ZARAのドミナント戦略!
上海も最高気温が10度以下になり、少しづつ冬の足音が聞こえてきました。
そんな中、家の近くの中山公園龍之夢購物中心モールをチェックしてきました。このモールは上海市内で恐らく売上1、2位を争う施設、飲食店が充実していることで有名で、アパレル、小売企業も、ここに出店して名を上げたいという、皆が是非とも出店したい施設です。

地下には、カルフールがあり、週末だけでなく平日も集客装置になっていて、いつ行っても人でごちゃごちゃしています(私はできるだけ週末に、この施設に行くのは避けていますが...)。今日土曜は先週11日のW11以降の、各アパレル、小売企業がどのような商売をしているのか?一般的に毎年W11以降は、お客さんの買い疲れで極端に売上がダウンする週なので、その状況をこの目で見て確認するのが目的。

気温が下がり、冬に向かいつつあり、予想に反して、買い疲れもなんのその、すごい人で賑わっていました。
そんな中、メイン入口を入った吹き抜け空間でいつもと違う光景が、「H&M」「C&A」が無くなっているじゃないですか...これには驚きました。
恐らくですがここの「H&M」は、中国の中でも売上は上位にランクインしていたはず、それが跡形もなくなり、仮囲いには「ZARA」の文字が...更に驚きました。

確かにこの施設にインディテック社のブランドが一つも無いことは、私の中ではずっと七不思議でした。こんな集客力があり、面積も大きな施設に何故「ZARA」が入っていないのか?

ここからは私の推測ですが、人気の施設、更に一番メインの区画ゆえに、家賃も相当上がっていて、その家賃高騰に、現在不調の「H&M」や「C&A」は契約継続をする力が無かった。

それよりも、「ZARA」自身が是が非でもこの人気施設のこの区画に入りたかった、施設側も是非とも中国で人気の「ZARA」に入って欲しかった。つまり双方の想いが一つになった結果なのでしょう。当然ながら水面下で様々な、よくあるブラックな駆け引きはあったと思われます...。
1階の元H&M、C&Aの跡地にZARAが出店予定。3階にはUR(URBAN REVIVO)が既に営業しています。
この案内板を見ると、H&M、C&Aは撤退ではなく、別の区画に移る、と書かれていますが、彼らが満足できる面積の区画は、この施設には無いはずですが...



現在、中国のインディテックス社は、1、2線都市の出店は継続して行うが、3線都市などは無理をせず、出店を控える戦略をとり、ECで売上拡大を狙っている状況。
しかし、ファッション感度が高い、上海や、北京、広州などの都市では集中して、良い立地の、良い施設にはドミナント出店をしていく方針だと見て取れます。
事実、この中山公園から地下鉄で一つ先の婁山関路には南豊城というモールがあり、そこにはインディテックス社のほとんどのブランドが集積されています。
店舗数を競うのではなく、1店舗あたりの売上利益の精度を上げていく出店が、2020年まで位は続くのでしょう。

今後も条件さえ合えば、今回の龍之夢の例のように、既存の人気施設で不調ブランドを追い出し、自分達のテリトリーにしていく手法は、インディテックス社なら難なくやれるでしょう。
今日、この施設を見て、マーケットの潮目が変わってきている事に気付かされました。

「中国のZARA」と言われて、この施設の3階に出店している「UR」は、本家「ZARA」の出店でこれまで好調だった売上に多少なりとも影響をすることは間違いないと思います。
人気ブランドが集積され、中国マーケットでの今後のブランドの正否、バロメーターになると位置付けられている、この施設を今後も欠かさずチェックしていきます。

最後に、この区画は是が非でも「UNIQLO」(今は4階)は欲しかったでしょうね...。

それでは!

