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生と死がすれ違うとき



今朝、にわちゃんのうちの一羽が天国に逝った。

黒ゴルちゃんは、ちょうど一年前、
我が家にやって来た当初は大きさも小さいほうではなく、
ご飯も一番旺盛に食べていた。

(写真左奥)

同じ種のゴルゴルちゃんよりもむしろ大きかった。
けれど、どんどん他の子が成長して太っていく中、
黒ゴルちゃんだけがその成長を止めていた。
生後半年を過ぎた今年4月頃、
歩き方がフラフラしてるので病院に連れて行き、
食べても成長しないということで虫下しの薬を処方された。

その後、数ヶ月顔色が良くなり少し太ったかなぁと思っていたけれど、
同じ月齢の他の子が卵を産み始める体型になっているのに、
黒ゴルちゃんは痩せたまま。
食べても食べてもそれが身にならない。
誰よりも旺盛に食べているのに太れない。
黒ゴルちゃんも辛かっただろう。

それでも肌寒い冬をなんとか越えた。
けれど春の兆しが見えた頃、黒ゴルちゃんの動きは快活さを失い、
他の仲間と一緒に遊ばなくなった。

そして、
黒ちゃん抱卵の新しい命が産まれる孵化予定日、
黒ゴルちゃんはそれと入れ替わるように巣箱にうずくまった。
もう歩くことも、エサを食べることも出来なくなったのだ。
黒ゴルちゃんは死ぬ場所を選んだんだ、と感じた。
地面ではなく、みんなが卵を産むために座るフカフカのネストボックス。
その目的以外では基本的には入らない場所。
命の誕生の場所を最後の場所に黒ゴルちゃんは選んだのだ。

向かいのネストボックスでは命が産まれ、
こちら側のネストボックスでは命が尽きようとしていた。

昼間は何度も何度も黒ゴルちゃんを見に行き、
体をなでながら1年頑張って生きたね、
うちに来てくれてありがとうね、と言った。

黒ゴルちゃんは死に向かって穏やかに準備しているようだった。
浅いゆっくりとした呼吸になり、静かに目を閉じ顔を埋めていた。
夜になると黒ゴルちゃんに寄り添うように、
ゴルゴルちゃんとグレイちゃんがピッタリとくっついて休んでいた。

昨夕は、明日の朝逝ってしまっているかもしれないと、
私はお別れの準備をした。

そして今朝、黒ゴルちゃんは眠ったままの体勢で逝った。
ニワトリに人間のような感情は無いのかもしれないけれど、
仲間に寄り添われて穏やかで安らかな死だったと思いたい。

黒ゴルちゃんと入れ替わるように、
白いチックが産まれた。

一つの小屋の中で生と死が行き過ぎ、なんだか輪廻転生を感じた。

こうやってさまざまな魂と出会い、すれ違い、入れ替わり、
私たちはこの世を紡いでいるのかもしれない。

黒ゴルちゃんありがとう。


 2016/10/30 14:06  この記事のURL  /   / トラックバック(0)


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プロフィール
芹澤 絵美(せりざわ えみ)
スタイリスト。静岡県生まれ。文化服装学院流通専門課程卒業。サンプロデュース入社。2000年に独立。東京コレクションをはじめ、様々なショーを手がける。その後、雑誌・広告等、撮影方面にも幅を広げている。
現在はニュージランドで暮らし、スタイリストは休業中。

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