD領域においても、RFIDがもたらす効果は計り知れません。

先日、上海で或る方々と「アパレル/小売業へのAIを核とした仕組み導入による、VMDと売上改善」なる、話し合いをさせて頂いた。これらについては、日本でも既に取組みが始まって数年過ぎていると察しますが、中国に於いてはまだまだ開発が遅れている分野(中国の事だから、既にスタートしているかも知れませんが...)だと感じています。申し訳ないのですが、今件現段階では、まだ何も書け無い状況です。

3年ほど前までは、中国のアパレル、小売のVMD領域に関わる人達は、まだまだ「綺麗」「アッと驚くインパクト」「ウィンドーが目立てば良い」「強化商品をディスプレーするなんて、何のこと?」「VMDが商品企画へ関与するなんて必要無い... 」みたいな、旧態然としたやり方がまだ主流でした。

ですが、グローバルSPAブランドの中国マーケットでの台頭、成功や、仕事の仕方で言うと、PDCA思考、KPI思考の流行も相まって、「数値を取り入れたVMD」「科学的VMD」という事が、持て囃されるように変化してきました。要は曖昧な定性的要素でどうこう、というのではなく、数値(定量)で正確な結論が出る手法が、求められているという事です。或る意味「結果がやった事の全て」的な、少しドライな側面だけで、仕事の成果が推量れてしまうといった、寂しい状況になっている気配もあります。
こういうやり方を推進しているのは、実は私も少なからず加担していると自覚していますが...。

いずれにしても、半年位したら、私のクライアントで導入実験させてもらい。ある程度の成果が見込まれた段階で、他のアパレル、小売さんに拡販させていきたいと目論んでいる、盆休みです。

それでは!

 2017/08/12 23:15  この記事のURL  / 




店舗デザインの変更スピードは!
例年この7月末と1月末は、ルーチンとして、上海のSALE、シーズン立上り状況をチェックしに行ってます。
何処もSALE第1弾が終わり、そろそろ第2弾に入ろうとしているブランドや、既に秋物が半分以上を占めるブランドもあります。これらの多くは、SALEをしないラグジュアリーブランドが代表的です。
実はUNIQLOも日本同様(グローバル統一、同時期立上り)に、売場内の約30%近くが秋物になっています。これは先週出張で訪れた南の広州でも同様で、ショーウィンドーはもちろん、店内店頭部分は秋物で埋め尽くされていました。

ここ最近の傾向として、SALEタイミング、同時に秋物(春物)立上りの早期化が顕著になってきています。4-5年前のようにシーズン末期でも沢山の在庫を抱え、8月末までファイナルと称してSALEを継続するブランドは極端に減ってきています。

これは、これまでの売り減らし企画から、初期企画量を抑え、期中企画で売り足しをしていくスタイルに変わりつつあります。いわゆるZARA風SPA方式が一つのブームとなっている、中国のアパレル企業の今の姿です。









話を本題の「店舗デザインの変更スピード」に戻しますが、この店舗デザインも4-5年前までは、どこの中国アパレル企業も「何年に1回、どれくらいの周期で、店舗デザインをリニューアルさせる」という概念は有りませんでした。短いところで1-2年、長いところで4-5年など、様々でした。内装施工費の減価償却の概念も稀薄です。

ここにきて、多くのアパレル企業が「長くても3年周期で変化させる」ということが、定説になりつつあります。もちろん、この3年間の間、ずっとデザインや機能が全く同じか?と言うのかといえばそうではなく、毎シーズン(半年に一度)くらいのタイミングで「仮説、実行、検証、修正」を繰り返し、モディファイを続けます。そのモディファイを計5-6回(3年間)実施する中で、世の中の店舗デザイン傾向にも変化が現れたり、ファッションの大きなトレンド変化、消費者のライフスタイルの変化など、により、新たな店舗デザインに着手する、という流れだと思います。

更にモディファイの事を深掘りすると、内装什器のデザイン/機能/素材/カラー/サイズの変更、レジ/フィッティングルーム/倉庫の変更、/照明器具/カラーの変更、床/壁材の修正、プロップの変更、植物/生花造花オブジェの変更、マネキン/トルソーの変更、ハンガー類の変更.....など多岐に渡ります。

その中で比較的簡単にできるのが、植物(いわゆるグリーン)や生花の投入、変更(追加/削減、種類/サイズ/鉢変更)なのではないでしょうか?
中国アパレル業界でも、2-3年前から「リアル店舗でもライフスタイル感を如何に演出するか」という課題があり、それを解決させる一番手っ取り早い手段が、植物/生花の新たな投入や、追加なのです。

では新たに植物/生花を投入するだけで、売場に変化が出るか?というと甚だイケてないブランドも散見されます。ただ雰囲気出しとして投入している、それもフェイク(偽物)の植物、造花を...確かにパッと見の見栄えは変わるも、実はフェイクでしたでは、ブランドの価値を落としているように見えます(最近はフェイクに見えないものも沢山ありますが)。

もちろん、費用対効果面も考える必要があるし、本物の植物、生花を使うとメンテナンスも凄く大変と、課題もあるのですが、せっかくライフスタイルを消費者に訴求するのであれば、本質、こだわり、を持って実行して頂きたいですね。


それでは!




 2017/07/30 15:30  この記事のURL  / 



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プロフィール
内田 文雄(うちだ ふみお)
上海在住。2011年 上海にてVMDコンサルティング会社 碧詩商務咨詢(上海)有限公司 設立。現在の仕事は「売れるVMD」を基軸に @中国アパレルに対してのSPA構築セミナー、月/週次指導 A中国、アジア地域に展開する日系ブランドのVMD&インテリアデザインディレクション B中国/日系ブランドへの売場活性化クリニック C新店OPENディレクション D販売スタッフへのVMD教育育成指導。いつでもお気軽にお問い合わせ御待ちしております。 モットーは「VMD IS MY LIFE!」    1984年から(株)ワールドにて数々のブランドのVMD業務に携わり、1993年に上海交通大学に留学、その後上海駐在。2005年4月ファーストリテイリング (株)ユニクロに転職、VMD部門の日本、グローバル(欧米、アジア)全体の責任者として、ユニクロのグローバルVMDの仕組み構築、店舗スタッフ育成指導、国内の大型店、海外グローバルフラッグショップのディレクションを担う。2010年8月ユニクロを退職し起業。 IFIビジネススクールVMD講師。

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