 2017/11/18 20:00  この記事のURL  / 




非アパレル企業からのお仕事の依頼!
今年の後半から、非アパレル企業からの社内セミナーや、プロジェクトの依頼が絶えません。
非アパレルとは?今回ブログに書かせてもらう、ベッド寝具企業や、低価格のライフスタイル小売業、アリババが投資したこれまたライフスタイル(高価格)の小売業、住宅やホテルなどのドアを製造販売する企業...などです。

きっかけは、10月に杭州で、様々な小売業が集まる大規模セミナー(1,000人規模)で登壇させてもらい、私が現在やっていることを話し、それに共感していただけたのか、その場で「いついつに、内の社内セミナーをやれますか?」という依頼を頂けたこと。

どこも、いま中国で流行語となっている「新零售」、いわゆる、「オムニチャネル」を進めるに当たり、私の知恵を拝借、という事だと思います。
中国も日本同様にECの台頭で、リアル店舗の売上が下がりつつある、そういう中でどのようにしたら、リアル店舗とECの共存共栄ができるのか?というもの。

今週初めに訪問し社内セミナーを行った、広東省東莞に本社があるベッド寝具業界で中国No1.の売上高を誇る企業は、先日のW11(TMALLが11月11日に催す、1日だけのSALE)でもライフスタイル分野でも売上上位にランクインしています。
既にNo1.の売上であるが故に、同業界のコンサルの話ではなく、異業種のアパレル出身の私に小売のノウハウ、成功事例を聴きたかったのだと思います。
フランスからの輸入ベッド店
オリジナルベッド店
ランボルギーニとのライセンス店
社内セミナーの模様


私が社内セミナーで話したのは、以下のように至極単純な事です。
・EC販売が盛んになると、皆がそちら一辺倒にかかりっきりになり、結果としてリアル店舗の事がおざなりになってしまう。そうではなく、会社の持てる力を明確に50:50にすること。つまり、リアル店舗の活性化が必要で、例えば...品揃え、プロモーション、サービス、VMDに、これまでの以上の手間を掛け、来店されたお客様に喜んで、感動していただく事。そしてECとリアル店舗双方の誘導策の具現化」だと。
リアル店舗をショールーミング化させる、と言えば、それまでですが、より分かりやすく、具体的に、顧客視点でやるべき事の優先順位を付けて、改善策を話しました。

・ベッドはアパレルとはお客さんの購入頻度/買い替え頻度も全く違います、如何に商品の機能、価値をお客さんに納得、理解してご購入して頂け、お客さんご自身、またはお友達に商品の良さを伝播して頂けるか?も肝だと。

このセミナーの前には、上海のリアル店舗を数店舗チェックして、自分なりの気づきを報告書にまとめて、セミナー上で具体的改善策を含めて提議をしています。
今後、プロジェクト化して外部顧問として、この企業に関わるか否か?はこれからの私からの新たなプレゼン次第です。

今回の非アパレル企業との件で私が逆に気付かされた事は? 私が前々職のアパレル企業、そして前職のグローバル小売企業で学んだ事、PDCA思考を元に実践してきた事、優先順位の付け方、判断基準(現場、現物、現実)、グローバル視点での成功事例の再現、等が間違いでは無かった、という事です。

今後も非アパレル企業の事を勉強しつつ、積極的にどんどん営業し、自分自身の領域を拡大していきたいと思います。

それでは!
 2017/11/16 00:16  この記事のURL  / 




新零售セミナーに登壇しました!
だいぶブログupの間が空いてしまいました...バルセロナ、パリから中国に戻った後、ほぼ毎週中国のクライアントの仕事で、中国内のあちこちを休みなく飛び回っていました。少しだけ余裕が出たのでブログ書かせて頂きます。

という言い訳はさて置いて、先週20、21日の2日間、杭州にて中国全土(アメリカ1人や日本1人)から様々な領域の企業経営者、コンサルタント14名が集まり、「新零售」(オムニチャネル)をテーマにしたセミナーがあり、私も登壇しました。

因みに新零售とは?昨年あのジャック・マー氏(アリババ グループ会長)が提唱した、「10年、20年後の未来には、ECが無くなり、代わりに新しい小売が出てくるだろう。これはオフラインとオンラインと物流の融合である」を指します。


