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優秀なMDが突然辞めてしまった!
ブランド診断シリーズ
【優秀なMDが突然辞めてしまった!】

某中堅企業の切り札的存在である36歳のMDが突然転職のため辞めてしまったのです。

幹部が慰留に努めましたが「自分で独立をする決意をした」とのことで多くは語りません。 本当はこの会社に失望をし、将来に情熱をかけられなかったと感じ、後悔しないためにも別の可能性を模索していた時に別の経営者から声をかけられたとのことです。 いわゆるヘッドハンティングです。

企画のエースとして企画のディレクション、メーカーへの発注・生産管理・仕入・スケジュール管理や取引の対応、さらに得意先へのプレゼンテーションや営業サポートなどそのブランドのことについては何でもこなすスーパーマン的存在でした。

店頭スタッフにたいしても気配りをすることで社内のファンも決して少なくありません。 「とりあえずブランドに関することは何でも屋ですから・・・(笑)」という彼のキャラクターにすっかり任せっきりになっていたことも事実です。

社長の戸惑いは現状の把握と後任者の決定です。
その状況になって初めて如何に現場を把握していなかったかということを認識させられたのです。そして彼に情報が集中し過ぎていたので「お任せ」のツケが廻って来ました。

流れている業務を止めることも出来ないので、後任に若い営業兼企画補佐をしていたスタッフをとりあえず与えたのですが、業務分担や責任の所在など曖昧であったことが次々と露呈します。

取引先やメーカーなどの担当者にしても彼の人柄で円滑に廻っていたことに不安を感じたり、社内でも若いスタッフには青天の霹靂で動揺もあったりと様々です。

10ヶ月ほど前に人員整理をした時の社内の不満や感情が蘇ってきます。

社長は将来には幹部に抜擢をしようとしていた、その彼からの突然の退社願いに予兆やサインに気付かなかったことに後悔もしているようです。

アパレル産業は入り口では一人一人でミシンを踏んで生産し、出口では店頭での販売はスタッフのコミュニケーションで一枚ずつ売られていく、労働集約産業なのです。

パソコン業界のように日進月歩で10年前の商品価値がほとんどゼロになる訳でもなく、特許や発明でビジネスが劇的に変化する業界でもありません。商品の生産は人件費コストの安い地域/国に次々と流れてゆくことは、感性は必要であっても生産の革新性や効率の改善が難しいということです。

結局はビジネスでの人的価値・判断やコミュニケーションが事業の結果に大きく寄与してゆくので、優秀な人材の育成と確保は必須なのです。



人材育成という綺麗ごとの言葉は、困ってから後悔する「無くして分かる親のありがたみ・・・」に似ていますね。



 2015/04/27 09:37  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

MDはビジネス・クリエーター!
なぜMDが一番面白いのか!?
【MDはビジネス・クリエーター!】


デザイナーが素材、カラー、デザインを決める商品のクリエーターですが、MD(ブランドマネージャー)は商品以外のビジネスのクリエーターということになります。


以前ミラノへの出張の折りにフライトで隣り合わせたビジネスマンと言葉を交わす機会がありました。

彼は競技乗馬用のアパレル関連やアクセサリー関連のブランドのマーケティング担当で、欧米や中東では富裕層向けのビジネスを手がけています。

日本では乗馬の競技や観戦の市場は非常に小さいものですが、米国、英国、ドイツ、オランダ、UAE、サウジアラビアなどでは競技場が満員になるほどの観客が集まるビジネスで、24時間放映している乗馬関連の専門テレビ局があるほどです。

ターゲットとなる乗馬の富裕層オーナー達がミリオネア(百万$長者)ではなくビリオネア(十億万$長者)であり、彼らの価値観やライフスタイルが如何に桁外れのものであるかという事例を聞くに付け、引き込まれる思いでした。

我々が憧れるラグジュアリーブランドにそれほど惹かれることもなく、彼らに取っては娘や奥さんへのプレゼントがドイツのオークションで落札した名馬、イタリアGenovaの展示会で見たパワーボートや米国フロリダ州オーランド市で開催されるビジネス航空ショーの自家用ジェット機だったりします。

それらの消費者ターゲットの心理や市場規模やその背景、乗馬にまつわる世界選手権などの競技事情、乗馬のビジネス流通、乗馬専門雑誌やテレビ局での宣伝や販促の実例や背景、ブランドのイベントの仕掛け方、アスリート(乗馬のライダー)の養成や世界的トッププレーヤーの実情などパワーポイントで熱っぽく語られると引き込まれてしまいました。

日本には多分そのような超富裕層の顧客はあまりいないと思うよ、というと彼は世界的な競技会やイベント、展示会に日本人や中国人をふくめたアジア人を多く見かけるよ、とこともなげに云うのです。

