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* 「MDの私が企画すべての責任を取ります」という大きな嘘を言いきる!
ブランドのキーマンとは・・・シリーズ: その3
実はキーマン次第でブランドが、スタッフの意欲が、戦略の実践力が、そして実績が変わるのです



私がMDの人達にお勧めする台詞に「MDの私が企画すべての責任を取ります」があります。
なぜかって? アパレルのMDに企画責任のすべてを取れる訳が無いことをみんな知っているからです。これは嘘なのです。
でも何故でしょうか。

どのような商品でも予測以上に売れるという確証はゼロです。まず期待値が何であるかすら共有していないことも珍しくありません。

10.000円のコットンブラウスは300枚が成功ラインですか、2000枚でも失敗ですか。前年比(あるいは予算比)以外にだれも分かりません。MD自分自身ですら分かっていないことが多々あります。

分かっていることは与えられた売上(利益)数字達成するにどうしたらよいか。そのときの商品を考えているのです。

そして予想以上に在庫が残らなかったら「ホッとする」だけなのです。

この「大いなる嘘」の後に続くのは「責任を取って成功させるので、予算(権限)を与えて下さい。○○をしてください。○○で協力して下さい。私の云う通りに動いて下さい!」と続きます。

実際は大ボラを吹いてもマーケティング予算枠が増えたり、MDとしての権限が保証される訳でもないのもみんな分かっているのです。

「MDの私が企画すべての責任を取ります」というと、周囲は「その理由は」「何を根拠に自信があるのか」「具体的には何をするのか」「結果はどう出すのか」などその言葉の背景を聞きたいと思うはずです。

そこで初めて仕事への取組が開始されるのです。

MDが接する職種は多いのです。 デザイナー、素材メーカー、生産担当者、営業責任者、宣伝担当、プレス広報担当、売場のスタッフ、などブランドに関わるすべての人達です。

ブランドが著しく好調になると、それらの人々が「私のデザイン企画が当たった」「素材が消費者に評価された」「モノ作りが商品の価値を上げた」「営業で○○売場を獲得したからだ」「新しい視点での宣伝、キャッチコピーがものをいった」「売場でお客様との信頼関係が数字になりました」と自分の手柄として言い出します。

これって実は良いことなのです(笑)

ところが急に数字が落ち込むとみんな「私が悪かった」とは絶対云いません。
ほとんどは、当初の意欲はどこにいったのか、潮を引いたように「実は商品の完成度がイマイチだった」「価格が高かった」という責任転嫁の『商品悪人論』で逃れます。

それで丸く収まるのを知っているのです。次のシーズンを頑張ろー!です。

ブランドのキーマンであるMDが大きな嘘、ハッタリを云うことが「商品を作るではなく、ビジネスを創る」という出発点に立てるのです。

さて、貴方のそばにいるMDは嘘やハッタリを云えるでしょうか。

 2012/06/13 03:04  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

購買満足度は時間とプロセス!?
ブランドのキーマンとは・・・シリーズ: その2
実はキーマン次第でブランドが、スタッフの意欲が、戦略の実践力が、そして実績が変わるのです



現代の消費者が80〜90年代と大きく異なるのは、ショッピング(購買)に関して時間の使い方の観念やプロセスの価値観が大きく異なってきていることです。

ショッピングの一番の楽しさは、もちろんゆっくり商品をショップで眺め、
試着をし、その他のコーディネートや他ブランド との商品を触って納得して
購入することでした。いや、今でもそうです。

ところが今はファッション雑誌などを読む前にブログ、ツイッター、Facebook
などで興味があるブランドの外堀情報(商品以外のウンチクや背景、キャンペーンなど)を存分に分析理解して、さらに内堀情報(商品そのものの価格、デザイン、企画など)に絞り込んで納得したら売場に出向き、着用したりして実際に商品を確かめるのです。

衝動買いをしない限りは、ネットで価格の比較が出来るかを確認して購入というプロセスまで掛かる場合も少なくありません。

だらだらとショッピングに時間だけを費やすより、効率的に時間とお金を使うことに慣れているのです。

スマホで商品購入というプロセスはこの数年飛躍的に増えています。事実ZOZOTOWNではスマートフォン向けのサービスが充実しており、ファッション雑誌をめくる感覚でオンラインショッピングを楽しむのです。

衝動買いも迷うことがなく確定する率が一段と高くなります。


一般消費財としての ファッションの68%が東京圏、名古屋圏、大阪圏の有名店舗(百貨店、専門店、モールなど)だと言われています。

つまり、その他の32%の地区の消費者は、商品を生で触れる機会に著しく、乏しく情報に飢えているため、その補完としてTVショッピング、通販カタログ、ネットショッピングなどを通じてショッピング行動を行っているのが現状です。

TVショッピングや通販カタログでは、サイズがポイントとなる靴などを購入する場合、例えば23.5cm、24cm、24.5cmの3足を購入し、フィット感を確認し、1足だけ決定し、後の2足はクーリングオフ期間中に堂々と返品をするのです。

ここでのメリットは、靴売り場で試し履きをするのに15分も待たされた挙げ句、品切れやサイズ切れを知るという無 駄な時間を省くことなのです。

さんざん待たされて、自分の好みのデザインやサイズがなかった時程、疲労感を感じます。

楽しいはずのショッ ピングなのに・・・です。

群馬県在住の友人の奥さんは、靴をネットや通販から一度に30足近く注文をし、全てを自宅のリビングで ゆっくりと洋服と合わせながらお試しをして、不要なもの(25足くらい?)を返品するそうです。

東京に新幹線で遊びに行くコストと時間 を友人との食事やコンサートなどコミュニケーションに使い、ショッピングはなるべく合理的にすましているそうです。

彼女にとってお気に入りのブランドとは、デザインや品質ではなく、シルエットやサイズに満足し、無駄な時間を使わずにショッピングが出来ることなのです。


お金に余裕がある人ほど、購買プロセスや時間の無駄が嫌なのです。

「いまどきの商品で品質が著しく悪いものってほとんど無いし、デザインやカラーなどは過去にだっていっぱい失敗しているからあまり気にならない。」そうです。

 2012/06/08 21:50  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

プロフィール
早田 敬三(そうだ けいぞう)
株式会社レナウン初代ミラノ駐在員として、ライセンス、現地生産企画のオペレーションを担当。帰国後、婦人企画、新規開発、紳士ブランド開発なども経験。
1998年Michael St John氏Venticinque Italia srl.社(本社ミラノ)をパートナーとして株式会社アドスインターナショナルを設立。
イタリア企業の日本市場進出のマーケティングコンサルタント、国内企業のブランド再構築プロデュースを手掛ける。

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