セミナーの模様は、映像ではなく写真ライブで、逐一配信され全国から視聴ができたようです



私のセミナーでの内容は、日本の現状と中国新零售を比較し、リアル店舗とECの融合、成功企業の数値分析、将来の戦略、などを1時間で話しました。
参加者は1,200人、これまた様々な業種の小売系、企画、生産、EC、デザイン会社、不動産、携帯通信企業、各所コンサル、報道機関、...の方々が対象。アパレル企業の方はほとんどいない状態。満席で熱気のある会場でした。

全登壇者が共通で話しているキーワードは、「製品の品質、デザインの向上」「リアル店舗の機能、サービス対応向上」「ECからリアル店舗への消費者誘導」。

この3年くらいでT-mallを代表として、中国の消費者の物の買い方が完全にECに移り、リアル店舗、つまり百貨店、モール、専門店、セレクトショップなどの客数、売上が落ち、その要因はECの台頭と言われているが、実際はそうではなく、企業側は本来やらなければならないリアル店舗改革をせずに、ただ単純にECで価格戦争に突入したこと、だと思います。

中国にとどまらず、今の世界中の消費者の潜在意識の中に、「ECで提供されるサービス体験は、リアル店舗でも提供して欲しい」と考えていると思います。
だからと言って、リアル店舗の内装を新しくしたり、何か奇をてらったことをやるのではなく、「消費者視点に立脚し、消費者が期待している買い物体験を提供すること」にあるのではないか?と私は考えます。

返品、交換が当たり前にストレスなくできたり、商品説明を明瞭簡潔にしたり、店内で商品が容易に探せたり、在庫状況がすぐに分かったり、レジ待ちのストレスを軽減するためGUの様に無人レジにしたり、オシャレナビ/ミラーの様なファッションデジタル化にチャレンジするなど、お客さんに楽しんで頂く場、サービスを如何に提供するか?が、これからは不可欠なのかも知れません。

私は長年VMDに携わっています、中国における新零售について、私がこれまで愚直に実行してきたことが、多いに活かせると再確認できた2日間のセミナーでもありました。

それでは!
 2017/10/27 17:00  この記事のURL  / 




たまにはインプットも必要!
毎年恒例の中国の国慶節休暇を利用し、初スペインはバルセロナに来ています。
毎年決まってニューヨークに行っていたのですが、ここ最近は新しいモノが見当たらず、少々飽きてきた、というのが正直な所。

では何故バルセロナへ?なのですが...当然ながら一度は本物のガウディ建築を見て見たいという事もありますが、やはり本場のZARAを見るためです。
願わくばWWDさんや、繊研新聞さんの様に、ZARA本社を訪ねたい所ですが、なかなかそうもいかず、インディテックスグループが本拠地で、どのようなリアル店舗を展開しているか?その品揃えや価格差は?日本や中国とどのように違うのか?など。

中国で仕事をしていると、クライアントであるアパレル企業はZARAをはじめ、ZARA HOMEなどの、インディテックスグループの動向が気になっています。少しでもそれに対応できる様にインプットをしに来たというのが、理由になります。
ウィンドーは市内の数店舗同スタイリング
日本、中国とは若干違う品揃え、VMD


同時に先日バルセロナにスペイン第1号店をOPENさせたユニクロを見るため。1号店は交差点を挟んでZARAの旗艦店の目の前、或る意味殴り込み、決闘そのもの。もう一つの四角にはH&Mもあります。まるでニューヨーク五番街、ロンドンのオックスフォードストリートの様相を呈しています。

ユニクロの決算発表などを見ると、中国を筆頭にアジアでは貢献しているも、欧米ではまだまだ苦戦を強いられている状況、そういう中のインディテックスのお膝元での1号店OPENは、ユニクロの本気度合いを感じさせます。
今日の午後、少しだけZARAの旗艦店を覗きましたが、レジ待ち3-40人、フィッティングルーム待ち20人、店内はレディスフロアを中心に常にお客さんでいっぱい、という状況。売場はかなり乱れていました。
横断歩道を挟み目の前に両ブランドが
入店待ちの行列
ラッピングバスを走らせています


