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産地が無くなってしまう!と云うことは!?
日本の伝統工芸の進化を楽しむ!? ・・・シリーズ
その3:
産地が無くなってしまう!と云うことは。!?

テキスタイルの展示会で偶然にも福島二本松のK繊維社長に再会。30年ほど前に私が企画のMDだったころに、大変お世話になったニットメーカーさんです。

懐かしさでつい昔話で盛り上がってしまいましたが、当時はMDやデザイナーが企画の打合せでメーカーさんに出張するのは、「発注や企画指示」だけではなく「モノ作りの勉強と価値を学ぶ」という側面が大きかったのです。

K繊維さんではコース(粗い)ゲージのニットを主にお願いをしており、獣毛の素材の特性や取扱いや3G、5G、7Gなどのニットの特性など独特なモノ作りのプロセスなどとその企画を変える工夫などを工場で直接教えて頂いたものです。



近年は製品サンプルとして提案しないと判断が出来ない企画デザイナーが多いと嘆いていますが、これも時代なのでしょう。 素材や編地で商品をイメージする構想力やクリエート力が企画マンの本能から消えてしまうのです。雑誌の切り抜き作業が企画と思い込んでしまうのです。

製品の仕組みや工夫を知るということは、単なるコストを知ることではなく工夫によって価値がある商品の作り方を理解するということです。同じものを安く作るのではなく、同じコストで価値の高いものを創るという苦しみと感動を勉強ささせてくれるのがメーカーさんですよね。

産地が無くなってしまうということは、単に作り手が見えないということではなく「価値が高いもの」「商品の工夫、変化」「見えない差別化」などをみすみす逃してしまうことに他なりません。

時間とコストを削減するために、アジアのオペレーションが益々重宝がられますが、企画の同質化を嘆いたり、独自のモノ作りなどという言葉が益々空虚に感じるようになってきませんか。



 2013/01/28 10:23  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

驚くほど柔軟な発想の漆マエストロ!?
日本の伝統工芸の進化を楽しむ!? ・・・シリーズ
その2:
驚くほど柔軟な発想の漆マエストロ!?


伝統工芸の重鎮、こだわりのモノ作り・・・などと呼ばれる方は思い入れとプライドが高くて自分を曲げない頑固一徹な職人という印象があります。

ところが非常に豊かな発想と柔らかい考え方をしておられる某漆塗りの職人さんA氏にお会いしました。

私が会津塗りの新規事業プロジェクトに関わっていることから、いろいろ参考までにご意見を伺ったのですが、「漆塗りという技術が継承されるならなんでも協力するよ(笑)」とさらっとひと言。

「何がしたいかを云ってごらんなさい。漆塗りという伝統工芸は素晴らしいけど仏壇仏具やお椀、重箱など若い人に理解され難いものばかりを作って来たので何か新しいライフスタイルに向けたモノ作りに関わりたい!」と好奇心が満々なのです。

伝統工芸を守るということは新しいビジネスに技術が活用されることと前向きな発想なのです。若い世代の人達に漆塗りの仏壇や重箱を売り込むのではなく、漆塗りのiphoneカバーをデザインする・・・そしてそれが感動されてビジネスになる!そんな発想が大切だと云ってのける方なのです。

彼曰くはスマフォケースですら、従来の発想から脱却していないとコメントしています。単なる塗ではなく、漆が持っている殺菌機能や耐熱機能など知られていない長所を発揮してこそ新しいInnovation が出来ると我々に発破をかけてくださいます。

漆のプロセスを勉強すればするほどその材質の選定、削りや塗の独自性など勘案しなければと心配したのですが「そんなことは貴方が気にせずに、何をしたいか?の目的と考え方を云ってください。制作上の課題は私達が解決することだから・・・」と意外な回答でした。

頑固一徹な職人気質を想像していたら、ナント柔らかい頭脳の持ち主に拍子抜けするやら嬉しいやら。

プロジェクトのメンバーがIT関連や化粧品業界、アパレル業界などまったく従来の漆ビジネスを知らない消費者目線での企画開発をしていますが、このマエストロのような方こそ新しいビジネスへの開発が出来る!と新たなチーム作りに刺激されています。

何か出来そうです!?
 2013/01/21 09:14  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

後継者難という現実
日本の伝統工芸の進化を楽しむ!? ・・・シリーズ
その1:
後継者難という現実

テキスタイル、漆器、磁器、木工など日本の伝統工芸の復興というビジネスを考証するときに、必ず課題と云われることがあります。

それは「後継者難」です。

某漆器職人のご子息は東京の大学を出て食品系の商社に就職、その後米国で留学する機会に恵まれ自己啓発をし、さらに米国で転職をして国際的な活動をしていました。

インターナショナルな彼が十数年ぶりに実家に戻ったときに、家業である漆器ビジネスについて悶々とすることになりました。 実は彼が東京の大学に進学する時に既に先祖からの伝統工芸の世界ではやっていけないと父と息子が悩んだ末に人生の大きな決断を下した経緯があります。

しかし、東京や米国などで現代の生活を知れば知るほど、田舎での埃にまみれた工房で祖父や父が職人として働いていたシーンが蘇るのです。

一度や捨てたつもりになった職業なのですが、彼なりにビジネスとしての可能性や現代の消費者に訴える価値観が出来ないものかなど考え始めるのです。



正月に重箱を使って祝う人達が益々少なくなる現実を思い起こします。
日常の生活で漆塗りのお椀や盆を使うことがどれほどあるでしょうか。

彼は優秀なサラリーマンとして自分の能力と時間を切売りしていましたが、決断をした時に経営者として少ない従業員と結婚したばかりの家族をどのように養うかのビジネス基盤が見えないのです。


後継者問題はとりもなおさずビジネスの活路の課題解決です。

単なる後継者難を嘆くのではなく、これからのビジネスのビジョンを具体的にしないかぎり、ため息は止まないと感じていますが、実はそれらの後継者本人達のチャレンジ次第であるとも感じています。

解決策はビジネスです。




 2013/01/14 09:30  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

プロフィール
早田 敬三(そうだ けいぞう)
株式会社レナウン初代ミラノ駐在員として、ライセンス、現地生産企画のオペレーションを担当。帰国後、婦人企画、新規開発、紳士ブランド開発なども経験。
1998年Michael St John氏Venticinque Italia srl.社(本社ミラノ)をパートナーとして株式会社アドスインターナショナルを設立。
イタリア企業の日本市場進出のマーケティングコンサルタント、国内企業のブランド再構築プロデュースを手掛ける。

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