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どんぐりの苗木から日本の土砂災害を考える


今年の3月にマタマタという町で拾った大きなドングリ。
土に埋めておいた子達が発芽してきた。

最初は1つの鉢に3つドングリが入っていたのだけれど、
ある複合的な理由から大きな鉢1つに1つのドングリになるように植え替えた。

有本香さんという女性ジャーナリストが、
広島の土砂災害についてコメントする際に、
以前、林業をされている方にインタビューした時のことを話していた。

日本の山林というのはほとんどが植林で、
原生林というのは里山には少ないらしい。

原生林と植林の何が違うか、
それは、このドングリを植え替えてみればすぐに分かる。

いろいろな木を植木屋さんから買ってきて植えていれば気がつくのだけれど、
樹木になる木というのは、大木になる種類であれば特に、
まず最初に地中深くにの伸びる一本の根がある。これが主根となる。
売っている植木は、ポッティングする時の都合上この主根が切られている。

植林では、この主根が長くても50cmのところで切られている苗木を使う。
主根の周りに水分や養分を吸収する細かい根が生えるが、
この根はどちらかというと地上と水平方向からやや下目に向かって生えるので、
太くなっても浅い。

つまり、日本の植林は、ほとんど上に乗っかっているのと同じだというのだ。
それが地滑りの原因であり、土砂災害に繋がっている、と。

原生林は実生からその場で根を伸ばし成長するので、
地中深くでしっっかり根を張る。
なので、地滑りなどはほとんど起きない。



このどんぐり達は、
地上に出ている部分の3倍の長さの根が真っ直ぐ下に伸びていた。
私はその根を傷つけないように、真っ直ぐと鉢に植えた。
100年後には10mを超える大木になるので、
場所をよく考えて地植えするのだけれど、
その際もこの主根がまっすぐ下に伸びるように植えようと思う。

どんぐりのお母さんから遠く離れた場所に来てしまったので、
我が家の守り神、ポフトゥカワの大木の根元のくぼみに鉢を寄せている。
強い日差しや強風から、
この樹齢100年をとうに超えている大木が守ってくれている。
そんなわけで、すくすくと元気そうに育っている。

ベアルートと呼ばれる売り方をされているフルーツツリーなどは、
根っこが20cmくらいしかない。
当然、主根が真っ直ぐ下に向かって伸びることはもう無い。

土砂災害は 、山を削り植林をした人間が生んだ弊害で、
木を植えても昨今の異常気象による地滑りは防げないことが証明された。
自然の実生から育まれる長い主根付きの樹木を育てていく方向に切り替えないと、
今後世界を直撃する異常気象には対応出来ないのかもしれない。

実生からの成長は何十年という気の長い時間が必要。
原生林の貴重さがここからひしひしと伝わってくる。

 2014/09/17 11:12  この記事のURL  /   / トラックバック(0)


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プロフィール
芹澤 絵美(せりざわ えみ)
スタイリスト。静岡県生まれ。文化服装学院流通専門課程卒業。サンプロデュース入社。2000年に独立。東京コレクションをはじめ、様々なショーを手がける。その後、雑誌・広告等、撮影方面にも幅を広げている。
現在はニュージランドで暮らし、スタイリストは休業中。

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