一方のユニクロは、入店待ちの行列ができていて入店を諦めました。また明日にでも見に行きたいと思います。
750万人が住み、世界中から多くの観光客が押し寄せるバルセロナ、この地を戦いの場に選び、巨大グループに挑むユニクロ、今後の戦い方と多店舗化含めてすごく楽しみです。

他には、スペインを代表するMANGOも様々な業態があり、こちらも見てみたいと思います。

それでは!
 2017/10/01 02:29  この記事のURL  / 




新零售テーマの講演依頼が後を絶たない!
昨年後半頃から、中国では「新零售」、日本でいうところの「オムニチャネル」が、中国の流通小売業界では話題の中心。
アリババのECサイト、天猫(T-MALL)やtaobaoを中心にした、仮想店舗での売上伸長、その反動でリアル店舗の売れ行きが落ち込む、といった状態が、アパレル、流通小売業態では続いています。
因みに中国ではEC仮想店舗を「線上」、リアル店舗を「線下」という言い方をします。
「線上線下」の両面での売上活性化を図る策を「新零售」=「オムニチャネル」というわけです。

今年に入り、弊社にもこの新零售の講演依頼が毎月の様に舞い込みます。
これは、これまでの企業指導や、様々な公開セミナー等で、「線上線下連動」の重要性を説いてきたことが、中国の流通小売業界の方々に伝わり、講演の依頼がきているのだと想像できます。


オムニチャネルとは?「リアル店舗のビジネス(商売)の中にEC仮想店舗を取り込み、売上を上げるという、店舗ありきの考え方!」とか、「オムニチャネル実現の3条件は?在庫情報の一元化、価格の統一、リアル店舗の販売スタッフ教育」と説いたところで、所詮私自身はオムニチャネル施策は私の専門外、日本で専門書籍を購入し、同時に日本式や中国式での成功モデルを勉強している状況です。

ましてや、ご存知の通り昨年2016年には、中国最大のECサイト天猫(T-MALL)を傘下に持つ、中国ネット通販最大手のアリババ・グループが、ウォルマートを抜き世界最大の流通総額を誇る企業になった国。
常にスピードも凄まじく、進化、変化する中国では、日本の成功事例だけを話しても笑われ、相手にしてくれません。日本企業で且つグローバルで活躍する企業のオムニチャネル施策を、中国企業事例と比較しながら、話をする予定です。



10月21日に杭州で行われるセミナーの告知

アパレルではZARAが代表格なのでしょう

見劣りする格は仕方ない...でも頑張りますっ!



登壇者を見ると、中国のアップルと言われる「小米」の副総裁や、中国のMUJI+DAISO+UNIQLOと言われる「MINISO」(メイソウ)の創設者等も居て、相当格の違いを感じます。

弊社はこれまで「SPA業態に於けるVMD視点から、商品→売り方→売場の連動」を指導の核としてきましたが、これからの時代は「新零售」=「オムニチャネル」施策領域にもコミットし、1つ上のステージにもチャレンジしたいと思います。

それでは!
 2017/09/23 14:00  この記事のURL  / 



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プロフィール
内田 文雄(うちだ ふみお)
上海在住。2011年 上海にてVMDコンサルティング会社 碧詩商務咨詢(上海)有限公司 設立。現在の仕事は「売れるVMD」を基軸に @中国アパレルに対してのSPA構築セミナー、月/週次指導 A中国、アジア地域に展開する日系ブランドのVMD&インテリアデザインディレクション B中国/日系ブランドへの売場活性化クリニック C新店OPENディレクション D販売スタッフへのVMD教育育成指導。いつでもお気軽にお問い合わせ御待ちしております。 モットーは「VMD IS MY LIFE!」    1984年から(株)ワールドにて数々のブランドのVMD業務に携わり、1993年に上海交通大学に留学、その後上海駐在。2005年4月ファーストリテイリング (株)ユニクロに転職、VMD部門の日本、グローバル(欧米、アジア)全体の責任者として、ユニクロのグローバルVMDの仕組み構築、店舗スタッフ育成指導、国内の大型店、海外グローバルフラッグショップのディレクションを担う。2010年8月ユニクロを退職し起業。 IFIビジネススクールVMD講師。

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