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ABC分析: 台形から逆三角形へ
次世代のブランドMDへ
センス(感性)とロジック(数字)を強みにする

【ABC分析: 台形から逆三角形へ】



前回の【ABC分析: 商品の数字と役割】では、商品構成の分析を通して
企画の役割と数字を「ABC商品構成分析法」として説明をさせていただきました。

MonclerやNorthfaceのダウンジャケットのようにどのブランドも
「パワーアイテム」が自分たちのブランドのイメージ創りと継続的な
売上を構成する要素であることが分かっています。

またそれらのパワーアイテムこそ上代消化率が高いためにシーズン末の
処分販売がほとんど無い為に利益アップの大きな原動力であることを
認識しています。



どうやってそのパワーアイテムを作るのでしょうか?

そのための目安として「ABC分析の台形から逆三角形」があります。



「逆三角形」といわれるMonclerやNorthfaceのダウンジャケットなどは
一朝一夕に生まれた訳ではありません。

パワーアイテムとして「絞り込んだ企画」「ファッションやトレンドを超えた
継続的な商品研究」「差別化した原料や縫製の努力」
「長年に渡る商品メッセージの繰り返し」という集積や不断の努力があります。

時代やトレンドが変化しようと頑に自分の商品を極め続ける姿勢がある時に
市場から評価されます。



宣伝販促のマーケティングのサポートがない無名ブランドは通常「台形」です。
前述のABC分析の品番別売上実積で上位30位までと下位30位が
おおよそ3〜4倍の差であり、台形を示しています。


分かりやすい例としてアパレルではありませんが、1760年から店を構える人形町の玉ひでは250年も
「親子丼」を提供し続けています。

売上の8割以上はその「親子丼のランチ」であり、
その一品番に真冬でも真夏でも長蛇の列を作ります。

世の中に親子丼を提供する店は数えきれないほどありますが、
「玉ひでの親子丼」は圧倒的なパワーアイテムです。
他社の追随を許しません。

これこそ究極の逆三角形の代表です。



アパレル業界でも「○●といえばツイードジャケット」「ツイードジャケットといえば○●」
といわれる究極の逆三角形の商品構成ブランドが生まる素地はあります。



ファッションや時代性を超えたパワーアイテムの開発は台形のブランドが
如何に逆三角形にするかの象徴でもあります。

あなたのブランドはどの商品でブランドを逆三角形にしようとしていますか?


 2014/10/30 09:32  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

ABC分析: 商品の数字と役割
次世代のブランドMDへ
センス(感性)とロジック(数字)を強みにする

【ABC分析: 商品の数字と役割】




商品企画で古くから言われている分析に「ABC商品構成分析法」があります。

この分析法は「総売上の70%を構成する商品数は何か? またそれらの商品は何か?」など俯瞰的にブランドの商品企画を考える時の基本情報となる手法です。

パレートの法則(パレートのほうそく)といわれているものがあり、それは経済において、全体の数値の大部分は、全体を構成するうちの一部の要素が生み出しているという説です。

例えば、
・商品の売上の8割は、全商品銘柄のうちの2割で生み出している。(ロングテール理論)
・売上の8割は、全従業員のうちの2割で生み出している。
・所得税の8割は、課税対象者の2割が担っている。
などです。

アパレル業界ではブランド次第ですが一般的には経験値から70%の売上を構成するのは、35%〜45%の品番数といわれています。
MonclerやNorthfaceのダウンジャケット、BurberryやAquascutumのトレンチコート、Barbourのオイルコートなどブランドを代表するパワーアイテムがあるブランドは展開する30%の品番数で全体の70%の売上を作ることも珍しくありません。




これらを知るには商品企画をする時に、A群、B群、C群に大別し期待値の役割を設定しながら一品番毎に数字を理解して予測して進めることがポイントです。

A群はどのブランドにもある、継続的な基本アイテムの商品群で、コットンブラウス、チノパン、デニムパンツ、ウールジャケット、カシミアコートなどシーズンやトレンド毎次第で売上に上下の波はあるものの、依然としてブランドの「読める商品企画」です。

このA群の商品は、競合ブランドにも同類の商品があるので、一点つづの商品デザインでの差別化は難しく、消費者はブランド名と価格設定で購入することになります。

つまりデザイン力よりブランドの信頼感、安心感が購入を誘発するのです。




C群は商品のアイデアが企画としての話題性のある「開発」「作品」「新発想」視点で組み立てます。

例えば、日本にはほとんどの無い最高級ビキューナ原料のニット、12色の先染め糸で織られたツイードジャケット、NASAの宇宙服のために開発されたと極薄鉄鋼ファイバー素材コートなど、圧倒的な話題性のある商品企画群です。
ブランド紹介の雑誌やプレス広報でニュースとして圧倒的にインパクトがある商品企画です。

