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2つのシャルドネ



先日、今年の4月に収穫したシャルドネの試飲を行いました。

今年は2種類あり、1つは通常のオーク樽発酵、
もうひとつはこれです!

<*下写真はうちのワイナリーではなくタンク製造工場>

コンクリートでできた卵型タンク。

このタンク内では、
その構造上の理由から地球の大気の流れと同じような、
自然に出来る水流が起こるらしく、
常に中でワインが動き続けているそうです。



オーク樽とエッグタンク、
それぞれに絞ったブドウを入れてから8ヶ月。
仕上がりを確認すべくスタッフ全員で試飲しました。



左側のグラスがエッグタンク発酵、右側のグラスがオーク樽発酵です。

グラスに注いで貰っている時からなんともいえない芳香が

エッグタンク発酵のほうはうっすら濁っています。
見た目もだいぶ違っていますが、
肝心の味のほうもまるきり違っていました!

オーク樽のほうは人々がイメージするシャルドネの味で、
そこからその年の葡萄の出来や樽感などを感じていくのですが、
エッグタンク発酵のシャルドネは、
シャルドネの特徴でもあるシャープさがなく、
とってもまろやかでハニーレモンのような味がしました。
今まで飲んだことのないタイプのシャルドネですが、
かなり私の好みでした。

これがボトルリリースされたら購入したいところですが、
残念ながらエッグタンク発酵は今回が初めてでまだ実験段階。
極めて少量なので、100%エッグタンク発酵のシャルドネは今回は世に送り出すことが出来なそうです。

今回このエッグタンク発酵シャルドネをどうするかというと、
通常のオーク樽発酵のシャルドネに混ぜ、その黄金比を探る実験に使うそうです。

なので私たちもその場で簡単に混ぜて飲んでみましたが、
適当比率だったからか、
それぞれの特徴が相殺されて「??」というシャルドネが出来上がってしまいました(笑)
当然ですが、これは醸造家の仕事。
私の好みは100%ピュアエッグタンク発酵ですが、
プロが0.1%単位でこだわった比率で混ぜれば想像を超えた素晴らしいシャルドネが完成するかも知れません。

私は、ワインは丁寧に作ってあれば、
ある一定以上のランクのワインに美味しい不味いは無いと思っています。
あとは飲み手の好み。

どれが好きか、ただそれだけだと思います。

私はお酒に弱いこともあってたくさん飲むことが出来ないので、
私にとって美味しいワインとは、スイスイグラスが進むワインです。
アルコールであればなんでもいいわけではなく、
味が好みかどうか、ただそれだけです。

なので好きか嫌いかの判断はものすごく速いです。
好きなら飲み続けられるし何度でも飲みたい。
けれど好きじゃなければ二口目が限界です。
そしてそれに時間は二度と割きません。
なぜなら人生のうち飲めるワインの量は限られているし、
ワインは星の数ほどあるのでスイスイ飲めないワインに私の舌と肝臓を使いたくないからです。

こんな感じで好みがはっきりしているので、
もう一度飲みたいと思わせる味、忘れられない味、喉がなる味のワインに出会うと記憶にはっきり残ります。

ラベルや名前を覚えられら無くても舌がその時の感動をしっかり記憶しています。このエッグタンク発酵シャルドネはそのうちの1つに入りました。

今後シャルドネを飲む時に、
どこかでこの味を探しながら飲むことになりそうです
 2017/12/10 04:16  この記事のURL  /   / トラックバック(0)


ブドウの木の皮むき

いまヴィンヤードではブドウの木の皮むきをしています。
うちのヴィンヤードは去年半分以上行ったのですが、
今年から新しく管理を任された畑では、
少なくとも6年以上は皮むきをしていないらしく、
毎年春に散布される幹の消毒の前に皮むきを行うことになりました。

<Before>


<After>


日本人的には、道具を使って細かいところまでぜ〜んぶツルツルにはぎ取りたいところですが、それだと最低でも20分はかかります。
うちのヴィンヤードでは1本につき1分で作業をするように要求されているので、厚手のグローブであかすりのようにゴシゴシこすって剥離している部分だけを取ります。

でもブドウの病気の原因の1つでもあるカイガラムシたちは、
剥離が始まった皮の更にその下の皮(ちょっと浮き始めている)の下に住み着いているので、実際にはオレンジ色のツルツルの幹が出てくるまで皮むきをしないと、散布した消毒薬が効果を発揮しづらいと思っています。

ただ、人件費と芽ぶきの前に終わらせなければいけない時間の問題から、
うちのヴィンヤードでは何もやらないよりはマシということで、
ラフになるべく多くの木の皮むきをすることしています。

