展示会の目的は当然ビジネスなのですから、商談をするためにブースを出しています。イタリアでは地域毎のエージェント(販売代理店)システムなのでメーカーはそれらのエージェントに対しての商談、エージェントは自分のテリトリーの百貨店、専門店や小売店などの担当者との商談が本来の目的です。
ローマ地区のマルチェロ氏。彼は展示会ではエスプレッソを飲みながら、ただ仲間と喋り続けています。一日数件のバイヤーや専門店のオーナーがブースにやってくると、大げさにハグしてまたおしゃべり。いつ仕事の話をするのか?と見ているとそのバイヤーが帰る間際に「チョット こっちに来てよ!」とばかりに商品のところで、サンプルを見せて新企画の説明を始めています。
でもそこで実際の商談の受発注をすることはありません。 すべての商談や発注はこの展示会が終わってマルチェロ氏が顧客を訪ねたときから始まるのでその前哨戦なのです。
エージェントも顧客も商品については知り尽くしているので、デザインをさらっと見た段階で終わり。
一番の情報交換はイベントの企画で消費者にどんな仕掛けをしているかをバイヤーに伝えることです。
TV番組で視聴者参加番組にスポンサーになった・・・とか、その番組には我々から推薦すると出場しやすい・・・とか。 だから売場に来た消費者にその番組の話を必ずして下さい とアドバイスをするのです。
日本のように百貨店や大型ショッピングセンターなど発展している訳ではな
く、いまだに小売店が地方の顔を知っている顧客とのコミュニケーションで、商いをしている・・・感があります。
商品の話だと「興味ある?ない?」「買うの?買わないの?」で店頭でのいつもの顧客との会話が終わってしまいます。イベントやキャンペーンとは消費者と売場のスタッフのおしゃべりをするためのネタです。
このおしゃべりネタで売場の滞留時間を作るのです。この滞留時間が長いか短いかが売上に影響してきます。つまり展示会は販売商品より、顧客を売場に滞留させるための販促ネタを仕込んでゆく場所なのです。
日本の真面目さは商品を一生懸命説明することが販売です。 イタリアは商品はもとより顧客とのコミュニケーションの時間の長さと質が売上に影響すると知っているのです。
エージェントにとっての展示会はそんなネタ場所なのです。この発想って好きですね。