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日本のワイン「甲州種」を求めて



GW後半初日の5/3に、
日本が誇るブドウ、「甲州種」のワインを求めて、
山梨県勝沼ワイナリーツアーを企画し、
友人4名と合計8カ所のワイナリーを回った。

ワインというお酒が飲めるようになった私は、
当然、日本のワイン「甲州種」についても知らなければ、
と思い、今回は、
いろいろなブドウの種類の誘惑があるなか、
軸がぶれないように徹底的に「甲州種」にこだわって試飲した。

4軒ほどワイナリーを回った頃に得た感触は
「甲州種は、水っぽくて空洞感がある」であった。

これには少なからず、落胆とショックが混ざり合い、
すこし複雑な気持ちであった。

けれど、ここに私が陥りやすい、
どうしても偏った判断でワインを感じてしまう原因があった。

まずは、沢山の酒量が飲めないので、
最初から味わいのあるものを求めていること。
なので、薄味でさっぱりした、
悪く言えば水っぽい、あまり凝縮されていないワインは、
試飲した瞬間、「あまり好みではない=美味しくない」に、
次々分類されていってしまった。

けれど、沢山飲める人は、
飽きのこない、料理の味を邪魔しない、
すっきりさっぱりしたワインを好むかもしれない。

そして、
ニュージーランドで私が感動した白のさまざまな味わいを、
少なからず、甲州種に求めてしまっていたせいで、
早計に判断しすぎてしまったこと。

これらは、
一日を終えて後から感じたことであって、
4軒目のワイナリーまでは、
自分の舌に甲州種が合わないのか、
出来の悪い年のワインに当たっているのか、
素人なゆえにだんだんとわからなくなってきていた。

それでも、
ニュージーランドの人々に、
日本の甲州はこんなに美味しいんだ!
と自慢したい気持ちが心のどこかにあるので、
なんだか悔しくさえ思えてきていた。

そして、
6軒目、7軒目のワイナリーで、
ついに「美味しい」と思える甲州種ワインにたどり着いた。

味が凝縮されていて、わりとしっかりとした味わいがある。
けれど、甲州種の特徴であるさらりとした感じも損なわれていない。

そこで、当然浮かぶ疑問が、
「凝縮」されたワインが作れるワイナリーがあるということは、
「水っぽさ」というのは、
果たしてワイナリーにとって、着地点であり正解の感触なのか、
それとも、「凝縮」されたものを作りたいけれど、
何か作れない原因があるのか、
いったい、「甲州種」というのは、どのようなものなのか?
その正体を知りたくて、頭の中が疑問でいっぱいになった。

そして、最後に、
干しブドウを買うために寄ったブドウ農家で、
期せずしてその答を得ることができた!

三森さんという、
ワインアドバイザーでもあり、指導農業士であるその女性に、
抱え続けて熟成した疑問を、
一つひとつ投げかけてみた。

まず、甲州種の水っぽさは、
日本の風土季候の特徴でもあること。

しかし、鳥居平や菱山といった、
理想的な傾斜を持つ斜面で栽培されている甲州種は、
水っぽさが無く味が凝縮されていること。

そして、その菱山で取れたブドウを、
圧搾率50%の贅沢さで絞った非売品の甲州種ワインが、
何も手を加えていない一番スタンダードな味で、
甲州種の基準だと思っていいこと。

あとは、製法でいろいろと手を加えて、
コクを出していき、
欧米のワインに近づけていくやり方もあること。


これらの説明はとても分かりやすく、
ここでようやく「甲州種」の正体を掴むことができた気がした。
あとは、自分がこの「甲州種」に更に何を求めるか、
を考えて試飲を重ねていけばいい。

私が甲州種に求めた答は、
凝縮されていて、かつ甲州種の特徴が失われない程度に旨みが調整されているもの。

できれば、これを踏まえた上で
もう一度ワイナリーを回りたいが、
それでも、自分の舌を信じて、
自分が好きなワインを選ぶことができたと思う。

私が選んだ甲州種ワインは、この2本。



原茂ワインの、
「HARAMO VINTAGE シュールリー2010」と、
蒼龍葡萄酒の、
「SORYU RESERVE 甲州 2008」

今回の山梨ワイナリーツアーはほんとうに勉強になった。
ワインそのものだけでなく、
この土地の歩んできた歴史も少しだけ垣間見ることができて、
「無くしたくないな〜」と感じる日本の文化に出会った。



歴史ある、素敵な酒造さんが沢山ありました。


当日、運転していろいろなワイナリーを紹介してくださった、
ありが桃園の手塚さん、
ほんとにお世話になりました。

また来年の甲州種が楽しみ。
良いブドウが育ちますように。
 2012/05/05 11:08  この記事のURL  /   / トラックバック(0)


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プロフィール
芹澤 絵美(せりざわ えみ)
スタイリスト。静岡県生まれ。文化服装学院流通専門課程卒業。サンプロデュース入社。2000年に独立。東京コレクションをはじめ、様々なショーを手がける。その後、雑誌・広告等、撮影方面にも幅を広げている。
現在はニュージランドで暮らし、スタイリストは休業中。

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