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箱の中での9日間


久しぶりに沼津に帰ってきた。

3/19〜とある巨大なショーのために、
連日東京に寝泊まりし、
その準備にあたっていた。

このショーについては、
終了するまでは一切情報をもらしてはいけない、
というお達しだったので、
時間もほとんどなかったということもあったけれど、
ブログも、ツィッターも、FBも全部控えていた。

そのショーとは、
3/22、23に新宿御苑で行われた、
CHANEL 2012 オートクチュールコレクションである。

パリと同じ規模のショーが、海外で行われるのは日本が初めて、
ということで、
私も、一生に一度のイベントだな、と思ってこの仕事に挑んだ。

コレクション点数61点、
モデル人数61人、
一人1点の贅沢なショーだ。
モデルも、60人は海外からの招聘で、
1名だけ日本でキャスティングした。
この61名中、ただ一人の日本人は、CHIHARU。
あとは若手のそうそうたるメンバーばかり。
彼女が着る衣装が決められ、
その他、9カ所ほどパリとは違うモデルに当て込まれたので、
そのモデルたちのフィッティングも前日行われた。

パリからはプレミア・アトリエ・スタッフと呼ばれる、
実際にオートクチュールを製作しているアトリエのボスが3人来日し、
お直しや、アイロンがけも彼女たちが行った。

2004年の「サイン・シャネル」という、
オートクチュール製作現場に密着したDVDにも登場されていたので、
なんだか憧れのスターに会ったような気分になった。

デザイナーのカール・ラガーフェルド氏は、
いつもは黒い服だけれど、今回のコレクションは青がテーマなので、
濃紺のベルベッドのロングジャケットを着用されていた。

彼が本番直前にバックステージに登場した瞬間、
空気ががらっと変わるのを感じた。
緊張感が溢れるのではなく、みんながエキサイティングになり、
華やかになったという感じ。
楽屋の半ばまで入っていき、パリのスタッフやモデル達と会話を交わし、
ステージ直前に設置してあるモニターの前に座られた。

かくして、
ブログでは書ききれない、
さまざまな苦労がそれぞれの部署であったようだけれど、
日本で初めてのCHANELオートクチュールコレクションは、
圧巻のフィナーレとともに無事に終わった。


海外ブランドの来日ショーのお仕事の時は、
私はスタイリストではなくなる。
すでに本国で発表されたものなので、
スタイリングする要素がほぼ無いから。
やることは、
カルネとして日本に通関してきたコレクションを、
指輪一つに至るまで、ショーの終わりまでしっかり管理し、
また本国、あるいは次の国に送り出すこと。
同時に、バックステージ全般を管理することが仕事である。

ショーの前後には、
雑誌への貸し出しがあったり、
とかくコレクションが移動しやすい。
それら500点前後のコレクションが、
常にどこにあるかを把握し、数を確認し、
さまざまな人が出入りするバックヤードで、
破損や盗難がないように警備をつけてもらい最後まで守る。

今回は、パリのスタッフとともに、
新宿御苑内、フランス式整形庭園前に造られた、
巨大なグレーの箱の中に5日間缶詰で、
ショーの準備にあたっていた。

写真の箱の中で5日間、
銀座のシャネル本社ビルの箱の中で4日間、
計9日間を、
ラグジュアリーな箱の中で過ごした。

箱の中と外とのギャップがとてもあり、
何か別の世界にトリップしているような感覚だった。

オートクチュールは、
日常とかけはなれた世界を造りだしている。
そんな素晴らしく特別なお洋服とともに過ごした9日間だった。

すべてのスタッフに感謝。
誰一人欠かすことのできない現場で、
素晴らしいお仕事が一緒にできて光栄でした。
ありがとう。




 2012/03/29 09:02  この記事のURL  /   / トラックバック(0)


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プロフィール
芹澤 絵美(せりざわ えみ)
スタイリスト。静岡県生まれ。文化服装学院流通専門課程卒業。サンプロデュース入社。2000年に独立。東京コレクションをはじめ、様々なショーを手がける。その後、雑誌・広告等、撮影方面にも幅を広げている。
現在はニュージランドで暮らし、スタイリストは休業中。

芹澤 絵美  プロフィール
芹澤 絵美のスタイリングはこちら
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