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謎な誘引方法・・・



新しく管理を始めることになったヴィンヤード(ブドウ畑)には謎がいっぱい。

ワイン用のブドウ栽培は歴史がとても古く、
時代とともに剪定と誘引の方法が変化してきました。

最近最も多く採用されている方法が、
スパー・プルーニング(短梢剪定)とケーン・プルーニング(長梢剪定)です。

うちのヴィンヤードは、
剪定方法はケーン・プルーニングを採用し、
毎年ダブル・グイヨという左右両方に開く誘引方法で仕立てています。

トランク(幹)から伸びている昨年枝を、
左右に開きワイヤーにタイ・ダウン(止め付け)していくのですが、
右にある枝は右に、左にある枝は左にというのが基本で、
よほどのことがないかぎり交差させたり、
逆向きにタイ・ダウンしたりしません。
これらの枝は将来トランクになっていくので、
不規則なタイ・ダウンを繰り返すと樹形が乱れたり、
トランクの頂上に影が出来て風通しが悪くなったりして、
再来年用の芽に悪影響を与えたりします。

なので、
美しく左右になるべく平らに開きタイ・ダウンしていくのですが・・・

新しく管理を始めた畑では、
どうやらこれら法則が基本ルールではなかったようで、
不思議な剪定&タイ・ダウンを数々目撃しました

例えば、ケーン(枝)は2本のはずなのですが、
3本使って2重になっていたり、


左右に開くはずなのに2本とも同じ向きだったり、


枝を隣の木のほうに長く伸ばしてしまったり、
(それぞれのケーンの根元にも結果枝の芽があるので、それらと頭上にある枝の芽が重なってしまうので、どんなにケーンが短くなろうとも樹冠の上に枝をかぶせない)


トランクの下部からもう1本幹(将来用)が出ていて、
それを斜めに倒してそこから出ている枝も更にケーンとして使っていたり、
(将来用のトランクは発芽したその年に真っ直ぐに仕立てなければならないし、
ケーンが2本以上あるとそこから生える結果枝が増え養分が分散してしまう)


ケーンをUターンさせてタイ・ダウンしてみたり、
(同一ワイヤー上にケーンが重なる&長すぎると養分が回らない)


向こう数年は必要が無さそうな予備トランクが斜めに出ているのと、
そこから出ているケーンをメインのケーンの上に巻き付けていたり、


とにかく謎がいっぱいなのです。
これらがただ単にうちのヴィンヤードとやり方が違うだけなのか、
それとも間違ってしていることなのか、
素人の私には判別が付きませんでした。

ただ、これら規則性のない誘引のなかに何かルールを見いだすとすれば、
ワイヤーに隙間を作らないことのような気がします。
その為には逆向きだろうが、Uターンだろうが、
ケーンが3本になろうが、とにかくワイヤーに隙間を作らない、
そういう風な意図を感じます。

ワイヤーに隙間を作らないという作戦の目的は、
生産量を増やす、という意外思い当たらないのですが、
ケーンを2本重ねて結んでおきねがら、
芽かき(余分な芽を摘んで品質を向上させる為)をするというのです。
だったら最初からケーンは2本だけにして、シンプルに左右に開き、
絶対に重ねない、という基本のルールに則れば、
2本のケーンから出る結果枝は15本〜20本前後と決まってきます。

けれどケーンを3〜4本使ったり、
Uターンさせたり交差させてケーンを長く使えば、
当然そこに生える結果枝は30本〜40本と増えてしまいます。

ここの畑で2年間働いていた女性に芽かきの説明をされたとき、
私のヴィンヤードは芽かきはしません、と答えたところ、
芽かきをするのは量よりも質が大事だからで、
あなたのヴィンヤードは量を重視しているんじゃない?
(うちは品質と量のバランスをきちんと計算しています)
とまで言われたのですが、
通常2本のみのケーンを3本も4本も使うほうが「質より量」なんじゃないのかしら??と矛盾を感じてしまいました。
芽かき以前の問題です。

それに、美味しいブドウを実らせるには、
結果枝が健康で、ある程度の太さが必要なのですが、
芽かきをして平均10本まで結果枝を減らしている割りには、
太い枝が4〜6本しかなかったので、芽かきの成課が出ていないようです。
半数以下に芽かきをしたならば、
養分が集中して10本すべての結果枝が太く育つはずです。

芽かきのタイミングを間違えているか、
それとももともと4本〜6本の良い結果枝があればいいのか、
とにかくギモンだらけ。
4本〜6本だけの結果枝だけがよければ、
ケーンを最初から短く切ればそれで済むはずです。

剪定、誘引、芽かき、
それぞれの段階での目的がバラバラに感じます。

けれど、どういう作り方をしようが、
美味しいワインを作ることの出来るブドウを育てれば良いのです。

なので今年は、
私たちが剪定&誘引をした列としていない列があるので、
出来上がったブドウの品質の違いをテストすることが出来そうです。
これはこれで楽しみです

いまのところの私の意見は、
美しく整然と管理された畑のほうが美味しいフルーツが出来ると信じています
 2017/08/19 08:38  この記事のURL  /   / トラックバック(0)


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プロフィール
芹澤 絵美(せりざわ えみ)
スタイリスト。静岡県生まれ。文化服装学院流通専門課程卒業。サンプロデュース入社。2000年に独立。東京コレクションをはじめ、様々なショーを手がける。その後、雑誌・広告等、撮影方面にも幅を広げている。
現在はニュージランドで暮らし、スタイリストは休業中。

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