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我が家で毎年育てているトマトはすべて固有種。 固有種は、英語ではHeirloom(エアルーム)と言って、 収穫した野菜から採取した種で、 翌年また同じ野菜を作ることができる種のことです。 種屋さんで売っている種のほとんどはF1種と言って、 美味しさと収穫量などを追求して品種改良されたもので、 素晴らしい野菜が出来る代わりに、 その野菜から採取した種からは、ほとんど同じ結果を得ることが出来ません。 同じ固有種でも、 私は種屋さんではあまり売っていないレア種が大好き。 現在6種類トマトがあり、 そのうち4つは4年前に友人からもらった実から種を採取したもの、 1つはご近所さんのお婆さんが20年近く繋げているトマトの苗をもらい、 1つはネットで見つけたものです。 入手困難となった種を繋ぐには、 毎年発芽させて育て、結果させて、再び種を採取する必要があります。 種には保存期限があって、 古くなれば発芽率がどんどん下がりやがて発芽しなくなります。 ヴィンヤードで仕事を始めてから、 忙しくて手間暇かけられなかったり、そのわりには突飛な栽培方法を採用したりして、きちんとトマトと向き合わなかった結果、ある2種類が2年続けて不作となり種を採取することが出来ませんでした。 そして今年、一昨年の種を使うことになったその2種類の発芽率が著しく悪く、 危うく今年で種を絶やしてしまうところでした。 小さな小さなことなのですが、 なんだかすごく哀しくなってしまい、 「がんばれー、がんばれー、がんばれー」 「今年は絶対に種を繋ぐから、お願いだから発芽して−」と、 種を蒔いた土に向かって祈るように話しかけてしまいました ![]() 願いが聞き届けられたのか、他よりも2週間遅れて発芽してくれました。 ひとまずスタートラインはクリアしました。 今年は突飛なことはせずに正攻法で確実に収穫&種採取したいと思います。 野菜は人の思いに応えてくれる生き物のような気がするので、 どんなに忙しくても手間暇惜しんではいけないですね。 <発芽率が著しく悪く、たった1つだけ発芽> |