皮を剥くといろいろな虫たちが現れます。

だから本当の本当は時間をかけて納得するまで皮むきをしたいです(笑)

<樹齢20年の木。おじいさんの髭みたいに皮が剥離しています>
 2017/09/09 05:53  この記事のURL  /   / トラックバック(0)


春の芽ぶき


ヴィンヤードでは今年の結果枝の芽がふくらみ始めています。
毎年一番始めに動き出すのはシャルドネ。
カヴェルネ・ソーヴィニヨンの芽はまだまだ固〜いツボミなのに、
シャルドネはすでに5cmくらい伸びています。

今週に入って急に暖かくなり、冬が終わったのを感じます。
春はいつでも大忙し、そして一番大好きな季節です

我が家の温室でもトマトと茄子の種蒔きを開始しました。



分かっているようで分かっていないことも多い、
私のなんちゃって野菜栽培も今年で5年目。
毎年新しくいろいろなことを学び、
昨年の失敗点を刷新してトライする日々です。

野菜や果樹、
最初の3年はいろいろなことに手を広げすぎて、
種蒔き〜収穫まで一通り調べて把握していたつもりでも、
日本語で調べた内容をこちらの季節に変換したり、
当てはまる必要な肥料や土を英語で調べたりしているうちに、
別の品種と勘違いしたり、種蒔き、植え付け、施肥などのタイミングや量を間違えていたり、
それぞれの成長に合わせた育て方が出来ていなかったようです。

今年は、苦土石灰(NZには2種類ある)、堆肥、元肥の基本をしっかり抑え、
剪定と仕立ても野菜ごとにタイミングを逃さずに行っていこうと思います。

今年こそは!と毎年思いつつ、
また1つ成長する春となりますように

(ヒメとオリーブの木の下でランチタイム)
 2017/08/29 17:10  この記事のURL  /   / トラックバック(0)


ゴブレット仕立て



先週、すべてのブドウの剪定&誘引作業が終わりました。

新しく管理を始めたヴィンヤードに、
ちょっと珍しいスタイルの仕立てがありました。

「ゴブレット」という仕立て方で、
まさにゴブレット(酒杯)のような形に樹形を整えます。

古くからある仕立て方で、
狭い場所に沢山のブドウの木を植えたい時に採用する方法のようです。
山間部にあるブドウ畑などはこの様式を多く取り入れたそうです。

幹の高さは低く、
前年枝から3〜4つのスパー(短梢)を残します。
それぞれのスパーには2つの新芽があり、
それが伸びて6本〜8本プラス、クラウン(幹のトップ)から数本、
合計で10本前後の結果枝を育てることが出来ます。



このヴィンヤードでは4つのスパーを基本としていましたが、
今年からは3つにすることにしました。
それのほうが栄養がより多く行き渡るからです。

このゴブレット方式は、
丈夫な支柱が真ん中にさしてあり、
結果枝が伸びてきたらヒモで縛ってまとめていきます。
下部が膨らみ、上の方で閉じている形がゴブレットに似ているため、
そう呼ばれるようになったそうです。

この畑のゴブレットはすべてシラー品種です。

ゴブレット様式はジャングルのように密集していて、
中まで光が差し込みにくくなります。
そのため、地面にオイスターシェルを敷き詰めて、
その反射を利用して下からレフ板のように光を木に当てています。

真夏の太陽が照りつけると、
雪山の斜面にいるようにまぶしいそうです。

私はこの仕立て方に興味が湧きました。
ちょうどシラーの苗木を戴いたので、
このやり方で植えようと思います

(↓剪定後のシラーたち)


 2017/08/26 16:45  この記事のURL  /   / トラックバック(0)


謎な誘引方法・・・



新しく管理を始めることになったヴィンヤード(ブドウ畑)には謎がいっぱい。

ワイン用のブドウ栽培は歴史がとても古く、
時代とともに剪定と誘引の方法が変化してきました。

最近最も多く採用されている方法が、
スパー・プルーニング(短梢剪定)とケーン・プルーニング(長梢剪定)です。

うちのヴィンヤードは、
剪定方法はケーン・プルーニングを採用し、
毎年ダブル・グイヨという左右両方に開く誘引方法で仕立てています。

トランク(幹)から伸びている昨年枝を、
左右に開きワイヤーにタイ・ダウン(止め付け)していくのですが、
右にある枝は右に、左にある枝は左にというのが基本で、
よほどのことがないかぎり交差させたり、
逆向きにタイ・ダウンしたりしません。
これらの枝は将来トランクになっていくので、
不規則なタイ・ダウンを繰り返すと樹形が乱れたり、
トランクの頂上に影が出来て風通しが悪くなったりして、
再来年用の芽に悪影響を与えたりします。