類は友を呼ぶのでしょうか、庶民では見えない富裕層は富裕そうだからこそその存在が見えるようです。


13時間の長いフライトで2時間ほど熱っぽい会話がなされて、私は彼のプレゼンテーションにすっかり魅了(洗脳?)されてしまいました。


初めて会った人にビジネスで魅了するほどプレゼンテーションが上手な人は商品を売るのではなく、ビジネスをクリエイトしている実感があります。

日本のアパレルMDもビジネスクリエーターですよね。


日本のアパレルで売れ筋商品だの10,000円を切る価格のパンツの話などとは比較にならないほどのダイナミックさで別世界の感さえあります

アパレルという目先の商品を追うだけの世界ではなく、ビジネスをクリエイトするグローバル視点とは何だろうと投げかけられた機会でした。





 2015/04/21 09:53  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

女性が逞しい・・・理由?
顧客心理とブランド!・・シリーズ

【女性が逞しい・・・理由?】

十数年前にはじめて「Sex and the City」を観たとき、N.Y女性=タフで強い!
という印象を持ち、それ以降の米国ドラマではその強い女性のオンパレードのような気がするのはあながち間違っていないようです。


カレッジを卒業し、それ以上の学位をとった多くの若い女性は、カップルになることも結婚して落ち着くことにも焦らなくなります。

そのために時間も住む場所もキャリアを積むだけの余裕も、そして一番はそれによって十分なお金を稼ぐことも米国の大都市では当然で可能なこととなるのです。

大都市では結婚して子供を産むという社会的なプレッシャーは地方よりずっと小さいからでしょう。

これらは女性の生殖に関する性行動が変化し、避妊のおかげで解放されたことが
大きいとのことですが、実際の社会での女性の実力が単純に男性より勝っていることは決して否定出来ません。

某ビール会社の女性幹部は年収が1,300万円とのことでしたが、先日のニュースで年収1,300万円が給与所得者の上位1%ラインだそうで、彼女はTop1%のビジネスウーマンということになります。

社内外の評価も高く、社会的に認められ、個人としての能力が評価されている彼女達にとって”自分ブランド”の確立ができている満足を持っています。



男性の方から「仕事と僕とどちらが大切なんだ!」と彼女に詰め寄るのはドラマの世界だけではなさそうです。


ふぅーっ・・・長いものには巻かれろ=リスペクトですかね〜。。。




 2015/04/15 11:23  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

ブランドが脱皮する兆しは会話から
Brand診断・・シリーズ

【ブランドが脱皮する兆しは会話から】



私はアパレルの展示会などに伺うと担当者に必ず質問することがあります。

「最近の○●ブランドのNewsは何ですか?」

これに対して・・・「いや〜、なかなか厳しいですね。売上はじり貧ですし、市場が悪くて円安も有り仕入単価が逆ザヤなので利益も出ません。ターゲットの人口も年々減少していますしね。。。」と第三者のマクロ経済評論家のようなことを云う人がいます。


私が聞きたいのは当事者だから分かる、ビジネスが良くなる兆しや商談での具体的な手応えや予感を感じているかを聞きたいのです。

聞きたいNewsはGood Newsの意味で愚痴や否定的な言い訳のBad Newsでは無いのです。



そしてその会話で注目をしているのは、一般名詞や漠然とした形容詞ではなく、
固有名詞や数字がポンポンと会話に出てくるかです。



某アウトドア系の雑貨ブランドは海外の展示会に出品し、反響がよかったとのことです。
 
「ドイツで16店舗の展開をしているデュッセルドルフ本社のアウトドア系セレクトショップK社とミュンヘンのISPO展で引き合いがあり、3週間以内に店頭ディスプレイを5セット準備出来るかの打診がありました。 欧州での競合ブランドFも年間1億円ほど取り扱っているとのことで、展示会でのポップや販促物などの提供を依頼されました。 こちらからはミニマムで初回から50個/モデルを4モデル以上注文してくれるのであれば、ドイツ圏内での独占販売権を1年間は渡しても良いと提案しました。 相手が将来の欧州市場でのパートナーとなる可能性と匂いを感じたからです(笑)」

と簡潔にしかも淡々とビジネスを語ってくれるのです。

固有名詞と数字を時系列で話を出来るビジネスマンだから、その会話に信憑性と信頼が生まれて来ます。


ブランドが脱皮する兆しを担当者の会話から感じるのです。

 2015/04/08 11:16  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

プロフィール
早田 敬三(そうだ けいぞう)
株式会社レナウン初代ミラノ駐在員として、ライセンス、現地生産企画のオペレーションを担当。帰国後、婦人企画、新規開発、紳士ブランド開発なども経験。
1998年Michael St John氏Venticinque Italia srl.社(本社ミラノ)をパートナーとして株式会社アドスインターナショナルを設立。
イタリア企業の日本市場進出のマーケティングコンサルタント、国内企業のブランド再構築プロデュースを手掛ける。

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