ビキューナニットは上代が40万円、12色先染めジャケットは限定15着など希少価値も必要な情報です。原価率や上代はこの際重要ではなく役割としては圧倒的なニュース性です。

当然のことながら売上げ期待は一切ありません。売れなくて良いのです。
ですから、商品生産数は限定でほとんどサンプル程度でも十分な役割を果たします。

ビジネスの上ではA群は商品企画もさることながら生産企画が重要となってきます。 C群が品番当たり20〜30枚の発注規模であるのに対し、このA群は品番当たり千枚単位以上の生産企画となり、この商品に対する上代、原価、品質グレード、原料政策、工場選択、納品オペレーションなどは総合的にブランドの損益に影響する商品群であるということです。

ブランドには「少数だが売上を狙わない発信力のあるメッセージ商品」と「目立たないが大きなロットでブランド力で儲ける基本商品」が必要です。

売上実積の高い「儲ける商品」とその周辺企画商品でA群企画ばかりの代わり映えしない構成では、ブランドの面白さのみならず、存在価値も薄れてきます。

A群とC群の研究や葛藤の繰り返しから、本当のブランドのパワーアイテムが生まれてきます。

地味な作業ですが、毎シーズンの商品デザインと売上実積から本来の商品の「役割」を「数字」と検証することが「儲かるパワーアイテム」開発への第一歩です。

センス(感性)とロジック(数字)を強みにすることをもう一度考えませんか?




 2014/10/14 10:24  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

魅せる商品 儲ける商品
次世代のブランドMDへ

【魅せる商品 儲ける商品】


企画MDとデザイナーの間で一番盛り上がるのが「自社商品では◯◯が売れている!?」と店頭での商品別売上げデータ報告に無駄な一喜一憂をしてます。

なぜ無駄な一喜一憂なのか?

前売り売上げ速報の品番別実績一覧を見て
定番のチノパンが3週間で190本の売上げ実績・・・だから凄い!
トレンドのエメラルドグリーンの幾何柄プリントシャツがもう完売・・・だから凄い!
などと得てしてMDとデザイナーの会話は数字と説得力が無い場合がありますよね。

一方、某優秀MDはデザイナーに「魅せる商品と儲ける商品」を熱っぽく語ります。
「チノパンの190本は健闘しているようだが2000本発注の9.5%の消化率は期待以下だね、一方エメラルドグリーンのプリントはたった40枚しか企画していないが魅せる商品にしては、思いの外スピードがあるのが嬉しい誤算だったね」と解説します。

企画のセンス(感性)とロジック(数字) はビジネスでは整理して理解しておく必要があります。

何でもかんでもトレンドの商品を他より安く提供するのではなく、
商品別に役割と目的の仮説を立て、実績と比較検証できているか?を自問自答します。

前述のチノパンは儲けるアイテムでブランドの仕組みとして継続的に展開する商品。平均ブランド原価率が30%と仮定し、29%と1%でも益率UPを改善することで2000本ロットでNet利益が上がる意識を持っているでしょうか?。

一方、幾何柄プリントシャツはブランド露出でイメージを残し、売場で魅せる商品。
原価率が41%としてもたった40枚企画であれば、役割としては雑誌広告や売場で印象付けて集客する経費と割り切って考えれば効果的です。




MDは加重平均の原価意識を元に、品番別に役割と目的を付けてABC群に分析検証することが本来のABC分析です。売上げを永遠に上げるために展開品番数を際限無く広げることは出来ません。

儲ける役割の商品はより利益が上がる仕組みと仕掛けが求められます。
魅せる商品はより露出し、集客に貢献する為には発信力のあるアイコン(タレントやアスリート) などに無償提供すらも厭いません。

改めて「魅せる商品と儲ける商品」を意識してみませんか?











 2014/10/09 11:24  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

プロフィール
早田 敬三(そうだ けいぞう)
株式会社レナウン初代ミラノ駐在員として、ライセンス、現地生産企画のオペレーションを担当。帰国後、婦人企画、新規開発、紳士ブランド開発なども経験。
1998年Michael St John氏Venticinque Italia srl.社(本社ミラノ)をパートナーとして株式会社アドスインターナショナルを設立。
イタリア企業の日本市場進出のマーケティングコンサルタント、国内企業のブランド再構築プロデュースを手掛ける。

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