なので、
美しく左右になるべく平らに開きタイ・ダウンしていくのですが・・・

新しく管理を始めた畑では、
どうやらこれら法則が基本ルールではなかったようで、
不思議な剪定&タイ・ダウンを数々目撃しました

例えば、ケーン(枝)は2本のはずなのですが、
3本使って2重になっていたり、


左右に開くはずなのに2本とも同じ向きだったり、


枝を隣の木のほうに長く伸ばしてしまったり、
(それぞれのケーンの根元にも結果枝の芽があるので、それらと頭上にある枝の芽が重なってしまうので、どんなにケーンが短くなろうとも樹冠の上に枝をかぶせない)


トランクの下部からもう1本幹(将来用)が出ていて、
それを斜めに倒してそこから出ている枝も更にケーンとして使っていたり、
(将来用のトランクは発芽したその年に真っ直ぐに仕立てなければならないし、
ケーンが2本以上あるとそこから生える結果枝が増え養分が分散してしまう)


ケーンをUターンさせてタイ・ダウンしてみたり、
(同一ワイヤー上にケーンが重なる&長すぎると養分が回らない)


向こう数年は必要が無さそうな予備トランクが斜めに出ているのと、
そこから出ているケーンをメインのケーンの上に巻き付けていたり、


とにかく謎がいっぱいなのです。
これらがただ単にうちのヴィンヤードとやり方が違うだけなのか、
それとも間違ってしていることなのか、
素人の私には判別が付きませんでした。

ただ、これら規則性のない誘引のなかに何かルールを見いだすとすれば、
ワイヤーに隙間を作らないことのような気がします。
その為には逆向きだろうが、Uターンだろうが、
ケーンが3本になろうが、とにかくワイヤーに隙間を作らない、
そういう風な意図を感じます。

ワイヤーに隙間を作らないという作戦の目的は、
生産量を増やす、という意外思い当たらないのですが、
ケーンを2本重ねて結んでおきねがら、
芽かき(余分な芽を摘んで品質を向上させる為)をするというのです。
だったら最初からケーンは2本だけにして、シンプルに左右に開き、
絶対に重ねない、という基本のルールに則れば、
2本のケーンから出る結果枝は15本〜20本前後と決まってきます。

けれどケーンを3〜4本使ったり、
Uターンさせたり交差させてケーンを長く使えば、
当然そこに生える結果枝は30本〜40本と増えてしまいます。

ここの畑で2年間働いていた女性に芽かきの説明をされたとき、
私のヴィンヤードは芽かきはしません、と答えたところ、
芽かきをするのは量よりも質が大事だからで、
あなたのヴィンヤードは量を重視しているんじゃない?
(うちは品質と量のバランスをきちんと計算しています)
とまで言われたのですが、
通常2本のみのケーンを3本も4本も使うほうが「質より量」なんじゃないのかしら??と矛盾を感じてしまいました。
芽かき以前の問題です。

それに、美味しいブドウを実らせるには、
結果枝が健康で、ある程度の太さが必要なのですが、
芽かきをして平均10本まで結果枝を減らしている割りには、
太い枝が4〜6本しかなかったので、芽かきの成課が出ていないようです。
半数以下に芽かきをしたならば、
養分が集中して10本すべての結果枝が太く育つはずです。

芽かきのタイミングを間違えているか、
それとももともと4本〜6本の良い結果枝があればいいのか、
とにかくギモンだらけ。
4本〜6本だけの結果枝だけがよければ、
ケーンを最初から短く切ればそれで済むはずです。

剪定、誘引、芽かき、
それぞれの段階での目的がバラバラに感じます。

けれど、どういう作り方をしようが、
美味しいワインを作ることの出来るブドウを育てれば良いのです。

なので今年は、
私たちが剪定&誘引をした列としていない列があるので、
出来上がったブドウの品質の違いをテストすることが出来そうです。
これはこれで楽しみです

いまのところの私の意見は、
美しく整然と管理された畑のほうが美味しいフルーツが出来ると信じています
 2017/08/19 08:38  この記事のURL  /   / トラックバック(0)


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プロフィール
芹澤 絵美(せりざわ えみ)
スタイリスト。静岡県生まれ。文化服装学院流通専門課程卒業。サンプロデュース入社。2000年に独立。東京コレクションをはじめ、様々なショーを手がける。その後、雑誌・広告等、撮影方面にも幅を広げている。
現在はニュージランドで暮らし、スタイリストは休業中。

芹澤 絵美  プロフィール
芹澤 絵美のスタイリングはこちら
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