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放射能のこと 食べもののこと 2

(沼津のうちの線量)

ーーー前ブログより続きーーー


・内部被ばくについて

セシウムなどが出すガンマ線に、
アルファ線とベータ線による被ばくがここに加わる。
この2つは透過力は比較的小さいが、線量が多く半減期が長いため、
著しくDNAを損傷する、と言われている。


・天然由来のアルファ線を出す放射性物質
ウラン、トリウム、ラジウム、ラドン、
・核実験や原子力施設に由来のアルファ線を出す放射性物質
プルトニウム239,240

・天然由来のベータ線を出す放射性物質
炭素、トリチウム
・核実験や原子力施設に由来のベータ線を出す放射性物質
ストロンチウム89、90


ストロンチウムやプルトニウムは、
原発の爆発事故によってあまり飛散していないと言われているが、
食品や環境中に含まれていないかどうかは断言できない。

これらは特別な測定装置でないと計測できない。
ただ、存在量の比率として、
セシウムのあるところには、
その半分のストロンチウム、
200分の1のプルトニウムがあるとされる。

ストロンチウムの主な体内摂取の経路は牧草を経て牛乳に入る過程で、
土壌中から野菜や穀物などに入ったものが体内に摂取されることもある。
また、大気中に放出された時には葉菜の表面への沈着が問題になる。
ストロンチウムはカルシウムと化学的性質が類似するため、
動物体内では摂取されると一部は排泄されるものの、
大部分が骨に取り込まれて体内で、
ストロンチウムおよびその娘核種のイットリウムがベータ線を放出し続ける。

プルトニウムに関しては、1Bqで、20Svの高放射線を放出するが、
生体へ取り込まれた場合の影響は、
吸気か経口かで実効線量が大きく異なってくる。
くわしくはこちら

経産相のホームページで掲載された、
今回福島の原発事故で放出されたプルトニウムの量は、

Pu-238 1.9×10(10)
Pu-239 3.2×10(09)
Pu-240 3.2×10(09)
Pu-241 1.2×10(12)
*()内の数字は乗


10の10乗とか、意味の分からない数値です・・・。
なので、他の方が計算してくれた数値を参考にすると、
Pu-239だけで、32億bqが放出されたようです。

1Bqで、20Sv(20,000,000μSv)の放射線量を出すものが、
4種類合計で、1兆2254億Bqも放出されたのです。

同じように、ストロンチウムも大量に放出されています。
(ストロンチウム含めその他核種データを見たいかたはこちらへ)

事故当初は、原発周辺30km圏内にあったはずのこれらが、
乗り物、人、がれき、の出入りで、
そこにとどまらず、少しずつ外に流出していると言われている。
上記資料は地上に関してのみのものであるが、
海水へ放出された汚染水にも、
ストロンチウムとプルトニウムが含まれていると考えられている。
特に、プルトニウムは重いため、
海底に沈んでいるとみられている。
詳しくはこちらから。

いっぽう、上記2種類よりも存在を特定しやすい、
ガンマ線を出すヨウ素とセシウム。
いま、食品に関して自主検査などで出されている数値は、
この2種類がほとんど。

最初、政府が決めた出荷制限値が、200bq/kg以下とされたのは、
おそらく、生体必須元素であるカリウムと比較したからと推測。

天然由来ではあるが、同じガンマ線を出すカリウムが、
バナナ1本に約200bq含まれており、
約0.1μSvの放射線の影響がある。

ほとんどの食べ物にはカリウムが含まれており、
放射線の影響は、
天然由来だろうが、核実験や原子力施設に由来していようが、
人体への影響は同じなので、
それでセシウムも200Bq/kgを上限値としたのだと推測する。

けれど、ここには落とし穴があり、
のちに政府が100Bq/kg以下と変更したのは下記の理由のためかもしれない。

カリウムの場合、生体必須元素である関係上、
成人で約140g程度の一定量が常に体内に保持され排泄調整される。
カリウム中のK40の割合も一定であるため、
カリウムの摂食量に関わらず成人で約4000ベクレル程のK40を体内に一定に保持し続けることになる。
体内のカリウムの量は人体のホメオスタシスによってほぼ一定に保たれているため、
バナナを食べても内部線量が長期的に増えることはない。

