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何故オリジナルブランドを立ち上げないの? (その2)
1つの特徴でブランドは出来る


某パジャマメーカーの社長が、

「うちは、バーバリーなど有名ブランドのパジャマやローブのOEM生産をした実績があり、一流の商品を作る自信はあります。ですから自社ブランドを作ろうと思えば商品はなんとでもなるのですが、それをどう立ち上げたら良いのかが分からないんです。初めから商品を伊勢丹にでも並べてくれるのなら簡単なのですが(笑)。」

と語ります。

一方、「バスクリン」で有名なツムラに勤める友人は、

「入浴剤に使う9種類の生薬を香りと一緒に繊維に練り込める技術ができそうなので、それをバスローブにしたらどうだろう!」

と意気揚揚と語ります。

彼は、せっかく入浴剤で温まっても、冬の寒い時期はお風呂上がりにすぐ湯冷めしてしまうところに目をつけました。特に年配の人達向けに絶好の商品が出来れば大ヒット間違いなし・・・と言うのです。

アイデアはどんどん膨らみ、ブランド名を「ローブ・デ・バスクリン」と仮定。

ロゴは当然、入浴剤と同じデザイン。売場のポップも全て入浴剤のパッケージと同じデザイン。ターゲットは「湯冷めを嫌う男女」。コンセプトは「温もりを化学で包むバスローブ」。

…と、企画アイデアがエスカレートしましたが、結果としては残念ながら実現しませんでした。


さて、

上記の2つの企画のどちらがブランドになるでしょうか?



・ ・ ・ ・ ・



…それは、後者の「ローブ・デ・バスクリン」です
 
「ローブ・デ・バスクリン」企画は、素材やデザイン、カラー、サイズ、上代など、本来の商品や生産の企画に相当することは何も決まっていません。また、非アパレル企業なので商品に関する一切の経験と実績知識もありません。それでも、自社ブランドになる可能性は大きいのです。

ポイントは、
・「バスクリン」「ツムラ」というネームに既に知名度がある。
・「湯冷めし難い」というメッセージが分かり易い。
・入浴剤と同じロゴ、カラーにすると一貫性がある。
・「湯冷めを嫌う人」という明確なターゲット。
・売り方や販促に従来のバスローブとは異なるユニークさがある。

など、まだ商品は見えなくてもブランドの考え方は非常に明確で、他社のバスローブと比べて圧倒的に差別化できるニュース性があります。

これが自社ブランドへの第一歩です。プレスリリースを流すと、きっとメディアから問合せが殺到するでしょう。

そうです。

商品サンプルを作る以前に、ニュースになるブランドの特徴やメッセージを作ることでブランドの第一歩は始まるのです。
 2009/05/15 17:01  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

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プロフィール
早田 敬三(そうだ けいぞう)
株式会社レナウン初代ミラノ駐在員として、ライセンス、現地生産企画のオペレーションを担当。帰国後、婦人企画、新規開発、紳士ブランド開発なども経験。
1998年Michael St John氏Venticinque Italia srl.社(本社ミラノ)をパートナーとして株式会社アドスインターナショナルを設立。
イタリア企業の日本市場進出のマーケティングコンサルタント、国内企業のブランド再構築プロデュースを手掛ける。

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