しかしセシウムは、カリウムとは異なり人体の必須物質ではないため、
体内濃度の調整は行われず、
吸収されたセシウムの一部は不均一に体内に分布する。
よって、内部線量も増加する。

体内にとどまったセシウムが自然に排出されるのは、
100日〜200日かかる。

セシウムが含まれた食品を、
1日にどれだけ食べたらどれぐらいの放射線量を受けるのか、
体内蓄積量に安全の目安となる数値はあるのか?など、
詳しく書かれたサイトがありますのでそちらを参考にしてください。
年齢による放射線の影響の違いなども詳しく書かれています。


以上、
外部被ばくと内部被ばくの両方を合わせた被ばく量を、
実際に計算できるのが間違いないのであるが、
現実的には難しそうである。

一般的なしきい値である、年間100mSv。
これを超えない方が良いのは確かである。
というか、100mSvに達したら明らかに癌などの有意な増加がみられるわけで、
その手前の数値でも徐々になんらかの影響が出始めるということになる。

確実に健康に害のない2.4mSv〜明らかに癌などの有意な増加がみられる100mSv。

誰もがほぼ等しく自然に蓄積する2.4mSvからの積算は、
住んでいる場所、これから食べていく物、によって違いが出てくる。
そして、これらはある程度選択することによって調整可能なものでもある。

そして、どのあたりから体に異変が起き始める数値なのかは、
個々人の、体力、自然治癒能力、代謝力、に大きく左右されると思う。
年間10mSvで甲状腺に異常をきたす人もいれば、
年間99mSvでも健康そのものの人もいると思う。

あとは、
・成長著しい子供であるか
・これから結婚して子供を作ろうとしている年齢なのか
(生殖器への被ばくの影響は大きいため)
・家族に対して責任ある立場なのかどうか
・残りの寿命

などで、どこまで体内の汚染を許すか、
が個人個人で変わってくると思う。


私自身の今の気持ちとしては、
放射線の影響はほぼ受けたくない、という気持ちなので、
年間、3.4mSv~5.0mSvを目安にしておきたいなと思っている。

内訳はこう。

<外部被ばく>
自然放射線2.4mSv(一部自然由来の内部被ばくを含む)

核実験や原子力施設に由来する放射線0.7mSv
(線量計で積算した数値からの目算)

のびしろ(計ることのできない核実験や原子力施設に由来する放射線)

<内部被ばく>
セシウム50Bq/kgを汚染限度として、
一日1.5kg想定の食事を1年間続けた場合の0.355mSv
(この値の計算方法はこちらのサイトから)

のびしろ(計ることのできない呼吸による体内摂取分)

外食や加工食品など、
セシウムのベクレル数を確認することのできない食事もあるので、
気をつけていても、実際にはもっと積算すると思う。


そして、一発レッドカードで、
摂取したらしきい値100mSvも超えるかもしれない、
ストロンチウムとプルトニウムに関しては、
もう宝くじのようなものだと思うしかない。

”当たらない”ようにすべて避けようと思ったら、
・牛乳に関しては国産はすべて、
・牛肉に関しては、全頭検査していないもの、
・野菜に関しては、北海道をのぞいた中部・関東以北のもの、
・魚に関しては、回遊魚と深海魚、
という感じでざっくり食べないようにするしかない。

これについては、
風評被害もあるだろう。
けれど、しっかり数値で出されれば風評被害でなくなるのは確かだ。
その数値が確認できるまでは、個人個人の自己責任である。

なので、食べるも、食べないも、
どちらが良いとも悪いとも判断できる類のものではない。

カロリーのように、
しっかりと数値で示されるようになり、
年間の被ばく量が2.4mSvから100mSvの幅のどこらへんに大体自分がいるのか、
推測できるような世の中になるとありがたい。
 2012/11/10 16:18  この記事のURL  /   / トラックバック(0)


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プロフィール
芹澤 絵美(せりざわ えみ)
スタイリスト。静岡県生まれ。文化服装学院流通専門課程卒業。サンプロデュース入社。2000年に独立。東京コレクションをはじめ、様々なショーを手がける。その後、雑誌・広告等、撮影方面にも幅を広げている。
現在はニュージランドで暮らし、スタイリストは休業中。

芹澤 絵美  プロフィール
芹澤 絵美のスタイリングはこちら
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